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2018年8月8日水曜日

2018年バークシャー株主総会(14)貿易戦争と国家運営(後)

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バークシャー・ハサウェイ株主総会での質疑応答から、前回につづいて貿易戦争の話題です。(日本語は拙訳)

もしそのような状況にあるとしたら、そういった環境のもとで次の2つを実行する必要があります。この国にとって何が有益なのかはわかっているわけですから、それが現実的にどのような形でだれを損ねるのか、非常にうまく説明しなければなりません、たとえば、ニュー・ベッドフォードで当社が操業していた紡織工場で働いていた人が挙げられます。工員の半分はポルトガル語しか話せなかったので、ポルトガル語で説明する必要がありました。そして、彼らは唐突に仕事を失うことになるわけです。何年にもわたっていい仕事をしてきた人たちがです。

やるべきことは2つです。まずは、「全体としてみたときに有益となることに対して、個人が代償を支払っている」ことを理解しなければなりません。

次に、年齢などの理由から再訓練などとんでもないと考えられているところでは、その人たちを援助しなければなりません。同様に、この国全体としてみたときに利益となる物事によって犠牲になる人たちに対してもです。

そのためには社会全体が議員に働きかけて、全体としてみたときに利益が得られるような政策を発展させるように、うながす必要があります。それと同時に、そのプロセスにおいて経済的に押しつぶされる人が多くならないようにすることも必要です。この国では何年にもわたって、さまざまな領域でそうしてきました。

生産年齢にあって就業している人たちは、年寄りや子供の生活を支えています。たとえば、米国で赤ちゃんが生まれるということは、12年間の教育を受けさせる義務が生じます。それにかかる費用が、現在では15万ドルになることをご存知でしょうか。

この社会では、生産年齢人口に含まれる人たちと、老人や子供世代を結びつける仕組みがあります。そしてその仕組みは、時とともに改善されています。現状は「完璧」からほど遠いものですが、ここまで来る間にも改善されてきました。

適切な説明がなされた上で、犠牲になった人たちを政策面から援助する体制があれば、貿易はこの国にとって有益なものですし、またそのように説明できるものだと信じています。

そうは言いましたが、メイン州のデクスターで靴の生産に携わっていた人や、マサチューセッツ州のニュー・ベッドフォードで織機の仕事をしていた人、はたまたオハイオ州のヤングスタウンにある製鉄所で働いていた人たちを説得するのは、むずかしいことでした(拍手)。[過去記事]

And you need to do two things under those circumstances, if you have that situation. You know what’s good for the country. So, you have to be very good at explaining how it does really hurt, in a real way, somebody that works in a textile mill, like we had in New Bedford, where you only spoke Portuguese - half our workers only spoke Portuguese. And suddenly, they have no job. And they’ve been doing their job well for years.

You’ve got to do two things. You can - you’ll have to - you have to understand that that’s the price individuals pay for what’s good for the collective good.

And secondly, you’ve got to take care of the people that are - that - where retraining is a joke because of their age, or whatever it may be. And you’ve got to take care of the people that become the roadkill in something that is collectively good for us as a country. And -

That takes society acting through its representatives to develop the policies that will get us the right collective result, and not kill too many people economically in the process. And you know, we’ve done that in various arenas over the years.

The people in their productive years do help take care of the people that are too old, and too young. I mean, every time a baby is born in the United States, you know, we take on an obligation of educating them for 12 years. It’ll cost $150,000 now, you know? It -

We have a system that has a bond between the people in their productive years and the ones in the young and old. And it gets better over time. It’s far from perfect now. But it has gotten better over time.

And I believe that trade, properly explained, and with policies that take care of the people that are roadkill, is good for our country and can be explained.

But I think it’s a tough - it’s been a tough, tough sell to a guy that made shoes in Dexter, Maine or worked on a loom in New Bedford, Mass, or works in the steel mill in Youngstown, Ohio. (Applause)

2018年8月4日土曜日

2018年バークシャー株主総会(13)貿易戦争と国家運営(前)

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バークシャー・ハサウェイ株主総会での質疑応答から、現在の大きな問題である貿易戦争の話題です。その4字熟語が示すとおり、経済と政治の領域をまたいだ見解が述べられています。本シリーズ前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

18. 鉄鋼関税についてマンガー曰く、「あのドナルド・トランプでさえ、正しいときもある」

<ウォーレン・バフェット>  質問所5番のかた、どうぞ。

<聴衆からの質問者; おそらく小学生> ウォーレン・バフェットさん、チャーリー・マンガーさん、おはようございます。ぼくの名前はイーサン・ムポーザです。ネブラスカ州のオマハに住んでいます。

ドナルド・トランプの関税政策は、バークシャー・ハサウェイの製造関連事業に影響するでしょうか。(拍手)

<ウォーレン> そうですね、今のところは鋼材費用がいくぶん増加しています。しかし以前にもお話ししたように、米国と中国の双方が、自らを転落させるようなことはしないと思います。入れ替わりは幾分あるでしょうし、人によってはありがたくない事態になるかもしれませんが、いかなる種類であろうと本物の貿易戦争がこの国で続くことはないと思います。

この手のことを過去に何度か経験してきたわけですから、そこから教訓を得てきたと思います。

ただし、米国が掲げる貿易方針の一部に不満を抱く人たちが出てくるとは思います。同様に、他所が実行することに対してわたしたちが不満に感じることもあるでしょう。しかし結局のところは、ひどい答えに達することはないだろうと思います。

チャーリーはどうですかね..

