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2013年12月6日金曜日

(問題)そのスロットマシンが特別な理由(チャーリー・マンガー)

チャーリー・マンガーによる講演『経済学の強みとあやまち』の19回目です。チャーリーから「やさしい」問題が出題されています。回答は次回にご紹介します。なお、前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

6) 心理学に対する極端かつ非生産的なほどの無知

それでは6番目の欠陥に進みましょう。経済学では、極端かつ非生産的なまでに心理学に対して関心を持っていません。これは学際主義を軽視している一分野と言えます。ここでひとつ非常に簡単な問題を出しましょう。私は簡単な問題を専門にしているのです。

ラスベガスで小さなカジノをやっているとします。スロットマシンは標準的なものが50台あります。それらは見た目も同じ、機能も同じ、出玉率も同一、当たりの組み合わせも同一と、つまり同じ勝率で動作しています。ところが終業後に勝ち状況を確認すると、ある1台は他の台よりも25%多く[カジノ側の]勝ちを記録していました。50台のうちのどこに配置しても、時をおかずしてそうなります。この説明にはまちがいはありません。さて、この大勝ちする台は他と何がちがうのでしょうか(静寂)。だれかわかりますか。

<ある男性> その台でたくさんの人が勝負するからです。

<マンガー> いやいや、なぜたくさんの人がその台で勝負するのか知りたいのです。

6) Extreme and Counterproductive Psychological Ignorance

All right, I'm down to the sixth main defect, and this is a subdivision of the lack of adequate multidisciplinarity: extreme and counterproductive psychological ignorance in economics. Here I want to give you a very simple problem. I specialize in simple problems.

You own a small casino in Las Vegas. It has fifty standard slot machines. Identical in appearance, they're identical in the function. They have exactly the same payout ratios. The things that cause the payouts are exactly the same. They occur in the same percentages. But there's one machine in this group of slot machines that, no matter where you put it among the fifty, in fairly short order, when you go to the machines at the end of the day, there will be twenty-five more winnings from this one machine than from any other machine. Now surely, I'm not going to have a failure here. What is different about that heavy-winning machine? (Silence) Can anybody do it?

Male: More people play it.

Munger: No, no, I want to know why more people play it.

いつものようにわたしはハズレましたが、この問題は正解する方がたくさんいらっしゃるかもしれません。

6 件のコメント:

  1. == No title ==
    その1台が「他の台よりも25%多く勝ちを記録していました。」という事実をプレイする多くの人が知り得るもしくは知っているならば説明ができそうですが・・・。よく当たる宝くじ売り場に人が群がり、その結果宝くじが多く売れてさらに大当たりの本数が増えて、その事実を知ったさらに多くの人が群がり・・・というのと同じではないでしょうかね。前提が間違っていれば一から考え直しですが。

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  2. == 「勝ち」という表現について(ブロンコさんへ) ==
    ブロンコさん、こんにちは。
    返信が遅くなり、もうしわけございませんでした。
    訳文がいまひとつですみませんでした。一連の文章で「勝ち」という表現を両側の立場からみたものとして記述していました。具体的には、最初の「勝率」という表現は、打ち手側にとっての勝ちを示しています。一方「25%多く勝ちを記録」のほうは、スロットマシン側の勝ちを意味しています。ブロンコさんも誤解されるような文章なので、「カジノ側の」という言葉を追加しました。
    当方の不備を(結果的に)ご指摘してくださり、どうもありがとうございました。
    (次回の投稿は回答編ですが、念のため投稿時刻を12/8 18:00に遅らせます)

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  3. == ついつい考えてしまいました。 ==
    こんにちは。
    見た目、性能が一緒
    →でも、その台に座ってコインを入れる人が25%多い
    →配置場所は関係ない
    →人の心理がタイトルだから、なんか座りたくなるような台(またはその台の周りの状況)があってそれはコインの出には無関係
    →良い椅子?隣に美女を座らせておいた台?エアコン?過去履歴の記載がある台?
    でも全部、前提条件を満たさない。。。やっぱり台そのものの設定がどこか違うはずだと。
    と、考えて、ふと、5円スロットを思い出しました。
    ??ドルのスロットマシンの中に1台だけ、5ドルのスロットマシンがあるとする。
    ??ドルのスロットマシンに1ドルのスロットマシンの4分の1しか座らなくても、同じ時間同じように座っていたら、1.25倍のお金を使う。したがって、25%余計にお金を使うと。
    ようするに、宝くじとかで高額にすればするほど胴元が儲かるみたいな、見えるお金は危険回避的な人も、よくわからないお金は危険愛好的になって結果損するみたいな。。。
    ちょっとずれてるような気がしますが、その辺かなあ?
    カジノの経営戦略を問うているのかなあ。逆から考えろと。

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  4. == No title ==
    >「25%多く勝ちを記録」のほうは、スロットマシン側の勝ちを意味しています。
    そうでしたか。勘違いしていました。
    それであれば、1回のプレイ料金を他の台より低くして最高当選金額を高くすればその台で勝負したいという人が増えるのではないでしょうか。(バフェットの宝くじに対する指摘を思い出しました。)
    他に考えられるのは、プレイすると常に「7」がふたつ揃うとか・・・「7」がふたつ揃うことと大当たりすることはまったく関係がないにも関わらず、大当たりが近そうだと考えてさらにプレイを続けてしまう傾向があるようです。(ゲームセンターでの自らの体験及び他者の言動を観察した結果より)
    なぜたくさんの人がその台で勝負するのかについて私に考えられるのはこれくらいです。

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  5. はじめまして。
    「前日に一番当たっていない台(大ハマリ)」という表示をしておくとか。
    過去の抽選には影響を受けない独立抽選においては毎回の大当り確率は変わらないのに大ハマリしている台は「そろそろ当たるのではないか?」と考える人間が少なからずいる。
    それゆえ稼働率があがる。
    ただし、カジノ側の勝ちが正確に25%増加する証明にはなりませんね。

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  6. == みなさん、コメントありがとうございます ==
    NIGHTさん、こんにちは。お久しぶりです。
    ブロンコさん、再度のコメントありがとうございました。
    白米さん、はじめまして。NIGHTさんのブログでお名前をおみかけした方かと存じますが、違っていたらすみません。
    NIGHTさんがご指摘のように、「台そのものの設定がどこか違う」が正解でした。基本的にはみなさんが予想した方向の答えで、さすがですね。
    いつもお付き合いくださってありがとうございます。またよろしくお願いします。

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