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2015年11月28日土曜日

米国か、それとも中国か(ウォーレン・バフェット)

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ウォーレン・バフェットがYahoo Financeのインタビューに応じていました。トランスクリプトも掲載されています。今回引用するのは、米国と中国の将来をくらべた話題です。(日本語は拙訳)

Yahoo Finance Exclusive: What Warren Buffett is most optimistic about

米国か、それとも中国か

どちらの国も上々の場所になると思いますが、どちらかがいいかは選べません。それはわからないのですが、20年後の中国経済は今よりもずっと発展しているでしょうし、米国経済も20年後には今よりずっと発展していると思います。ですからわたしたちの子供は、わたしたちよりも向上した環境で生活できると思います。選挙の時期がやってくると「子供たちは今のような生活ができなくなる」と喧伝されますが、まるっきり100%ナンセンスです。GDP成長が2%であっても、一人当たりでは1%以上になります。それが一世代つづけば、米国における次の世代の人たちは今の生活よりも一人当たり25%分向上することになります。ですから、どちらの国にとっても非常に良い未来が待っていると思います。

Buffett on U.S. vs China

I think both will be good places. I can’t pick one over the other. I don’t know but the Chinese economy is going to be far ahead of where it is now 20 years from now and the United States economy is going to be far ahead of where it is now 20 years from now. Our children are going to live better than we live. During, in a political season to hear people say your children aren’t going to live as well as you do – that is total 100% nonsense. I mean, even at 2% GDP that’s over 1% per capita and in one generation that means the next generation is going to live 25% better than we live per capita in the United States so both countries have a very, very good future.


2015年2月2日月曜日

2014年の投資をふりかえって(8)その他:日精ASB,任天堂,しまむら,ツムラ

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2014年の投資に関する振りかえりは、今回で最後です。昨年と保有数の変わらない2社(日精エー・エス・ビー機械、任天堂)と、購入したもののすぐに売却した2社(しまむら、ツムラ)について、簡単に触れます。

■日精エー・エス・ビー機械(6284)
- 当社Webサイト
- Yahoo! Japan ファイナンス 株価

以下のリンク先は、昨年の振りかえり記事です。
2013年の投資をふりかえって(6)継続投資銘柄:日精ASB機械

日精エー・エス・ビー機械(6284)株価の推移(2014年)

株価は年始が2,600円、年末が3,000円でした。上昇率は15%です。

当社への投資はポートフォリオ中に占める割合が小さいため、業績を細かく確認することなく放置したままでした。半値近くまで下がる局面がありましたが、持ち株数は昨年と変わらずです。決算資料によれば受注残は前年度以上の数字ですが(当社発表資料最終ページ[PDF])、円安が進んでいる影響は割り引いてとらえています。当社は景気変動が大きい製造装置業界に属しており、下りの局面では売上げが大きく低下すると予想します。ですが現在の株価ではあえて売買はせず、今年も継続保有したいと考えています。


■任天堂(7974)
- 当社Webサイト
- Yahoo! Japan ファイナンス 株価

以下のリンク先は、昨年の振りかえり記事です。
2013年の投資をふりかえって(5)継続投資銘柄:任天堂

任天堂(7974)株価の推移(2014年)

株価は年始が14,010円、年末が12,605円でした。下落率は10%強です。

先週発表された第3四半期決算では、営業利益が下方修正されました。400億円から200億円への減額です(当社発表資料[PDF])。ただしそれは早い時期からある程度予想できたものです。今期発売した主な自社製品は、実質的にマリオカート8(WiiU)、ポケモンのリメイク作品(3DS)とスマブラ新タイトル(3DS及びWiiU)の3.5本と言える状況だったからです(この2月にはゼルダのリメイクが3DSで発売予定)。実質的にこれだけのバリエーションと既発売の作品と他社製品で、前年度並みのソフトウェア売上げを計上しています。

来期はWiiUの大型自社製品がいくつか発売されますが(ゼルダ、スターフォックス等)、個人的に注目している製品があります。5月に発売予定のスプラトゥーンです。

(下の映像は、2014年6月のE3で公開されたものです)



この作品からは「前向きなニンテンドー」らしさが感じられ、来期のWiiU拡販の試金石として働くのではないかと想像しています。ただし中心的な遊びかたがインターネット対戦型のソフトのようで、当社としては微妙なマーケティングと思える節もあります。ですが、北米での評判や売上げに注目したいと思います。

今期の当社は「定番ゲーム屋」さんとして消費者に受け入れられる施策を堅実に実行してきたと受けとめています。来期2015年度には、まいた種の成果がある程度実るだろうと思われます。ただし当社が掲げている基本戦略「ゲーム人口の拡大」の視点からみると、ほとんど前進していないようです(トモダチコレクションの国外販売は評価できます)。現在は収益基盤を取り戻すことで精いっぱい、といったところでしょうか。「消費者に新しいオドロキを与える」ことが当社らしい商売のやりかたですから、次の回ではぜひ期待したいものです。

最後に備考です。昨年の投稿で、当社の研究開発費が急増した話題をとりあげました。以下のグラフは、今期までの3年間にわたる研究開発費の推移です。

(データの出所: 当社四半期報告書)

