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2012年7月7日土曜日

(問題)イノベーションで事業の限界をのりこえる例

投資候補の企業価値をおしはかる際には、事業の将来性を見極めようとするものです。そのとき、マーケットの大きさや価格競争、ライフサイクルなどを考えると、一事業や一製品群からの売上や収益はいずれ限界にぶつかると想定するのは、妥当な見方と思います。限界という観点でみると一見わかりやすいのが資源系の企業です。原油や天然ガスのような地下資源を扱う川上の企業となれば、限りある可採埋蔵量が企業価値に直結しています。

一方でそういった限界をのりこえる人たちは、ねばりづよい工夫をみせてくれます。彼らの努力は投資家による評価をのりこえ、新たな価値を拓きます。今回ご紹介するのは以前にもとりあげた『探求―エネルギーの世紀』からで、石油産業がITを活用して果たしたイノベーションの一例です。

石油産業の歴史を通じて、テクノロジーの発達はこれが限度で、業界の”道路の突き当たり”が見えてくるという説が、しじゅう口にされてきた。すると新しいテクノロジーが現われて、能力を飛躍的に拡大させる。その図式が何度もくりかえされてきた。(上巻 p.26)

この文につづいて、どのような取り組みやイノベーションによって限界を超えたのか、具体的に説明されています。答えのほうは次回にご紹介しますので、どんな手が打たれたのか、お考えになってみてください。本書では3つの事例が挙げられていますが、次のようなことをねらって実行されています。

1. 埋蔵資源を掘り当てる確率を高める(開発成功率の向上)
2. 掘削時の取りこぼしをへらす(採収率の向上)
3. 設備投資や保守コストをさげる(損益分岐点の改善)

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