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2016年3月12日土曜日

2015年度バフェットからの手紙(6)イノベーションによる代償

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2015年度「バフェットからの手紙」より、前回につづいて生産性向上に関する引用です。(日本語は拙訳)

労働者として長く雇用されてきた人たちが直面するのは、それとはちがった複雑な状況です。効率を求めてイノベーションと市場システムが互いにやりとりするようになると、多くの労働者は不要とされ、その技能は時代遅れになることがあります。人によっては、そこそこの仕事を他所でみつけられるかもしれません。しかしそうでない人たちには、取るべき道が残っていません。

低コスト競争によって製靴業のアジアへの移転が促進されたことで、ひとときは大成功していたデクスター・シューズ社[=バークシャーが買収した一社]は店じまいすることとなり、メイン州の小さな町で働いていた従業員1,600名をクビにしました。彼らは、他の技能を身に付けることのできる年齢を通り過ぎてしまった人ばかりでした。わたしたちが投じた資本はすべて失われましたが、それは許容できました。しかし労働者のみなさんの多くは、取り換えのきかない生計を失うことになりました。当社が元来営んでいたニュー・イングランドでの織物事業でも、それと同じ筋書きがゆっくりゆっくりと広がりました。終わりになるまでの20年間にわたって奮闘したのです。胸の痛む一例をあげますと、ニュー・ベッドフォードの工場で働いていた年かさの労働者の多くは、ポルトガル語を話す人たちでした。仮に英語ができたとしても、話せるうちには入りませんでした。ですから彼らには、代わりとなる次善の策がありませんでした。

しかしそのような破壊が生じるからといって、生産性を向上させる動きを阻止したり禁止することが解答にはなりません。かつて1,100万人ものアメリカ人が終生にわたって農場で働くよう強いられていたら、わたしたちが今日送っているような生活は得られなかったことでしょう。

そうするかわりの解決策があります。それは、働く意思を持っているものの、市場の力学ゆえに自身の技能に対して小さな評価しか受けられない人々へ、ほどほどの生活ができるような多様な救済策を講じるやりかたです(わたし個人としては、給付付き勤労所得税額控除制度(EITC)を改正・拡大するのが良いと考えています[過去記事]。働く意思のある人にとって米国はふさわしい国である、それを体現しようとする一例になるからです)。大多数のアメリカ人がますます豊かな生活を送れるからといって、その代償に不幸な人たちが貧しさにあえぐべきではないと思います。(PDFファイル23ページ目)

A long-employed worker faces a different equation. When innovation and the market system interact to produce efficiencies, many workers may be rendered unnecessary, their talents obsolete. Some can find decent employment elsewhere; for others, that is not an option.

When low-cost competition drove shoe production to Asia, our once-prosperous Dexter operation folded, putting 1,600 employees in a small Maine town out of work. Many were past the point in life at which they could learn another trade. We lost our entire investment, which we could afford, but many workers lost a livelihood they could not replace. The same scenario unfolded in slow-motion at our original New England textile operation, which struggled for 20 years before expiring. Many older workers at our New Bedford plant, as a poignant example, spoke Portuguese and knew little, if any, English. They had no Plan B.

The answer in such disruptions is not the restraining or outlawing of actions that increase productivity. Americans would not be living nearly as well as we do if we had mandated that 11 million people should forever be employed in farming.

The solution, rather, is a variety of safety nets aimed at providing a decent life for those who are willing to work but find their specific talents judged of small value because of market forces. (I personally favor a reformed and expanded Earned Income Tax Credit that would try to make sure America works for those willing to work.) The price of achieving ever-increasing prosperity for the great majority of Americans should not be penury for the unfortunate.

2016年2月20日土曜日

2016年デイリー・ジャーナル株主総会(3)所得格差について

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デイリー・ジャーナル社の株主総会の記事から、チャーリー・マンガーが所得格差の話題について語った箇所を引用します。前回分はこちらです。なおウォーレン・バフェットによる同じ話題は、過去の投稿でご紹介しています。(日本語は拙訳)

<所得格差について>
トマ・ピケティ[『21世紀の資本』の著者]も、バーニー・サンダース[民主党からの大統領予備選候補者]も、イカれ気味だというのが私の見方です。社会的平等に熱烈な人たちが何をもたらしたのか。ソ連と彼の国で起きた虐殺や、中国共産党支配が招いた大飢饉や、愛すべき北朝鮮もそうですよ。そういった悪しき先例を招いたわけですから、この種の情熱はどれも疑問に思いますね。平等を掲げていた中国では飢饉がありましたが、私有の権利を認めてからは生活水準が10倍向上しました。そのことで多大な不平等を生み出してはいます。サンダースはこの件についてまったくわかっていないのに、その考えを崇拝しているのですから。彼は一本気な人間[原文はJohnny One Note]なのですね。知性ある人間として、恥ずかしい人だと思います。ただし、我らが共和党にも彼より悪い人たちがいます。しかしそのような人たちのイカれかたは、少なくともサンダースとは違っています。サンダースの個人的な性質を考えると、一族のだれかと結婚させたいとは思いませんね。思弁家の一人として、彼はお粗末です。社会的平等は、ある効果を生みます。「得られる結果が相応なものであれば、人はその結果の違いを受け入れるものだ」とアリストテレスは言いました。タイガー・ウッズがあれほどに金持ちであるのは、だれでも承知しています。その一方、現在のアメリカで不相応に財産を得た人間とはだれでしょうか。[ビル・]ゲイツではないですし、起業家たちでもありません。相応ならぬ富を蓄えた一員に含まれる者、それは金融に携わる人たちです。だから彼らは妬まれているのですね。そしてその罪は、今こうして語っている人間にも当てはまります。何もせずに、もしくは非生産的な行動によって、不相応に多くの富を築くべきではないでしょう。不相応に富を成すことの問題を修正できれば、それは大きいと思います。通常の投資パートナーシップでは、含み益には課税されません。課税されない莫大な流動的資産が生み出されることは当然ながら腹立たしいですし、その実情を理解した人はそれ以上に感じるでしょうね。

しかしながら不平等とは、成功をおさめた発展中の社会では自然な成り行きです。上位1%の輩が何をするかって。彼らが重要な問題なのでしょうかね。金持ちが実際に手にしている力がどれほど些細なのかは、金持ちになれば理解できますよ。多額の金を費やして、実質的に得るものは何もありません。ですから、ピケティとサンダースはまちがっています。しかし相応でない富を得ることについては、注意を向けるべきですね。

Income inequality: "My attitude is that both [Thomas] Piketty and [Bernie] Sanders are a little nuts. People passionate about egality gave us the Soviet Union and all those murders and Communist China and the starvation and lovely North Korea. I am suspicious of all this passion that brings about such bad examples. China had egality and was starving but adopted property rights, and living standards increased 10x, but that created a lot of inequality. Sanders doesn't understand this at all and has a religion for it; he is 'Johnny One Note.' As an intellectual, Bernie is a disgrace. Now, I don't think he's any worse than some of our Republicans. But at least they're crazy in a different way. But I wouldn't have him [Bernie] marry into my family just for his personal traits. As thinker, he is bad. Egality has one effect: people will tolerate different outcomes, if the outcomes are deserved, according to Aristotle. People are understanding that Tiger Woods is so rich. Who is getting undeserved money in America now? Not Gates or creators of businesses. Financiers are among those who do receive undeserved wealth and have caused envy. Even the man talking [referring to himself] is guilty of this. We don't want a lot of undeserved wealth for doing nothing or acting counterproductively. Fixing undeserved wealth would be extraordinary. Normal investment partnerships pay no taxes on unrealized gains. Naturally, enormous liquid wealth created not taxed is resented and would be more so if people actually understood it."