これをみると、昨年度の増加は期末に集中しており、金額も突出しています。どうやら、ゲームソフト開発に資金を大量投下したというよりも、新開発棟での業務開始に備えた物品やソフトウェアの購入に使われた、とみるべきだったようです。


■しまむら(8227)
- 当社Webサイト
- Yahoo! Japan ファイナンス 株価

しまむら(8227)株価の推移(2014年)

当社の株を購入したのは、昨年4月中旬に株価が90万円を下回った頃でした。そして8月のはじめに売却しました。ただし1単元だけ残しています。現在は模索の時期に入ったようにみえる当社ですが、今回もかつてのように殻を破って新たな段階へと進めるのでしょうか。優良企業である当社には、それなりの金額を投資したい気持ちもあります。株価がふたたび下がる時機がくれば、購入を検討しなおすつもりです。


■ツムラ(4540)
- 当社Webサイト
- Yahoo! Japan ファイナンス 株価

当社については過去の投稿で一度取りあげています。
『復活を使命にした経営者』、芳井順一会長によるツムラ再生の物語

ツムラ(4540)株価の推移(2014年)

しまむらと同様、当社も昨年投資に踏み切り、時を置かず売却した会社です。両社に共通するのは、良好な業績をあげており、すばらしい企業文化を持っており、そして輸入型の企業であることです。円安の時期だからこそ、市場からの評価が低迷して株式を購入する機会が生まれるのでしょう。ですが、購入した株価水準が納得できなかったため、早々に売却しました(損失を確定しました)。次に機会があるかどうかわかりませんが、そのときがくれば今度は継続保有したいと考えている会社です。

2014年4月26日土曜日

泡ブクブクというほどではない(ウォーレン・バフェット)

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ウォーレン・バフェットがおなじみベッキー・クイックのインタビューを受けていました。市場全般の株価水準について「ひどいバブルというほどではない」と返答しています。トランスクリプトが掲載されているので、一部を引用します。(日本語は拙訳)

Warren Buffett: Stocks aren't 'too frothy' now (CNBC 2014/4/23付け)

「[株価は]今は妥当な範囲の中にあると思います。ただしその幅はどんなときにもかなりの広さを持っています。10年単位で見ていけば、株価は上がっていくものです。利益を再投資した分が何年か先に返ってくるからですね。株式の価値は10年また10年と高まっていきます。ただし精確に進むわけではないですし、それどころか順調にといった風にも進みません。しかし10年や20年、30年先には、株の価値は現在よりも高くなるでしょう」

"I think we're in a range, and it's a big zone always, of reasonableness. But stocks ought to be higher every 10 years.There's a plow back of earnings that goes back year after year. Stocks will become worth more decade after decade, not in any precise manner, not in an even manner or anything of the sort. But 10 years, 20 years, 30 years, stocks will be worth more than they are today."


(Adobe Flash Playerが必要です)

2014年4月5日土曜日

(映像)ネコちゃんがいいと思うよ(ウォーレン・バフェット)

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ウォーレン・バフェットが母校ネブラスカ大学の作成した宣伝用映像に登場していたので、ご紹介します。昨日あたりからインターネット上で話題になっています。

あっという間に終わってしまう1分間のこの映像は、ネブラスカ大学リンカーン校の学長がSNS音痴のため、今日のtweetネタをどうしようかウォーレンに相談する、という設定で作られているそうです。芸が細かいのか、それとも地のままなのかわたしには判断できませんが、ウォーレンのボケ演技は楽しいですね。


2014年4月2日水曜日

世界が終わるか、私が生き残るか(アーノルド・ヴァンデンバーグ)

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アーノルド・ヴァンデンバーグ氏はわたしの好きなマネー・マネージャーです。彼の投資先をうのみにすることはありませんが、実直かつ正統的で情熱ある説明には好感をいだいています。彼が業界誌のインタビューに応じた記事がファンドのWebサイトに転載されていますので、今回はその記事から創業した頃の話題をご紹介します。(日本語は拙訳)

Bottom-Up Investing with an Absolute-Value Focus [PDF] (原文はThe Wall Street Transcript)

<質問者> あなたが設立したセンチュリー・マネジメント[ファンド]の歴史を読者に対してお話しください。

<ヴァンデンバーグ> 私が投資の仕事に就いて投資信託を売り始めたのは1968年で、ちょうど市場が頂点に達した頃でした。投資信託こそ資産を築くのに役立つ究極の方法だと信念を持っていました。そこから株式市場は大恐慌以来最悪の下落をむかえ、ほとんどの投資信託は個別銘柄と同じように値下がりしました。このことは市場や資産運用ビジネスに対する私の信念を揺らがせることとなりました。

投資業界で成功するには、たぶん自分の会社を始めるのが一番だと考えずにはいられなくなりました。そこで次の数年間はウォール街や市場やさまざまな投資哲学を学ぶのに費やしました。そして、ファンド・マネージャーやプロの投資家の中にはその嵐をうまく切り抜けた人がいることに気がつきました。彼らは皆、ベンジャミン・グレアムの思想つまりバリュー投資のやりかたを学んだ人たちでした。結局私は、バリューに基づいた投資戦略をとるマネージャーは他の投資戦略をとるマネージャーよりも顧客の資本をうまく守り、より一貫した投資成績をもたらすと判断しました。

