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2012年3月7日水曜日

「フランチャイズ」と「ビジネス」の違い(ウォーレン・バフェット)

ウォーレン・バフェットとチャーリー・マンガーは、投資候補の企業がMoat(経済的な堀)を持っているかどうかを重要視しています。Moatとはあいまいな表現ですが、今回引用する言葉「フランチャイズ」は、もう少しかみくだいた例を示しています。ウォーレンによる1991年の「株主のみなさんへ」からの引用です。(日本語は拙訳)

経済的な「フランチャイズ」を有している製品やサービスには、次のような特徴があります。第一に、必需品あるいは嗜好品である。第二に、顧客にとって他に似たような代わりがない。第三に、価格統制の対象外である。その3つがそろった企業は、価格改定を定期的かつ大胆に実施できます。これは高い資本利益率へとつながります。その上、経営上の失敗があっても「フランチャイズ」にはそれに耐える力を持っています。無能な経営陣が「フランチャイズ」から得られる利益を減らすことはあっても、致命傷を負わせるほどにはなりません。

反対に、「ビジネス」から素晴らしい利益を挙げるには、低コストに徹するか、製品やサービスの供給がタイトな場合に限られます。供給がタイトな状況というのは長くは続きません。また優れた経営が行われている企業では、それよりは長い期間にわたって低コスト体質を維持できるかもしれません。ですが、競合企業との絶え間ない競争からは逃れられません。「ビジネス」が「フランチャイズ」と違うのは、経営が悪いと会社がおしまいになることがある点です。

An economic franchise arises from a product or service that: (1) is needed or desired; (2) is thought by its customers to have no close substitute and; (3) is not subject to price regulation. The existence of all three conditions will be demonstrated by a company's ability to regularly price its product or service aggressively and thereby to earn high rates of return on capital. Moreover, franchises can tolerate mis-management. Inept managers may diminish a franchise's profitability, but they cannot inflict mortal damage.

In contrast, "a business" earns exceptional profits only if it is the low-cost operator or if supply of its product or service is tight. Tightness in supply usually does not last long. With superior management, a company may maintain its status as a low- cost operator for a much longer time, but even then unceasingly faces the possibility of competitive attack. And a business, unlike a franchise, can be killed by poor management.


個人的には、この3つの基準でしぼりこむのは厳しいので、別の基準とあわせて使っています(過去記事「競争優位性とは」)。いずれにせよ、「顧客が離れにくい」とか「顧客が集まりやすい」点が決定的だと捉えています。

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