それでは、実際的な問題について具体的に説明しましょう。
アトランタは1884年のこと。あなたは20名ばかりの似たような人たちとともに、アトランタの一市民であるグロッツ氏の前に連れられてきました。裕福ながらも変わり者で知られたグロッツさんには、あなたと共通する点が2つありました。ひとつめは、5つの有用なるアイデアをふだんから使いこなして問題を解決していること。もうひとつは、[この講話が行われた]1996年時点に大学の全教養科目で教えられているあらゆる基礎的な概念を知っていることです。ただし、それらの基礎的概念を発見した人や具体的な事例は、いずれも1884年以前のものであり、それよりあとのことは二人とも何も知らないことになります。
さて、そのグロッツさんが次のような提案をしてきました。2百万ドル(1884年当時の金額)の資金を投資したいと考えている。株式の半分は私の慈善基金の財団で所有させてもらうが、アルコール以外の飲料事業を営む会社をつくってほしい。その事業一本で永久にやっていくつもりだ。会社の名前は「コカ・コーラ」としてほしい。どういうわけか、この名前を気にいってしまったのだ。
みなさんには自分の事業計画を説明してもらいたい。150年後の2034年になったときに、私の財団の持ち分がそのときの金額で1兆ドル以上になることをいちばんうまく説得してくれた人には、新会社の残り半分の株式を進呈しよう。ただし条件がひとつある。利益の大部分は配当として毎年支払うこと。つまり、何十億ドルもの配当を出したあとでも、新会社全体の価値が2兆ドルに達していなければならない。
さあ、あなたの出番まで15分間あります。自説を披露してグロッツさんを説得するには、どうすればよいでしょうか。
It is now time to present my practical problem. And here is the problem:
It is 1884 in Atlanta. You are brought, along with twenty others like you, before a rich and eccentric Atlanta citizen named Glotz. Both you and Glotz share two characteristics: First, you routinely use in problem solving the five helpful notions, and, second, you know all the elementary ideas in all the basic college courses, as taught in 1996. however, all discoverers and all examples demonstrating these elementary ideas come from dates before 1884. Neither you nor Glotz knows anything about anything that has happened after 1884.
Glotz offers to invest two million 1884 dollars, yet take only half the equity, for a Glotz Charitable Foundation, in a new corporation organized to go into the non-alcoholic beverage business and remain in that business only, forever. Glotz wants to use a name that has somehow charmed him: Coca-Cola.
The other half of the new corporation's equity will go to the man who most plausibly demonstrates that his business plan will cause Glotz's foundation to be more a trillion dollars 150 years later, in the money of that later time, 2034, despite paying out a large part of its earnings each year as a dividend. This will make the whole new corporation worth $2 trillion, even after paying out many billions of dollars in dividends.
You have fifteen minutes to make your pitch. What do you say to Glotz?
2013年1月18日金曜日
コカ・コーラ、私の心に響いた名前(チャーリー・マンガー)
チャーリー・マンガーの講話『実用的な考え方を実際に考えてみると?』の第2回目です。前回分はこちらになります。(日本語は拙訳)
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