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2017年10月24日火曜日

いずれ来たる下落を見やった投資家3名の言葉

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今回は、バリュー志向のマネージャーが市場の下落について最近触れていた文章を3つご紹介します。(日本語は拙訳)

はじめは、バリュー・ファンドFPAクレセントのマネージャーとしてよく取り上げているスティーブン・ローミック氏の文章です。彼が書いた第3四半期の顧客向けレター[PDF]から引用します。

たいていの場合、わたしたちが株価を追いかけるのは下落しているときだけです。しかし資金があふれ返っている現在の世界は、喜んで金額を上積みする投資家ばかりの状況です。そのようなわけでわたしたちは、クレセント・ファンドが旨とする保守的な姿勢を維持する道を選んでいるわけです。

「辛抱強く書き物を読み、経営者と対話し、きちんと考える」、これが取り得る最良の道だと確信します。[先日亡くなった]トム・ペティが書いたように、そして私たちもちょうど1年前の結びで書いたように、「待っている間がいちばんつらい」ものです。

We typically only chase price when it is falling. Today though, a world awash in capital has found investors willing to pay ever higher prices. We, therefore, prefer to maintain Crescent’s conservative posture.

We believe the best course is to patiently read, speak to business managers, and just think. As Mr. Petty wrote and as we closed exactly a year ago, “The waiting is the hardest part.”

次はウォーリー・ワイツ氏の文章です。「オマハのバリュー・マネージャー」として知られる人物で、彼についても何度か取り上げたことがあります。こちらも第3四半期の顧客向けレターからの引用です。

投資の世界では、こんな古いジョークがあります。新しく登場した巨大なビジネスの盛衰過程において、成長が鈍化して楽観的過ぎた見通しが実現不可能だったとわかると、成長株投資家は持ち株をGARP投資家(Growth At a Reasonable Price; 成長株を妥当な金額で買う)へ売却します。つづいてその株はバリュー投資家へ売られ、最終的にはどん底バリューを待ち受けていた連中の手にわたる、という筋書きです。それぞれの段階において買い手となる者は、「失望は一時的にすぎない、あるいは株価が下落したおかげで十分に割安になっている」と評価します。その際に、深刻な問題を抱えた「落下するナイフ」と、一時的に誤解されている割安な証券とを判別できること、それが決め手となります。

There is an old joke in the investment business that in the life cycle of a great new business, as growth slows and overly optimistic projections fail to materialize, growth investors sell to GARP (growth at a reasonable price) buyers, who sell to value investors, with the shares ultimately ending up in the hands of the deep value crowd. At each stage, the new buyers are making the assessment that the disappointment is temporary or that the stock price has declined enough to create a bargain. The trick is to be able to distinguish between the seriously troubled “falling knife” and the temporarily misunderstood undervalued security.

最後がチャーリー・マンガーです。今年の2月に開催されたデイリー・ジャーナル社の株主総会で彼が発言した内容です。

私からすれば、市場の下落は人生に付き物だと考えますね。長期にわたってこのゲームに関わるつもりならば、そうする必要がでてきます。値段が半分まで下落したときでも、やたらと思い悩まずにやり過ごせますよ。より良い生き方を心がけていれば、資産半減の事態となっても、沈着冷静・端麗優雅に受け流せるでしょう。下落を回避しようとは試みないように。結局はやって来ることです。「自分には来ない」と言う人は、十分果敢に投資していないからですよ。

I regard it as a part of manhood. If you’re going to be in this game for the long haul which is the way to do it. You better be able to handle a 50% decline without fussing too much. Conduct your life so you can handle a 50% decline with aplomb and grace. Don’t try to avoid it. It will come. And if it doesn’t come I’d say your not being aggressive enough”.