<チャーリー・マンガー> そうですよ。製鉄業界の状況は、米国製鉄業界にとって信じられないほどの逆風でしたよ。

たとえドナルド・トランプであっても、今回の件では正しい判断も下していますね。(笑いと拍手)

<ウォーレン> 常々言っていることですが、どんな大統領であろうとも、その人物は最高教育責任者であるべきです。フランクリン・ルーズベルトが大恐慌の時期に、語らいの場として炉辺談話[=ラジオ放送]を始めたのはそのためです。何をしなければならないのか、また何が起こっているのかを大衆へと伝達する上で、とても重要なことでした。

貿易とはことさら難しい問題です。これは、貿易による便益が基本的に目に見えないからです。もし米国内での生産を強制する規則が定められていたら、今日身に着けている衣服を買うのにどれほど支払うことになっていたでしょうか。あるいは、テレビ受像機などの値段はどうなったでしょうか。

いろいろと買い求めていたり、自分のビジネスを継続しているときに、どんな便益を享受しているのか、日常において気にかける人はいないはずです。

一方、[貿易政策によって被る]欠点については、とても明白で、ひどく痛みを伴うものがあります。当社がメーン州で営んでいた製靴会社(デクスター・シューズ社)で起きたように、もしみなさんが解雇されたとしたら、どんな気持ちになるでしょうか。非常に優秀な現場作業員で、自分の仕事に誇りを持ち、おそらくは両親もかつては同じように働いていたものの、米国製の靴は外国製の靴とくらべて競争力がないことを、唐突に見せつけられるわけです。

アダム・スミスやデヴィッド・リカードなどについて話せばよいとか、自由貿易や比較優位やその手のあらゆることの利点を説明すれば、と思うかもしれません。しかしそれでは何も変わりません。[参考記事]

55や60歳の人にとって再訓練などの話になったとしても、「だからどうした」と思うことでしょう。

ですから、「便益面はおもてに現れないものの、費用面は非常にわかりやすい」といった影響を、ある程度の割合の支持者が被る場合、そのような状況で行う政治は厄介なものになるわけです。

(つづく)

18. Munger on steel tariffs: “Even Donald Trump can be right”

WARREN BUFFETT: OK. Station five.

AUDIENCE MEMBER: Good morning, Warren Buffett and Charlie Munger. My name is Ethan Mupposa (PH), and I am from Omaha, Nebraska.

My question is, how will Donald Trump’s tariffs affect the manufacturing business of Berkshire Hathaway?

WARREN BUFFETT: Well, to date - (applause) - steel costs - we’ve seen steel costs increase somewhat. But as I said earlier, I don’t think the United States or China - there’ll be some jockeying back and forth, and there will be something that leaves some people unhappy and - but I don’t think - I don’t think either country will dig themselves into something that precipitates and continues any kind of real trade war in this country.

We - we’ve had that in the past a few times. And I think we’ve learned a general lesson on it.

But there will - there will be some things about our trade policies that irritate others. And there will be some from others that irritate us. And there will be some back and forth. But in the end, I don’t think we’ll come out with a terrible answer on it.

Charlie, I’ll let you -

CHARLIE MUNGER: Well, steel has - it reached - the conditions in steel were almost unbelievably adverse to the American steel industry.

You know, even Donald Trump can be right on some of this stuff. (Laughter and applause)

WARREN BUFFETT: The - the thing about trade - you know, I’ve always said that the president, whether it’s president - any president - needs to be an educator-in-chief, which [Franklin] Roosevelt was in the Depression. That’s why he had those Fireside Chats, and it was very important that he communicated to the people what needed to be done and what was happening around them, and -

Trade is particularly difficult, because the benefits of trade are basically not visible, you know. You don’t know what you would be paying for the clothes you’re wearing today if we’d had a rule they all had to be manufactured in the United States, or what you’d be paying for your television set, or whatever it may be.

No one thinks about the benefits day-by-day as they walk around buying things and carrying on their own business.

The negatives, and there are negatives, are very apparent and very painful. And if you’re laid off - like happened in our shoe business [Dexter Shoes] in Maine - and you know you are - been a very, very, very good worker, and you were proud of what you did, and maybe your parents did it before you, and all of a sudden you find out that American shoes - shoes manufactured in America - are not competitive with shoes made outside the United States.

You know, you can talk all you want about Adam Smith or David Ricardo or something and explain the benefits of free trade and comparative advantage and all that sort of thing, and that doesn’t make any difference.

And if you’re 55 or 60 years old, to talk about retraining or something like that, you know, so what?

So, I - it is tough in politics where you have a hidden benefit and a very visible cost to a certain percentage of a - of your constituency.