"But inequality is the natural outcome of a successful, advancing civilization. What the hell is the guy at the top 1% to do? Is he the main problem? When you get rich, you finally realize how little power the rich really have - they will spend a lot and get practically nowhere. Piketty and Sanders are wrong, but undeserved wealth needs some attention."

2015年11月26日木曜日

この世界には2種類の知識がある(チャーリー・マンガー)

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チャーリー・マンガーが2007年に南カリフォルニア大学グールド・ロースクールの卒業式で述べた祝辞の15回目です。すばらしいです。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

私がよくとりあげる話に、マックス・プランク[物理学者]のことで言い広められているものがあります。こんな逸話です。ノーベル賞を受賞したあとの彼は、新しい量子力学の標準となる講義をドイツ国内で同じようにして回りました。そうするうちに彼のお抱え運転手を務めていた人間が講義の内容を暗記してしまいました。そこでプランクにこう申し出たのです。「プランク教授、いつも同じでは退屈かと存じますので、ミュンヘンでは手前が講義をして、だんなさまは運転手の帽子をかぶってお座り頂くのはいかがでしょう」。プランクは「ぜひとも」と答えました。朝目覚めた運転手は量子力学の長い講義をしました。ところが話の済んだ後に、物理学のある教授が席を立ち、おぞましいこと極まる質問を投げかけてきました。そこで話し手は次のように答えました。「これはまた、ミュンヘンのような進んだ街で、そのように初歩的な質問を受けるとは思いもよりませんでした。それでは、私の運転手に答えさせるとします」(聴衆笑)。[同じ話題にふれた過去記事]

しかし私がこの話をしたのは、すばやく機転を利かせた主人公を誉めたいからではありません。この世界には2種類の知識があると考えるからです。ひとつはプランクが到達した知識で、人が真実を理解する類いのものです。努力の末に勝ち取ったものであり、それだけの資質も備わっていました。もうひとつが運転手のみせた知識です。彼が学んだことは長々と話をするためのものでした。話し手は大物めいて見えるかもしれませんし、良い声質の持ち主たることもあるでしょう。見事な印象を与えるかもしれません。しかし結局のところ彼らの得た知識とは運転手の知識であり、真なる知識を装ったものにすぎません。これで私は、米国における実質的にすべての政治家を描写したと思います(聴衆拍手)。みなさんはこれからの人生において、なるべく多くの責任をプランク的知識を持つ人々へ担わせようとすれば、そして運転手的知識を持つ人から取り除こうとすれば、そこで問題が生じると思います。みなさんに反対する強烈な力が働くからです。

私の属した世代はみなさんの世代に対していくらか失敗を残してしまいました。カリフォルニアの議員として左派からは折り紙付きの左翼を、右派からも折り紙付きの右翼をますます送り込み、議会のほとんどを占めるようになったからです。そのだれも排除することはできません。これが、我々の世代がみなさんの世代へやってしまったことです。みなさんならば、「ずっとずっと単純であってほしい」と望まないわけはないですよね。

I frequently tell the apocryphal story about how Max Planck, after he won the Nobel Prize, went around Germany giving a same standard lecture on the new quantum mechanics. Over time, his chauffeur memorized the lecture and said, "Would you mind, Professor Planck, because it's so boring to stay in our routines, if I gave the lecture in Munich and you just sat in front wearing my chauffeur's hat?" Planck said, “Why not?” And the chauffeur got up and gave this long lecture on quantum mechanics. After which a physics professor stood up and asked a perfectly ghastly question. The speaker said, "Well, I'm surprised that in an advanced city like Munich I get such an elementary question. I'm going to ask my chauffeur to reply." (Audience laughs.)

Well, the reason I tell that story is not celebrate the quick wittedness of the protagonist. In this world I think we have two kinds of knowledge: One is Planck knowledge, that of the people who really know. They've paid the dues, they have the aptitude. Then we've got chauffeur knowledge. They have learned to prattle the talk. They may have a big head of hair. They often have fine timbre in the voices. They make a big impression. But in the end what they've got is chauffeur knowledge masquerading as real knowledge. I think I've just described practically every politician in the United States. (Audience claps.) You're going to have the problem in your life of getting as much responsibility as you can into the people with the Planck knowledge and away from the people who have the chauffeur knowledge. And there are huge forces working against you.

My generation has failed you to some extent. More and more, we're delivering to you in California a legislature in which mostly the certified nuts from the left, and the certified nuts from the right, are allowed to serve. And none of them are removable. That's what my generation has done for you. But, you wouldn't like it to be too easy, would you?

2015年9月2日水曜日

現在の米国民主主義の欠陥(ジェレミー・グランサム)

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GMOが2015年第2四半期レターを公開しています。ジェレミー・グランサムは投資におけるマクロ的なテーマをいくつかあげて、自分の見解の一部を記しています。今回は、米国における民主主義についての文章から引用します。(日本語は拙訳)

Ten Quick Topics to Ruin Your Summer [PDF] (GMO Quarterly Letter 2Q 2015)

7. 民主主義と資本主義における欠陥について考えてみる

民主主義について

「我々の調査によって浮かび上がった核心とは、次のようなものだった。経済的エリートや各種事業に関わる者を代表する組織的な団体は、米国政府が遂行する政策に対して独立した立場から大きな影響を及ぼす。それとは反対に、平均的な市民や興味をともにする者の単なる集団は、独立した影響力をほとんどあるいは一切持っていない」。これは、ギレンズとペイジが昨秋に発表した論文で示した決定的な結論です。収入水準を細分化できた政策約1,800件を調査した結果、収入の上位10%以上の人たちを「エリート」とざっくり定義すると、「選挙を通じた多数決による民主主義」は概して過去のものとなったことを見いだしたのです。

同調査について手短に済ませておくには、次の点を指摘しておけば十分だと思います。連邦議会が平均的な法案を可決する割合は31%です。提出された法案が平均的な市民の嫌がるものである場合、その確率は30%に低下します。一方で、平均的市民の望む法案では32%へ上昇します。ところがそれと対照的に、経済的エリートが望む法案の場合、絶対の保証はないものの、可決される確率は60%に上昇します。そしてエリートたちがその問題を心底嫌悪する場合、死刑宣告を受けたも同然で、法案可決の確率は1%になります。

その確率が1%なのか0.01%なのか、あるいは上位2,000件ほどだけが実際にその数字を決めているのか、いずれそれらを知ることは役に立つと思います。実のところ、[エリートが]上位10%ではないのは明らかだからです。それはさておき、そのデータ自身は次のように語っています。「人民の、人民による、人民のための政治」は、現実問題としてこの地上から消え失せてしまったようだ、と。もしリンカーンがいればまちがいなく、「それを蘇らせよう」と檄を飛ばすことでしょう。(PDFファイル19ページ目)

7. Trying to understand deficiencies in democracy and capitalism

Democracy

"The central point that emerges from our research is that economic elites and organized groups representing business interests have substantial independent impacts on U.S. government policy, while mass-based interest groups and average citizens have little or no independent influence." [Emphasis added.] This is the killer conclusion of a paper last fall by Gilens and Page. Based on the study of almost 1,800 policy issues for which income breakdowns were available, and defining the "Elite" generously as those above the 90th percentile, it finds that "majoritarian electoral democracy" is largely a thing of the past.