2017年7月24日月曜日

負けぬが勝ち(スティーブン・ローミック)

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ファンド・マネージャーであるスティーブン・ローミックの文章を久しぶりに取り上げます。バリュー志向の投資家の代表格であるウォーレン・バフェットと同じように、市場全般が好調な現在は相対的な成績という意味で彼も遅れをとっています。今回引用する文章は、そんな彼を信じて資金を託してくれている投資家に向けた経過報告であり、啓蒙の言葉でもあります。引用元の文章は以下のリンク先にあります。(日本語は拙訳)

Two Decades of Winning by Not Losing by Steven Romick [PDFファイル]

本質的にパッシブ投資(受動的投資)とは、長期間継続する上昇相場の間は常にすばらしく見えるものです。

もし市場なみの収益率を望んでおり、なおかつ上下変動に抵抗できるのであれば、パッシブ投資は効率的で低コストな道具としても働きます。下落相場から離れるほど、「市場が下落しても対応できる」と自負する人の数は増す一方です。もちろん、次がやってくるまでの話ですが。

同時に、指数の成績が好調なときは、「上昇に乗れるものなら何でも実行すべき」という圧力を感じる投資家が、個人であれプロであれ大勢いるのは相違ないでしょう。

他者と違うことを恐れるわけです。他者から逸脱するのはまずいわけです。ですから、あらゆるセクターにわたる証券を過度なまでに多数保有しておけば、他者と違うことでクビになる事態を確実に回避できます。しかし、そのような投資をしなければいけないとしたら、わたしならばサーフィンに出かけて時間をつぶします。

パッシブ投資は加速的に増加し、今や米国市場で40%前後を占めるようになりました。しかしそれゆえに、「ベンチマークを上回るのは実に容易だ」と思える時期ができる一方、そうは思えない時期が続いてやってくるのは間違いないと思います。

先ほど触れたアクティブ投資に対する学術的な反論は、根本的な部分で間違っています。というのも、誤った前提に基づいているからです。「最高の成績をあげる株式だけが投資成績を左右する」とありましたが、別の面を考慮していません。わが心に刻んでいる格言をです..。

つまり、成績が最低の株式を避けることでも良い数字をつくれる点です(わたしが自分自身の成績を話しているとすれば、結論がどうなのかはみなさんにお任せしましょう)

さらに、そういった批判者は単年度の成績を重視しすぎています。そして市場サイクル1周分にわたる成績を無視しています。そのような見方は短期志向につながります。変節して群衆に加わることで、頭のいい人たちがあらゆる類の認知的不協和の犠牲となりますが、短期的な見方がそういった認知的不協和を生み出す土壌になっています。

1990年代末期におけるインターネットは、破壊的な変革者として急成長するとみられていました。たしかにそうなりましたが、当時のインターネット株の大半は、みなさんもご存知の通り、まったくもって不合理な水準の値段が付けられていました。

しかし、それを見送ることのできなかった頭のいい人たちが大勢いました。おそらく彼らは、友人のように儲けられないことを心配したのでしょう。あるいは、クビになるのが怖かったのでしょう。理由はどうであれ、参加した人たちは概して大きな損失を出しました。

2008年は恐慌の瀬戸際に立たされた年でした。悪化する経済と共に株も下落し続けると信じて、多くの投資家が早々に持ち株や債券を処分しました。その行動が正しかったように見えたものの、それはしばらくの間だけでした。

市場を離れたものの自分の過ちを認識し、後になってから、つまり経済の足取りが堅実だとわかってから市場へ戻ってきた人もいました。しかしまた、価格はすでに反発していました。

これらは短期的な見方と言えます。

投資で成功するためにはカギがあります。辛抱すること、長期的視点を持つこと、流行りものを避けることです。この数十年間において米国でもっとも成功した株式投資家のなかには、最新・最高を探し当てたわけではない人もいます。

少しばかり名前を挙げてみましょう。ウォーレン・バフェット、セス・クラーマン、ジャン=マリー・エベヤール、そして20年間にわたって私のパートナーだったボブ・ロドリゲスです。それらの人たちは、あらゆる種類の投資家から尊敬される成績を長期間築いてきました。

彼らは大きな成功をおさめました。しかし、うらやむほどの成績をあげるために、ある年に最高だった数少ない銘柄を保有していた人は、皆無です。ホームランを打つことではなく、三振をとられないことで彼らは成功したのです。言い換えれば「負けないことで勝った」わけで、これはわたしたちのやりかたを象徴する言葉でもあります。(p. 2)

Fundamentally, passive investment is always going to look great during a long-lasting bull market.

If someone wants market rates of return and can withstand some volatility, then it can also serve as an efficient, low-cost tool. The further you get away from a bear market, the greater the number of people who have convinced themselves they can handle the downside - until the next time, of course

In the interim, if the indices are performing well, then you can bet that many investors - individuals and professionals, alike - are going to feel pressure to do whatever they can to ride the bull.