2016年2月12日金曜日

さまざまな逆説を受け入れよ(チャーリー・マンガー)

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チャーリー・マンガーが2000年にフィランソロピー円卓会議で行った講話の7回目です。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

この部屋にいる多くの方は、過ぎ去りし年月の印象を強く持っておられると思います。私の年代か、その直後の年代ですね。倹約を旨としたり、浪費を戒めることは善であると受けとめたものでした。そういったプロセスは我々にとってうまくいきました。ですから、経済学者が以前から「愚かな消費は経済発展に不可欠な要因だ」と称えてきたことは、我々からすれば逆説的でしたし、困惑させられました。私たちとしては、「愚かしい消費(foolish expenditures)」のことは「愚曲(foolexures)」と呼ぶことにしましょう。みなさんのように古き価値観を抱く人であれば、みずからの考える「愚曲」の一例に、「フェベズルメント」つまり「横領に相当するもの」が加わったと感じられたことでしょう。新しい日の始まりにふさわしい話題ではないかもしれませんが、私が「横領相当」を好まぬことをどうかご了解ください。私が思うに、「横領相当」は大きく広がり、経済に強い影響をもたらしています。ですから、たとえこの件を好まないとしても、その現実を認識すべきです。この件を好まぬ人ほど、なおさらそうすべきです。さらには、「良き振る舞いを以ってしても解消できない逆説」を喜んで受け入れるべきです。あらゆる逆説を排除することは純粋数学でさえもできないのですから、その他大勢の我々としては、好き嫌いにかかわらず、さまざまな逆説を受け入れざるを得ない、そう認識すべきでしょう。

This room contains many people pretty well stricken by expired years - in my generation or the one following. We tend to believe in thrift and avoiding waste as good things, a process that has worked well for us. It is paradoxical and disturbing to us that economists have long praised foolish spending as a necessary ingredient of a successful economy. Let us call foolish expenditures “foolexures”. And now you holders of old values are hearing one of your own add to the case for “foolexures” the case for “febezzlements” - the functional equivalent of embezzlements. This may not seem like a nice way to start a new day. Please be assured that I don’t like “febezzlements”. It is just that I think “febezzlements” are widespread and have powerful economic effects. And I also think that one should recognize reality even when one doesn’t like it, indeed, especially when one doesn’t like it. Also, I think one should cheerfully endure paradox that one can’t remove by good thinking. Even in pure mathematics, they can’t remove all paradox, and the rest of us should also recognize we are going to have to endure a lot of paradox, like it or not.

2016年2月4日木曜日

フェベズラー(febezzlers)(チャーリー・マンガー)

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チャーリー・マンガーが2000年にフィランソロピー円卓会議で行った講話の6回目です。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

「横領」が増加することで、ケインズ主義的な効果が経済に必ずやもたらされる。ガルブレイスがそう考えたのは言うまでもないでしょう。しかし彼はそこでやめにしてしまいました。結局は、とてつもなく巨大な「横領」にはなり得ないからですね。大規模な窃盗とはほぼ確実に発覚するものですし、その後は当然のように反動がきます。それがために、秘匿された「横領」が増えたとしても、政府支出のように景気を延々上昇させることは、それなりの期間であってもできないわけです。

「経済的影響は明らかに小さい」と洞察したことが障壁となり、ガルブレイスは次に問われて然るべき設問には進みませんでした。それはつまり、「横領(ベズル)」と機能的に等価で重要なものがあるかという設問です。それは巨大でいて、早々に自己崩壊しない必要があります。では、私から答えましょう。それは「存在します」。ここではひとつだけ取りあげます。私もガルブレイスと立ち並び、新たな言葉を生み出すことにします。まずひとつめが「フェベズル(febezzle)」です[以降は横領相当と訳す]。これは「ベズル(bezzle)」と機能的に等価なものを意味します(functional equivalent)。ふたつめが「フェベズルメント(febezzlement)」で、「横領相当」を生み出す一連のプロセスを表す言葉です。そして三つめが「フェベズラー(febezzlers)」です。「横領相当を創出するプロセス」に携わる人物を示します。それでは「横領相当」の重要な源泉のひとつを、今ここでずばり特定しましょう。私が思うに、みなさんは愚かしくも普通株を大量に保有する資産運用を行ってきた間に、数多くの「横領相当」を生みだしてきました。

もし財団あるいは別の投資家が株式ポートフォリオを管理する際に不要かつ非生産的な運用経費として保有資産の3%分を毎年浪費していても、強烈に上昇している市場環境であれば、浪費しているにもかかわらず、金持ちになったと感じるものです。ところが3%が浪費されている一方で、「横領相当創出関係者ら」は自分たちが高潔なる収入を得ていると考えているのですよ。この状況は自己抑制のない未発覚な横領さながらに働きますね。実際問題、このプロセスはタコが自らの足を食べている最中はずっと拡大していけます。しかしその間において、浪費分3%を手にした者の収入から支出されたように見えるのは、実のところは株価上昇に起因する偽装された「資産効果」から支出されたものなのです。

No doubt Galbraith saw the Keynesian-multiplier-type economic effects promised by increases in “bezzle”. But he stopped there. After all, “bezzle” could not grow very big because discovery of massive theft was nearly inevitable and sure to have reverse effects in due course. Thus, increase in private “bezzle” could not drive economies up and up, and on and on, at least for a considerable time, like government spending.