To keep the review of this study short, it is probably only necessary to point out that the average bill in the U.S. Congress has a 31% chance of passing; this chance falls to 30% when the proposed legislation is hated by average citizens and rises to 32% when they love it! In contrast, love from the economic elite, although not absolutely guaranteeing success, raises the chances of its passing to 60%. But when the elite truly detest an issue, it is like passing a death sentence: About 1% of these bills pass!

It would be helpful to know one day whether it is the 1%, the .01%, or only the top 2,000 or so who really drive this data, for it is surely not the top 10%. Other than that, the data speaks for itself: It would seem that "government of the people, by the people, for the people" has indeed, for practical purposes, "perish(ed) from the Earth." Lincoln would no doubt urge us to try to resuscitate it.

2015年7月16日木曜日

2015年デイリー・ジャーナル株主総会(10)シンガポールについて

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デイリー・ジャーナル社の株主総会の記事から、チャーリー・マンガーお気に入りのリー・クアンユーの話題です。引用元の記事はいつもと同じですが、今回は記事Part3からです。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

Charlie Munger's 2015 Daily Journal Annual Meeting - Part 3 (Forbes)

<質問> オーストラリアのシドニーから参りました。チャーリー、リー・クアンユーの話に戻りたいのですが、彼がシンガポール政府で築いた文化が、現在あるいは将来において維持される可能性はどれぐらいでしょうか。

<マンガー> あの国はうまくやっていますよ。リー・クアンユーは昔のやりかたを変えました。腐敗を排除するとともに、それが生じにくいように変えたのです。かなりの額の報酬を与えることになりました。ですから、シンガポールでは盗みをして得をする理由がありません。議会や上級の政府役人は、たとえば相当な報酬を得ていますし、尊敬も集めています。

彼がシンガポールに残したことは、今後もうまく機能し続けると思います。ただし「彼がそうやって成功した頃には、中国はまだそうしていなかった」、それは言えるはずです。現在のシンガポールは中国と厳しい競争をしなければなりません。

<質問> 彼のご子息や前任者が起こした変化はどうですか。たとえばシンガポールにもカジノが許可されましたが。

<マンガー> それはおぞましいですね。ほかの通常のビジネスとくらべて、カジノの経営は大いに儲かります。在庫はいらないうえに、紙幣を印刷する認可を得ているようなものですから、その誘惑に逆らえないのです。だから彼としては、カジノでは外国人だけがプレーできるようにしたわけですよ。自国民を堕落させたくなかったのですね。私は悪魔と褥を共にしたいとは思いません。しかし、カジノを許可するとなった時には、すでにクアンユーは実権を握っていませんでした。彼がもっと若ければそうしなかった、と思いたいですね。

この国ではカジノやくじがそこらじゅうに創り出されています。米国にとってそれが望ましいとは、私は考えていません。発展した社会において望むべき展開ではないからです。アホな政治家はその毒を加えることで短期的な問題を解決しようとします。なんとも彼らには地獄の底がお似合いですよ。つまり「事実上彼ら全員をお払い箱にしたい」と言っているのです。というのは、事実上彼ら全員がそうしてきたからです。新しいカジノができない場所など見当たらないでしょう。テレビのコマーシャルでは、テーブルを囲む連中が勝ちをあげて喜んでいますね(笑)。

あの宣伝は偽りです。「トントンまで戻れば」と思いつめる絶望的な顔をした連中が勝負の席についている姿を出すべきですよ。そういった映像が茶の間のテレビに映し出されるのを想像してみたらどうですか。

Q: Charlie, I'm here from Sydney, Australia. I'd like to just come back to Lee Kuan Yew. What are the chances of that culture continuing with the current government and future governments of Singapore?

Mr. Munger: They're pretty good. Lee Kuan Yew left a base, eliminated the corruption, made it hard to get in, and paid the people a lot. There's no real incentive to steal in Singapore. Either in Parliament or as an advanced government administrator, you get paid very well, and you're admired, and so forth.

I think what he's left in Singapore will continue to do very well. But of course, he rose when he was doing it and China wasn't. Now Singapore has to compete with China. China makes it harder.

Q: What about the changes since his son or predecessor came in, for example, allowing casinos to come into Singapore…

Mr. Munger: I would have hated that. You make so much money running a casino, compared to any normal human business. There are no inventories, it's like having license to print money, and people just can't stand the temptation. So, he organized a casino business. Only foreigners can play; he didn't want to ruin the locals. I would not have slept with the devil that much. But Yew was no longer really in power when that happened. If he'd still been young, I'd like to think he would not have done that.

I do not consider it desirable in the United States that we've created casinos and lotteries everywhere. That was not a desirable development in an advanced civilization, and the damn politicians that solve their short-term problems by bringing in this poison deserve to be in the lowest circle of hell. That means that I'm consigning practically all of them, since practically all of them have done it. I can hardly find a place where they aren't putting in new casinos. And the advertising on TV is happy people winning at the table.

[laughter]

Talk about false advertising! You should look at the desperate faces of people trying to get even at the table. Imagine making your living putting those kinds of images on television.

2015年5月24日日曜日

最低賃金の引き上げよりもすぐれた政策(ウォーレン・バフェット)

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ウォーレン・バフェットがめずらしくTweetしていました(今回で7件目)。政治と経済に関わる話題を、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)へ寄稿したとのことです。今回は同記事から一部を引用します。(日本語は拙訳)


Better Than Raising the Minimum Wage (WSJ)

この国の経済政策では大きな目標として次の2つを掲げるべきだ、とわたしは考えています。ひとつめは、わたしたちのような裕福な社会では、働きたいと望むあらゆる人が十分な生活をおくれるだけの収入を得られるように目指すことです。もうひとつは、そのための施策がどうであろうと、この国の市場システムをゆがめてはならないことです。それは成長や繁栄をみちびく大切な要素だからです。

ところが最低賃金をそれなりに引き上げるとする案が出てくると、ふたつめの目標は打ち砕かれてしまいます。どんな仕事だろうと、最低でも時給150ドル(=約1800円)がもらえればいいとは思います。しかしそのような最低額では、雇用が大幅に減少するのはほぼまちがいありません。基礎的な技能しか持たないたくさんの勤労者を直撃するでしょう。一方で小幅な増加にとどまれば、もちろんうれしいことはたしかですが、多くの勤勉なアメリカ人が貧困から抜け出せないままだと思います。

もっと良い解決案があります。それは、給付付き勤労所得税額控除制度(EITC)を大幅かつ慎重に形成拡張することです。現在その制度は数百万人の低所得勤労者が利用しています。請求者たる勤労者の収入が増えれば支給額は減額されますが、やる気を削ぐことにはなりません。賃金が増えれば収入全体は増えるからです。制度の使い方はかんたんです。まず確定申告をします。すると政府が小切手を送ってきてくれます。

給付付き勤労所得税額控除制度の本質は、労働に対して報酬を出し、勤労者が自分の技能を向上させるよう仕向けることです。それとあわせて重要なことがあります。市場力学をゆがめないので、雇用を最大化させることができます。

In my mind, the country's economic policies should have two main objectives. First, we should wish, in our rich society, for every person who is willing to work to receive income that will provide him or her a decent lifestyle. Second, any plan to do that should not distort our market system, the key element required for growth and prosperity.

