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2011年10月29日土曜日

優良ファンド・マネージャーの言葉(ドナルド・ヤクトマン)

アメリカのバリュー・ファンド・マネージャーの中には、投資スタイルのお手本となる人が何人かいます。今回のヤクトマン氏は名前を目にしたことがある程度でしたが、おもしろいコメントがありましたのでご紹介します(日本語は拙訳)。米ブルームバーグの記事Yacktman Defies Demise of Stock-Picking Eraからの引用です。

Yacktman Focusedファンド(ティッカーコード:YAFFX)の2011年の成績は5.2%増である(訳注:10月25日の記事)。これは大型株バリューファンドのトップ4%に入る。10年以上にわたって年率13%のリターンを挙げており、同種のファンド500本の中で最高の成績を誇る。また旗艦ファンドYacktman Fund(YACKX)のほうは12%のリターンをあげ、2位につけている。

ヤクトマンは株式を評価する際に、1997年にファンドを設立して以来、同じ手法をとってきた。彼が見定めるのは、購入時の株価に対して企業がどれだけのキャッシュをうみだすかという点である。経済全般に関しては「話題にするのは楽しいが」、投資先を決めるにはほとんど役に立たないとする。景気がどうなるかを予測するのは難題だからだ、と言う。

自身の方針を貫いたことで、1990年代の後半には不遇の目にあった。テクノロジー銘柄を割高と判断し、買わなかったからだ。1999年のファンドの成績は22%の評価損となった。対するS&Pが21%上げた年のことだ。

テクノロジー銘柄の2社、マイクロソフト(MSFT)とシスコ(CSCO)は、現時点でファンドの組入上位に入っている。

彼は言う。「10年前の時点で、いずれあなたのポートフォリオにその手の株が組み入れられますよと言われたら、そりゃあ笑ったでしょうな」

Yacktman Focused rose 5.2 percent in 2011, better than 96 percent of large-cap value funds, Morningstar data show. Over 10 years it returned 13 percent annually, the best showing among more than 500 comparable funds. The firm’s flagship Yacktman Fund ranks second with an average gain of 12 percent.

Yacktman has used the same method to evaluate stocks since opening the Focused fund in 1997. He estimates how much cash a company will produce relative to what he has to pay for it per share. Macroeconomic issues are “fun to talk about” while offering little use in deciding which stocks to own because forecasting the economy’s future is too difficult, he said.

Yacktman’s approach hurt him in the late 1990s when he refused to buy technology stocks he considered overpriced. The fund lost 22 percent in 1999, compared with a gain of 21 percent for the S&P 500 Index.

Two tech names, Microsoft Corp. (MSFT) and Cisco Systems Inc. (CSCO), are among the fund’s biggest holdings today.

“If someone had told me 10 years ago that these stocks would be in my portfolio I would have laughed,” Yacktman said.


マイクロソフトの株価の安さには私も惹かれ、今年の2月から買い続けています。同社の分析はブログ「バリュー×グロース株に集中投資」(vol.42)Microsoft corporationで取り上げられていました。ブログタイトルの通りの好記事です。同社はスマートフォンやタブレットPCでは出遅れていますが、エンタープライズ系ビジネスの優位性は容易には揺るがない、と私も捉えています。

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