ot

2015年2月8日日曜日

ウォーレン・バフェットから学んだこと(セス・クラーマン)

ヘッジファンドのマネージャーであるセス・クラーマンの記事が英経済紙Financial TimesのWebサイトに掲載されていたので、ご紹介します。題名に示したとおり、クラーマン氏がウォーレンから学んだ教えを12項目あげています。特に新しいものはありませんが、二重のフィルターを通過したという点が重要だと思います。(日本語は拙訳)

なお同じ記事がCNBCにも転載されていたので、そちらのリンクを挙げておきます。(こちらは随時無料ですが、FTのサイトは制限付きです)

Seth Klarman: What I've learned from Warren Buffett (CNBC)

1. バリュー投資のやりかたが通用すること。割安なものを買えばよい。

2. 事業や人の資質にこだわること。すぐれた資質の事業であれば、成長して累積的にキャッシュフローをうみだす可能性が高い。質の低い事業は浸食されがちなので、すぐれた経営者、つまり特定したり呼び寄せたり残留させるのが難しい人物がいても、会社を救うには至らないかもしれない。パートナーとしてみつけるべき経営者は有能であることが欠かせず、また彼らの狙いが自分のものと連携できる人物であること。

3. 手広く分散させる必要はないこと。「生涯で使えるパンチカードは1枚かぎり。1件投資すれば穴を1つ開け、その回数は20回まで」のように投資すること。ひろく機会を求めること。それは世界のどこかでみつかるかもしれない。予想外の産業や構成の中にあるかもしれない。

4. 一貫して振る舞うこと、そして辛抱できること。これらは決定的な要素である。ほとんどの投資家にとっての最悪の敵とは、自分自身である。辛抱しつづければ、累積的な効果が得られる。

5. リスクとは、価格変動(ボラティリティー)と同じことではない。リスクとは、払い過ぎたり、企業の将来性を過大評価した時に生じるものである。価格は価値よりも大きく変動するため、価格が変動することで機会が生じ得る。価格下落から身を守るためには、ある程度の価格上昇は犠牲にすること。

6. かつてない出来事は周期的に起こるものだから、それに備えておくこと。

7. 投資で失敗しても、それを糧にできる。

8. 機会がないときに現金のままでいるのは、理にかなっている。

9. 形式ではなく中身を重視すること。投資対象が公開企業か非公開企業かは問題ではない。同じように、保有するのが一部なのか全部なのかは問題ではない。債券、優先株、あるいは普通株、投資先がどれでもかまわない。

10. すなおに振舞えること。あやまちをみとめて、きっぱりと行動に移すこと。そして、あやまちから教訓を得ること。上手な文章を書くことは思考を明瞭にしてくれる。それは自分だけでなく、僚友たる株主にとっても同じである。

11. (運用者や投資家が)短期的な成績を求める圧力に縛られないために、見解を同じくする株主をみつけて維持するように努めること。

12. 道は好む所によって安し。[好きなことを仕事にすれば、苦役と感じることはない]

1. Value investing works. Buy bargains.

2. Quality matters, in businesses and in people. Better quality businesses are more likely to grow and compound cash flow; low quality businesses often erode and even superior managers, who are difficult to identify, attract, and retain, may not be enough to save them. Always partner with highly capable managers whose interests are aligned with yours.

3. There is no need to overly diversify. Invest like you have a single, lifetime "punch card" with only 20 punches, so make each one count. Look broadly for opportunity, which can be found globally and in unexpected industries and structures.

4. Consistency and patience are crucial. Most investors are their own worst enemies. Endurance enables compounding.

5. Risk is not the same as volatility; risk results from overpaying or overestimating a company's prospects. Prices fluctuate more than value; price volatility can drive opportunity. Sacrifice some upside as necessary to protect on the downside.

6. Unprecedented events occur with some regularity, so be prepared.

7. You can make some investment mistakes and still thrive.

8. Holding cash in the absence of opportunity makes sense.

9. Favour substance over form. It doesn't matter if an investment is public or private, fractional or full ownership, or in debt, preferred shares, or common equity.

10. Candour is essential. It's important to acknowledge mistakes, act decisively, and learn from them. Good writing clarifies your own thinking and that of your fellow shareholders.

11. To the extent possible, find and retain like-minded shareholders (and for investment managers, investors) to liberate yourself from short-term performance pressures.

12. Do what you love, and you'll never work a day in your life.

0 件のコメント:

コメントを投稿