That second goal crumbles in the face of any plan to sizably increase the minimum wage. I may wish to have all jobs pay at least $15 an hour. But that minimum would almost certainly reduce employment in a major way, crushing many workers possessing only basic skills. Smaller increases, though obviously welcome, will still leave many hardworking Americans mired in poverty.

The better answer is a major and carefully crafted expansion of the Earned Income Tax Credit (EITC), which currently goes to millions of low-income workers. Payments to eligible workers diminish as their earnings increase. But there is no disincentive effect: A gain in wages always produces a gain in overall income. The process is simple: You file a tax return, and the government sends you a check.

In essence, the EITC rewards work and provides an incentive for workers to improve their skills. Equally important, it does not distort market forces, thereby maximizing employment.

2014年11月12日水曜日

チャーリー・マンガーの炉辺談話(6)燃やしたほうがマシだった

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米ウォール・ストリート・ジャーナルのブログで、ジェイソン・ツヴァイク氏がチャーリー・マンガーにインタビューした記事、今回が最後です。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

<質問> 会計について

<マンガー> 今や会計事務所では(2002年のサーベンズ・オクスリー法や2010年のドッド・フランク法が成立し、当局による規制が実施されたことで)、非常に多くの人間を雇わざるを得なくなりました。ですから必要な新人をまるごと採用するには、基準を下げないといけない状況になったのです。政府は会計士に対して警吏たれと要求しますが、警察官ができるほどに聡明な人はわずかです。会計士に警察をやらせようなどと期待してはいけません。会計事務所は会計士を統率する倫理的な心構えを持つべきです。あらゆる企業は、たとえ完璧に合法だとしても自社にとって相応しくないことは、長々と書き連ねておくべきです。監査役を警吏にしてしまうと、監査上の対立が増すごとに会計士と顧客の間で緊張が高まります。すると多くのことが隠匿され、コストは増加し、結局だれにとっても悪い事態へと進むことになります。

On accounting:

Accounting firms now [in the wake of regulatory requirements under the Sarbanes-Oxley Act of 2002 and the Dodd-Frank Act of 2010] have had to hire so many people that they have had to go way down in the bucket to get all these new employees. The government is asking accountants to be policemen, but the number of people smart enough to be qualified for policing is too low. We shouldn't be expecting accountants to do the policing. Firms should have the ethical gumption to police themselves: Every company ought to have a long list of things that are beneath it even though they are perfectly legal. Every time you increase the antagonism of the audit by making the auditors the policemen, you increase the tension between the accountants and the clients. More things end up getting hidden, costs go up, everyone ends up worse off.

<質問> 新聞業界の凋落について

<マンガー> この国で新聞業界が果たしてきた役割は、まぎれもなく卓越したものでした。言論界は何十年にもわたって、もう一つの政府、それもおよそ優れた規範として機能してきたのです。新聞社を経営していた人たちの多くは、最高の倫理基準を抱き、社会の利益に関する純粋な良識を備えていました。新聞が死にゆく様を目のあたりにして、この社会が迎える将来を案じています。いったい何が新聞の代わりを果たすことになるのか、まだわかりません。しかし、悪くなるのは目に見えています。

On the decline of newspapers:

The role that newspapers played in this country has been absolutely remarkable. The Fourth Estate functioned for decades like another, almost better form of government in which many newspapers were run by people of the highest ethical standards and a genuine sense of the public interest. With newspapers dying, I worry about the future of the republic. We don't know yet what's going to replace them, but we do already know it's going to be bad.

<質問> 資産運用業界で多く見られるばかばかしさについて

<マンガー> 2000年当時の話ですが、ベンチャーキャピタル・ファンドは総額にして10兆円もの資金を集め、インターネット関連の新興企業に注ぎこみました。10兆円ですよ。そうするぐらいなら、最低でも5兆円は桶にでも放り込んで、溶接バーナーで燃やしたほうがマシでしたよ。あれは、手数料で商売している資産運用会社によくある狂ったやり方です。だれもが資産運用のマネージャーをやりたがります。できるだけたくさん資金を集めて、狂ったようにトレードしあって、結局は上前をはねたいのですね。知り合いのある男で非常に頭が良くて有能な投資家がいますが、彼にこう質問したことがあります。「顧客の機関投資家には、どれだけリターンをあげるつもりだと説明しているのかね」。彼が答えました。「20%ですよ」。なんとも呆れました。それが不可能なことを彼は承知しているはずです。しかし彼はこう続けました。「チャーリー、いいですか。もし低い数字を示せば、一銭も投資してくれないのですよ」。資産運用業界というのはイカれてますね。

On the absurdity of much of the money-management industry:

Back in 2000, venture-capital funds raised $100 billion and put it into Internet startups - $100 billion! They would have been better off taking at least $50 billion of it, putting it into bushel baskets and lighting it on fire with an acetylene torch. That's the kind of madness you get with fee-driven investment management. Everyone wants to be an investment manager, raise the maximum amount of money, trade like mad with one another, and then just scrape the fees off the top. I know one guy, he's extremely smart and a very capable investor. I asked him, ‘What returns do you tell your institutional clients you will earn for them?' He said, ‘20%.' I couldn't believe it, because he knows that's impossible. But he said, ‘Charlie, if I gave them a lower number, they wouldn't give me any money to invest!' The investment-management business is insane.

<質問> 機関投資家や個人投資家が行うデリバティブや株式の高速トレードについて

<マンガー> あれでは幼児殺しですね。ラスベガスで店をやっている人が善人に見えますよ。

On rapid trading of derivatives and stocks by institutions and individuals:

It's like the slaughter of the innocents. It makes the people who run Las Vegas seem like good people.

2014年10月8日水曜日

チャーリー・マンガーの炉辺談話(3)綱渡り師がわかっていたこと

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米ウォール・ストリート・ジャーナルのブログで、ジェイソン・ツヴァイク氏がチャーリー・マンガーにインタビューした記事のつづきです。短いので、今回は2つの話題です。(日本語は拙訳)

<質問> バークシャーのパートナーである3Gキャピタル社のような、大企業を買収して効率経営する会社のことを、どう考えていますか。

<マンガー> コスト削減の話題は微妙なものと感じています。この話題は普通、大勢の人が職を失うことを意味します。金持ちはますます裕福になり、その一方で多くの人がクビになるわけですね。しかし突きつめてみれば、企業が必要以上の人員を雇用して効率的に経営できないようでは、世の中のためになるとは思いません。全体としてみれば、企業がよりよく運営されることで社会を発展させることにつながります。

On firms like Berkshire partner 3G Capital, which takes big companies and streamlines them:

I'm sensitive to the issue of cutting costs, which usually means a lot of people losing jobs. Rich people end up getting richer and a lot of people get fired. But ultimately, I think we don't do the world a favor by employing more people than we need for companies to run efficiently. On the whole we advance civilization when companies run better.

