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2013年8月14日水曜日

レス・シュワブ・タイヤが成功した理由(チャーリー・マンガー)

チャーリー・マンガーによる講演『経済学の強みとあやまち』の12回目です。前回だされたレス・シュワブ・タイヤの問題に対する答えです。(日本語は拙訳)

シュワブ氏には乗れる波があったでしょうか。このように質問を考えることで、答えがでてきます。日本人は、タイヤの商売を一から始めて巨大になりました。ですからこの御仁も、早い段階のどこかでその波に乗ったにちがいありません。それにつづいてゆっくりと成功をおさめていく間は、他にも理由があったはずです。たぶんまちがいないでしょうが、この人は正しいことを山ほどやったのでしょう。その中でもきっとやったと思われるのが、マンキューが言うところの「動機づけがもたらす強力な原動力」を組み合わせることです。きわめて巧妙な動機づけのしくみを使って、自分の会社の人たちを扱っていたことでしょう。たくみな人材登用のシステムがあったり、宣伝が上手だったのでしょう。彼は芸術的な才能を持っていたのですね。だから、日本製タイヤが攻めてくる波に乗る必要がありました。彼らと同じように、日本人も成功していたからです。才能あふれる人が熱狂的なまでに正しいことを次々と行い、賢明な仕組みによって従業員をうまく使ったのです。このように、答えはそれほどむずかしいものではありません。際立った成功の原因となるものが他に考えられるものでしょうか。

ビジネススクールの卒業生を雇っても、みなさんほどにはこの手の問題にうまく対処できません。彼らをあまり雇わないのも、たぶんそのせいだと思います。

Is there some wave that Schwab could have caught? The minute you ask the question, the answer pops in. The Japanese had a zero position in tires, and they got big. So this guy must have ridden that wave some in the early times. Then, the slow following success has to have some other causes. And what probably happened here, obviously, is this guy did one hell of a lot of things right. And among the things that he must have done right is he must have harnessed what Mankiw calls the superpower of incentives. He must have a very clever incentive structure driving his people. And a clever personnel selection system, etc. And he must be pretty good at advertising. Which he is. He's an artist. So, he had to get a wave in Japanese tire invasion, the Japanese being as successful as they were. And then a talented fanatic had to get a hell of a lot of things right and keep them right with clever systems. Again, not that hard of an answer. But what else would be a likely cause of the peculiar success?

We hire business school graduates, and they're no better at these problems than you were. Maybe that's the reason we hire so few of them.


なにげない文章ですが、ビジネスで成功する上での重要なことをチャーリーは示していると思います。それは自助努力だけでなく、「波に乗る」とか「てこの力を借りる」といった他者の力をうまく利用することの大切さです。チャーリーは伝記を読むことを勧めているので、ジョン・D・ロックフェラーやアンドリュー・カーネギー、ベンジャミン・フランクリンといった成功者の伝記を以前に読んでみました。大物になる前の彼らは、別の成功者とめぐりあうきっかけを育て、他人から与えられたチャンスを逃すことなく、次の大きな成功へうまくつなげていると感じました。

「波に乗る」とはいい言葉だと思います。波をつかむ技量や才覚や度胸も必要ですが、波がこなければ始まらないという運の要素が含まれていて、現実を冷徹にとらえていると思います。

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