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2012年10月17日水曜日

いくつのモデルが必要なのか

世知に長けた人間になるには、いくつのモデルを習熟すればよいのか。チャーリー・マンガーは100種類かそこらだとしており(過去記事)、その中でもほんとうに重要なものはひとにぎりだと言っています。この「100」という数字が気にかかっていたのですが、いま読んでいる本『失敗百選』で関連する話題がでていたのでご紹介します。なお本書の副題は「41の原因から未来の失敗を予測する」です。

失敗百選を作るならば、頻発する事故に共通であるシナリオ共通要素の数、つまり共通点の分類項目の数として、いくつぐらいが最適であるか、という問いに答えなければならない。そこで筆者は50個から100個までの値を考えた。(p.16)

記憶していた100件程度のデータから自分の課題に適するものを選んで、実際に有効に使用できる人もいるのである。(p.6)

能や琴、落語のような、一子相伝あるいは師匠からの免許皆伝の伝統芸能では、いくら名人でも脳のなかで活性化している出し物は、多くて200個程度だそうである。これが凡人だと20個程度に減少するらしい。100個を記憶する数として設定することは、あたらずといえども遠からず、でおかしくはなかろう。(中略)

なお、後日談であるが、エンジニアの友達に100個の多さを非難されて、自分も使ってみると確かに100個は多すぎることがわかった。法学者が百選を扱えるのは司法試験を合格する人がとびぬけて上等だからであろう。それでも、それを合格した弁護士でさえ実際には、貸借契約、離婚、相続、少年犯罪、特許係争というように得意分野が細分化されるので、百選も必要ないらしい。そこで本書は41個に絞った。(p.17)

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