<質問> あなたやバフェット氏が言うところの「自分の土俵」とは、どのようなものですか。

<マンガー> 孔子曰く、「これを知らざるを知らずとせよ、これ知るなり」。これと同じことをアリストテレスやソクラテスも言っています。自分の知らないことの範囲を把握することが大切だ、ということですね。それでは、この技能は教えたり学びとることができるものでしょうか。もし結果次第で損得が大きく振れるのであれば、たぶんできると思います。自分が認識していることの限界を知ることにおいて、ある種の人たちはきわめてうまくやっています。なぜならば、それが不可欠だからです。プロの綱渡り師を20年間務めて今なお存命の人を考えてみてください。もし自分が何を知っていて何を知らないのか正しく把握していなければ、綱渡りで命を落とすことなく20年間も続けてはこられなかったでしょう。彼の人はそのことを真剣に取り組んだのです。それをしくじれば命がないとわかっていたからですね。そう、生き長らえた者にはわかっていたわけです。

自分が何をわかっていないのか。それがわかっていれば、頭が良いことよりもずっと役に立ちますよ。

On what he and Mr. Buffett call "the circle of your competence":

Confucius said that real knowledge is knowing the extent of one's ignorance. Aristotle and Socrates said the same thing. Is it a skill that can be taught or learned? It probably can, if you have enough of a stake riding on the outcome. Some people are extraordinarily good at knowing the limits of their knowledge, because they have to be. Think of somebody who's been a professional tightrope walker for 20 years - and has survived. He couldn't survive as a tightrope walker for 20 years unless he knows exactly what he knows and what he doesn't know. He's worked so hard at it, because he knows if he gets it wrong he won't survive. The survivors know.

Knowing what you don't know is more useful than being brilliant.

2014年10月6日月曜日

2014年バークシャー株主総会; 公立学校教育について

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2014年5月に開催されたバークシャー・ハサウェイの年次株主総会から、おなじみの話題、米国における教育問題についてです。主題よりも、ウォーレンが冗談を説明するほうが長いです。(日本語は拙訳)

<質問56: 上海在住の質問者> 教育に対する投資はどうですか。米国と中国では、現在あるいは将来どのような違いがあるでしょうか。

<マンガー> これは、どんどん楽な質問になっていきますね(笑)。

<バフェット> 彼の言うことなら、なんでも賛成しますよ(笑)。

<マンガー> アメリカは公立の学校をおしゃかにしたことで、大きな間違いをしでかしました。一方、アジア諸国の社会ではその傾向が小さいと思います。彼らのやりかたをもっと見習ったほうがよかったですね。

<バフェット> チャーリーの言動が心配になった時はそれを口にすべきでない、そのことを思い出しました。うまく聴こえないことについて、こんな冗談があります。わたしにはすばらしいパートナーがいるが、彼は耳が悪くなっているようだ。そんなときにはどうすればいいのか。医者の話では、部屋の向こう側に立ってみろとのこと。そこでわたしは部屋の反対側に立って、こう言いました。「35ドルでGMを買うのがいいと思うけれど、どうだろう」。しかし返事がありません。次に部屋の半分まで近づいて、再び言いました。またもや返事はありません。とうとう、すごく近くまで歩み寄って語りかけました。「チャーリー、35ドルでGMを買おうと思っているけれど、どうかな」。3回目にして彼は「いいとも」と答えてくれました。大きな声ならば聴こえる、ということですね。

Q56: Station 9, Shanghai. Education investment - what is different now and in the future in US and China?

CM: We certainly are getting the easy questions! [laughter]

WB: Whatever he says I agree with. [laughter]

CM: I think America made huge mistake when they let public schools go to hell. I think Asian cultures are less likely to do that. I wish we were more like them.

WB: It reminds me, that whenever I get a little worried about Charlie, maybe I shouldn’t talk about it. There is a joke about not hearing well that goes like this: I have this wonderful partner, but I think his hearing is going. What should I do? Doctor told me to stand across room. So I stood across room and said, ‘I think we ought to buy GM at 35’. No response. I go halfway across room, say it again, and no response. So I walk right over to him and say, “Charlie I think we ought to buy GM at 35.” And he says, for the third time, YES! So speak up... 

2014年8月30日土曜日

再び累進消費税、そしてマクロ的な貯蓄と投資(ウォーレン・バフェット)

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ウォーレン・バフェットが1994年にネブラスカ大学でおこなった講演その33(最終回)です。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

<質問者> 累進消費税の政策を支持するとのお話がありました[過去記事]。そのお考えは最善の案だと思いますが、うまくいくのは経済の調子がいいか、あるいは過熱しているときだと思います。もし1981年から82年にあったような厳しい不況の時期だとしたら、どう思われますか。

<バフェット> 累進消費税が制定されれば、法律がいつ施行されようとも、つづく1年間やおそらく2年間は経済が低迷するでしょう。単純にこう考えてみてください。この国で生産された製品の100%を消費していたとします。そこから突如5%を貯蓄しはじめることになれば、すぐには生産が増加しないと仮定すると、まあそうなるでしょうが、消費は95%に落ち込むでしょう。しかし毎月5000ドルを稼いでいる人が、家族のためにもっと貯蓄することに決めれば、その時点では消費を減らします。ですが、後になってから消費を増やすかもしれません、貯蓄した分が投資にまわって、そこから生みだされるものがあるからです。投資をいっそう誘発する消費税はどんな種類のものであっても、つづく1,2年間は経済に悪影響を与えます。だから、この政策は不興を買うわけですね。みなさんの家庭でも同じように、この話は人気がないと思います。つまり「もっと蓄えをして消費を減らそう」と掲げても、必ずしも勝利につながる論拠とはならないのです。しかし長い目でみれば、このやりかたをすれば富を築くことができます。ですから累進消費税がいつ導入されたとしても、しばらくは足をひっぱると思います。

1790年の頃を思い出してください。この国の人口の90%は農場で働いていました。そこでだれかが思い立って、トラクターやコンバインや耕運機を開発しようと言いだしたとしましょう。すると80%の人たちは仕事からあぶれ、少ない割合の人たちだけが農場に残れることになります。きっと、こう返答されるでしょう。「なんとおぞましい考えだ。そんなものは要らないね」。しかし200年にわたる長さでこの国を振り返ればわかるように、貯蓄を元手にした投資によって農作業から解放された人たちが他のあらゆる種類の仕事をこなしてきたのが現実です。短期的に考えると無職になる状況が思い浮かぶわけですから、おぞましい見通しに思えるかもしれません。しかしもうひとつのほうが頭に思い浮かんでいません。余剰となった人たちが長い期間にわたって、他のすべての種類のものを生産してきた事実のほうです。もし1790年当時のこの国のあらゆる農民にちょっとしたビデオ映像をみせて、こう言ったとします。「ここで農作業をするには息子さんや義理の息子さんなどみなさんの力が必要ですが、その代わりにこのトラクターを使ってみてください。ひとりで仕事ができますから、他の8人の仕事はなくなります」。そして高性能の農機を今後どうするか決めようとなったときに、住民投票を使うのは絶対に嫌ですね。これは、この国で投資の割合が増加するときに生じる問題なのです。もしテレビを通じて情報操作されており、政治的に非難されている状況であれば、累進消費税を説得できるか自信がありません。

今日はこうしてみなさんが集まってくださったことに、とても感謝しています。ネブラスカ大学に戻ってきて本当によかったです。最後になりますが、わたしたちのクォーターバック陣が健康であることを祈りましょう。みなさん、どうもありがとう。

Q. You support a progressive consumption tax policy. I think your idea is the best and works when our economy is booming or overheated. What do you think if our economy is in a severe recession like in 1981-82?