They fear being different. Tracking error is bad. Owning too many securities in every sector is a sure way to avoid being fired for being different. I’d rather spend my time surfing than to have to invest like that.

Thanks to the accelerated increase of passive investing - now around 40% of the U.S. market - I’m confident that there will be a period when it will look really easy to beat a benchmark - followed by another time when, again, it won’t.

This academic argument against active investment is fundamentally flawed because it’s built on a false premise, which holds that only the best performing stocks will drive returns. The argument doesn’t consider the other side…. A maxim I’ve taken to heart….

If you avoid the worst performing stocks, you can still put up good numbers. (I’ll leave it to you to conclude if I’m just talking my book.)

Further, these critics place too much weight on performance in each year… and ignore performance over a full-market cycle. This leads to short-termism. And short-termism is a breeding ground for all sorts of cognitive dissonance to which smart people fall prey when trying to adapt and join the crowd.

People viewed the internet as a fast-growing disruptive game changer in the late 1990s. And so it was, but as you know, internet stocks of that era were largely priced at wholly illogical levels.

Yet, many smart people couldn’t handle not participating. Maybe they were worried about not making as much as their friends. Or maybe they were worried about being fired. Whatever the reason, if they participated they generally lost badly.

In 2008, we sat on the precipice of a depression and many investors quickly liquidated their stocks and bonds, believing the economy would get worse, and stocks would continue to decline. It appeared correct to do so… for a time.

Some of those who exited the market realized their mistakes and came back to the market… down the road… after the economy found firmer footing… but also after prices had already rebounded.

Short-termism.

Patience, a long-term focus, and avoiding the fads are key for successful investing. Some of the most successful stock investors of the last few decades in the United States aren’t known for finding the latest and greatest.

I give you as just a few examples: Warren Buffett, Seth Klarman, Jean-Marie Eveillard, and my former partner of two decades, Bob Rodriguez. Each compiled a long track record respected by investors of all types.

Each had their share of winners, but none created their enviable performance by owning those few golden stocks of a given year. They won by not striking out, rather than by hitting grand slams. In other words, they won by not losing - emblematic of our approach.

2015年7月2日木曜日

なにもかも知る必要はない(スティーブン・ローミック)

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バリュー志向のファンド・マネージャーであるスティーブン・ローミック氏は、個人的に尊敬しているマネージャーのひとりです。彼が最近講演した内容がファンドのWebサイトに掲載されていたので一読しました。楽しんで読め、全編が参考になりました。徹底したバリュー投資家である彼のファンドでは現金比率を高めており、同業者やインデックスとの比較という意味で厳しい時期のようです。しかし、みずからの方針に疑念を抱かぬ彼がふたたび称賛される日がやってくる可能性は高いと思います。

今回は同文書から2か所を引用します(図表も同じ文書から引用)。ひとつめが米国の債務に関する話題で、もうひとつは彼の投資スタイルについてです。(日本語は拙訳)

Don't Be Surprised - Steven Romick's speech to CFA Society of Chicago [PDF] (FPA)

2008年以来、米国での家計及び金融部門における債務の減少幅は3兆3千億ドルでした。しかし政府部門の債務は6兆7千億ドル増加し、政府と民間を合計した全債務の22%を占めています。6年前とくらべると10ポイント増加しています。

政府自身が輪転機を保有しているので、債務返済の面で個人や企業と同じ原理には拘束されていません。しかし10年前には量的緩和という言葉を聞いたことはなかったのですが、現在の中央銀行はあらゆるものが釘であるかのように、そのかなづちを振るっています。わたしが想像したいと考える以上に、このゲームは長期間つづくかもしれません。その間には通貨価値が潜在的に減価していく影響を伴うでしょう。(PDFファイル11ページ目)


Since 2008, total U.S. household and financial sector debt declined $3.3 trillion but government debt has increased $6.7 trillion and now represents 22% of total public and private debt, up ten percentage points from 6 years ago.

Since governments own printing presses, they are not bound by the same debt repayment principles as individuals and corporations. I hadn't heard of quantitative easing a decade ago and now central bankers are using that hammer as if everything is a nail. So, the game can be afoot for longer than I care to imagine, with a potential long-term impact of undermining currencies.

