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2013年12月2日月曜日

ロッキー山脈を越えると、そこは大平原だった(ジョン・ギルバート)

中国の金融情勢に関する文章をいろいろ探していたところ、興味をひいたものがあったのでご紹介します。具体的な内容はTwitterの話題から始まって中国の金融不安へと進みますが、今回引用した箇所には中国の内容は含んでいません。個人的には、ときどき登場する風刺の利いた言葉遣いを楽しみながら読みました。(日本語は拙訳)

History Ignored, Again (GR-NEAM) (PDFファイル)

文章を書いているのはGR-NEAMという会社のマネー・マネージャー、ジョン・ギルバートという方です。同社はGeneral Reに買収された資産運用会社なので、バークシャー・ハサウェイの孫会社にあたります。

投資家へばかげたふるまいをするように中央銀行が仕向けていることに対して、幸いにも米国政府で働くあらゆる人が満足しているわけではありません。TwitterのIPOが実施される前には、米国証券取引委員会(SEC)の委員長メアリー・ジョー・ホワイトが、複雑だったり発展中のテクノロジー事業へ投資することに対して警告を発しています。株式市場はそれを無視しましたが、彼女の発言は適切に選ばれたものでした。

これと同じ事態が以前にも発生し、お粗末な結果に終わったものです。ホワイト女史の忠告は、そのような歴史的教訓によって受粉されたのだと思います。Twitterの株式公募が完了した同じ週には、偶然にも別のテクノロジー企業が残念な決算報告を発表しました。その会社はシスコシステムズ(CSCO)、1990年代後半の株式ブームの人気の的だった一社です。2000年代初期のピークにはシスコはめざましい評価を受け、時価総額はおよそ50兆円に達しました。これは、当時あげていた利益の200倍に相当します。しかし、当時のシスコやその同胞は、今日のTwitterと同じように世界を変えるつもりでいました。以下の図1はシスコの株価の道のりで、畏れ多くも「ロッキー山脈の向こうにつづく大平原」パターンをたどっています。


シスコの評価は大幅に縮小しました。現在では利益の11倍に過ぎず、平均的な評価といえます。ここに教訓が残されます。そのような群衆に付き従うのは、経済的な独立を勝ち取ることに対する見事なまでのヘッジになると。いずれは重力に屈するのです。

Happily, not all members of the U.S. government are as pleased as the central bank to induce investors to behave foolishly. On the eve of Twitter's IPO, Mary Jo White, chair of the Securities and Exchange Commission, offered cautionary remarks on investing in complex or inchoate technology businesses. The stock market ignored her, but her comments were well chosen.

We have seen this all before and it ends badly. Ms. White's remarks were presumably pollinated by the lessons of history. By coincidence, in the same week that Twitter completed its offering, another tech firm reported disappointing earnings. That firm was Cisco, which was one of the belles of the stock market boom of the late 1990s. By the peak in early 2000, Cisco was valued at about $500 billion, which was 200 times the company's then earnings. An impressive valuation, also. But back then, Cisco and brethren were going to change the world. Sort of like Twitter today. Chart 1 is Cisco, tracing out the dreaded where-the-Rocky-Mountains-meet-the-Great-Plains stock price pattern.

Cisco's valuation has been decimated, and it trades today at only about 11 times earnings, a rather modest valuation, and a reminder that following such a crowd is an excellent hedge against ever being financially independent. Gravity wins in time.

シスコに限らず、IBMやインテルといった「オールド・テック」の企業は、近年は市場からそれほどよい評価を受けていません。個人的には、投資対象として検討に値する企業群だととらえています。

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