Deterred by the apparent smallness of economic effects from his insight, Galbraith did not ask the next logical question: Are there important functional equivalents of “bezzle” that are large and not promptly self-destructive? My answer to this question is yes. I will next describe only one. I will join Galbraith in coining new words: first, “febezzle”, to stand for the functional equivalent of “bezzle”; second, “febezzlement”, to describe the process of creating “febezzle”; and third, “febezzlers,” to describe persons engaged in “febezzlement.” Then, I will identify an important source of “febezzle” right in this room. You people, I think, have created a lot of “febezzle” through your foolish investment management practices in dealing with your large holdings of common stock.

If a foundation, or other investor, wastes three percent of assets per year in unnecessary, nonproductive investment costs in managing a strongly rising stock portfolio, it still feels richer, despite the waste, while the people getting the wasted three percent, “febezzlers” though they are, think they are virtuously earning income. The situation is functioning like undisclosed embezzlement without being self-limited. Indeed, the process can expand for a long while by feeding on itself. And, all the while, what looks like spending from earned income of the receivers of the wasted three percent is, in substance, spending from a disguised “wealth effect” from rising stock prices.

2016年1月26日火曜日

ガルブレイスの好んだ寒々とした世界(チャーリー・マンガー)

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チャーリー・マンガーが2000年にフィランソロピー円卓会議で行った講話の5回目です。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

次にあげたいのは、経済学者の伝統的な考えにおいて、bezzle(ベズル)という考えに含まれる意味を考慮していないことがよくある点です。もう一度言いますよ、「ベ・ズ・ル」です。

この「ベズル」という言葉は「横領(embezzle)」という言葉を短縮したものです。ある期間において未発覚の横領が増加した数量を示すために、ハーバードにいた経済学者ジョン・ケネス・ガルブレイスが考案しました。彼は、1ドル当たりでみた未発覚の横領が、消費に対して非常に強力な刺激を与える様子を観察したことから、この言葉を考え出したのですね。結局は、横領をした者は実入りが増えるので消費を増やしますし、雇用主のほうは自分の資産が消えたとは露ほども知らず、以前と同じように消費するわけです。

しかしガルブレイスは自分の洞察をそれ以上押し進めませんでした。物議を醸すだけにとどめることで満足していたのです。ですから、これから私がガルブレイスの持ち出した「ベズルな」概念を、論理的に考えられる次の段階に進めてみることにしましょう。ケインズが示したように、収入の動きに敏感な経済では、たとえば針子(はりこ)が靴職人へコートを20ドルで売れば、靴職人は消費に回せる金銭が20ドル減りますし、針子のほうは20ドル増えます。この場合、消費全体でみると「とびっきりな」効果は生じません。ところがそこで政府が20ドル札を1枚刷って靴を1足買えば、靴職人は20ドル増えることになり、貧しさを感じる者はいなくなります。さらに靴職人がコートを買って…というプロセスが連続すれば、無限に増えることはないものの、ケインズが言うところの乗数効果が生まれます。これは消費における、ある種の「とびっきりな」効果ですね。それと同じで、未発覚の横領は同規模の誠実な物々交換とくらべて、1ドル当たりでみた消費に対して強い刺激を与えます。スコットランド人であったガルブレイスは、自分の洞察が示した荒涼とした世界を好んでいました。結局のところスコットランド人たる彼は、さだめであって修正のきかぬ出来たての天罰を喜んで受け入れたのです。我々にとってガルブレイスの洞察は心惹かれるものではありません。にもかかわらず、彼の考えが大筋で正しいことは認めなければならないでしょう。

For another thing, the traditional thinking of economists often does not take into account implications from the idea of “bezzle”. Let me repeat: “bezzle,” B-E-Z-Z-L-E.

The word “bezzle” is a contraction of the word “embezzle”, and it was coined by Harvard Economics Professor John Kenneth Galbraith to stand for the increase in any period of undisclosed embezzlement. Galbraith coined the “bezzle” word because he saw that undisclosed embezzlement, per dollar, had a very powerful stimulating effect on spending. After all, the embezzler spends more because he has more income, and his employer spends as before because he doesn’t know any of his assets are gone.

But Galbraith did not push his insight on. He was content to stop with being a stimulating gadfly. So , I will now try to push Galbraith’s “bezzle” concept on to the next logical level. As Keynes showed, in a naive economy relying on earned income, when the seamstress sells a coat to the shoemaker for twenty dollars, the shoemaker has twenty dollars less to spend, and the seamstress has twenty dollars more to spend. There is no lollapalooza effect on aggregate spending. But when the government prints another twenty-dollar bill and uses it to buy a pair of shoes, the shoemaker has another twenty dollars, and no one feels poorer. And when the shoemaker next buys a coat, the process goes on and on, not to an infinite increase, but with what is now called the Keynesian multiplier effect, a sort of lollapalooza effect on spending. Similarly, an undisclosed embezzlement has stronger stimulative effects per dollar on spending than a same-sized honest exchange of goods. Galbraith, being Scottish, liked the bleakness of life demonstrated by his insight. After all, the Scottish enthusiastically accepted the idea of pre-ordained, unfixable infant damnation. But the rest of us don’t like Galbraith’s insight. Nevertheless, we have to recognize that Galbraith was roughly right.

