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2021年3月5日金曜日

2020年度バフェットからの手紙(1)2匹でお支払いしましょう

バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェットが、2/27(土)付けで2020年度の「バフェットからの手紙」を公開しています。今回とりあげている内容は同社株主向けの話題が中心になっており、一般投資家からすれば興味を持てない文章かもしれません。しかし個人的には同社の株主を長く続けており、昨年には持ち株を買い増しする機会を久しぶりに得て、さらには今後も買い増ししたいと願っています。今回の文章もそのような株主を唱導してくれる内容であり、ひきつづき株主でありたいと思わせてくれるものでした。


今回からの投稿では、同レターの中からいくつかの文節を拙訳付きでご紹介します。まずはコングロマリットに関する話題をとりあげます。


SHAREHOLDER LETTER 2020 [PDF] (Berkshire Hathaway)


当社の方針は二段構え


バークシャーは「コングロマリット企業」と呼ばれることがよくあります。これは「たがいに無関係である各種事業を闇雲に保有している持株会社」を示すために使われる否定的な言葉です。もちろんこの言葉はバークシャーを描写してはいます。しかし、それはごく一部に限られます。それでは当社が、コングロマリットの原型とはなぜどのように異なっているのかを理解するために、コングロマリットの歴史を若干振り返ってみたいと思います。


概してコングロマリット企業は、「事業を買う際には丸ごとで」という制約を長期間にわたってみずからに課してきました。しかしながら、その戦略には2つの大きな問題がつきまといました。第一の問題点は「真に傑出した企業は、他社に買収されたいとはまず考えなかった」ことです。しかもこれは対処不可能な問題です。その結果、買収案件を渇望するコングロマリットの経営者たちは、重要かつ永続的な競争力を有していない、そこそこの企業に狙いを定めるしかありませんでした。「釣りをするにはもってこいの池」ではなかったのです。


そのうえコングロマリット屋たちは「散々な事業の世界」へと入り込んだ際に、獲物を捕らえるためには驚くほどの「経営権としての」割増金を支払う羽目になると気づいたものでした。意欲的なコングロマリット屋たちは、この「支払いすぎる」問題を解決する方法を知っていました。値の張る買収に使える「通貨」として、大幅に割高な自社の株式を生み出せればよいと考えたのです(そちらの犬の値段は1万ドルですか。では、うちの猫は5,000ドルなので、2匹でお支払いしましょう)。


コングロマリット企業の株式を割高な株価へと育む道具としては、喧伝するための各種技術や、「想像力ゆたかな」会計操作がよく使われました。後者は欺瞞的と呼べればいいほうで、ときには詐欺の領域へ踏みこんでいました。そのような仕掛けが「成功」したときには、被買収候補企業に対してたとえば企業価値の2倍で買収したいと条件提示できるように、そのコングロマリット企業の株価は企業価値の3倍へと押し上げられました。


投資という名の幻想が、おどろくほど長期間にわたって続くこともあります。ウォール街の金融家はその手の取引がもたらす手数料にすり寄り、報道機関は華やかな仕掛け人らが繰り出す話題に惹かれるものです。そしてまた、吹聴されている株式の値段が高騰しているという事実が、幻想ならず現実である「証拠」とみなされる時期があるものです。


もちろんですが結局のところ、祭りは終わりをむかえて、「皇帝」とみなされていた事業家たちの多くが衣服をまとっていなかったとわかります。金融の歴史には、有名なコングロマリット経営者の名前が満ちあふれています。当初の彼らは、ジャーナリストやアナリストや投資銀行家から「ビジネスの天才」と崇められていました。しかし彼らの創造した産物は、やがては廃品集積所と成り果てたのです。


そしてコングロマリット企業は悪評をこうむることになりました。(p. 4)

(つづく)

Two Strings to Our Bow


Berkshire is often labeled a conglomerate, a negative term applied to holding companies that own a hodge-podge of unrelated businesses. And, yes, that describes Berkshire - but only in part. To understand how and why we differ from the prototype conglomerate, let's review a little history.


Over time, conglomerates have generally limited themselves to buying businesses in their entirety. That strategy, however, came with two major problems. One was unsolvable: Most of the truly great businesses had no interest in having anyone take them over. Consequently, deal-hungry conglomerateurs had to focus on so-so companies that lacked important and durable competitive strengths. That was not a great pond in which to fish.


Beyond that, as conglomerateurs dipped into this universe of mediocre businesses, they often found themselves required to pay staggering "control" premiums to snare their quarry. Aspiring conglomerateurs knew the answer to this "overpayment" problem: They simply needed to manufacture a vastly overvalued stock of their own that could be used as a "currency" for pricey acquisitions. ("I'll pay you $10,000 for your dog by giving you two of my $5,000 cats.")


Often, the tools for fostering the overvaluation of a conglomerate's stock involved promotional techniques and "imaginative" accounting maneuvers that were, at best, deceptive and that sometimes crossed the line into fraud.  When these tricks were "successful," the conglomerate pushed its own stock to, say, 3x its business value in order to offer the target 2x its value.


Investing illusions can continue for a surprisingly long time. Wall Street loves the fees that deal-making generates, and the press loves the stories that colorful promoters provide. At a point, also, the soaring price of a promoted stock can itself become the "proof" that an illusion is reality.


Eventually, of course, the party ends, and many business "emperors" are found to have no clothes. Financial history is replete with the names of famous conglomerateurs who were initially lionized as business geniuses by journalists, analysts and investment bankers, but whose creations ended up as business junkyards.


Conglomerates earned their terrible reputation.


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