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2015年11月22日日曜日

不平等のほうがうまくいく場合(チャーリー・マンガー)

チャーリー・マンガーが2007年に南カリフォルニア大学グールド・ロースクールの卒業式で述べた祝辞の14回目です。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

「できるだけ不平等にすることで、びっくりするほどうまくいくことがよくある」、このアイデアも大切だと思います。どういうことか、おわかりですか。UCLAのジョン・ウッデンが世界一のバスケットボール・コーチとなったときに示唆的な例を示してくれました[過去記事]。彼はチーム内の下から5人に対してこう言ったのです。「諸君がプレーに参加することはない。練習するときの相手役をすればいいのだ」。一方、上位の7名はほとんどの試合に出場しました。機械のように学ぶことがいかに重要か、思い出してください。彼らはあらゆるプレーに関わったおかげで、なおさら学ぶようになりました。不平等主義を採用したことで、ウッデンは以前よりも多くの勝ち星を挙げるようになったのです。競争の激しい世界で戦っていくには、学習機械としてもっとも素養があり、かつ決意の固い人たちが参画する場を最大限に増やすほうがいいことがよくあります。人として到達できる最上のものを欲するのであれば、まさにそれを目指すべきですよ。みなさんのお子さんが脳の手術を受けようとする際に、手術を交代で行っている外科医50人の候補からくじ引きで一人を選びたいとは考えないでしょう。あるいは、行き過ぎた平等主義によって設計された飛行機になど乗りたくありませんね。それと同じ形でバークシャー・ハサウェイを経営してほしくもないでしょう。最高のプレイヤーには多くの時間を費やしてほしいはずです。

Another idea that I found important is that maximizing non-egality will often work wonders. What do I mean? Well, John Wooden of UCLA presented an instructive example when he was the number one basketball coach in the world. He said to the bottom 5 players, "You don't get to play - you are practice partners." The top seven did almost all the playing. Well, the top seven learned more - remember the importance of the learning machine - because they were doing all the playing. And when he adopted that non-egalitarian system, Wooden won more games than he had won before. I think the game of competitive life often requires maximizing the experience of the people who have the most aptitude and the most determinations as learning machines. And if you want the very highest reaches of human achievement, that's where you have to go. You do not want to choose a brain surgeon for your child by drawing straws to select one of fifty applicants, all of whom take turns doing procedures. You don't want your airplanes designed in too egalitarian a fashion. You don't want your Berkshire Hathaways run that way either. You want to provide a lot of playing time for your best players.

備考です。チャーリーは不平等主義が有利な事例を挙げていますが、過去記事「最も信頼できるモデルとは」等ではバックアップの有効性も正しく認識しています。

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