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2018年9月28日金曜日

この良き時代に終わりは来ない(スティーブン・ローミック)

バリュー・ファンドFPAのマネージャーであるスティーブン・ローミックが、少し前に第二四半期のコメントを公開していたので、ご紹介します。引用する話題は、今後の市場動向を占ったものです。この手の話題は疑念を抱きながら目を通すようにしていますが、今回取り上げるチャートはそれなりに信頼できると感じました。(日本語は拙訳)

Second Quarter 2018 Commentary (FPA Crescent Fund) [PDF]

下図における青色の線は、S&P500の10年平均収益率[過去10年間であげた総リターンの騰落率を年率換算した値]を示しています。一方で緑色(若草色)の線は、家計部門が保有する金融資産のうち株式投資が占める割合を示しています。ただしこちらは10年先に進めて描線するとともに、縦軸の天地を逆転させています。それによって、S&P500収益率との相関関係がいっそう明確になるように表現しています。


この図において緑色の線は、西暦2010年に最底辺に達しています。ただし先に述べたように縦軸が逆転しているので、実際には頂点に到達していました。さらにグラフを10年分先に進めて描いているので、40%ほどの保有率に達していたのは実のところ10年早く、2000年のことでした。これは言い換えれば、家計部門による株式の保有割合が頂点に達したのは2000年であり、収益率がやがてマイナス一桁の値になることを示唆していたのです。まさしくそのとおりになりました。

この図に示したように、家計部門における金融資産中の[株式]保有率と、市場平均があげる将来リターン率の間にみられる負の相関が、56年間にわたって存在してきたことがはっきりとみられます。

それでは、現在の家計部門が金融資産の面でとっているリスクの度合いは、将来についてなにを言わんとしているでしょうか。それはつまり、米国市場の想定リターン率が一桁前半の数値へ向かおうとしていることです(図中で緑色の線が右端へと向かっている箇所は、青色の線がそちらへ到達することを暗示しています)。(p. 6)

The blue line on this chart below shows the trailing 10-year return of the S&P 500. The green line shows household equity as a percent of household financial assets, shifted forward ten years and flipped upside-down to more clearly depict its correlation to the S&P’s return.

You can see the green line reaching its nadir in 2010. That was really the peak - remember, the chart is flipped. Since it’s also shifted forward ten years, that peak of about 40% really occurred 10 years earlier in 2000. In other words, household investment in stocks hit a high in 2000 and suggested that returns would be negative single digits and that’s what happened.

The inverse relationship between household ownership of financial assets and future market returns has clearly been present for 56 years.

So what does today’s household financial asset exposure suggest about the future? Current exposure suggests that the US market’s projected return will converge towards the [low single digits] (the green line data point to the far right of the chart suggests that the blue line will end up there.)”

大衆が正しかった例は稀有であり、今回も例外とはならないようです。株価が後退する時期には、上昇するときよりも速やかに下落するものです。「この良き時代に終わりは来ない」と投資家が考える時期は、「この苦難の時代が終わるとは思えない」と投資家が考える時期へと姿を変えるのです。(p. 10)

The Crowd is rarely right, and this time is unlikely to prove the exception. When stocks do decline, they tend to fall more quickly than they rise. The good times that investors think will never end morph into bad times that investors think will never end.

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