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2012年4月22日日曜日

スナック菓子が食事を占める割合

前回の記事に続いて『食の終焉』からの引用です。今回は食品メーカーのマーケティングやR&Dについてです。

まずはブランドについて。
ほとんどの加工食品において(ついでに言えば、ほとんどあらゆる消費者製品についてもこれはいえる)、消費者は首位のブランドをあたかもそれがより高い価値を持つ製品であるかのように扱い、その価値を手に入れるためであれば、消費者は喜んで割高の代金を支払ってくれる。具体的には、消費者は売上トップのブランドには2位のブランドよりも最大4パーセントまでの割高な代金を、3位のブランドよりも7パーセント余分な代金を支払う意思がある。その3つの製品が本質的に同一のものであったとしてもだ。(p.97)

次は嗜好に関する研究結果です。
ネスレ、クラフト、ハインツなどの会社は、味と嗜好の謎をデータ化することに成功した。それだけでなく、私たちが何を好んで食べるか、そしてそれをなぜ好むのか、その理由まで、私たち自身が認識している以上に、彼らは私たちのことをよく理解している。彼らは塩味やカリカリ感への嗜好性が性別、年齢、民族性、国民性によってどう変わるかも、正確に把握している。年長者は味蕾の衰えもあって濃い味を好み、アジア人は塩気のあるパリッとしたスナックに目がなく、アメリカ人は新しい味に夢中になりやすいが、マカロニやミートローフのような「郷愁を感じさせる味」にも弱く、これまで慣れ親しんだ味からそう簡単には離れられないことも、彼らはすべてお見通しなのだ。(p.102)

「慣れ親しんだ味からそう簡単には離れられない」理由を、ネスレ社のあるマネージャーは次のように説明しています。
「人間はこと食べ物のことになると、昔からとても保守的にできています。かつて狩猟採集民だった頃から、何か急な味の変化を感じ取ったとき、それを何かの警告として受け取る習性が身に付いているからです」
(p.84)

最後は、スナック菓子のマーケット調査結果です。
世界中の食品販売を分析しているイギリスのデータモニター(Datamonitor)社は、平均的なアメリカ人は3日に1回は朝食を抜いていて、さらに昼食と夕食を抜く回数も増え始めていると分析している。このような傾向は消費者の健康には恐ろしく悪いことだが、食品会社にとってみればまた新たなチャンスの訪れを意味している。消費者が日常の食事の回数を減らせば、それを補完するために、利益率の高い食物カテゴリーであるスナック菓子を多く食べるようになるからだ。データモニター社によると、現在アメリカでは、スナック菓子がすべての食事の約半分を占めるまでになっているという。(p.105)

2 件のコメント:

  1. == No title ==
    面白そうな本のご紹介ありがとうございます!
    早速注文致しました。
    食の保守性と中毒性が食品メーカーを成長させているんでしょうけど、
    投資家としては複雑な気持ちになりますね。

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  2. == ろくすけさん、コメントありがとうございます ==
    ろくすけさん、こんにちは。先日はご助言をありがとうございました。
    「投資家としては複雑な気持ち」とありますが、こういった種類の本は、わたしも同じような思いを持ちながら読むことが多いです。株価が下がったらウォルマートに投資したいのに、などと感じるのがうしろめたくなります。
    ただ、この手の本の書き手は左寄りのスタンスになりがちですが、本書の著者は極端にならないよう、ある程度はバランスをとろうとしているようにみえます。
    なお、この週末の日経新聞の書評欄でも取り上げられていたようですね。
    それでは、このあたりで失礼します。

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