A. A progressive consumption tax, if enacted, would hurt the economy in the following year or maybe a couple of years, regardless of when it was introduced, simply because: If we are consuming 100% of the goods produced in the country and all of the sudden you say we're going to start saving 5%, that would take consumption down to 95%, assuming no immediate increase in output, which there wouldn't be. If you're making $5,000 a month and you decide to save more in your family, you're going to cut consumption at that point. Later on, you may increase consumption because of the product of that investment. Any kind of a consumption tax that induces more investment will hurt the economy in the following year or two, which makes it tough to sell. That makes it tough to sell in your own household, too. If you say we're going to start saving more and consuming less, that's not necessarily a winning argument. But it is the way to build wealth over time. I would say no matter when it was introduced, it would have a bite for a while.

Think back to 1790, when 90% of the people in the country were on farms. If some guy had come along and said we're going to develop tractors, combines, and cultivators that will put 80% of these people out of work so that a small percentage of people will be on farms, people would say, "That's terrifying, you know, we can't have that." Actually, saving and investment frees up people to do all kinds of other things, as you have seen on the long scale of 200 years of this country. It's a terrifying prospect to people in the short run, because they see the unemployment; they don't see those people being freed up to produce all kinds of other things over time. If you could have had a little video tape that you showed all the farmers in the country in 1790, and said, "Use this one tractor instead of needing all of your sons and sons-in-law and everybody else to farm this place, and you will be able to do it yourself. The other eight people will be unemployed," I would have hated to have a referendum on whether people wanted progress, in terms of better farm machinery. That is the problem with increasing the investment rate in the country. And, in a politically charged environment with sound bites on television, I'm not sure it could be sold.

Well, I want to thank you all for coming; it's been a real pleasure to return to the University of Nebraska and I hope we keep our quarterbacks healthy. Thanks.


ちなみに、今日8月30日はウォーレンの誕生日です。84歳になります。現地時間の30日はもう少しあとになりますが、Happy Birthday, Warren!

2014年8月10日日曜日

会計監査および医療制度改革の話題(ウォーレン・バフェット)

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ウォーレン・バフェットが1994年にネブラスカ大学でおこなった講演その30です。一般的な話題が2つです。本講演もあと1,2回で終わりです。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

<質問者> 近年になって会計事務所が顧客から訴えられる例がみられるようになりました。監査業務が期待にこたえていないという理由です。バフェットさんやバークシャー・ハサウェイは外部の監査人に対して何を期待されていますか。

<バフェット> いい質問ですね。何年か前に連邦会計標準委員会(FASB)に言ったことがあります。会計士は訴訟されても仕方がないですよ、と。それというのも、当時の典型的な会計証明は誇張されていたからです。多くの企業において彼らがそのような意見を表明する立場にいたとは思えませんでした。「会計士の意見は立証できない」という事実に対して金銭的な責任を問われたときには、まさしくそのとおりだと思いました。場合によってはやりすぎがあったかもしれませんが、彼らの意見表明は信頼されていたのです。銀行や保険会社などの多くの例で、彼らは証明しようにも単にそうできる立場にいませんでした。さて当社の場合、規模が小さく統制されてもいます。また内部監査の要員もいます。もし外部の監査人が何かしてくれるのならば、税務面で他にいい案を検討してもらったり、管理統制上のシステムについて社内の監査役が指摘できなかった弱点をみつけたり、あるいは明らかなまちがいを指摘するなどをお願いします。これまでにそういったことはなかったですが、彼らにお金を払っているのはそれを期待しているからです。証券取引委員会(SEC)とニューヨーク証券取引所によって義務付けられているので、何はともあれ彼らを使っているという事実は別としてですよ。ちなみに、監査をしたことがないという大きな会社を買収したことがありますが、気になりませんでした。

ブラムキン夫人と取引をしたのは1983年の8月30日でした。その日はわたしの誕生日なので覚えています。やる気満々と思われるでしょうから、先に話を切り出したくなかったのです。後になってから話を出したところで、彼女はこう言いました。「あんたは、誕生日に[原油が噴き出す]油井を買えたのさ」。彼女は監査を受けていませんでした。土地は全部保有しているし、建物も全部そうだし、在庫も全部うちの資産だ、と説明してくれました。また売掛金や事業の状況、そして支払いはすべて済んでおり、債務は全くのゼロだということも話してくれました。わたしたちは監査を一切行いませんでした。彼女の事業を買った時の契約書は1ページに収まりました。

Q. Mr. Buffett, in recent years, several public accounting firms have been sued by their clients because they have not met their expectations on their auditing services. I was wondering what you and Berkshire Hathaway expect from your external auditors?

A. Well, that's a good question. I said to the Federal Financial Accounting Standards Boards some years ago that I thought accountants deserved to be sued, because I thought the typical accountant certificate in those days was overstated. I did not think they were in a position in many companies to deliver that opinion and when they have been held financially accountable for the fact that they couldn't back up that opinion, I really thought that was appropriate. It may have gone overboard in some cases, but they were stating something there that people relied on. In many cases - take banks or insurance companies - they were simply not in a position to attest as they did. In our own case, we are small and controlled, and we have an internal audit staff. I'm hoping, if an outside auditor comes up with anything, it may be a potential tax idea, or it might be things our internal auditors did not spot in terms of weaknesses in the control system, or they might spot outright fraud of some sort. We haven't had that, but that's what I'm paying them to do, aside from the fact I have to have them anyway because I'm required to by the Securities and Exchange Commission and the New York Stock Exchange. Incidentally, we have bought big firms that never had an audit, and that doesn't bother me.

When I made the deal with Mrs. Blumkin, it was on August 30, 1983. I know that because it was my birthday. I didn't want to tell her that early on, because I thought she might think I was over-eager. I told her afterwards and she said, "You bought an oil well on your birthday!" She had no audit and she just told me she owned all the land, all the buildings, and all the inventory. She told me about what the receivables were, what the business was about, that all the bills were paid, and they didn't owe any money. We never had an audit. We bought that business with a contract that was one page long.


<質問者> ヘルスケア(医療制度)の改革が、経済全般やバークシャー・ハサウェイに対してどのような影響を及ぼすのか、何かご意見や予想されていることがありますか。

<バフェット> 前の質問でも話しましたが、ヘルスケアの話題で6,7年前に総会を一度やりました。たとえばこの国でGDPの14%分を何かのことに費やしているとして、他の国が9%以下で済んでいるとしたら、競争上の位置に影響が出てきます。稼いだお金はなるべく多く自分のものにしたいと感じるものですからね。これは経済の1/7を占める話題で、感情的にもなりやすく、議論がどのような結末をむかえるのか、わたしにはわかりません。医療費の増加率はかなり弱まったと考えていますが、必ずしも恒久的になるとは思いません。数年間は続くかもしれませんが、医療費が全般的なインフレ率を大幅に超えて増加しはじめれば、元に戻ってしまうでしょう。医療制度のことはこれから何度も耳にすると思いますし、ぜひそうするべきだと思います。

Q. Do you have any opinions or predictions on how health care reform is going to affect the economy, in general and Berkshire Hathaway, specifically?