私は1974年の9月にセンチュリー・マネジメントを開業しました。私が見いだしたやりかたで投資すれば悪い市場環境下でも良い成績をおさめられる、と確信していたからです。当時の市場はダウ平均が45%ぐらい下落し、平均的には75%ぐらい下落したどん底付近で、投資に興味を持つ人はほとんどいませんでした。もはや世界の終わりだと告げる記事ばかりでした。しかし私は、世界が終わりになるか、それとも私が顧客の資産を大きく増やすか、そのどちらかだと判断しました。そして40年ちかくが経ち、今ここに私たちがいます。

TWST: Introduce our readers to the firm by telling us about Century Management's history.

Mr. Van Den Berg: I began my investment career in 1968, right at the top of the market, selling mutual funds. I had put my faith in mutual funds as the ultimate way to help people make money. Then as the stock market began what would eventually be its worst decline since the Great Depression, most mutual funds went down as much as individual stocks. This really shook my faith in the market and money management business.

I could not help thinking that maybe the best way to be successful in the investment industry would be to start my own firm, so I spent the next several years studying Wall Street, the market and various investment philosophies. I noticed there were fund managers and investment professionals who had weathered the storm fairly well, and they all came from the Benjamin Graham school of thought, which is the value-investing approach. I concluded that managers who used a value-based investment strategy protected their clients' capital better and provided more consistent investment results than managers using other investment strategies.

I started Century Management in September of 1974, because I believed I had found the investment approach that could do well even in bad market environments. At this time, the market was nearing the bottom of what would be a 45% decline in the Dow Jones Industrial Average and a 75% decline in the average stock. As a result, very few people were interested in investing. Also, there were so many articles talking about how it was the end of the world. Yet, I reasoned that either the world was going to end, or I was going to make a lot of money for my clients - here we are, almost 40 years later.


備考として同ファンドの成績にふれておきます(同社サイトの掲載内容を参照しました)。1974年の創設から2013年末までみると、S&P500の年率12.19%に対して13.16%(報酬控除後の純額ベース)と健闘している成績です。その差が1%と小さいようにみえますが、40年分が累積するので当初の資産がS&P500の約1.4倍に増えた計算になります。またS&P500はあくまでも指標値(+配当)であり、実際には運用者が入って報酬等を差し引くことになります。

一方で、直近10年間の成績はS&P500などのインデックスより低い結果となっています。これは2つの要因が大きく影響していると思われます。ひとつめは現金比率です。同ファンドにおける昨年末の現金比率は22%で、上昇相場がつづく局面ではハンデとなります(ウォーレン・バフェットのバークシャーも、この5年間はS&P500に1勝4敗です)。ふたつめがポートフォリオの内容です。投資額の3割近くを占める上位9社をみるとなるほどと感じさせるバリュー的な銘柄が多く、成果が出るまで辛抱がつづく投資スタイルだと感じました。しかしいずれは果実を手にする日がきて、納得のいく数字を残せるものと想像します。

長期間にわたってバリュー投資を実践し、成功してきた彼です。だからこそ一時的に生じるであろう相対的な優劣差は気にせずに、自分が正しいと考える道を歩き続けられるのだと思います。

[アーノルド・ヴァンデンバーグ氏による顧客向け説明会より(2013年10月26日開催)]

2013年9月22日日曜日

(映像)ウェスタン・オンタリオ大学基調講演(ローレン・テンプルトン)

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大投資家ジョン・テンプルトンの大姪ローレン・テンプルトンのことは、以前の投稿でご紹介しました。ファンド・マネージャーをつとめる彼女が投資家向けに講演した映像がありましたので、ご紹介します。元ネタはGuruFocusの記事からです。



個人的に参考になったり、おもしろかった話題を、以下に一言要約しています。文頭のやまかっこの数字は、映像開始からの経過時間<分:秒>を示しています。

<12:30> ここからローレンが登場します。それまでは司会役からの紹介です。

登場後しばらくは、ジョンの逸話や彼と接する間に受けた教訓を語っています。これらの話題は、彼女の著書『テンプルトン卿の流儀』でとりあげられたものです。このあたりの時間帯では、ローレンの話し方にまだ固さが感じられます。

<24:50> だんだんエンジンがかかってきて、話しぶりが生き生きとしてきます。

<27:35> 心理学的な話題です。ジョンは心理的バイアスを完全に理解していた、と話しています。

<28:10> 行動ファイナンスの話題の中で、ジェレミー・グランサムのファンドGMOに在籍するジェームズ・モンティエ氏の著書『The Little Book of Behavioral Investing』が紹介されています。わたしは未読ですが、amazon.comのレビューでは好評ですね。

<29:15> 人間がもつ2種類の認知のしかたについて。この話題は本ブログでも取りあげてきましたが(過去記事など)、彼女も重視しているようです。反応がファストな「扁桃体」と、スローで合理的な「前頭葉」を説明しています。

