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2013年2月22日金曜日

既婚者だったらわかること(チャーリー・マンガー)

チャーリー・マンガーの講話『実用的な考え方を実際に考えてみると?』の第5回目です。今回は人生における教訓がさりげなくほのめかされており、いかにもチャーリーらしい文章です。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

オペラント条件付けのほうは容易に解決できます。必要なのは次の2つだけで、まずは我々の飲料を飲むことで得られる報酬をできるだけ増やしてあげること。もうひとつは、「我が社の製品を飲みたい」とする反射行動がせっかく形成されたのに、競合製品を擁する他社が「オペラント条件づけ」を仕掛けてくることで帳消しにされないよう、手を尽くすことです。

実際のところ、「オペラント条件づけ」として得られる報酬とは次の数種にとどまります。

(1) カロリーに代表される、食物としての価値
(2) 感触、味わい、香り。これらは消費者に飲みたいと感じさせる働きをするもので、ダーウィン言うところの自然選択を通じて、人間の神経にあらかじめ組み込まれています。
(3) 砂糖やカフェインが刺激として働くこと
(4) 暑い時には体を冷やし、寒い時には体を温めてくれる効果

とびっきりの結果を望む以上、当然ながらこれらの報酬すべてが得られるようにしましょう。

はじめに、我々が温冷どちらの飲料を手がけるかは、かんたんに決められます。冷たいほうです。寒さをしのぐのに比べて暑さに対応するには、飲み物以外には打つ手があまりないからです。そのうえ、暑ければ暑いほどますます水分をとる必要がありますが、寒いときにはそうはなりません。次の課題ですが、砂糖とカフェインを両方入れることにするのも、すぐに決まります。紅茶やコーヒー、レモネードといった飲み物が広く飲まれているのをみれば、明白です。次の件も言うまでもありません、われらの供する砂糖とカフェイン入り飲料の風味やその他の特性を決定するには、飲んだ人が最高の喜びを得られるように、何度も試行錯誤をくりかえして徹底的に取り組むべきです。最後に、我々にとって好都合となるように創りだされたオペラント条件付けによる反射行動が、これまたオペラント条件付けを採用している競合製品によって打ち消される可能性を引き下げる件ですが、これも答えはわかりきっています。我が社の飲料が世界中のあらゆる場所でいつでも手に入るように、できる限りすばやく、しかも営々と取り組みつづけることです。競合製品のほうがそうしなければ、報酬を得るためにわざわざ習慣をくつがえそうとは、実際のところ考えないものです。伴侶を持つ人なら誰でも知っていることでしょう。

The operant conditioning part of our problem is easy to solve. We need only (1) maximize rewards of our beverage's ingestion and (2) minimize possibilities that desired reflexes, once created by us, will be extinguished through operant conditioning by proprietors of competing products.

For operant conditioning rewards, there are only a few categories we will find practical:

(1) Food value in calories or other inputs;
(2) Flavor, texture, and aroma acting as stimuli to consumption under neural preprogramming of man through Darwinian natural selection;
(3) Stimulus, as by sugar or caffeine;
(4) Cooling effect when man is too hot or warming effect when man is too cool.

Wanting a lollapalooza result, we will naturally include rewards in all the categories.

To start out, it is easy to decide to design our beverage for consumption cold. There is much less opportunity, without ingesting beverage, to counteract excessive heat, compared with excessive cold. Moreover, with excessive heat, much liquid must be consumed, and the reverse is not true. It is also easy to decide to include both sugar and caffeine. After all, tea, coffee, and lemonade are already widely consumed. And, it is also clear that we must be fanatic about determining, through trial and error, flavor and other characteristics that will maximize human pleasure while taking in the sugared water and caffeine we will provide. And, to counteract possibilities that desired operant-conditioned reflexes, once created by us, will be extinguished by operant-conditioning-employing competing products, there is also an obvious answer: We will make it a permanent obsession in our company that our beverage, as fast as practicable, will at all times be available everywhere throughout the world. After all, a competing products, if it is never tried, can't act as a reward creating a conflicting habit. Every spouse knows that.

2 件のコメント:

  1. == オペラント条件付け ==
    マンガーは条件反射をつくりだすものとして古典的条件付けとオペラント条件付けを挙げていますが、オペラント条件付けにより変化する行動は無意識になされるものではないため、条件反射の定義からは外れると思いますが、どうですか?
    オペラント条件付けが反射であろうとなかろうと非常に重要であることには変わりありませんがね。

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  2. == ブロンコさん、ありがとうございます ==
    ブロンコさん、こんにちは。コメントをありがとうございます。
    今回のご指摘は、実はわたしも少し気にかかっていた点です。きちんと文献をあたらずに回答してしまい申しわけありませんが、Wikipediaによればオペラント(Operant)と反射(Reflex)は区別されているようですね。ただしこれは現時点での情報であり、チャーリーが心理学を勉強して講話で話したころに学問上の定義がどうなっていたのかは、調べていません。すみません。
    Operant conditioning (項目Operant variabilityでの説明文から)
    http://en.wikipedia.org/wiki/Operant_conditioning
    今回のようなご指摘も、ありがたいものです。またよろしくお願いします。
    失礼致します。

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