バークシャー・ハサウェイの持ち株状況(13F-HR)が2月17日に更新されています(EDGARの検索結果)。ウォーレン・バフェットはIBMを買い増ししていました。持ち株の増加数は約650万株、取得金額はたとえば11億ドル程度かと予想します(期間中の最高株価190ドルと最低株価150ドルの中間である170ドルで取得したと仮定)。実際には暴落した10月20日あたりで購入したでしょうから、もう少し安かったものと思われます。なお、前回期間から株数が増加した割合は1割程度です。
一方の売却株で目についたのはエクソン・モービル(XOM)です。こちらは全株(約4100万株)を処分しており、売却金額は37億ドル程度です(IBMと同様、最高株価97ドルと最低株価86ドルの中間である約91ドルで売却と仮定)。
100年を超える歴史、豊富なキャッシュを稼ぎ出すビジネスモデル、積極的な株主への還元姿勢など見るべきところは多くとも、近年の低調な株価や事業変革の手間取りなどで市場からの評価は芳しくないIBMですが、そんな中でも悠然と買い増しをしてきたところにバフェットの凄さを感じます。
返信削除今後のパフォーマンスはIBMの業績次第ですが、伝記の中で語られていたような場面にリアルタイムで遭遇しているかもしれないと考えると、これからの成り行きが楽しみですね。
IBM BRKB XOM について
返信削除IBMは私の持ち株のうち最大の投資額ですが、現状では含み損です。
一方BRKBは、IBMの2分の1以下の投資額でしたが、今では所有株式中での最大の時価となっています。
XOMは投資時点の投資事由を読み返した結果、保有継続との結論となっています。
XOMのこれまでの実績は申し分ありませんが、市場での分析は悲観的なものが多いようです。
これからどうなるのか楽しみです。
匿名さん、コメントをどうもありがとうございました。
返信削除内容を拝見し、規律を重んじた投資を心がけていらっしゃると感じました。各銘柄に対するご見解は、ありがたく参考にさせて頂きます。
おはなしにあげられた3銘柄について雑多な話題になりますが、少しばかり私見を申し上げます。
所有株式中最大時価のものがバークシャー(BRK.B)ということで、うらやましく感じるところもあります。わたしもBRK.Bを保有していますが、おもに下落局面で買い増ししました。そのため常に次の下落に備えていたことで、思い切った株数まで買えませんでした。ポートフォリオ中の時価評価額では上位8番目なので、影響度は小さいものにとどまっています。
バークシャーがIBMに投資する様子をリアルタイムで観察できるのも興味深いですが、BNSFやMidAmerican Energyといった事業も楽しみです。これらの事業に投下されている資産は順調に増加しています。利益としてまだ実現していないものの、これらの実体資産は株式ポートフォリオの評価額と同水準にあり、最大の資産効率で利益をあげはじめるときが待ち遠しいです。
つぎにIBMですが、全社的事業再編の最終段階に入ったようですし、市場もそのように評価しているようにみえます。ハードウェア部門や半導体部門が整理され、クラウド・ビジネスを買収展開し、ソフトウェア・ポートフォリオを充実させ、ワトソンに目途がつきました。残るのは余剰人員の問題かと想像します。イェッターが日本から本社へ召還されたこともきっかけとなり、これから大掃除が始まるのではないでしょうか。そうなれば当社は大量に血を流すことになりますが、「それを乗り越えて"Knowledge Business"の企業へと是が非でも移行しよう」、経営陣はそう考えているように思えます。個人的には、当社株を買う時期としてもう一段下の機会を待っているのですが、ウォーレンがそれを阻んでいるのかもしれません。
最後がエクソン・モービル(XOM)です。ウォーレンが当社を売却した理由は、この業界は相対的に不確実性が高いことが再確認できたためと想像します(欧米とロシアの政治的対立)。そしてリスク考慮後の予想利益率が高いと思われる別の機会へ資金を移したのだろう、と。そのウォーレンに逆らうわけではないですが、個人的には当社も含めてオイル・ガス業界に注目しています。先日の当社決算発表での質疑応答で次のような発言があり、印象に残りました。
"we have very strong culture of driving those cost structures down, we have been very actively engaged with our service providers and we fully expect to capture savings in across the spectrum of our business from rig rates to labor and services as well as commodities. But I would be clear Ed that we're probably in the very early innings of this effort. There is a lot of strong reaction to the current price business climate"
(引用元) http://seekingalpha.com/article/2875416-exxonmobil-xom-q4-2014-results-earnings-call-transcript?page=5
よくあるように、業界や経済状況が悪化した時にコストダウンが進む話題です。今世紀初頭からこの業界は全般としてみれば順調に歩んできたようですが、いよいよ大掃除の時間でしょうか。しかし平時でない状況だからこそ、機会も増えるだろうと予想します。それが当社なのかどうかはわかりませんが、継続監視に値する銘柄や業界だと考えています。
どうもありがとうございました。またよろしくお願い致します。
以上になります。
>当社株を買う時期としてもう一段下の機会を待っているのですが、ウォーレンがそれを阻んでいるのかもしれません。
返信削除『スノーボール』の著者であるアリス・シュローダー氏がインタビューで「ウォーレンは四六時中投資のことしか頭にない人。そんな人物と対峙しているという現実を市場の投資家たちは理解しなければならない。」といったようなことを語っていましたが、そのときのことを思い起こしました。
ウォーレンは私のような個人投資家にとって最良の「教師」ではありますが同時に、史上最強の「敵」でもあるという当たり前の現実を忘れてはいけないのだと改めて気づかされました。
betseldomさんの記事にはいつも目を開かされるようなことばかりです。ありがとうございました。
IBM BRKB XOM の分析を頂き有難うございました。熟読致しております。
返信削除SEEKING ALPHA で、XOMの EARNINGS CALL TRANSCRIPT も読み始めました。
ご紹介有難うございました。
12月に日本で出版されました「石油の帝国」を読み終わったところです。
今後とも宜しくお願い致します。
匿名さん、 ご返信をいただき、ありがとうございました。
削除「ウォーレンは史上最強の『敵』」とのことですが、その意味でも匿名さんが採用されているバークシャーを中核銘柄とする戦略は強力なものと感じます。市場全体が低迷してバークシャーの株価も同調すれば、機を逃さずに買い増ししたいと考えています。
「石油の帝国」をご紹介くださり、どうもありがとうございます。この本のことは知らなかったのですが、ご懇意にしてくださる方(投資業界で活躍されている方です)から紹介され、急いで図書館の待ち行列に並んだ次第です。近いうちに回ってくるので、今から楽しみにしています。
匿名さんのような方に拙ブログを読んでいただけるのはありがたいことです。ひきつづきよろしくお願い申し上げます。