備考です。同じガルブレイスの話題は、過去記事「Febezzlement」でも取りあげています。

2015年5月4日月曜日

2015年デイリー・ジャーナル株主総会(4)かつて日本は輸出強国だった

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デイリー・ジャーナル社の株主総会の記事から、チャーリー・マンガーの質疑応答です。Part1の記事から引用しています(過去記事)。なお前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

<質問者> 技術やその発展によって職場が奪われていく社会的変化を、どのようにお考えですか。

<マンガー> それこそ、ここで話題にしている事例ですよ。自由貿易を進めるなかで、良好なコミュニケーションやより効率的なコンテナ船などがあれば、新たな競争が生まれます。政府のおろかなシステムやマルサスの罠によって抑圧されていた非常に有能な人たちが、突如解放されたからですね。もちろん競争のせいで傷つく人もいます。かつてはその特権的な地位を占めていた人たちです。しかしそれはFRBが正しく行動しなかったせいではないです。政治家が不公平だったせいでも、金持ちが貧乏人を適切に遇しなかったせいでもないです。世界が変化したからです。自由貿易や現代技術を手放さなかったり、あるいは極貧にあえぐ農民を解放することをあきらめない以上は、当然ながら限られた教育しか受けていない勤勉な人たちの将来を害することにはなるものの、世界は変化していきます。それをとどめるのは非常にむずかしいことです。

それでも、しがみつこうとする人がいます。「政策を修正すれば対応できる」という考えです。これはギリシャがやろうとしていることですね。ギリシャの解決案は愚劣の極みです。働かない以上は儲からないわけですよ。アメとムチで導かなければならないのに、ムチがなければ全体としてうまく機能しません。

みずからをして金持ちに選ぶことなどできません。ばかげた考えです。もちろんですが、成功している社会では社会的な支援保障制度が整っています。しかし日本に起きたことを考えてください。彼の国はかつてアジアの強大な輸出国家でした。しかし中国と韓国が台頭し、ドイツも前進しました。突如として、それらの国が輸出強国となりました。

すばらしい独占的な地位を占めていても、もっと有能な他人が懸命に働くようになれば、自分のもうけは減ります。しょうもない経済学者らが、日本でFRB型のシステムを動かす方法などを探し続けてきました。それがどれだけばかげているか、考えてみてください。日本が後退した答えは、ずばりわかりきっています。彼らは強力な輸出国でしたが、当時はなかった大競争が生じたからです。日本は品質管理などの面で優れていました。そして他の国もおなじやりかたを覚えたのです。

韓国は自動車産業を一から始めました。毎週84時間労働を10年以上もやってきました。残業にはならないですよ。同時に韓国人の子供はみんな、小学校から帰宅したあとの午後や夜の4時間、家庭教師がつきっきりで勉強しました。教育ママのせいですね。そんな人たちに負けたからといって、驚くのは本物のバカだけですよ。(笑)

Q: What do you think about societal change, because of the labor displacement by technology and the accelerating of that.

Mr. Munger: That's an example of what I'm talking about. If you're going to have free trade and better communication, more efficient container ships and so forth, and there's all this new competition from very talented people who've been held down by stupid governmental systems and Malthusian traps and they're suddenly unleashed, of course that competition hurts the people who formerly were in the privileged position. It isn't because the Federal Reserve didn't do something right, or the politicians are unfair, or the rich people are mistreating the poor. The world has changed. Unless you're going to do away with free trade and modern technology and the liberation of these people who were working in penury on agriculture, of course that's going to hurt the prospects of hard working people with limited education, and it has. It's very hard to fix.

The people are still going, "All you have to do is tinker with the politics and you can fix it." That's what they tried to do in Greece. The Greek solution is idiocy. If we're going to prosper, we have to work. We have to have people subject to carrots and sticks. If you take away the stick the whole system won't work.

You can't vote yourself rich. It's an idiotic idea. Of course, the successful civilizations, they all have a social safety net. Look what happened in Japan. They were the export powerhouse of Asia. Up rose China and Korea, and Germany got way better. All of a sudden they're the export powerhouse.

When you have a wonderful monopolistic position, and then some more talented people work harder, of course you're less rich. These damned economists keep looking for ways to handle the federal reserve system in Japan or something. Think how stupid that is. The solution is really obvious of why they lost. They got huge competition they didn't formerly have when they were the export powerhouse. Japanese were better at quality control and so forth. Then other people learned to play the same game.

Koreans came up from nothing in the auto business. They worked 84 hours a week with no overtime for more than a decade. At the same time every little Korean came home from grade school, and worked with a tutor for four full hours in the afternoon and the evening, driven by these Tiger Moms. Are you surprised when you lose to people like that? Only if you're a total idiot.

