<質問33> 投資先の候補をどのように比較しているのか、もう少しご説明頂けますか。2008年や2009年には、お気に入り銘柄を買い増しすることもできました。当時とった行動と比較して、コカ・コーラ社やムーディーズ社のような企業を買い増していればどうだったでしょうか。もっと集中したポートフォリオのほうが、バークシャーはより大きな成果をあげられたのではないでしょうか。
<バフェット> それは、わたしたちが気にいっている銘柄が2008や2009年にどれだけ打ちのめされていたかによります。しかし2008年に相当な金額を費やしたのは早すぎでした。160億ドルを使ったのが2008年の9月や10月でしたが、市場の底はそれよりもかなり下まで行きました。またMars社の案件[リグリー社買収]で60億ドルを出しましたが、その件も動くのが早かったと思います。「じっと待ち構えて、底に達した時点で一度に資金を投入する」、そうしていれば全然違う結果だったと思います。目をみはるタイミングになっていた可能性もありますが、どうすればそうできるのかは、わたしたちには到底わかりえないことです。しかし2009年10月に買ったBNSFは、やがて当社の大きな部分を占めることになると思います。ハーレーダヴィッドソン社の債券を利率15%で買ったのは、株式を買っておくべきでした。しかし、いつであってもそれが現実というものでしょう。現在のわたしたちの規模や範囲からすれば、すばらしい経営陣が率いる良い事業を妥当な金額で買い、長期にわたってその会社を発展させることができれば、と考えています。ただし事業を加える際には、株式を追加発行せずに済ませたいですね。過去を顧みれば、以前よりはうまくできるだろうと思います。このゲームでは引き続きうまくやれると思っていますが、永々と続けられるわけではありません。しかし興味をひくものはまだ残されています。
<マンガー> [バークシャーでは]非公開の子会社が大きな割合を占めるようになってきました。昔は株式の額のほうが大きくて子会社はそうではなかったのですが、今では子会社のほうが大きいですね。
<バフェット> 株の成否は[バークシャーの成績として]純資産に現れますし、事業の成否は将来得られる利益に現われます。ですから、あちこちへと渡り歩く必要はありません。わたしたちが次の段階へと進んだからですね。
<マンガー> 我々がささやかな資金で投資していた頃は、どん底のときにいくらかは買うことができました。しかし今となっては、意味があるほどの株数をその値段で買うことはできません。一方、事業を買うときには大きなポジションをとれます。こうせざるを得なくなったのも、我々が過去に成功したせいです。アルバータ州[カナダ]の送電線を買う案件、あれはいいですね。ひどいことは何も起きないですよ。
<バフェット> そうなったとしても、わたしたちにはわからないでしょうね。
<マンガー> 我々は適応してきましたし、変化が生じたことで我々にとってずいぶんと有利に働きました。今後も望ましい変化が起こるかもしれません。物事が移り変わることは不可避なのですから、どうやってそれに適応するかがカギとなるわけです。
<バフェット> わたしたちはこの数年間にウェルズ・ファーゴの株をかなり買いました。ですが増えた資産のほとんどは、それより質の低い諸銀行を買ったおかげでした。彼らが回復するには、経済が好転する必要があったのですね。しかしウェルズ・ファーゴを買うとなれば100%安心できますが、他を買う場合の安心感は50%です。それで、いちばん安心できるほうを選んだわけです。
Q33: Station 11. Philadelphia. Fund manager. Can you expand on how you compare investment opportunity? When you can buy more of a favorite in 2008/2009, how did case of more of company like Coke or Moody's, compare with other things which you did. Could Berkshire have achieved more with more concentrated portfolio?
WB: Depends on which favorite name we had was hit harder in 2008/2009. I spent a considerable amount too early in 2008, and bottom was quite a bit lower than Sept and Oct of 2008 when we spent $16bil. We were also committed to $6bil of Mars funding, which we had committed earlier. We didn't do as remotely as well if we had kept powder dry and spent it all at once at bottom. Timing could have been improved dramatically, but we will never be able to figure out how to do it. But we bought BNSF in Oct 2009 which will be enormous part of our future. When we bought HD bonds at 15 we should have bought the stock, but that will always be the case. What we want to do at our present size and scope, we want to buy good businesses with great management at a reasonable price and try to build them over time. We want to be able to add them without issuing shares. Looking back we can do it better than we've done it. I feel the game is still a viable one, but it can't be forever. But still has juice left in it.
CM: Private businesses have gotten to be a bigger portion. We used to be worth more in stock, not privates, but now bigger in privates.
WB: When right on stocks, shows up in net worth, and when right on businesses it shows up in future earnings. It doesn't require us going from flower to flower. We've moved into phase 2.
CM: When we were just investing modest amount of capital we could get a little bit at the bottom, but there is no significant volume of shares at that price. When we buy businesses we get large positions. We are forced into this by past success. I love buying transmission lines in Alberta. Nothing horrible will happen.
WB: If it does we won't know it.
CM: We have adapted and the changes have been very much in our interest. There may be future changes just as desirable. Since change is inevitable, how you adapt to it is the key.
WB: We've bought a fair amount of Wells Fargo over last few years. But the most money was made by buying banks of lesser quality. They needed better economy to recover. But we felt 100% comfortable buying Wells Fargo, and 50% comfortable somewhere else, so we went where we were most comfortable.
2014年10月26日日曜日
2014年バークシャー株主総会; ウェルズ・ファーゴを選んだ理由
2014年5月に開催されたバークシャー・ハサウェイの年次株主総会で、ウォーレン・バフェットが2008年の世界金融危機当時に下した投資判断をふりかえります。興味ぶかい内容です。(日本語は拙訳)
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