そのためわたしたちは、すばらしい企業をまずまずの値段で、あるいはそこそこの企業を破格の値段で買える機会をみつけることに力を尽くしたいと考えます。その際には単純にやっていきたいと思います。打ち明けますと、いつでもそうしてきたわけではないです。初期の頃には、かなり深入りしていました。企業やその業界のことは全部知っていないと済まない性質でした。そこから学んだことがあります。たくさん知らなくても大丈夫だということ、つまりその会社を動かしているものを一つから三つ特定できればいい、ということです。精確さを追求しても得られるものは少ないと強く感じています。それよりも、結果のとりうる範囲を見極めるほうをえらびます。厳密にやってまちがえるよりも、正しい方角を向いていたいと考えます。

わたしたちは次のような問いに答えるために、多くの時間を費やしています。「この事業はいかにして動いているのか」「なぜこの機会が存在するのか」、その上で「もしそうだとしたらどうなるのか」。投資で成功するには、勝者をみつけるのと同じように敗者を避けることも大切です。それがわかったことでわたしたちは、「好ましい主張を逆転させて、薄暗い色のメガネでみつめる」やりかたをとるようにしました。喜ばしいことにそういったすべてが、寝耳に水のありがたくない事態を減らしてくれるのです。

株式に付けられている値段がちがうと、問いかけられる質問もちがうものになります。値段が高いときとくらべると安いときのほうが、答えるべき質問は少ない数で済みます。たとえばコンテナ船を擁する会社に対して、所有する船団をスクラップにした価値しか考慮しない値段がついているとします。そのときには二つ三つの問いに答えれば十分です。「市場が反転するまでに現金がどれだけ費消されうるのか」「財務の状況はそれを支えられるのか」といった質問です。反対に、同じコンテナ船会社のキャッシュフローが現在良好だとします。デイ・レート[1日当たりの傭船料]が高く、簿価の2倍の株価で取引されているとします。その場合にはデイ・レートの水準がどれだけ継続するかにかかってくるでしょう。そしてさらに問われるのが「経営陣がフリー・キャッシュフローを賢明に使うかどうか」です。先にあげた例では、資本配分の意思決定についてはあまり気にする必要がありませんでした。フリー・キャッシュフローと資金的な柔軟性のどちらも欠けていたからです。

今日わたしたちが目を通している価値評価基準のどれもが、企業がいっそう高いほうへ取引されていることを示しています。つまり、さらにむずかしい質問が増えて、その答えをみつけるのにもっと奮闘しなければならないことを意味しています。(PDFファイル12ページ目)

1998年のスティーブン・ローミック氏(当時34歳)、Money誌の表紙に。

We will therefore continue to focus our energies on the search for great businesses at good prices or decent businesses at great prices. We try and keep it simple. I confess that I didn't always operate this way. In my early years, I ended up too much in the weeds. I had to know everything about a company and its industry. I've since learned that knowing less is okay as long as you have identified the one to three things that will drive the company. We believe exactness offers little so we prefer to establish a potential range of outcomes instead. We'd rather be directionally right rather than precisely wrong.

We spend a lot of time asking such questions as: "How does the business work?" "Why does this opportunity exist?" And then, "What if?" Knowing that successful investing is as much about finding winners as it is about avoiding losers, we invert a favorable thesis so as to see it through less rose-colored lenses, all of which hopefully limits negative surprises.

Stocks ask you different questions at different prices. One needs fewer answers at a low price versus a high price. For example, a container ship company priced as if its vessels are worth just scrap value requires only a couple of questions like, "How much cash might be burned before the market rebounds?" and "Can its balance sheet support that?" Whereas if you bought that same container ship company with good current cash flow but day rates are at highs and its stock is trading at two times book value, you'd be far more dependent on the sustainability of the day rate. You'd then have to ask whether or not the management team would spend their free cash flow wisely. In the first case, you'd worry less about their capital allocation decisions because they'd be lacking free cash flow and financial flexibility.

Today, every valuation measure we see points to companies trading on the more expensive side. That means a lot more difficult questions and more of a struggle to find the answers.

