<質問者> あなたやマンガーさんがのんびりされてきて引退しようとなったときのために、後継の経営者についてどのような計画を立案していますか。
<バフェット> これはこれは、わたしたちが死ぬときのことをご丁寧に表現されているわけですね。のんびりするつもりも、引退するつもりもありません。まあ、ペースは落ちるかもしれませんが、引退はしません。実は、死んで5年経ってから引退することにしていますので、そう言っておきましょう。株主総会ではいつもこんな質問をされます、「一体どうなるのでしょうか、もしあなたがええと...」。しばしためらってから、最後にこうです。「そうです、トラックにはねられたらどうなるでしょうか」。それに対してこう答えます。「ありがとうございます、そう質問してくれて。トラックにはねられなかったらどうなるのか、と質問されなくて助かりました」。わたしの仕事はけっこう簡単なものです。どの事業もこれまでと同じように続くでしょうから。H.H.ブラウンやデクスター、シーズやスコット・フェッツァーといった各社は、すべきことをちゃんとわかっています。わたしがやればいいのはただ資本を配分する、つまり送られてきた資金を使ってなにか別のものを買うことです。その他には、それぞれの経営者たちがこれからも働き続けてくれるような状態を維持することがあります。その職責を満足する人として、わたしたち二人は同じ人物を心に抱いていました。ただ現段階では彼らの名前を明かそうとは思っていません。しかし、わたしが死んだからといってコカ・コーラが変わるわけではありません(われわれは同社の8%近くを保有しており、市場価値はおよそ50億ドルとなっています)。その後もコーラは飲まれ続けるでしょうし、実際のところ葬儀の際にはコーラで献杯してくれるでしょうから、売り上げがすこしばかり加速すると思っています。つまり、大幅にペースが落ちる要素は見当たりません。ですから将来も入り続ける資金を受け取って、それを使ってできる賢明なことをさがす、これがわたしの後継者に任される仕事となります。
Q. What plans have you implemented for management succession when you and Mr. Munger slow down and retire?
A. Well, that's a polite way of saying when we die. We're not going to slow down and retire; we may slow down, but we won't retire. I'll put it that way because I plan to retire about five years after I die, actually. At the annual meeting somebody always says, "What happens if you...?", and then they stutter around a little bit and they finally get, "you know, you get hit by a truck?" I say, "Well, I'm glad you are asking that instead of asking what happens if you don't get hit by a truck." My job is fairly easy. All of our operating businesses would continue just as they are. The people that are running H.H. Brown or Dexter or See's or Scott Fetzer, all know what they are doing. All I do is allocate capital. They mail me the money and then I use it to go buy something else. I also try to maintain conditions so that they want to keep working. I've got in mind people beyond the two of us who can fulfill that function. I don't want to name them at present, but it's not as if Coca-Cola (where we own almost $5 billion worth of it, close to 8% of the company) will change when I die. People are going to keep drinking Coke the day after; in fact they will probably toast me at the funeral with Coke and so sales may spurt a little bit! There's no big slowdown that will take place. The job of the person who succeeds me will be to take that money which keeps coming in and find intelligent things to do with it in the future.
2014年4月30日水曜日
コーラで献杯(ウォーレン・バフェット)
ウォーレン・バフェットが1994年にネブラスカ大学でおこなった講演その22、おなじみの後継者に関する話題です。ウォーレンのドライなユーモアは、個人的には見習いたいものです。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)
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