[laughter]

チャーリーに対して残念に思うのは、ミクロの部分で日本を不勉強な点です。特に中国に対しては、盲目的なバイアスがかかっているようにも感じられます。一方でもっと残念なのは、大局的な視点でみるとチャーリーの指摘が正しい点です。伸びしろという面で先行者は不利な上、局面を打開するリーダーや統治機構や制度や社会的風土がこの国には育っていないように思います。もちろん、部分的にはすばらしい人材や組織もあるでしょうが、全体的には潜在能力が発揮されていない国だと思います。すべてを悲観してはいませんが、楽観できる部分も多くない。それが日本に対する個人的な見解です。

2013年12月12日木曜日

中国は活力を失うのか(経済学者ダロン・アセモグル他)

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少し前に読んだ本『国家はなぜ衰退するのか』はそれなりに勉強になるところもあったのですが、気鋭の経済学者が書いたせいか、持論を踏まえて大胆な予測を試みている点がひっかかりました。今回引用するのはその話題、「今後の中国がどうなるか」について書かれた文章です。

私たちの理論は、中国に見られるような収奪的政治制度下の成長は持続的成長をもたらさず、いずれ活力を失うことも示唆している。(下巻 p.247)

こんにちの中国の経済制度が30年前とは比べものにならないほど包括的であるにしても、中国の経験は収奪的政治制度下の成長の例だ。近年、中国ではイノヴェーションとテクノロジーに重点が置かれているものの、成長の基盤は創造的破壊ではなく、既存のテクノロジーの利用と急速な投資だ。(下巻 p.250)


この手の本は好んで読むようにしていますが、著者が自説にこだわりすぎないもののほうが個人的には納得しやすいと感じています。以前に挙げたかと思いますが、たとえばキンドルバーガーの『経済大国興亡史』のような書き方には好感をもっています。

2013年11月22日金曜日

累進消費税について(ウォーレン・バフェット)

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ウォーレン・バフェットが1994年にネブラスカ大学でおこなった講演その12です。今回も2件の質問に答えています。軽い話題とまじめな話題です。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

<質問者> バフェットさん、あなたがコーンハスカー[ネブラスカ大学のアメフト・チーム]の新人クォーターバックを夕食に誘ったといううわさは、本当のことでしょうか。

<バフェット> ちがいます。もしいい人を知っていたら、そうですね..、もしこちらに身体壮健でボールを60ヤード先[=50m超]に放れる人がいたら起立していただけますか。[出身大学のアメフト・チームが]すごく楽しみなのです。われわれのアメフト・コーチは全国でも一番だと思います。彼[コーチのトム・オズボーン]とナンシー[トムの妻]は二人ともすばらしい人です。それは個人的に知っています。今年はすごく運が悪かったので、ぜひ全部の歯車がうまくかみ合うようになってほしいものです。

<質問者> この国の税制は、ビジネスや個人が投資や貯蓄に励むような後押しをしていないと強く感じています。そういった動機づけがないと、国の経済成長は限定されてしまいます。バフェットさんは、付加価値税のような広く適用される消費税に賛成ですか。それと共に譲渡所得税や法人と個人双方[の所得]に課される税率を引き下げ、貯蓄や経済における投資活動を促進させるのです。

<バフェット> ええ、この話をする理由はいろいろあります。その一つが貯蓄を奨励することですが、それとは別の理由で累進税率の消費税がいいと考えています。これは消費する量が増えるほど税率が上がるものです。税率が一定だと比例的に課税されるので、いいやりかたとは思いません。全員に課税する際に同じパーセント分を払わせるようなものです。正直なところ、公平性という面からみて累進消費税がもっとも公平な税だと感じています。現実問題として短期的には経済に悪影響を与えるでしょうが、長い目で見ればもっとも有益だと思います。次第に投資をうながし、基本的には生活水準が向上するでしょう。しかし累進課税ではなく、消費税や連邦売上税などをきっちり比例的にするのは不公平です。ひどく逆進的になるからです。はっきり言えば、他人よりも多く消費する人は、消費することによって社会という蓄えから効率よく引き出すことになります。ですから高い割合で消費する人は、より高い税率を支払うべきだと思います。

わたしは累進税率の消費税導入を強く要請してきましたが、10年前や20年前とくらべると経済学者や政治家にいくぶん受け入れられるようになりました。数十年前には、この考えは経済学の一部の領域に限られていたのです。上院議員の[サム・]ナンと[ピート・V・]ドメニチは1年半前に報告書を出していますが、その中でこれと実質的に同じことを実施するように勧告しています。無制限貯蓄勘定(Unlimited Savings Account)、略称USA というのが彼らのつけた呼び名です。しかし5,6年前にわたしの案ではまだまだだったときとくらべると、今は貯蓄よりも税率のほうが実現しやすいと思います。貯蓄の状況は悪くなってきてはいません。楽観的すぎると思われるかもしれませんが、それでもほとんどの外国の経済とくらべれば、この国では貯蓄を推進するよりも簡単に実現できます。現実問題としては、消費税あるいは無制限のIRA口座[個人退職勘定]がやりやすいでしょう。この国の経済状況は、貯蓄を推進している外国の大多数のようには厳しくないのですから。

Q. Mr. Buffett, I'd just like to know if there is any truth to the rumor that you have been taking Cornhusker quarterback recruits out to dinner?

A. Nope. If I knew any good ones, I think I would, but... If anybody here is healthy and feels like they can throw that ball sixty yards, stand up. I've got an intense interest. I think we have the best football coach in the United States. He and Nancy are both truly outstanding human beings. I know that personally. I would love to see everything come together. I think he has had a lot of bad luck this year.

Q. Mr. Buffett, I believe the Nation's tax code does not provide the incentives for businesses and individuals to save and invest. Without these incentives, the growth of the Nation's economy is limited. Would you support a broad-based consumption tax, such as a value-added tax, combined with offsetting reductions in the capital gains tax and corporate and individual tax rates, to encourage more savings and investment in our economy?

