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2015年9月24日木曜日

なぜバリュー投資家はちがうのか(セス・クラーマン、1999年)

ヘッジ・ファンドのボスであるセス・クラーマンは本ブログで何度もとりあげています。今回からのシリーズでは、彼が1999年2月15日付で米経済誌バロンズへ寄稿した記事をご紹介します。おもにウォーレン・バフェットをとりあげたエッセイです。(日本語は拙訳)

なお原文ですが、Googleで以下のキーワード検索をすると、バロンズの記事が無料で読めることもあります。またスキャンしたPDFファイルを掲載したサイトもみつかります。

Why Value Investors Are Different - Barron's

ウォーレン・バフェットが50年以上にわたる(そして現在も継続中の)華々しい投資人生でみせてきた最も劇的かつ価値ある教訓とは、1973年から75年の弱気相場の最中に揺らぎない確信を抱いた、今や伝説として語り継がれている顛末だ。彼は1973年になる前に「ワシントン・ポスト社のような企業の株価には、株式が代表している事業そのものの価値の一部分の値段しかついていない」と正しくも見抜いていた。そしてワシントン・ポスト社全体を買収するためならば、当時つけられていた株価の数倍の資金を出す幾多の買い手がいるはずだ、とバフェットは感じていた。しかし同社は創業者一族によって支配されており、売りに出されてはいなかった。バフェットは格安の値段で同社の少数株主の地位を占めることができた。しかし、価値と価格の溝を埋めるように強いることはできなかった。そのため彼は、市場環境が改善され、かつまたは経営陣が事業を成功裏に運営し、株主にとって最良なる務めを果たした後に結果が出るまでの期間を待たねばならなかった。

バフェットにとって幸運だったのは、ワシントン・ポスト社や魅力的な値段になっていた他の企業の株価が、1973年の格安の水準から上昇しなかったことだ。実のところ、その後2年間にわたって容赦ない下落に見舞われ、その規模の大きさゆえに好機が拡大した。バフェットの伝記を書いたロジャー・ローウェンスタインは次のように記している。「巨大店舗の通路で掃き集める[株を買うの意]バフェットの印象ときたら..、市場が下落すると、彼は急げるだけ急いでかき集めた」

The most dramatic and valuable lesson from the fabulous (and still counting) 50-plus-year investment career of Warren Buffett is the legendary account of his steadfast conviction amidst the 1973-75 bear market. He had correctly identified by 1973 that the shares of companies such as the Washington Post were selling for but a fraction of the underlying business value represented by those shares. He observed that numerous buyers would readily pay several times the prevailing market price of Washington Post stock to acquire the entire company, but it was controlled by the founding family and not for sale. Buffett could acquire a minority interest in the business at a bargain price, but he could not force the valuation gap to close. For that, he was dependent on the passage of time to result in improved market conditions and/or on the behavior of management to successfully run the business and to act in the best interest of shareholders.

Fortunately for Buffett, the shares of Washington Post and other attractively priced companies failed to rise from 1973 bargain levels and in fact proceeded to relentlessly decline over the next two years, enhancing the opportunity by orders of magnitude. Roger Lowenstein, in his biography Buffett, describes the "impression of Buffett sweeping down the aisles of a giant store [buying stock]... . As the market fell, he raced down the aisles all the faster."

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