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2015年5月18日月曜日

S&P500の70年間をふりかえる(スティーブン・ローミック)

ときどき取りあげるミューチュアルファンドFPAは「ディープ・バリュー」という言葉が当てはまるバリュー志向のファンドです。一般的に、強気相場が深まるにつれてバリュー志向のファンドは相対的な成績が低迷し、顧客や資金が引き揚げられがちです。スティーブン・ローミック氏がマネージャーを務めるFPAの旗艦ファンドCrescentの成績も、3月末時点での年間リターンが4.67%と、S&P500の12.73%を大きく下回りました。しかし、手持ちの現金等価物の比率が44%であることを考えれば、納得できる数字です。手腕が高く評価されているせいか資金の流出はみられないようですが、顧客は微妙な心境でしょう。今回ご紹介するのは、そんな彼が第一四半期のレターで転載していた図で(原典はソシエテ・ジェネラルのAlbert Edwards氏)、S&P500の強気相場がつづいた期間を示すものです。現在の市場は、第2次世界大戦以降の70年間で最長のブル・マーケットだそうです。

S&P500指数の強気相場継続期間(月数)

引用元: Quarterly Commentaries: Capital Fund 3/31/2015 [PDF] (FPA)

もうひとつ、こちらはYahoo! Financeからで、S&P500指数のチャートです。上の図とほぼ同じ期間を示しています。

S&P500指数のチャート(1950/1-2015/5)

スティーブン・ローミック氏の図をみると、総じて弱気相場のほうが短期間で終わっています。これは、彼のようなバリュー投資家が行動に移れる期間は相対的に短いことを暗示しています。まさしく「待つのが仕事、特技は辛抱」です。

しかし個人的に経験した2回の下落相場は、それなりに長くてきつい期間だったと記憶しています。安く買ってもますます下がる、その毎日のくりかえしです。ところが利益の源泉はそこにあるのですから、ハワード・マークスの言葉「重要なことは、すべて直観に反する」が示すとおりですね(参考記事)。

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