A. Well, as I said earlier, we had our one general meeting on health care about six or seven years ago. When you are spending 14% of the Gross Domestic Product on something that other countries are spending 9% or less, it affects your competitive position. You would like to feel that you are getting a whole lot more for your money. I have no idea how the debate is going to come out because you are talking about one-seventh of the economy and something that is emotionally charged. I do think the rate of increase in health cost has dampened considerable, but I don't think that is necessarily permanent. I think it can last for a few years and it will come back if we start getting increases in health care costs significantly above the general rate of inflation. You are going to hear a lot about health care, again, and you should.


参考までに、文中に登場するネブラスカ・ファニチャー・マートの買収契約書は、バークシャーの2013年度アニュアル・レポートのPDFファイル116ページに添付されています。これをみると、実際には2ページにわたっています。ただし2ページ目は両者のサイン欄がほとんどで、実質的には1ページにおさまる内容です。

BERKSHIRE HATHAWAY INC. 2013 ANNUAL REPORT [PDF]

2014年7月14日月曜日

宇宙船に乗って100年間の旅に出る(ウォーレン・バフェット)

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ウォーレン・バフェットが1994年にネブラスカ大学でおこなった講演その28です。今回は人口問題の話題です。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

<質問者> ここ数年になって最も関心が寄せられるようになってきた政治的な問題、特に環境問題についてお聞きしたいと思います。この国や世界中で環境問題に対する懸念が増してきました。一般に環境問題の多くは、企業が環境にあまりやさしくないテクノロジーを採用し、負の方向へと適用した結果だと言われています。産業界におけるリーダーとしては、企業がもっと環境に負荷をかけないテクノロジーを採用するために、どのような基準を定めればいいとお考えですか。

<バフェット> 環境問題についてですが、すでに法規制が実施されており、環境に有害な影響を与えている企業にとっては極めて重荷になっています。すべての詳細は知りませんが、環境保護庁(EPA)からの指示はそれなりに見聞きしているので、少なくともこの国では25年前とくらべて状況は大きく変化したと思います。しかし、他の国が同じようにしているかは別の問題です。世界経済の中でみれば、ある種の規制を設ける以上、つまり児童労働や環境問題や労災について規制していない他の国とくらべると、コスト競争力で不利になります。これは社会として負担すべき代償ですが、費用として現実に発生するものです。

世界が直面しているもっとも重要な問題のひとつだと個人的に考えているものは、核兵器拡散の問題が避けられないことを除くと、おそらく人口問題だと思っています。世界における適切な人口とはどうあるべきか、また今後どうなるのか、わたしにはわかりません。ただし100年前とは状況が変わっていますし、たぶん100年後にも変わっていると思います。しかしそのような数字が存在することは理解できます。テクノロジーの進展によってその数字が変わるかもしれません。利用可能な資源が現在認識しているよりも大量にある、という事実がわかることでも変わるでしょう。もしこの教室のみなさんで宇宙船に乗って100年間かけてどこかへ旅をすることになれば、ここのみなさんが宇宙船で過ごすのに十二分なまでの準備をするでしょう。しかしその宇宙船にはいったい何人まで載せられるのかは、生存をかけてその能力を実際に確かめ、100年後に[地球に]戻ってきてからでないと判断できないでしょう。しかしその数が有限であることはわかりますし、低い側に逸れるのはまちがいないと思います。「それではためしに、もう500名追加してみようか」とは言わないと思います。有限の世界だからです。人間の想像力が有限である必要はありませんし、有限であることを念頭に置かずにさまざまなことを実行できます。しかし結局のところ、地下に眠る原油や天然ガスには限りがあります。わたしたちは限りある資源でやっていくわけです。未知のものがあるにせよ、限りがあります。この地球にどれだけの環境収容力があるのか、人間という種でそれを試すのはとんでもないあやまちだと言えます。大きくまちがえてもいいように、余裕をとっておくべきです。ですから人口問題は非常に重要なことだと固く信じています。

ところでもっとも重要な課題とは、往々にして積み重なって起こるたぐいのものだということも、社会における問題だと思います。明日の地球の人口が今日よりも20万や25万人増えるからと言って、それで地球が終わりになるわけではありません。その数字は現在毎日増えている人数です。そのことに終末論的なところはありません。終末的な予測は今後もつづくと思いますが、この件はたとえてみれば人が1日で消費できるよりも300キロカロリー分を多く食べているようなものです。今日の一日としては何も影響はありません。しかしテーブルから立ち上がれなくなったときに、突如こう言われるようになります。「どうやら、座った時とくらべて太ったようだね」。そういったことをずっと続けていくほど、積み重なった問題に取り組むのがむずかしくなります。パイを1切れ多く食べても違わないからです。しかし明日の25万人は大きな違いにはみえませんが、それが積み重なることでやがては大きな違いを生み出します。食べ過ぎを続ければ、やがては大きな違いになるのとちょうど同じです。そういった問題は、とにかく早々に手を付けるべきです。現在抱えている状況が今後どうなるか、大きく決定づけることになります。そういった課題を真剣に検討すべきなのは、まさしく今からだと思います。

Q. My question concerns something that has come to the forefront in the last couple of years in politics especially - environmental issues. We have seen an increase in the concern of this country, and around the world, with environmental issues. People say a lot of the environmental problems are a result of businesses taking technologies that are not so benign to the environment and applying them in negative ways. In your opinion, as a corporate industrial leader, what would be some criteria that should be established so that corporations could find ways to apply more benign technologies?

A. I would say on environment that we've already got legislation in place which makes it extremely painful for companies who are doing things which are environmentally harmful. I don't know all the details, but I’ve seen enough of the Environmental Protection Agency’s operation that I think that situation has changed dramatically from 25 years ago, at least in this country. What we do about the rest of the world is another question. In a world economy, to the extent that you apply any kind of restrictions, in terms of child labor or environment or workers compensation that other countries don't impose, you have a competitive cost disadvantage. That’s a price that society has to pay here, but it is a real cost.

I personally think that population is probably one of the most important issues the world faces, except for the eventual problem of nuclear proliferation. I don't know how with the proper population of the world should be or will be. I know that number is different from what it would have looked like hundred years ago, and it probably will look different a hundred years from now. But, I do know there is a number and it may be affected by technology and it may be affected by the fact that our resources are greater than we think now. If we in this room were to all embark on a space ship journey some place, which was going to last a hundred years, and they were going to put provisions in the space ship that would be ample for this group, we might not know how many more people we could take on that space ship before we endangered the ability to survive and return in a hundred years. But we would know that the number was finite. And, we would certainly err on the low side. We would not say, “Well let's just take a shot at it and have 500 more join us.” It is a finite world. Man’s imagination is not necessarily finite, and we can do a lot of things that we haven't even thought of with resources. But in the end, there is only so much oil and gas in the ground. We’re dealing with finite resources. They're not known, but they are finite. I would say it is a terrible mistake for the human race to test what the ultimate carrying capacity of this planet is. We had better have a margin of error. I believe that population is a terribly important issue.