<34:15> バリュー投資家が注目すべき2つの機会をあげています。ひとつは「不人気銘柄」、もうひとつは「悲観のどん底で行動にでること」です。

<35:30> ブラックマンデーのその日、ジョンがスタッフと交わした会話を再現しています。参考になります。

<41:00> 機会を活かすには「ただただ備えること」。「買いたい銘柄一覧」を用意しておくことをすすめています。

<43:25> ジョンにとって、遠く離れたバハマで投資に専念したことが、投資上の成績を高めたとの話題です。ウォーレン・バフェットがオマハに在住していることにも、ふれています。

<48:40> パット・ドーシー氏の意見を引用しながら、バリュー投資家にとって非常に重要なこととして「人間がとる行動をうまく利用する」こともあげています。「これは、もっとも一貫性があることなので」と強調していたのが印象に残りました。たしかに人間は簡単には変われないものですね。

なお、パット・ドーシーについては以前の投稿で取り上げています。またローレンが引用した話題は、「Dorsey: Three Sources of Alpha」(映像)などで説明されているものです。

<50:00> 2005年に発表された、ジョンによる最後のメモの話題です。彼女は一読することを勧めていますが、たしかにそのとおりで、鋭い洞察です。たとえば以下のサイトに文章が掲載されています。

Sir John Templeton's Last Testament: Financial Chaos Will Last Many Years (newsmax)

<51:00> これから将来のことを考えると、何に投資したらよいのか。ジョンから聞いた話を語ってくれます。その答えは、ぜひ映像をごらんになってください。(あるいは、上述のメモの文末でも同じです)

2013年4月30日火曜日

いったいビーフはどこなのよ?(ボブ・ロドリゲス)

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慎重派ファンド・マネージャーのボブ・ロドリゲスは、最近の上昇相場では声がかからないのか、マスメディアには登場していないようです。しかし彼のファンドFPA Capital Fundの四半期報告書を読むとあいかわらずで、手綱をひきしめている様子がうかがえます。今回は同報告書の一部をご紹介します(日本語は拙訳)。

FPA Capital Fund, Inc. Quarterly Commentary (March 31, 2013) (PDFファイル)

なおFPA Capital Fundのマネージャーとしてはボブ・ロドリゲス氏以外の2名が署名していますが、彼も裏方としてマネージャーを務めているようです。

「なぜもっと買い増ししないのか。全額投資しないのか」、私どもはしばしばそのような質問をうけます。それに対する答えは、[ファンド創設時の]30年ほど前と同じで今日も変わりません。特定の現金比率を定めているわけではなく、現金は投資する機会がなくて「残したもの」と考えているためです。私どもは一度にひとつずつ株式を購入してファンドを築きあげてきました、それぞれの投資はリスクとリターンの比率から判断した上で、ファンドに占める割合を決めています。事業計画の遂行という点で企業に対していっそう満足でき、下落リスクより上昇する可能性が高いと判断できれば、その割合を大きくします。

私どもはポートフォリオにおける各銘柄の状況を毎日監視検討しています。私どもの定めた厳格な投資条件をすべて満たし、魅力的な価格水準に達した銘柄があれば、新規購入あるいは買い増します。私どもの見積もる本源的価値を超過した株は、持ち分を削減したり、すべて処分します。これは、価値に対して価格がどれだけ超過しているかによって変わります。このような結果、ファンドには通常20から40の銘柄が残ります。ファンドにおける保有条件を満たす企業数がレンジの下限近くになれば、あるいは既存の持ち株に対する確信が最高とは言えなくなれば、ポートフォリオの現金比率を上昇させます。反対に、投資候補が豊富にある状況で非常に強く確信できるようであれば、ファンドにはほとんど現金は残らなくなるでしょう。

私どもの見解では、現時点での米国中小型株において投資候補にあげられるものはほとんど底をついています[当ファンドの主な投資対象は米国中小型株]。たとえば、私どもの主たる価値選別基準を通過する企業は64社にとどまっています。それらすべての銘柄を調査しましたが、すでに保有しているか、投資するに値しないものでした。この30年間をふりかえると、選別基準を満たした企業の数は40台前半から400社超のあいだでした。さらに私どもはニューヨーク証券取引所(NYSE)の上場企業株について52週新安値を入念に評価してきました。これは潜在的な新しいアイデアをみつけるために、過去何十年間継続してとりくんできたものです。この第一四半期末にNYSEに上場されている3,000社以上の中で52週安値で取引された企業は、20社に届きませんでした。ただしETFやADR、優先株式はこれには含んでいません。

さらには広範な株価指数、特に中小型株式のRussell2000や2500をみれば、PERが極めて高い水準なのに投資家が株式を買っていることに驚かれるでしょう。たとえばこの3月末の過去12か月利益ベースの実績PERは、前述の指数においてそれぞれ26.3倍と23.2倍でした。現在の市場の状況はあきらかに、我々のようなバリュー投資家にとっては理想的とは言えないものです。

成長志向やモメンタム志向の投資家、さらには年金コンサルタントの一部の方はこう言うでしょう、「だからどうしたの?」。市場や株式の多くは上がっているのだから全額投資しないのは賢明ではない、というのが彼らの指摘です。たしかに市場は堅調で、当ファンドの持ち株も非常によい成績をおさめています、しかし私どもは、非常に割高な株式に対して資金を投下するという知恵に対して、いくつかの疑問をいだいています。