A. Well, I would say this, for various reasons, one of which is encouraging savings, but for other reasons I would favor a progressive consumption tax - a tax where the rates go up as you consume more. I would not favor a flat tax because that’s proportional. That would be like having the some tax on everybody, paying the same percentage. And, I really feel, in terms of equity, that a progressive consumption tax is the most equitable tax. I also think it would have the greatest long-term benefits, although in the short term it would actually hurt the economy. But, over time, I think it would provide more investment and that will provide essentially a higher standard of living. Unless it is progressive though, it’s unfair to have that or a national sales tax or anything that’s strictly proportional, because it gets very regressive and, frankly, I think those people who consume far more than their fellow man are making withdrawals from society's bank effectively when they consume. I think they should pay higher rates as they get up in the high rates of consumption.

But, I've urged a progressive consumption tax and it's achieved somewhat more currency with economists and politicians now than it had 10 or 20 years ago. It was limited to a few academic areas a couple of decades ago. Senators Nunn and Domenici put out a report about 18 months ago, where they recommended something which was equivalent to that. I think they call it USA Unlimited Savings Account. I would say this, though: The tax rates are more conducive to savings now than they were when I was down here five or six years ago. It's not like the situation has gotten worse, in terms of savings. This will sound a little Pollyanna-ish, but it is still relatively easy to save money in this country compared to most economies in the world. A consumption tax or an unlimited IRA, in effect, would make it easier. But, this is not a tough economy compared to most of those around the world in which to save.


ウォーレンの主張する論理「他人よりも多く消費する人のほうが、社会という蓄えから効率よく引き出す」の部分が、恥ずかしながらこれまでは理解できずにいました。しかし今回翻訳するにあたって考え直したところ、ある一面では理解することができました。チャーリー・マンガーは「さまざまな基本的原理を知らないでいるのは不利だ」という趣旨の発言をしていますが、個人的にはその意味を実感できた一件でした。

2013年1月9日水曜日

一文で済ませていいのですか(チャーリー・マンガー)

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チャーリー・マンガーによるハーヴァード・ウェストレイク高校での講話、その2です。前回から続く文章です。(日本語は拙訳)

経済学に端を発したこれらの概念は企業財務の世界へと進み、資本資産価格モデルをつくりあげました。これまた、たわごとに過ぎないものです。しかし我々の子供の代ではみんな教わってますし、ロースクールでもとりあげています。たとえ理解していない人でも、仏教のマントラのように繰り返せたものです。これを覚えて試験の時にそのまま反復できた人には、Aなどの成績が与えられました。ご察しのとおり、こういう人たちが社会に出ると、良識や思慮ある考え方を脅かすものです。しかし、ハーヴァード大学などでこの件に関わっている人は、誰もそんなことを気にかけたりしませんでした。頭のいい人たちがそのようなひどく馬鹿げたことをするのは何ゆえと思いますか。

無理やりひねりだすことはありません。生きていれば、そういった重要な教訓を含んだ非常識な事例が度々とびだしてきて、驚かせてくれるものですから。ポール・サミュエルソンと共に取り組んでいたのも、ものすごく頭のいい人たちですよ。アラン・グリーンスパンも、ポール・サミュエルソンほどではないですが、ずば抜けていました。その後、彼らは他のアイデアもいろいろ考えだして経済学の世界に広めました。しかし良いアイデアだったものの、概して言えば十分な影響は及ぼしませんでした。15年ほど前の私はそういったアイデアを知らなかったため、経済学の入門レベルの教科書で有名なものを3冊通読しました。経済学の単位はひとつも履修したことがなかったのです。サミュエルソンの本の後継たる、かの有名なグレゴリー・マンキューの本では「賢明な人は機会費用によって意思決定する」と20ページ目に書かれています。しかし1000ページにわたる中で機会費用に触れられているのは、これっきりでした。ここで是が非でも申し上げておきたいのですが、いろいろ取り上げられている他のたわごとと比べたら、機会費用という考えには一文では済まされないほどの価値があると思います。

バークシャー・ハサウェイでは常々[音声不明瞭]考えがでてきても、2秒ちょうどで足蹴にしてきました。すでに手にしている機会のほうが新たにきたものより良いとわかっていたら、新しいほうを検討するのに2秒も費やしたいと思いますか。ここにいるみなさんは、そんなことはしないところから来られた方ばかりと承知しています。馬とうさぎと何かもうひとつ手に入れたら、あとはうさぎが手持ちの機会費用をくらべてどれを即座に除外したらよいか考えてくれるでしょう。しかし、責任範囲の違うところが考えることですから、分散しておいてもらう等が必要です。機会などどうでもいいと考えるのは楽ですが、ひとつに限るのではなく、よりよい結果を得るための異なる手段をいくつもさがすことが大切です。

現実の生活において正しく意思決定する方法は、機会費用に基づいて行うことです。結婚しようとするならば、かなうかぎりの最善の配偶者をむかえるべきです。人生の他のことについてもまったく同じです。実りある人生をおくりたいならばそれらを見極めなければなりませんし、そうしたくなければ、よき成果を得ないように努めねばなりません。売込み上手な人ならば、うまく手にいれられるでしょう。

Then these ideas from economics drifted into corporate finance, and they got the capital asset pricing model -- also pure drivel. They taught it to all of our children and the law schools picked it up. They didn't understand it, but they could repeat it like a mantra from Buddhism, and people would learn it and regurgitate it on the examinations and they'd get As and so forth. Of course, they got out into the real world and they were menaces to decency and sound thinking. That didn't bother the people at Harvard [University] or any of the people that were doing it. And you say, how can smart people do such immensely dumb things?

