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2015年9月10日木曜日

USCグールド・ロースクール卒業式祝辞(チャーリー・マンガー)

今回から始まるこのシリーズでは、チャーリー・マンガーの講演などを収録した『Poor Charlie's Almanack』から講演その10(Talk Ten)を全訳でご紹介します。南カリフォルニア大学のロースクールを卒業する学生に向けた祝辞ですので、ハーバード・ロースクールを卒業して弁護士として活躍していたチャーリーにはもってこいの聴衆です。

なおインターネット上でトランスクリプトをさがしたところ、以下のサイトにも掲載されていました。ここで紹介するものと細部は異なっていますが、大筋は同じだと思います。

Charlie Munger – USC Law Commencement Speech (genius.com)

南カリフォルニア大学グールド・ロースクール卒業式祝辞
2007年5月13日

さて、この場におられるみなさんの中には、「ずいぶんと年を取った話し手が出てきたものだ」と考えておられる方がたくさんいるに違いないと思います(聴衆笑)。そのわけははっきりしています。まだ死んでいないからです(聴衆笑)。なぜこの演者が選ばれたのか。それは私にもわかりません。校友関係を担当する部署が何もしなかったからと考えておきましょう。

理由がどうであれ、後方の席にはローブを身に着けていない年配の方々が大勢臨席なさっていますから、私が話をするのもぴったりかと思います。前側の席におられるローブを来た学生のみなさんは、本日こうして栄誉を称えられることになります。私もたくさんの子や孫を教育しましたが、まさに彼らも同じことに値する者たちでした。献身や叡智そして資産移転は、ある世代から次の世代へとなされるものですが、そのことには常々感謝すべきだと思います。私からみて左側にはアジア系の人たちが大勢おられます。これも喜ばしいことです。私は孔子の教えをずっと称賛してきました。「孝(あるいは孝行)」という彼の思想を気に入っています。それは教え教わるものであり、おのずと生じる義務でもあります。「孝」という概念は次の世代へと受け継がれるべきでしょう。その思想に意義を感じない方がいたら、思い返してみてください。アジア系の人たちがアメリカ社会でどれだけ急速に台頭してきたかを。「孝」の思想には有意義なところがあると私は考えています。

さて今日は、書きつけておいた文章のいくつかは消したものの、私にとってうまくいった考えや姿勢について説明したいと思います。だれにでも完璧にうまくいくとは望んでいませんが、その多くは普遍的な価値を持つとともに、「失敗しようのないもの」だと申しておきます。

USC Gould School of Law Commencement Address
The University of Southern California
May 13, 2007

Well, no doubt many of you are wondering why the speaker is so old. (Audience laughs.) Well, the answer is obvious: He hasn't died yet. (Audience laughs.) And why was this speaker chosen? Well I don't know that. I'd like to think that the development department had nothing to do with it.

Whatever the reason, I think it's fitting that I'm speaking here because I see a crowd of older people in the rear, not wearing robes. And I know, from having educated an army of descendants, who it is that really deserves a lot of the honors that are being given today to the robe-wearing students in front. The sacrifice, and the wisdom, and the value transfer, that come from one generation to the next should always be appreciated. I also take pleasure from this sea of Asian faces to my left. All my life I have admired Confucius. I like the idea of "filial piety", of ideas that are taught and duties that come naturally, that should be passed onto the next generation. You people who don't think there's anything in this idea, please note how fast these Asian people are rising in American life. I think they have something.

All right, I've scratched out a few notes, and I'm going to try and just give an account of certain ideas and attitudes that have worked well for me. I don't claim that they're perfect for everybody. But I think many of them contain universal values and many of them are "can't fail" ideas.

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