我が家では住居費を節約できていないので、ほとんどご参考にはならないかと思いますが、心掛けている点を挙げると「持ち家ではなく、ほどほど郊外の賃貸団地に住む」になります。金銭面で満足しているのは、礼金・更新料が不要、火災保険が強制でない、それから借金を負っていない点も挙げられます。
今回は「継続的な蓄財」という観点で持ち家と賃貸を比較試算してみます。
諸経費・税金を考慮していない等、粗い精度ですので、概要を把握する程度のものです。
■持ち家
モデルケースとして「頭金なしで、3500万円のマンションを購入」する例を挙げます。
住宅ローンの条件は次の通りです。
・(返済期間)30年
・(返済方法)元利均等返済
・(ボーナス返済)なし
・(金利)2.4%固定(フラット35)
この条件だと、毎月のローン返済額は13.5万円になります。修繕費積立を含めて15万円(a)ぐらいの支出でしょうか。ローン返済額は分解すると、(利息分)+(資産増加分)になります。自分の純資産に追加されるのは、あくまでも13.5万円の一部です。
では、10年後には不動産としての純資産はいくらになっているのか。
ローンシミュレーションによれば、10年後のローン残高は2,500万円となります。不動産の買値からローン残高を引くと、1,000万円(=3,500-2,500)となります。
ただし、劣化等で価値が10%下がっているとし、その分を差し引きます。
3,500*0.1 = 350万円が価値低下分となり、純資産は650万円(1,000-350)程度となります。
10年間で650万円ということは、単純計算で1年間で65万円です。月あたり5.5万円(=65 / 12)(b)ずつ資産形成されていくことになります。
持ち家の最大の利点は、低金利で借金ができることです。米国債30年物でも
3%強の利率です。低利の固定金利で借りた後に金利が上昇してくれれば、最高のシナリオです。
■賃貸
(a)15万円-(b)5.5万円=9.5万円の家賃で暮らせば、持ち家並みの資産形成ができます。
しかし、持ち家と同等の居住環境を望むのであれば、もっと家賃が高くなり、資産に回せる現金は小さくなると思われます。
賃貸生活の最大の利点は、資産が流動的な点です。機会を捉えて株式等に投資できれば、リターンを大きくできます。つまり、毎月の資産形成の速度が遅いかわりに、機会を待つ権利を持ち続けられることになります。
■おわりに
現在の金利状況では持ち家に歩があるように見えます。が、個人的には、当面は賃貸団地生活を続けていくつもりです。
なお、上記の比較では当初10年間をとりあげました。金利動向や世の中が将来どうなるのか、予測できる自信がありません。この程度でご了承ください。
持ち家と賃貸のコスト比較を初めて意識させてくれた本は『
ゴミ投資家のための人生設計入門』でした。これも10年ぐらい前に出会った本です。誰にでもお勧めできるわけではありませんが、個人的には目を開かせてくれた一冊です。
(2012/2/26追記)コメント欄にis様より追記情報を頂いております。そちらもご参照ください。