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2016年1月18日月曜日

さらばシボレー、ようこそキャデラック(チャーリー・マンガー)

チャーリー・マンガーが2000年にフィランソロピー円卓会議で行った講話の4回目です。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

しかしそのような経済学的考えかたはまちがいなく、現在の実情を相当誤解していますね。まちがった数字を見ていますし、まちがった疑問を投げかけています。それでは究極のアマチュアたる私がもう少し上手なやりかたを、あるいは少なくとも若干は異なるやりかたを大胆にも試みてみましょう。

ひとつめとして、たぶん次の内容で合っていると思いますが、「FRBのデータ群は実際的な障害のせいで年金から生じる影響を適切に考慮していない」とする話を聞いたことがあります。これには401Kや同様の制度などが含まれます。たとえば次のような例を考えてみましょう。ある63歳になる歯科医が私的年金口座でGE株を100万ドル分保有しているとします。ところが株価が上がって持ち分が200万ドルになると、気分がほくほくした歯科医はかなり古くなったシボレーを下取りに出して、新しいキャデラックを現在一般的なタダのような料率のリースで乗り始めます。私からすればこれは言うまでもなく、歯科医の消費行動に大きな「資産効果」が働いています。しかしFRBのデータを使う多数の経済学者にすれば、この状況が歯科医による浪費性の貯蓄取り崩しにみえるのではないですかね。しかし彼や彼と同じような人たちが多額の消費をしたのは、年金にかかわる非常に強力な「資産効果」が働いたからだと思いますよ。ですから、現在生じている年金制度由来の「資産効果」は些細とは程遠いものであり、過去に生じたものよりもずっと巨大であることは間違いないと思います。

I believe that such economic thinking widely misses underlying reality right now. To me, such thinking looks at the wrong numbers and asks the wrong questions. Let me, the ultimate amateur, boldly try to do a little better, or at least a little differently.

For one thing, I have been told, probably correctly, that Federal Reserve data collection, due to practical obstacles, doesn’t properly take into account pension effects, including effects from 401(k) and similar plans. Assume some sixty-three-year-old dentist has $1 million in GE stock in a private pension plan. The stock goes up in value to $2 million, and the dentist, feeling flush, trades in his very old Chevrolet and leases a new Cadillac at the giveaway rate now common. To me, this is an obvious large “wealth effect” in the dentist’s spending. To many economists, using Federal Reserve data, I suspect the occasion looks like profligate dissaving by the dentist. To me, the dentist, and many others like him, seems to be spending a lot more because of a very strong pension-related “wealth effect.” Accordingly, I believe that present-day “wealth effect” from pension plans is far from trivial and much larger than it was in the past.

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