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2012年7月3日火曜日

自社株買いの例(4973日本高純度化学)

今回は、投資候補として追い続けている企業の一社、日本高純度化学をとりあげます。少し前の投稿で「自分の投資している企業で、厳しい時期に自社株買いをするところはない」と書きましたが(過去記事)、当社はそのような自社株買いを積極的に実施しています。

貴金属めっき液製造のリーダーである当社は、利益率が高いことから優良企業として知られています。社員数45名で純利益が7億円弱なので、1人あたり約1,500万円の利益をあげています。ファナックの約2,600万円には及びませんが、悪くない成績です。

当社の利益の源泉はめっき液の化学組成にあることから、事業の性格はマーケティング及びR&D重視型です。新薬に力を入れている製薬会社と似ており、知的努力を重ねた末の知識の結晶が大きな利益をうみだします。そのため、経営資源として重要視しているのは有能な人材であり、資産規模は一定程度あればひとまず十分、と経営陣は認識しています。

そのような背景の下、経営陣は事業で挙げた利益を積極的に株主へ還元しています。配当金の利回りは4%超とそれなりに目を引きます。そして自社株買いのほうも見るに値します。直近では、株式市場が全般的に低迷した昨年末に実施しています。昨年度の総株主還元性向は100%を超え、純利益を超える資産を株主へ還元しています。

もう少し過去にさかのぼり、当社が自社株買いを実施したタイミングを確認してみます。当社のWebサイトによれば、取締役会で自己株式取得が3回決議されていますが、いずれも株価が低迷している時期に実施されています。








株を買うタイミングは申し分なしのようです。あとは株価自体が割安だったかどうかですが、現段階でのPERが13.5(今年度見込み)程度なので、高くはないが安いというほどでもない、といったところでしょうか。急いで買う必要はなかったかもしれませんが、経営陣自らが当社の将来性を高く評価しているのかもしれません。総合的にみれば、経営陣は株主を重視しているように思います。

いずれは当社に投資したいと考えてから何年かたちましたが、相対的な割安さがもうひとつで踏みだせていません。機会がくるかどうかわかりませんが、これからも動向を追っていきたい企業です。

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