2015年6月6日土曜日

見ざる、聞かざる(スティーブン・ローミック)

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少し前の投稿で取りあげたファンド・マネージャーのスティーブン・ローミックが、好調な他のファンドはどうかとそわそわする顧客をなだめるような文章を書いていました(共著)。一部を引用してご紹介します。(日本語は拙訳)

The Importance of Full Market Cycle Returns [PDF] (FPA)

「市場サイクルの全期間」とは「ある頂点を起点として、そこから15%以上下落したあとに反転し、新高値となる次の頂点に至るまでの期間」と定義することもできます。刊行物やデータ提供業者が市場サイクル全期間あたりのリターンについて、注目しないのは当然としても、発表すらしないことがほとんどです。しかしそれらを理解しておけば、長期的にみたポートフォリオのリターンに寄与しうる、とわたしたちは確信しています。

バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェットは、2013年度版のレターでこう書いています。「2007年末から2013年末に至る株式市場のサイクルにおいて、当社はS&P500を凌駕しました。今後あらわれる幾多の市場サイクルでも、同じことができればと思っております。それができなければ、そのときのわたしどもは報酬を受けとっていないことでしょう。結局のところ、インデックス・ファンドはいつでも保有できるわけで、そうすればS&P500の成果が保証されるのですから」。

(中略)

2000年あるいは2007年の直前3年間や5年間にめざましい成績をあげた多くのポートフォリオ・マネージャーは、その後の弱気相場でみずからの成績(そしてもっと大切なのは顧客の資本)が大幅に縮小するのをながめることになりました。それとは別に、厳しい環境下で投資元本をうまく護ったポートフォリオ・マネージャーもいました。しかし彼らは市場が割安になったときに資本を適切に投じなかったため、その顧客は市場サイクル全期間でみたリターンが平均以下の成績にとどまってしまいました。

長期志向の投資家にとって、市場の頂点同士のあいまに起こることは単なる雑音にすぎないのかもしれません。そうだとしたら次の図をみてください。そして、ひとつ前の市場サイクル(2000-2007年)でS&P500がどうなったのか、2007年以降つづいている現在の市場サイクルでも同じように考えてみてください。すぐれた企業の株式を保有しているか、あるいは有能な運用者に投資を任せているかしていれば、緑の丸印の間で上下している最中は耳を(ときには目も)覆っていたほうがよかったことがわかると思います。


A full market cycle can be defined as a peak-to-peak period that contains a price decline of at least 15% from the previous market peak, followed by a rebound that establishes a new, higher peak. Few publications or data providers publish, let alone highlight, full market cycle returns, yet we believe understanding them can help the return of your portfolio over the long-term.

Warren Buffett, in Berkshire Hathaway's 2013 Chairman's Letter, wrote "Over the stock market cycle between year ends 2007 and 2013, we overperformed the S&P. Through full cycles in future years, we expect to do that again. If we fail to do so, we will not have earned our pay. After all, you could always own an index fund and be assured of S&P results."

(skipped)

Many portfolio managers with strong trailing three- and five-year performances in 2000 and 2007 saw their records (and, more importantly, their clients' capital) decimated by subsequent bear markets. There are other portfolio managers, however, who successfully protect principal in a weak environment yet fail to adequately commit capital when markets are inexpensive, leaving their clients with a sub-par return over the full cycle.

If you are a long-term investor, what happens in between market peaks may be nothing more than noise. Consider both the current market cycle (2007- to the most recent quarter-end peak), as well as the preceding market cycle (2000-2007) for the S&P 500 in the chart on the following page. If you owned shares in good businesses or invested with capable managers, you were better off covering your ears (and sometimes eyes) through the volatility between the green dots.

2015年5月18日月曜日

S&P500の70年間をふりかえる(スティーブン・ローミック)

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ときどき取りあげるミューチュアルファンドFPAは「ディープ・バリュー」という言葉が当てはまるバリュー志向のファンドです。一般的に、強気相場が深まるにつれてバリュー志向のファンドは相対的な成績が低迷し、顧客や資金が引き揚げられがちです。スティーブン・ローミック氏がマネージャーを務めるFPAの旗艦ファンドCrescentの成績も、3月末時点での年間リターンが4.67%と、S&P500の12.73%を大きく下回りました。しかし、手持ちの現金等価物の比率が44%であることを考えれば、納得できる数字です。手腕が高く評価されているせいか資金の流出はみられないようですが、顧客は微妙な心境でしょう。今回ご紹介するのは、そんな彼が第一四半期のレターで転載していた図で(原典はソシエテ・ジェネラルのAlbert Edwards氏)、S&P500の強気相場がつづいた期間を示すものです。現在の市場は、第2次世界大戦以降の70年間で最長のブル・マーケットだそうです。