第一の疑問は「そういった企業にそれほど多額を払うに見合った利益成長率は、どれぐらい必要なのか」。教科書やグロース投資家の多くはPEGを持ち出します。これを計算するには、PERを予想純利益成長率で除算します。これらの投資家が資金を投じるのは、一般にPEGが1以下のときです。ですからRussell2000の現在のPER26.3倍を考えると、グロース投資家にとっては利益が26%以上のペースで増加する必要があります。そうでなければ、PEG1倍以上を払うことで単なる投機をしていることになります。

PEG1倍を払うのが投資上妥当と考える人がいても、私どもは違います。将来もこのままだと100%確信をもって予測できる投資家などいない、と信じているからです。私どもが目を通した最新の報告では、2013年の利益成長予想のコンセンサスは4%から7%とされています。

興味ぶかいことに、現在の中小型株の利益成長は4半期で1.6%前後、年率では7%を超えていません。「PEG1以下」という、優れて妥当と広く認識されている見解が要求する26%からは、ずいぶんと離れています。これは、1984年に女優のクララ・ペラーが出演していたウェンディーズの象徴的なCMと重なってみえます。「ビーフはどこなのよ?」とペラーが問いただす、巨大なハンバーガーのバンズにちっぽけなビーフがのっていたCMです。年長の彼女の友人たちは、こう言ってバンズをからかいます、「ずいぶん大きなバンズね。大きなふんわりバンズ!、すっごく大きなふんわりバンズ!!」。クララと彼女の友人が今もご健在なら、こう聞かせてくれたでしょう。「ずいぶん大きなPERね。大きなふんわりPER!、すっごく大きなふんわりPER!!」。そうはいっても足りていないのですよ、ビーフが。失礼、利益成長が。(PDFファイル3ページ目)

[クララ・ペラー女史とお友達の楽しそうな写真です]

We are often asked “why not just buy more of what you own and be fully invested?” Our answer is the same today as it was almost thirty years ago. That is we do not target a specific level for cash, rather cash is a residual of investment opportunity. We build the Fund one stock at a time, and each investment achieves a certain weighting based on its risk-to-reward ratio. The higher our confidence in a company executing its business plan, coupled with more upside potential than downside risk, the larger its weighting will be.

We monitor each stock position in the portfolio every day. When a stock meets all of our strict investment criteria and reaches an attractive valuation level, we establish a new holding or add to an existing position. When a stock attains a premium to our estimate of its intrinsic value, we reduce or eliminate the holding depending on how large the premium is to its value. At the end of the process, we generally end up with 20-40 stocks in the Fund. If the number of companies that qualify for a position in the Fund is at the lower end of the range, or our conviction in the existing holdings is not at the highest level, the portfolio will have an elevated level of liquidity. On the other hand, if it is a target-rich environment and our convictions are exceptionally high, the Fund will have very little liquidity.

In our opinion, there is currently a dearth of investment opportunity in the U.S. Small-Mid Cap stock universe. For example, our core valuation screen shows just sixty-four companies passing. We have looked at all these companies. We either own them or deem them not to be investment-worthy. Over the past three decades, this screen has ranged between the low 40s to over 400 companies. Additionally, we have conscientiously reviewed the 52-week new low list for NYSE-listed1 companies over the past few decades to source potential new ideas. At the end of the first quarter, fewer than twenty companies of the more than three thousand listed companies on the Big Board were trading at their 52-week low, excluding ETFs, ADRs, and Preferred stocks.

Moreover, if one were to examine the P/E5 multiples for the broad indices, particularly the Small-Mid Cap universe such as the Russell 2000 and 2500, one should be alarmed at the extraordinarily high valuations investors are paying to own stocks. For instance, at the end of the March quarter, the trailing-twelve month price/earnings ratio for the aforementioned indices were 26.3x and 23.2x, respectively. Clearly, current market conditions are not ideal for us value investors.

Growth and momentum investors, and some pension consultants, will so say “so what?” These people will point out that the market and many stocks are tracking higher, and it is not wise not to be fully invested. Yes, the market has been robust and the invested portion of the Fund has performed very well, but we have a couple of questions about the wisdom of allocating capital to very expensive stocks.

The first question is, “What is one’s required growth rate of profits for paying such large multiples for these companies?” The academic texts books and many growth investors will tell you all about the PEG ratio. This metric is defined as the P/E ratio divided by the expected growth rate in earnings. Generally, these investors want a PEG ratio of 1 or less to commit capital. Thus, with the current P/E for the Russell 2000 at 26.3x these growth investors need earnings to grow faster than 26%, or they will be merely speculating by having to pay a PEG ratio greater than 1x.

If one accepts that paying 1x for the PEG ratio makes reasonable investment sense, and we do not because we believe no investor can predict with 100% confidence what the future holds, then what is the consensus for earnings growth? The latest reports we have read is that the consensus for earnings growth for 2013 is projected to be 4-7%.

