ビジネスをきちんと理解しているのでしたら、つまり未来を完璧に見通せるということですが、[株式を買う際に]安全余裕はほとんどとらなくてもよいでしょう。反対に、ビジネスに関するさまざまな出来事がおきたり、不確実なことが多かったり、ビジネスが脆弱になっていたり、変化する可能性が高くなるほど、安全余裕を多くとらなければなりません。
車両総重量が4.4トンのトラックにのって活荷重が4.5トンの橋をわたる場合、橋の高さが地面から15cmぐらいだったら、まあ安心してわたれるでしょう。しかし、グランド・キャニオンにかかる橋だったら、もっと余裕がほしくなりますよね。たとえば2トンぐらいのトラックにしておくのではないでしょうか。ですから、どれだけ安全余裕が必要かは、そこに潜んでいるリスクに応じて決まってくるのです。
If you understand a business ? if you can see its future perfectly ? then, obviously, you need very little in the way of margin of safety. Conversely, the more things can happen, the more uncertainty there is, the more vulnerable the business is or the greater the possibility of change, the larger margin of safety you require...
If you're driving a 9,800 pound truck across a bridge that says it holds 10,000 pounds and the bridge is only about six inches above the ground, then you may feel OK. However, if the bridge is over the Grand Canyon, then you may want a little larger margin of safety. And, therefore, you may only drive a 4,000 pound truck across. So it depends on the nature of the underlying risk.
2012年3月21日水曜日
グランド・キャニオンをわたる(ウォーレン・バフェット)
今回は、ベン・グレアムの言葉「Margin of Safety(安全余裕)」について。ウォーレン・バフェットは、この言葉をたびたび強調してきましたが、ここで彼による例え話をどうぞ。おなじみ『Seeking Wisdom』からの孫引きで、1997年開催のバークシャー・ハサウェイの株主総会での発言です。(日本語は拙訳)
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4 件のコメント:
== No title ==
「堅実な投資というものを,いかにしても三語に集約しなくてはならないとしたら,それは[Margin of Safety]であると思いきって言おう」・・・賢明なる投資家の翻訳バージョンしか読んでいませんが,この言葉,常に頭に入れておきたいです.これこそバリュー投資ですかね!!
== 投資男さん、ありがとうございます ==
お久しぶりです。バフェる!のほうは毎日楽しく拝見しております。
さて、「三語に集約」は、ウォーレン・バフェットもまったく同じように繰り返していますね。またアメリカで評判の高いファンド・マネージャーのセス・クラーマンが書いた本の題名も、まったく同じ3文字です。先日亡くなったシュロスも、価格の安さにはこだわっていましたね。
一方、チャーリー・マンガーは値段よりも優れたビジネスを買うことを強調していますね。それというのも、この記事で引用したウォーレンの言葉通り、不確実性が小さければ安全余裕は気にならないといったところでしょうか。
ところで、ウォーレンが数年前に買収したBNSFは鉄道会社ですが、減価償却費が巨額ですよ。:-)
(2011年度は1,200億円)
それでは、このあたりで失礼します。
== No title ==
betseldomさん
たしかに,BNSFを買収したり,インフラ関係(設備投資額が多い)企業を買収していますね・・・.ブログで,バフェットは設備投資額が小さい企業がいいと書いてしまいました・・・(色々語弊がありましたね)
実際USエアーなども買収していますからね.(航空会社は価格競争に巻き込まれ,厳しいと書いていました)
ブログで一番言いたかったことは,有形固定資産当たりいくらの利益をあげているか??をみることで,その企業の経済的な魅力を測れるんです!という事でした!!(バフェットの手紙から)
??まあ,簡易的に考えるのが好きなので,固定資産が少ない企業がいいと表現しました)
だから,設備投資額が巨大でも,固定資産に対する利益が大きければダンプカーでも構わないのではないか??と思っています!!
あと,これは個人的な事ですが,私は素人投資家ですので,減価償却費をいじることで純利益がいとも簡単に変わるくらいなら,減価償却費が余りかからないような企業がいいなーなんて思いました!!(今の会計ではいじりにくくなっているのかもしれませんけどね)
betseldomさんのブログ,本当ためになることばかりで非常に参考にしております,今後もお世話になります.よろしくお願いします.
== 投資男さん、詳細なコメントありがとうございました ==
投資男さんのブログは図示や感情表現が巧みな上に、本質に迫っていると感じています。わたしのほうも、日々勉強になることばかりです。
「減価償却費をいじる」というのは、逆にいい意味で使っている企業もありますね。ウォーレン・バフェットの似た例では、1990年ごろにウェルズ・ファーゴが大量の引当金を計上してマーケットが過小評価した云々、とどこかで読んだ記憶があります。保守的な会計に対しては、個人的には好感を持っています。
「固定資産が少ない企業がいい」というのはわたしも同じで、主力の投資先は身軽な企業ばかりです。一方のウォーレンが固定資産の大きな企業に投資するときは、これからインフレ傾向が強くなってくるものと捉えています。日本が低金利でいられるのは、一体いつまでなのかよくわかりませんが、個人的には好財務企業を投資先に選ぶことで、安全余裕のひとつとしています。
それでは失礼します。
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