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2017年6月8日木曜日

2016年度バフェットからの手紙(3)100歳になっても生きているだろうか

2016年度「バフェットからの手紙」からの引用です。今回から取り上げる部分が、一般(=非株主)向けのメイン・テーマと言えると思います。まずは、ウォーレンが好む軽いジョークの連発からです。(日本語は拙訳)

「賭け」(あるいは、自分の資金がウォール街へおさまることになる経緯)

この章のはじめのほうでは、わたしが9年前に勝負にのったある投資の話をします。それから次に、わたしが投資に対して強く抱いている見方を挙げています。しかしその前に、「ロング・ベッツ」(Long Bets; 長期的予測)という異色の組織がその賭けの中で果たす役割について、かいつまんで記したいと思います。

「ロング・ベッツ」はアマゾン社のジェフ・ベゾスの資金提供を受けて設立・運営されてきた非営利の団体で、長期的な予測がどうなったのか、その顛末を処理運営するものです。この予測に参加する「提案者」は、かなり先の日付になってから是非が明らかになる自分自身の見解を、Longbets.orgのサイトへ提出します。そして、それと反対の見解を抱く、つまり自分の反対側に賭けてくれる参加者を待ちます、その「疑義者」が申し出てくれた時点で、両者は自分の側が勝ったときに賭け金の受取人となる慈善先を指名します。そして「ロング・ベッツ」へ賭け金を預け入れると共に、自分側の立場を擁護する小論文を提出します。勝負が決まった時点で、「ロング・ベッツ」は勝った側の慈善先へ賭け金を支払います。

それでは、「ロング・ベッツ」が運営している興味津々なサイトで見受けられる事例を、いくつか挙げてみましょう。

2002年には、ミッチ・ケイパーという起業家[1-2-3で有名なLotusの創業者]が「チューリング・テストを合格するコンピューターや『機械知能』は、2029年までは登場しない」と宣言しました。チューリング・テストとは、コンピューターが人間[の受け答え]を模倣できるどうかを試すテストです。一方、発明家であるレイ・カーツワイル[A.I.の領域で活躍]は反対の見方を示しました。彼らは各々の見解を支持する金額として1万ドルを用意しました。どちらがこの賭けに勝つのかは、わたしにはわかりません。しかし「チャーリー・マンガーをそっくり真似できるコンピューターは登場しない」という見方には、自信をもって賭けられます。

それと同じ年にマイクロソフト社のクレイグ・マンディー[元最高研究戦略責任者]が、「パイロットの不要な旅客飛行機の定期便が、2030年までに出現する」と宣言しました。これに反対したのがグーグル社のエリック・シュミット[元CEO]です。この勝負での賭け金は1,000ドルずつでした。巨額な費用負担を被るかもしれないエリックの胸焼けをやわらげたいと思い、彼がしたことの一部を受け持とうと先日わたしから提案しました。すると彼は即座に500ドル分をわたしに回してくれました。(もしわたしたちの側が負けることになったときに、「負担分を支払わなければならない西暦2030年前後に、わたしがまだ生きている」と彼が想定してくれた点が、うれしいですね)

“The Bet” (or how your money finds its way to Wall Street)

In this section, you will encounter, early on, the story of an investment bet I made nine years ago and, next, some strong opinions I have about investing. As a starter, though, I want to briefly describe Long Bets, a unique establishment that played a role in the bet.

Long Bets was seeded by Amazon's Jeff Bezos and operates as a non-profit organization that administers just what you'd guess: long-term bets. To participate, “proposers" post a proposition at Longbets.org that will be proved right or wrong at a distant date. They then wait for a contrary-minded party to take the other side of the bet. When a “doubter" steps forward, each side names a charity that will be the beneficiary if its side wins; parks its wager with Long Bets; and posts a short essay defending its position on the Long Bets website. When the bet is concluded, Long Bets pays off the winning charity.

Here are examples of what you will find on Long Bets' very interesting site:

In 2002, entrepreneur Mitch Kapor asserted that “By 2029 no computer - or ‘machine intelligence' - will have passed the Turing Test," which deals with whether a computer can successfully impersonate a human being. Inventor Ray Kurzweil took the opposing view. Each backed up his opinion with $10,000. I don't know who will win this bet, but I will confidently wager that no computer will ever replicate Charlie.

That same year, Craig Mundie of Microsoft asserted that pilotless planes would routinely fly passengers by 2030, while Eric Schmidt of Google argued otherwise. The stakes were $1,000 each. To ease any heartburn Eric might be experiencing from his outsized exposure, I recently offered to take a piece of his action. He promptly laid off $500 with me. (I like his assumption that I'll be around in 2030 to contribute my payment, should we lose.)

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