Interestingly, earnings for Small-Mid Cap companies are currently growing at about 1.6% per quarter, or less than 7% annualized. This a far cry from the 26% required per the widely-held view that a PEG of 1 or less makes eminent sense. It is analogous to that iconic 1984 Wendy’s commercial with the actress Clara Peller, who asks, “Where’s the beef?” If you do not remember the commercial, Peller receives an enormous hamburger bun with a tiny piece of beef inside. Her elderly friends ridicule the bun by saying, “It’s a very big bun. It’s a big fluffy bun. It’s a very big fluffy bun.” If Clara and her friends were around today, we could hear them saying, “It’s a very big P/E. It’s a big fluffy P/E. It’s very big fluffy P/E.” But not enough of beef, ahem, earnings growth.

蛇足ですが、「ビーフ」のCM映像がYoutubeにアップロードされています。

(その1)


(その2)

2012年10月13日土曜日

ローレン・テンプルトン女史

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ジョン・テンプルトンの投資方針を説明した本『テンプルトン卿の流儀』の話題を、以前にとりあげました(過去記事)。著者のローレン・テンプルトンはジョンの大姪(甥姪の子供)にあたる人で、彼女自身もヘッジファンドを運営しています。彼女の動向は個人的にはまったく知らなかったので、今回ご紹介するインタビュー映像はある種新鮮でした。



ジョンの直伝を受けているだけあって、発言がふるっています。
「市場全体が下落した時には気持ちを切り替えて、お買い得のほうに目を向ける」(1分30秒)
「悲観的なニュースが見出しにでると、わくわくする」(2分50秒)

ところで、彼女のファンドに関する情報はEDGARを検索しても公募時のものしかなく、成績(保有株式)の方は見当たりませんでした。ファンドの規模が小さいからか、あるいはタックスヘイブンで運用しているからなのか、法規制に疎くて理由はよくわかりません。ただ8月のブルームバーグの記事によれば、「マーケット・ニュートラル戦略をとっているファンドでは、今年は上位7番目の成績をおさめている」とありました。

Bloomberg features Chattanooga's Lauren Templeton Capital Management

最後に、彼女のファンドのWebサイトに掲載されている写真です。事務所かどこかの扉の上に、次の銘文が掲げられています。"TROUBLE IS OPPORTUNITY"、「災い転じて福となす」といったところでしょうか。




(2012/10/16訂正)大姪の説明を訂正しました。(誤)姪の子供 -> (正)甥姪の子供

2012年9月26日水曜日

ボブ、あなたのせいですよ(ボブ・ロドリゲス)

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慎重派ファンド・マネージャーのボブ・ロドリゲスが、マクロ経済と株式市場に大きな懸念を示しています。FRBバーナンキがQE3を決定してすぐに、FPAファンドのWebサイトでコメントALL IN!を公開しました。その中でファンドの顧客とポートフォリオ・マネージャーに対して、こう書いています。「このまま株式市場が上昇し続ければ、わたしたちにとっては規律が試されるときがやってきます」。株価が上がれば割安度が下がるため売却し、現金の比率を高めるという意味です。たしかに、アメリカ株式市場は気持ちよく上昇しています。


最近は彼の弱気ぶりも有名になったようで、CNBCが早速インタビューをしています。動画へのリンクは以下のとおりです。

Brace for Another Big Drop in Stocks?(CNBC Video)

ところで、映像の5分過ぎあたりで司会の女性曰く、「ボブ、今日のマーケットはプラスだったのですが、あなたのおかげでマイナスになってしまいましたよ」。こういう軽いジョーク、いいですね。ボブも思わず笑っていました。ふと、ニュースステーション時代の久米宏さんを思い出しました。

2012年8月27日月曜日

(映像)UCLA経済学部卒業生への祝辞(マイケル・バーリ)

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以前取り上げた投資家マイケル・バーリは、サブプライム・ローン危機を予想して大きな利益をあげたファンド・マネージャーです(過去記事)。学生時代にはメディカルを専攻していたその彼が、UCLA経済学部の2012年卒業生へ祝辞を述べていましたので、ご紹介します。

どこか初々しさの残る話しぶりに好感が持てましたが、14分ごろからの話題が特に印象に残っています。短くまとめると、金融当局が危機を未然に防げなかったことを指摘した記事をニューヨーク・タイムズに投稿したところ、まもなくFBIの捜査が入ったとのこと。その後の裁判で時間もお金も費やしたと付け加えています。


2012年8月17日金曜日

(映像)投資先を見極めるためのチェックリスト(チャーリー・マンガー)

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2009年にチャーリー・マンガーがBBCのインタビューに応じていたのを、いまさらですがみています。6分ごろの会話でチャーリーは、「投資先を選ぶためのチェックリスト」に答えていました。毎度のことでなんだかわたしのほうが恐縮気味なのですが、ウォーレン・バフェットとぴったり同じことを答えています。



チャーリーが挙げているのは以下の4つです。「ビジネスを理解できること」「長続きする競争優位性を持っていること」「有能な経営陣がいること」「安全余裕をとった価格であること」。二人とも昔から同じことを主張しているということは、きわめて大切な教訓なのだと捉えています。なお、ウォーレンの発言は以下の記事でも取り上げています。

