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2012年9月10日月曜日

一冊のノートと、ささやかな習慣(シメオン・ドニ・ポアソン)

今回は、やや一般的な話題です。『バースト! 人間行動を支配するパターン』という本を最近読みましたが、ものごとの優先順位付けについて興味をひいた一節があったのでご紹介します。

ポアソン分布。ポアソン過程。ポアソン方程式。ポアソン核。ポアソン回帰。ポアソン和公式。ポアソン点。ポアソン比。ポアソン括弧。オイラー=ポアソン=ダルブー方程式。これは全体のほんの一部だが、それだけでも、シメオン=ドニ・ポアソンの研究がいかに科学のあらゆる分野に影響を及ぼしたかがわかるだろう。しかし驚くべきは、彼の貢献の量ではなく、その深さだ。そこで、どうしてもこんな疑問が浮かんでくる。いったいポアソンはどうやってこれだけ多くの異なる問題に同時に取り組みながら、なおかつ深い、色あせない貢献ができるほどの集中力を効率的に維持できたのか?

もちろん、彼には秘訣があったのだ。一冊のノートと、ささやかな習慣である。

ポアソンは興味深いと思う問題に出くわすたびに、その楽しみにふけりたくなる衝動に抵抗した。そして代わりにノートを取り出し、その問題を書きとめると、中断が入る前に夢中だった問題にさっさと注意を戻した。手元の問題が片付くと、そのたびにノートに走り書きされた問題のリストを眺めまわし、最も興味深いと思ったものを次の課題として選び出す。

ポアソンのささやかな秘訣とは、生涯にわたって注意深く優先順位をつけることだったのだ。(p.179)


時間管理をテーマにした自己啓発の本は数多く出ていますが、こういった偉大な先人の逸話もいいですね。なお本書はポピュラー・サイエンスに分類されるのでしょうが、トランシルヴァニアを舞台にした無名な十字軍の歴史物語や、ソフト・サイエンス的な逸話に多くのページが費やされており、読者を選ぶ作品のように思われます。

蛇足になりますが、「バースト」ときくとVIXのチャートを思い浮かべてしまいます。

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