S&P500指数の強気相場継続期間(月数)

引用元: Quarterly Commentaries: Capital Fund 3/31/2015 [PDF] (FPA)

もうひとつ、こちらはYahoo! Financeからで、S&P500指数のチャートです。上の図とほぼ同じ期間を示しています。

S&P500指数のチャート(1950/1-2015/5)

スティーブン・ローミック氏の図をみると、総じて弱気相場のほうが短期間で終わっています。これは、彼のようなバリュー投資家が行動に移れる期間は相対的に短いことを暗示しています。まさしく「待つのが仕事、特技は辛抱」です。

しかし個人的に経験した2回の下落相場は、それなりに長くてきつい期間だったと記憶しています。安く買ってもますます下がる、その毎日のくりかえしです。ところが利益の源泉はそこにあるのですから、ハワード・マークスの言葉「重要なことは、すべて直観に反する」が示すとおりですね(参考記事)。

2014年2月12日水曜日

風にさからって進もう(スティーブン・ローミック)

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FPAのファンド・マネージャー、スティーブン・ローミックのやりかたには共感しており、何度か取り上げてきました。直近にご紹介した文章はポートフォリオの比率に関するものでしたが(過去記事)、今回ご紹介するのも同じ話題です。基本的な方針は全く変わっていないものの、この3か月間でポートフォリオがどのように微調整されたか要約されています。(日本語は拙訳)

FPA Crescent Fund Quarterly Commentary 4th Quarter (January 22, 2014) [PDF]

強風が吹く世の中ですが、我々は風に逆らうところがあります。つまり向かい風のときに買い、追い風のときに売りがちだという点です。現在は後者の傾向が強く、ご察しのように我々が株式に資金を投じている割合は、2013年には減少しました。好ましい市場環境だったので、16件の買い持ちポジションを売却しました。1つだけ損失を出しましたが、平均利益は買値の64%でした。また新規に9件を投資しました。その結果、市場が上昇しつづければ残念なこととなりますが、我々の正味株式資産の割合は1年前の61.3%から51.8%へ減少しました。我々の場合、株式の割合を決めるのは株式の価値とリスク対報酬によってであり。株式市場の動向ではありません。仮に明日の株価を今教えてくれたとしても、リスク対報酬の観点で興味をひかなければ、当然ながら我々は売り越すことになります。

現在は安い状況ではありません。GDPと比較した割合でみると、株価は頂点間近に迫っています。これより高かったのはドットコム・バブルの絶頂期だけです。


we live in a windy world but we're in the habit of leaning into it. We tend to buy with the wind in our face, and sell with it at our backs. Right now, there's more of the latter so, as you'd expect, our equity exposure declined during 2013. The favorable market allowed us to sell sixteen long equity positions during the year, at an average gain of 64% from cost, with just one generating a loss. We initiated nine new positions. The byproduct of this - unfortunate if the market continues to rally - is that our net equity exposure declined to 51.8%, down from 61.3% a year ago. We will let valuation and risk/reward guide our exposure, not the stock market. If the market gives us tomorrow's prices today and the risk/reward becomes unattractive, then we are unsurprisingly net sellers.

Things aren't cheap. Equity values, as a percentage of GDP, are near their peaks. The only time they were higher was at the apex of the dot com bubble.

過去記事「株式時価総額とGDPの比較グラフ」でも似たようなグラフをご紹介しています。そちらのグラフとは変動幅が若干異なっているようですが、傾向としては同じ方向を指し示しています。

2013年11月4日月曜日

ガソリンたっぷりの人たち(スティーブン・ローミック)

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FPAのファンド・マネージャーであるスティーブン・ローミックが四半期のレターを出していました。今回は、ポートフォリオの比率に関する話題を引用します。(日本語は拙訳)

FPA Crescent Fund Quarterly Commentary 3rd Quarter (October 8, 2013)