10秒ください(ウォーレン・バフェット)
投資家が見極めるべき5項目(ウォーレン・バフェット1993年)

2011年12月27日火曜日

誤判断の心理学(1)報酬と懲罰からくる過剰反応(チャーリー・マンガー)

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はじめに、前回の答えです。次のサイトをごらんください。映像もあります。

これは賢い! 犬の糞を飼い主に持ち帰らせるために台湾政府が行ったこと

台湾政府といわず、どこかの自治体で継続して取り組んでみてほしい試みですね。このまま続けたときの行く末が気になります。

さて、本題になりますが、以前に予告した誤判断の心理学です。最初に挙げられたこの話題は7ページに渡るもので、25種類の中で最長の紙面を費やしています。チャーリーの強調しようとする想いが伝わってきます。(日本語は拙訳)

人間の心理学的傾向その1
報酬と懲罰がもたらす過剰反応
Reward and Punishment Superresponse Tendency

この傾向を最初にあげたのは、動機付けやその反対の邪魔立てが、人の認識や行動に大きく影響することを自分はよくわかっている、と誰しもが思い込んでいるからです。しかし、実のところはそうでないものです。例えば、私自身も同年代の中で動機付けが持つ力を理解している上位5%だと自負していたのですが、実際にはその力をいつも過小評価していました。毎年のように新しい発見に驚き、そのたびに動機付けの持つ威力にますます恐れ入るのです。

I place this tendency first in my discussion because almost everyone thinks he fully recognizes how important incentives and disincentives are in changing cognition and behavior. But this is not often so. For instance, I think I've been in the top five percent of my age cohort almost all my adult life in understanding the power of incentives, and yet I've always underestimated that power. Never a year passes but I get some surprise that pushes a little further my appreciation of incentive superpower.


動機付けの持つ力を示す例のお気に入りが、フェデラル・エクスプレスの話です。フェデックスが整然と業務を遂行するには、集荷センターの空港で毎晩、全ての荷物を向け先の空港へ迅速に移動させなければなりません。夜間作業が速やかに遂行できないと、顧客に対して定時配達を確約できなくなります。そこでフェデックスは夜間作業が適切に実行されるよう、力を注ぎました。自発的に動くよう、働きかけてみました。運任せにせず、あらゆることに挑戦してみました。そしてとうとう、誰かがすばらしい答えを見つけたのです。夜勤者の賃金を時給計算にするのが間違っている、経営者が望んでいるのは賃金計算の対象になる総時間を増やしたいのではなく、仕事が正しく速やかに終わることでしょう、と。そこで、賃金は夜勤シフト払いとし、輸送機への積荷がすべて終わったら帰宅してよいことにすればどうか、と考えたのでしょう。なんと驚いたことに、その通りになったのです。

One of my favorite cases about the power of incentives is the Federal Express case. The integrity of the Federal Express system requires that all packages be shifted rapidly among airplanes in one central airport each night. And the system has no integrity for the customers if the night work shift can't accomplish its assignment fast. And Federal Express had one hell of a time getting the night shift to do the right thing. They tried moral suasion. They tried everything in the world without luck. And finally, somebody got the happy thought that it was foolish to pay the night shift by the hour when what the employer wanted was not maximized billable hours of employee service but fault-free, rapid performance of a particular task. Maybe this person thought, if they paid the employees per shift and let all night shift employees go home when all the planes were loaded, the system would work better. And lo and behold, that situation worked.


「ばあちゃんのいいつけ」は、報酬の持つ威力を示すもうひとつの例です。強烈に効きますので、取り上げずにはいられませんでした。このいいつけどおりにやれば、自分を見事に律することができるようになります。たとえ、もう手に入れているものをごほうびにしても、です。心理学の博士号を持っているようなコンサルタントでも、企業組織の報酬システムを改善する際に経営層に対して、「ばあちゃんのいいつけ」に従って自分たちの日常業務を遂行するように助言することがよくあります。「ばあちゃんのいいつけ」とは、本来は子供に対するしつけで、デザートに手をつける前にニンジンを食べさせるものですが、ビジネスに置き換えると、重役たちが一日の仕事を進める順は、必須だけれど気の進まない仕事をまず片付けてから、ごぼうびとして快適な仕事に手をつけなさい、というものです。報酬の持つ威力を考えると、このやりかたは巧みで望ましいものです。

“Granny's Rule” provides another examples of reward superpower, so extreme in its effects that it must be mentioned here. You can successfully manipulate your own behavior with this rule, even if you are using as rewards items that you already possess! Indeed, consultant Ph. D. psychologists often urge business organizations to improve their reward systems by teaching executives to use “Granny's Rule” to govern their own daily behavior. Granny's Rule, to be specific, is the requirement that children eat their carrots before they get dessert. And the business version requires that executives force themselves daily to first do their unpleasant and necessary tasks before rewarding themselves by proceeding to their pleasant tasks. Given reward superpower, this practice is wise and sound.


