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2011年11月14日月曜日

チャーリー・マンガーのMultiple Mental Models

チャーリー・マンガーは知恵の深さではウォーレン・バフェットをしのぐとされていますが、投資における彼の洞察力がどこからうまれているのか、とても興味深いものです。いつもと同じように「Poor Charlie's Almanack」からの引用で、今回はMultiple Mental Modelsについてです。日本語は拙訳で「多面的メンタルモデル」と訳しました。

マンガーの説く、ビジネスを分析評価する際の「多面的メンタルモデル」アプローチとは

チャーリー・マンガーの投資手順は、ほとんどの投資家が行うような基本的なやり方とは大きく異なる。型どおりに企業の財務分析を行うのではなく、チャーリーは包括的な分析を行うのだ。候補企業の内部で行われている諸活動だけでなく、企業活動を包含する広範で統合的なつながり(「エコシステム」)をも、分析対象とする。そのような自身のやり方をさして、彼は「多面的メンタルモデル」と称している。(中略)情報を収集・加工・活用する際の枠組みとして使われるそれらモデルは、各種の伝統的な学問分野から借用している。歴史学、心理学、生理学、数学、工学、生物学、物理学、化学、統計学、経済学などである。また借用してきたツール、手法、公式は互いに連携しあっている。チャーリーの投資分析におけるエコシステム的アプローチの肝心かなめな点は次の通り。「あらゆるシステムが複数の要素から成り立っているのと同様に、システムを理解するには様々な学問分野で登場する様々なモデルをうまく当てはめることが必要になる」。作家ジョン・ミューアが自然界における相互関連を見出して曰く、「何かをとりあげてみても、結局はこの世界のあらゆるものと繋がっているわけだ」

Munger's “Multiple Mental Models” Approach to Business Analysis and Assessment

Charlie's approach to investing is quite different from the more rudimentary systems used by most investors. Instead of making a superficial stand-alone assessment of a company's financial information, Charlie conducts a comprehensive analysis of both the internal working of the investment candidate as well as the larger, integrated “ecosystem” in which it operates. He calls the tools he uses to conduct this review “Multiple Mental Models.” These models, discussed at length in several of the Talks(especially numbers Two, Three, and Four), serve as a framework for gathering, processing, and acting on information. They borrow from and neatly stitch together the analytical tools, methods, and formulas from such traditional disciplines as history, psychology, physiology, mathematics, engineering, biology, physics, chemistry, statistics, economics, and so on. The unassailable logic of Charlie's “ecosystem” approach to investment analysis: Just as multiple factors shape almost every system, multiple models from a variety of disciplines, applied with fluency, are needed to understand that system. As John Muir observed about the interconnectedness of nature, “When we try to pick out anything by itself, we find it hitched to everything else in the universe.”

4 件のコメント:

  1. == No title ==
    「投資参謀マンガー」の巻末の
    ??、チャールズ・T・マンガーの講演原稿 学際的なスキル──教育的示唆
    ??、実際的な思考についての実際的な思考とは?
    の2項目で似たようなことをチャーリーは言ってますね
    ??項目目では、学際的な見地に立つことの重要性、実績、有用性。
    ??項目目では、実際にさまざま学問(ここでは心理学、生理学、経済学など)の基本的概念を駆使して、新規事業の資本金200万ドルをどのようにして2兆ドルに殖やすかを架空の人物「グロッツ」にプレゼンしてます。

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  2. == raccoonさん、ありがとうございます ==
    コメント頂きまして、どうもありがとうございました。
    ご指摘の「投資参謀マンガー」は、マンガー・ファンとしては必携の本ですね。残念ながら、私は図書館で読んだきりで、購入していませんでした。チャーリーが自説を具体例で示す機会は限られているので、2項目目のCoca Cola社の説明は貴重ですよね。
    蛇足になりますが、ご指摘の両項目はPoor Charlie's Almanackに原文のまま収録されています。同書にはチャーリーの講演が11本入っているだけでなく、revisedされているのが魅力です。
    チャーリー・マンガーの話題は今後も取り上げていくつもりでおります。raccoonさんには、今後もご指摘やご指導を頂ければと願っております。

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  3. == No title ==
    チャーリーのことを詳しく書いてるブログが少なくてさびしいと感じていたときにbetseldomさんのブログを発見・・・!betseldomさんのブログはとてもわかりやすく、とてもためになり、とても貴重なブログだと感じました。今後もチャーリーの話題を取り上げてくれるということなのでとてもワクワクしてます。
    若さゆえの脊髄反射的な書き込みをしてしまい、betseldomさんのブログをコメント欄で汚すかもしれませんが、微力ながら、私のできる範囲で手助けできたらと思います。

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  4. == 過分なコメントを頂き、ありがとうございます ==
    察するに、raccoonさんは当方よりお若いのかもしれませんが、私など及ばない聡明な方とお見受けします。チャーリー・マンガーには欠点もありますが、彼の長所や見識はそれを遥かに超えています。少しでも彼の教えを身につけたいと思ってはいるものの、道は険しいです。raccoonさんのような方にご助力を頂ければ、本当にありがたいことです。今後とも、どうぞよろしくお願い致します。

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