ここ最近の状況ですが、ガソリンたっぷりの人たちがご親切なことに、潜在的な損得勘定を考えるともう魅力がないと思える水準まで、我々の投資先の価格を押し上げてくれました。 頭は正直に、そして心は冷静でいたいと願う以上、この機会に乗じていくらか売却する以外には手がないと考えました。その結果、現在の保有株式銘柄数は46となり、2012年に最大だった時より7つ減少しました。2013年にポートフォリオからはずした11社への投資はすべて利益をだし、平均64%のゲインをあげました。銘柄数が減り、また魅力的な機会が少なくなったことで、買い持ち分の株式合計の割合は2012年末に63.8%だったものが54.2%まで縮小しました。しかし個々の証券のエスクポージャー[価格変動リスクの度合い]はそれに比例して減少してはいません。ほかよりも株価が好調な企業があったところで、それが常に正当だとは言えないからです。[当ファンド]クレセントの正味分の状況としては、有効流動性[=現金等価物]の割合が39.4%へ上昇しました。以前にも述べましたが、機会がめぐってきたときには、この流動性がきっとふたたび我々の味方となってくれるでしょう。

In the meantime, we've taken advantage of the kindness of others who seem to have plenty of petrol and have bid up many of our investments to a point where we find the risk/reward unattractive. To remain intellectually honest and clinically dispassionate, we have found ourselves with little alternative but to make some sales. The number of equity positions now number 46 as a result - 7 fewer than our 2012 peak. Each of the eleven companies purged from the portfolio in 2013 were profitable investments, posting an average gain of 64%. Fewer names and little in the way of attractive opportunities have caused our gross long equity exposure to shrink to 54.2%, down from 63.8% at 2012 year-end. Individual security exposure has not declined ratably, however, as some companies have seen their stock prices perform better than others, and not always justifiably. The net result is that Crescent's available liquidity has increased to 39.4%. As has occurred in the past, we expect that liquidity will inevitably be our friend again once opportunity returns.

2012年11月2日金曜日

資産で買って、利益で売れ(スティーブン・ローミック)

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「慎重派」ファンド・マネージャーのボブ・ロドリゲスの発言は参考になるところが多く、何度か取り上げています。一方、彼の率いるファンドFPAの他のマネージャーにも注目しています。今回は、次席に位置するマネージャーのスティーブン・ローミック氏の四半期報告から引用します。コモディティー事業に関する株式売買の基準についてです。(日本語は拙訳)

引用元ファイル
FPA Crescent Fund Quarterly Commentary (September 30, 2012)

コモディティーを扱う事業に投資する際には、我々は次のことを目安としています。「資産をみて買い、利益をみて売ること」

多額の設備投資を要する循環的な事業は、所属する業界が不振な時期には(各社が赤字か、平時に期待される水準まで利益がとどかない時)、原資産の価値より割安で取引されることがよくあります。しかし利益が回復すれば、市場参加者はその事業が循環的だったことを忘れてしまいます。次にやってくる不調が視野に入っていないと、投資家は利益を以って値踏みし始めるのです。我々がエンスコ社(Ensco)[原油・ガスの海洋掘削会社]の株を買った平均単価は、減価償却済再調達価額より割安にリグを買ったことを意味します。それからのち、リグの賃借料や利益と同じように株価も上昇しました。現在では、同社はPER基準によって評価され始めています。また同時に、既存の契約と堅実な需要環境が続くとの見込みを反映し、原資産であるリグの価値が再調達価額で評価されてきました。我々は安全余裕が縮小したと捉え、当初からの主張やこの手の業界に投資する際の方針にしたがって、同社への投資規模を縮小しました。(PDF4ページ目)

Our goal when investing in commodity businesses is to ‘buy assets and sell earnings.'

Capital intensive, cyclical businesses often trade at discounts to the value of the underlying assets when their respective industry is in distress (companies are either losing money or earning less than what's expected in a more normal environment). When earnings rebound, the market seems to forget that the businesses are cyclical. Investors begin to value them on earnings as if another downturn isn't in the cards. Our average cost in Ensco reflects rigs purchased at a discount to a fully depreciated replacement value. Since then, its stock price has increased, along with day rates (and earnings). The company is now beginning to be considered more on a P/E basis, while at the same time, the value of the underlying rigs has begun to trade through their replacement value, reflecting the value of existing contracts and hope for a continued robust demand environment. As our margin of safety has declined, we have reduced our exposure, consistent with our initial thesis and the manner in which we invest in such industries.


なお、同氏がCNBCのインタビューに応じた映像はこちらにあります。ナイスガイです。