一方、「懲罰」のほうですが、これも人の行動や認識に大きな影響を及ぼすものですが、「報酬」ほど柔軟ではないし、すばらしいものでもありません。価格協定を例に挙げると、そこそこの罰金しかかからなかった頃のアメリカでは、まあ普通のことでした。しかし、数社の有名企業の重役が高位の役職を解任されて監獄送りになってからは、価格協定は激減したのです。

軍隊ではもっと徹底していて、懲罰をもって行動を変えさせてきました。カエサルの時代のことですが、あるヨーロッパの部族では、集合の合図が鳴らされたときに配置につくのが最後になった者を必ず死刑とする慣わしがありました。こんな部族と戦いたがる者は、いやしないでしょう。またジョージ・ワシントンは、農民出の逃亡少年兵をみせしめに40フィートの高さに吊るしたものです。

Punishments, of course, also strongly influence behavior and cognition, although not so flexibly and wonderfully as reward. For instance, illegal price fixing was fairly common in America when it was customarily punished by modest fines. Then, after a few prominent business executives were removed from their eminent positions and sent to federal prisons, price-fixing behavior was greatly reduced.

Military and naval organizations have very often been extreme in using punishment to change behavior, probably because they needed to cause extreme behavior. Around the time of Caesar, there was a European tribe that, when the assembly horn blew, always killed the last warrior to reach his assigned place, and no one enjoyed fighting this tribe. And George Washington hanged farm-boy deserters forty feet high as an example to others who might contemplate desertion.


意思決定は意識的に行うだけでなく、無意識に誘導されてなされることもある、とチャーリーは別の機会で触れています。行動経済学や脳神経学の各種の研究結果はそれを裏付けていますが、読んだ本を失念してしまいました。手にとることがあれば、その際にはご紹介します。

ところで、犬の糞を片付けたときの報酬の期待値はどれぐらいなのでしょうか。50円ぐらいでしょうか。

2011年11月19日土曜日

他人と違う行動をとれますか?

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ROMでお世話になっている投資掲示板からの孫引きで、Behavioral Finance (Why Watching CNBC Won’t Make You Rich)の一部を訳しました。記事を紹介してくださったのは、才媛iluvbabybさんです。紹介されている映像は往年のドリフターズをみるようで思わず笑みが浮かびますが、翻って自分自身の行動をみつめなおす材料になるものです。

投資家が米国株ファンドを売却した金額は、9月には5,300億円、8月は1.2兆円、7月は1.7兆円でした。ご察しの通り、米国株の第3四半期は2008年の金融危機後では最悪の期間でした。10月にはさらに1.4兆円が売却されましたが、この25年間で最大となる10.9%の上げ幅を記録した月となりました。米国の投資家は今年になって4.1兆円を売却してきたことになりますが、この年次ベースでの売却傾向は2008年から続くものです。

一方のウォーレン・バフェットですが、第3四半期に米国市場で1.8兆円を投資しています(訳注:債券、企業買収、設備投資等を含む)。そのうち、株式投資は5,500億円で、この15年間で最速ペースです。今年の3月には純資産4兆円を有していたバフェットですが、さて、投資の時期を正しく見極めているのは誰のほうだと思いますか。
(中略)
ウォーレン・バフェットが他人が売っているときに大きく買いに回るのは典型的な逆張り投資で、投資方針的には「優勢な市場動向に逆らう、つまり低迷している資産を買い、好調な時に売る」ものです。人は、残念ながら他人と違う行動をとれないさがをもった生き物のようです。このどっきりカメラ風の動画をごらんください、エレベーターの中でおかしなしぐさを目にしながらも困惑する様子がうかがえます。でも、株価が低迷していくのが明白なときに、持ち株をこのまま保持するか、もっと買うように助言されたら、どう感じますか。私どもは株式投資信託の月次及び四半期ごとの資金動向を追ってきました。というのは、投資信託への資金純流入額は株式市場の動向と相反することが多いからです。つまり、普通の人が買うのは株価が高いときで、売るのは割安のとき、ということです。

Investors withdrew $6.8 billion from US stock funds in September, $15.5 billion in August and $22.9 billion in July. Makes sense, right? Q3 was the worst quarter for US stocks since the 2008-9 financial crisis. Investors withdrew another $18.2 billion in October, which was the best single month for US stocks in 25 years with a gain of 10.9% in the S&P 500. YTD, US investors sold $53.5 billion of US funds, continuing a pattern of net annual redemptions that has prevailed since 2008.

Warren Buffet, meanwhile, invested $23.9 billion (including $7 billion in stock purchases) in US markets in Q3 ? his fastest pace of investment in 15 years. As of March 2011, Buffet was worth about $50 billion, so who do you think is making the correct assessment of the investing climate?

(中略)

Warren Buffet buying large when others sell is a classic example of contrarian investing, defined as “an investment style that goes against prevailing market trends by buying assets that are performing poorly and then selling when they perform well.” Humans, alas, are herd animals who become distressed when acting contrary to the group. Watch this old Candid Camera prank to observe an individual’s distress from simply facing the wrong way in an elevator. Now think about the distress you feel when your investment advisor maintains or even adds to your stock allocations, when clearly “a depression is eminent.” We track monthly and quarterly cash flows into stock mutual funds because often net flows are inversely correlated with stock market performance. In other words, most investors buy high and sell low.