<ウォーレン・バフェット> 当社はアメリカン・エキスプレスの株式を買いましたが、わたしがパートナーシップを運営していた時分に行った投資で、同社が最良のものでした。アメックス株を買ったのは1964年のことでした。「アメリカン・エキスプレス委託倉庫」という会社に関して、まちがったことを企んだ人がいたからです。
また当社はガイコ社(GEICO)の株を大量に買いました。その金額は4千万ドルで、同社株式の半数に達しました。ウォール街の出す収益や成長予測に合わせようと企んだ人がいたときのことです。その当時、同社では適正な引当金を計上しませんでした。
それゆえにアメックスは1964年に大きな痛手を受けました。それゆえにガイコは1976年に大損害を被りました。そして、相当な規模の従業員を解雇するといった対策をとることになりました。しかしそのおかげで、きれいな白紙に戻ったのです。
その後のアメックスがどこへ向かったのかは一目瞭然ですし、ガイコがどこへ向かったのかもご存知のとおりです。
ですから、「非常に大規模な組織には、いずれは問題を起こすものもある」ことは、特別な事実でもなんでもありません。実際のところほとんどすべての銀行、さらにはすべての大銀行では、ひとつやふたつ問題を抱えてきたものです。
ですから、投資という観点そしてモラルという観点から、企業としてのウェルズ・ファーゴが将来どのように歩むかを考えた場合、競争相手である他の大銀行とくらべて劣っているところは、なんら思い当たりません。
彼らは大きな過ちをおかしました。当社の保有分株式には今もなお多大な未実現益がありますが、それは[売却か継続保有かの]判断材料にはなりません。しかし...
同社のことは投資先としてわたしは気に入っていますし、ティム・スローンが経営者でいてくれてありがたいと思います。彼は現在、別の人たちがしでかした過ちを正している最中です。
かつてわたしは、ソロモン社で生じたあやまちを正そうとしました。そのときにはデリック・モーンが見事に手助けしてくれました[過去記事]。またマンガー・トーレス&オルソン法律事務所のみなさんにも、同じように助けてもらいました。つまりは、この手のことは起こるものなのです。ただしそうなった場合には、できるだけの手を打たねばなりません。
チャーリーが言うように、「1オンスの予防は1ポンドの治療にあらずして、1トンの治療の如し」です[過去記事]。そしてすべてに攻め入るべきです。チャーリーはいつもわたしの背中を押して、明るみになった不愉快な問題を攻め立てるように強要しました。他のすべてはうまくいっているのに、それだけが容易でないということもありました。
正確なところは知りませんが、あらゆる組織でも時には見られる悪事を、ウェルズはあきらかに働いていました。そしてそれを極端な地点まで激化させていました。
しかし、ウェルズ・ファーゴがそのような逸話を社史に残したくなかったと願いつつも、「非常に巨大な優良銀行になる日はやってこない」とみなす理由はないと思います。
ガイコはいっそう強固になりましたし、アメックスもずっと強力になりました。つまりここで問われるのは、「各種の問題を発見したときに、自分がどのように行動するか」なのです。
チャーリーはどうですか。
(さらにつづく)
We bought our American Express stock - that was the best investment I ever made in my partnership years - we bought our American Express stock in 1964 because somebody was incented to do the wrong thing in something called the American Express Field Warehousing Company. We bought -
A very substantial amount of GEICO we bought that became half the - half of GEICO, for $40 million because somebody was incented to meet Wall Street estimates of earnings and growth. And they didn’t focus on having the proper reserves.
And that caused a lot of pain at American Express in 1964. It caused a lot of pain at GEICO in 1976. It caused a layoff of a significant portion of the workforce, all kinds of things. But they cleaned it up.
They cleaned it up, and look where American Express has moved since that time. Look at where GEICO has moved since that time.
So the fact that you are going to have problems at some very large institutions is not unique. In fact, almost every bank has - all the big banks have had troubles of one sort or another.
And I see no reason why Wells Fargo as a company, from both an investment standpoint and a moral standpoint going forward, is in any way inferior to the other big banks with which it competes on -
It - they made a big mistake. It cost - I mean, we still got - I mean we have a large, unrealized gain in it, but that doesn’t have anything to do with our decision-making. But the -
I like it as an investment. I like Tim Sloan as a manager, you know, and he is correcting mistakes made by other people.
I tried to correct mistakes at Salomon, and I had terrific help from Deryck Maughan as well as a number of the people at Munger, Tolles. And I mean, that is going to happen. You try to minimize it.
Charlie says that, “An ounce of prevention isn’t worth a pound of cure, it’s worth about a ton of cure.” And we ought to jump on everything. He’s pushed me all my life to make sure that I attack unpleasant problems that surface. And that’s sometimes not easy to do when everything else is going fine.
And at Wells, they clearly - and I don’t know exactly what - but they did what people at every organization have sometimes done, but it got accentuated to an extreme point.
But I see no reason to think that Wells Fargo, going forward, is other than a very, very large, well-run bank that had an episode in its history it wished it didn’t have.
But GEICO came out stronger, American Express came out stronger. The question is what you do when you find the problems.
Charlie?
投資先企業を検討するという意味で、今回の文章はケーススタディとしていろいろと勉強になりました(個人的に思い至った観点は、順列、stickiness、バックアップの3つでした)。
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