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2020年6月25日木曜日

2020年バークシャー株主総会(32)89歳の楽観的な見方

ウォーレン・バフェットはバークシャー・ハサウェイの株主総会をつかって、誰に対してスピーチをしているのでしょうか。それは第一に既存株主であり、第二に将来株主になり得る人たちだと想像します。そして彼はなぜスピーチをするのでしょうか。それは、彼とチャーリー・マンガーの仲間である株主の幸せを願っているからだと想像します。もうすぐ90歳になる大先輩がそのような想いで語りかけてくれていると考えなおせば、繰り返しのような今回の文章も、少しちがった心持ちで受けとめられるかもしれません。前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

<ウォーレン・バフェット> しかしわたしの考えでは、普通株に取り組む場合にだけ根本的に有利な点があります。わたしは残りの人生をアメリカに賭けるつもりですし、バークシャーを引き継いでくれる人にもそうしてほしいと願っています。わたしどもは2つの異なるやりかたをとっています。ある企業全体を買収するやりかたと、企業の一部を買うやりかたです。

そして強調したい点が..、いくつかの数字をお伝えしたいと思います。第1四半期の当社の事業活動につながるものです。また4月に実施したこともお話しします。わたしどもは、自分たちが理解できると思える事業を選ぶようにしています。ですから、S&P500は買いません。できれば企業全体を買収したいのですが、そういう機会はめったにありません。最上の企業がまるごと売りに出される例は、ほとんど見られません。

しかし企業のわずか一部しか買えないからといって、わたしどもが気に病むことはありません。むしろ、すばらしい企業の6%から8%でも保有できれば御の字です。本質的には、その企業を保有するパートナーシップの持分とみなしています。そして市場流通証券の形で機会を得ることで、実際に購入しています。ときにわたしどもは、他所よりも多くの機会に恵まれることがあります。

そういったことと併せて、アメリカに賭けることの意義をみなさんに納得して頂ければと思います。「今こそ株を買うのにふさわしい時期だ」とは言っていません。もしも「ふさわしい」という言葉が「上がる」という意味であり、「下がる」ではないとお考えであれば。明日どうなるのか、来週どうなるのか、来月・来年にどうなるのか、わたしにはわかりません。しかしわかるということが何なのかよくわかりたいと思いますが(微笑)、それはともかく、代表的な企業を買うことで20年後・30年後には見事な成果をあげられると思います。それは「89歳の人間がとるたぐいの、楽観的な見方だろう」と思う人がいるかもしれません(笑)。しかしみなさんには是非とも、「企業を保有するパートナーシップを買う」という考えに基づいて株式を買って頂きたいと思います。どうか、上下に動き回る手駒のようには考えないでください。

(Warren Buffett 01:22:44)

But you are dealing with something fundamentally advantageous, in my view, in only common stocks. I will bet on America the rest of my life. And I hope my successors at Berkshire do it. Now, we do it in two different ways. We do it by buying entire businesses, and we buy parts of businesses.

(Warren Buffett 01:23:09)

And I would like to emphasize that... Well, I'd like to give you a few figures that will tie in from our activities in the first quarter and also what we've done in April. We are not right about... We do try to pick the businesses that we think we understand. We don't buy the S&P 500. And we like to buy the entire businesses when we buy them, but we don't get a chance to do that very often. Most of the best businesses are not available for sale in their entirety.

(Warren Buffett 01:23:53)

But we don't mind in the least buying partial interest in businesses. And we would rather own 6% or 7% or 8% of a wonderful company and regard it as a partnership interest, essentially, in that company. And then we get an opportunity to do that through marketable securities. And sometimes we get more opportunities than others.

(Warren Buffett 01:24:24)

And with that, I hope I've convinced you to bet on America. Not saying that this is the right time to buy stocks if you mean by "right," that they're going to go up instead of down. I don't know where they're going to go in the next day, or week, or month, or year. But I hope I know enough to know, well, I think I can buy a cross section and do fine over 20 or 30 years. And you may think that's kind of, for a guy, 89, that that's kind of an optimistic viewpoint. But I hope that really everybody would buy stocks with the idea that they're buying partnerships in businesses and they wouldn't look at them as chips to move around, up or down.

蛇足になります。ウォーレンはスピーチの初めのほうで、米国史における数々の試練に触れてきました。そして今回の投稿で取り上げた文章には、それらと照応している部分があると感じました。その言葉の重さがどの程度の確率でどの程度の影響を及ぼすのか、うまく想像できませんが、個人的には気が滅入ってくる文章でした。

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