You don't have to make this stuff up. Life will constantly surprise you with these ridiculous examples which teach important lessons. These are seriously smart people who took up with Paul Samuelson. Alan Greenspan is a seriously smart person although not as smart as Paul Samuelson. Then they got other ideas and these spread, and the good ideas that are buried in economics by and large weren't emphasized enough. I don't know, 15 years ago or so, I rifled through the three leading textbooks in introductory economics - I'd never taken a course in the subject - and I read through them. About the 20th page of Mankiw's famous book, which succeeded Samuelson's famous book, the guy says smart people make their decisions based on opportunity costs. Well, that was the last time opportunity cost was discussed in 1,000 pages. I want to tell you that compared to the other drivel that was discussed, opportunity cost deserves more than one sentence.

Berkshire Hathaway is constantly kicking off ideas [audio unintelligible] in about two seconds flat. We know we've got opportunity X, which is better than the new opportunity. Why do we want to waste two seconds thinking about the new opportunity? Many of you come from places that don't do that. You've got to have one horse, one rabbit, one something or rather, and that rabbit is going to be thinking about something which would be ruled out immediately by an opportunity cost available generally to the place ? but, it's a different department. You have to be diversified and so on and so on. It's easy to drift into this idea that opportunities don't matter, you've got so many different ways of doing things that are better. It isn't better.

The right way to make decisions in practical life is based on your opportunity cost. When you get married, you have to choose the best [spouse] you can find that will have you. The rest of life is the same damn way. You have to figure these things out if you want good results in life, and if you don't, well, you have to pretend that you can get good results in life. If you have enough sales ability, maybe you can get by with it.


文中にでてくるマンキューの本とは『マンキュー経済学』と思われます。日本版はミクロ編とマクロ編の二分冊になっていますが、機会費用は基本原理のひとつとして紹介されているため、どちらにも同じ文章が載せられています。ミクロ編ではp.7に第2原理として書かれています。

「あるものの費用は、それを得るために放棄したものの価値である」


なおチャーリーが読んだものが第何版なのか不明ですが、日本版の第2版ではミクロ編p.76にも比較優位の話題とともに機会費用が登場しています。

2012年6月9日土曜日

ニッチを占める動物は繁栄する(チャーリー・マンガー)

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チャーリー・マンガーによる世知の続きで、今回は「ミクロ経済学」。個別企業の意思決定の話題ですので、ここまでくるとビジネスや投資判断にそのまま使えそうですね。(日本語は拙訳)

人の持つ知恵としては信頼性がいくぶん下がりますが、次に登場する話題はミクロ経済学です。ここでは、自由市場経済を一種の生態系のようなものと捉えれば、いろいろ考える際に便利です。部分的な自由市場であっても同様です。

しかし、この考え方は実に評判が悪いですね。ダーウィンの考えが登場した初期の頃に、泥棒男爵と呼ばれた人たちが次のようにうそぶいていたからです。適者生存の教えは、自分たちこそ権力を持つに値する者だと認めている、と。「一番の金持ちなのだから、われこそ最高なのだ。神、そらに知ろしめす」、などなど。

そのような泥棒男爵のふるまいは大衆をいらだたせました。そのため、経済を生態系のように考えるやりかたは人気がなくなったのです。しかし実のところ、経済は生態系と非常によく似ています。同じような結末にたどり着くことがよくあるのです。

生態系の中にいる場合と同じで、狭い範囲に特化すれば小さなニッチを占有しやすくなります。ニッチを占める動物は繁栄しますが、これはビジネスの世界でも同じで、特定の領域に特化して好業績を挙げている人たちは、他のやり方ではみつけられないような、いい商売をつかみやすくなります。

Now we come to another somewhat less reliable form of human wisdom - microeconomics. And here, I find it quite useful to think of a free market economy - or partly free market economy - as sort of the equivalent of an ecosystem.

This is a very unfashionable way of thinking because early in the days after Darwin came along, people like the robber barons assumed that the doctrine of the survival of the fittest authenticated them as deserving power - you know, “I'm the richest. Therefore, I'm the best. God's in his heaven, etc.”

And that reaction of the robber barons was so irritating to people that it made it unfashionable to think of an economy as an ecosystem. But the truth is that it is a lot like an ecosystem. And you get many of the same results.

Just as in an ecosystem, people who narrowly specialize can get terribly good at occupying some little niche. Just as animals flourish in niches, similarly, people who specialize in the business world - and get very good because they specialize - frequently find good economics that they wouldn't get any other way.


個人的にはニッチ企業が好きで、ポートフォリオの過半はニッチ・トップの企業が占めています。マーケット自体が小さいので、そのような企業には別のリスクがつきものです。悪い目がでたときのシナリオを想定しながら、投資の是非を判断しています。