Now, one of the problems in society is that the most important issues are often these incremental type things. The world is not going to come to an end because tomorrow there are 200 or 250 thousand more people on the planet than there were today. That’s about the number it grows every day. There is nothing apocalyptic about it. People will go on making apocalyptic projections. But, it is like eating about 300 calories more each day than you burn up; it has no effect on you today. You don't get up from the table and all of a sudden everybody says, “My God, you look fat compared to when you sat down!” But, if you keep doing it over time, the incremental problems are hard to attack because that one extra piece of pie doesn't really seem to make a difference. The 250,000 people tomorrow don’t seem to make any difference, but the cumulative effects of them will make a huge difference over time, just like overeating will make a huge difference over time. The time to attack those problems is early. It's a huge determiner of the kind of environment we have. I think the time to be thinking about those issues is now.


ちなみに、ウォーレンが宇宙旅行に対してどのようにリスク評価をしているか、以前の投稿「冒険はすばらしいものだと思いますが」で示されています。

2014年7月4日金曜日

社会への貢献度とそれに対する報酬について(ウォーレン・バフェット)

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ウォーレン・バフェットが1994年にネブラスカ大学でおこなった講演その27です。今回もすばらしいです。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

<質問者> 世間一般より裕福な人は社会に借りがあるとのおはなしでした。これは尊敬に値するお考えだと思いますが、それではバフェットさんにとっての借りとはいったい何でしょうか。

<バフェット> 正直なところわたしの考えでは、有形の財という意味でそのほとんどは、結局は社会に属するものだと思います。たまたまこの社会でうまくやれたからといって、わたし一人で全部消費したり、一族で営々と狂ったように消費しつづけるのは節度を欠いています。この話の興味深い点は、わたしたちが市場社会で生きているということです。3割7分5厘の打率を残せたり、ゴルフをアンダーパーで回れたり、わたしのやっていることと同じようにできたり、あるいはある種の才能を持っていれば、市場はそれらの才能に対してたっぷりと支払ってくれます。ところが25年前の野球選手はそこまでもらっていませんでした。球場には5万人しか入らなかったからです。しかしテレビやケーブルがでてきたことで、2億5千万の人が球場の様子を観戦できるようになり、がらりと経済性が変わりました。この市場システムでは、ある種の才能を持つ人には報酬が浴びせられます。ところが、社会にとって重要な才能、たぶんずっと重要な才能を持った人たちが報酬をたっぷり受けることはありません。傑出した教師やすばらしい看護師・研究者がおどろくほどの報酬をもらっているとは思えません。たぶん、ダメな人とくらべても金額は多くないでしょう。しかしずば抜けたヘビー級チャンピオンやみごとな中堅手、株式選定で突出した成績をあげる人などは、びっくりするほどたくさん稼いでいます。市場システムがそのように働いているという理由によってです。

このシステムは、人々の欲する財やサービスを湧き出させるにはすばらしいシステムでした。その面では見事なまでの働きをしてくれます。しかし報酬の分配という面では、すばらしく機能しているとは思えません。この問題を解決するには2つの方法が考えられます。ひとつは徴税制度によって解決するやり方です。もうひとつは慈善を使う方法で、こちらは自己強制型の税金と呼べるでしょう。オマハの公立学校をあたれば、わたしのような人間や打率3割5分の人やボクシングのジュニア・ヘビー級チャンピオンと同じようにまぎれもなく社会に貢献している人が、300人は見つかるでしょう。しかし彼らが教師として適切に支払われる日は決してやってこないと思います。社会は教師に対してそのようには報いてくれません。どうすれば社会がそうするようになるか、わたしにはわかりません。そのような「同等な価値」を持つ取り扱いをするにはどうすればよいか、何も思い浮かびません。市場システムは財を配分するには最良のシステムだと思います。しかしそれは、市場という仕組みによって生み出された財やサービスを分配する、という意味においてです。ですから、慈善やある種の累進課税制度が適切な方法だと思います[参考記事]。

Q. Mr. Buffett, you said that people who are better off than society have a debt to society. I find this respectable. I just am wondering, what's your debt?

A. Well, I really think in terms of material goods that overwhelmingly eventually belong to society. I think it would be obscene if I tried to consume them all myself or have my family consuming like crazy forever just because I happen to be well-adjusted to this society. The interesting thing is that we live in a market society. If you can bat .375, if you can shoot sub-par golf, if you can do what I do, if you have certain kinds of talents, the market will pay enormously for those talents. Now, it didn't pay that well for ballplayers 25 years ago because the stadiums only held 50,000 people, but television and cable have made it possible for the stadiums to hold 250 million people and that changes the economics dramatically. This market system showers rewards on people with certain types of talents. Yet it does not shower rewards on other people with talents just as important to society; maybe more important to society. An outstanding teacher, outstanding nurse or researcher may not be paid dramatically more and maybe no more than the mediocre one. But the outstanding heavyweight fighter, or the outstanding center fielder, or the outstanding stock picker, or whoever, gets incredibly more because of the way the market system works.

It has been a great system for causing an outpouring of goods and services that people want. The market system works terrifically that way. I don't think it works terrifically in terms of distribution of the rewards. And, I think you solve that in two ways. One way is you solve it through your tax system and the other way is you solve it through philanthropy. You might call this a self-imposed tax. I think you could probably find 300 public school teachers in Omaha who have contributed absolutely as much to society as some fellow like myself or somebody that bats .350, or some guy that has won the light-heavyweight boxing championship. The teachers are never going to get paid properly. Society will not reward them that way. I don't see any way for society to do that. I don't have anything in mind about some "comparable worth" type of arrangement. I think the market system is the best system far delivering goods, but then I think in terms of distributing these goods and services produced by that market system. Both philanthropy and a progressive tax system of some sort are the appropriate methods.

2014年5月30日金曜日

公立学校体制の重要性について(ウォーレン・バフェット)

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ウォーレン・バフェットが1994年にネブラスカ大学でおこなった講演その24、質疑応答が3件です。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

<質問者> 学費を得るにはどのような方法がもっともよいとお考えですか。

<バフェット> いちばんいいのは誰かからもらうことです。実のところわたしも大学の学費は自分では払いませんでした。両親が出してくれたのです。[ネブラスカ大学の]リンカーン・ジャーナル誌のマーク・シークレストさんの元で働いていたのですが、稼いだお金は全部貯金し、証券を買うのに使いました。みなさんにも自分のやれる方法があると思います。親御さんが出してくれるのもいいですし、奨学金を出してくれる先がみつかれば、それもよいでしょう。しかし自分で稼ぐしかないのであれば、そうせざるを得ないと思います。

Q. What do you feel is the best way to get money to pay for college?

A. The best way is to have somebody give it to you. Actually, my parents paid for my college education, so I did not. I worked for Mark Seacrest at the Lincoln Journal, but I took all that money and saved it to buy securities. You do it any way you can. If you've got a parent to give it to you, terrific. If you've got somebody that will give a scholarship to you, terrific. And, if you have to work for it, you know, that's what you have to do.


<質問者> バークシャー・ハサウェイには「バフェット・プレミアム」が上乗せされていると聞いたことがあります。それがどのようなものか、またなぜ存在しているのかご意見をお聞かせください。

<バフェット> これまでと同じように、将来もわたしたちがうまくやるだろうと考えている人がおられます。こう考えてみるとどうでしょう。競馬場に出向いて、過去にすばらしい成績をあげた13歳の馬に賭けるというのは。この例では過去から将来を推定していますが、果たしてそれほどのプレミアムがあるとはわたしには思えません。もちろん単なる個人的な意見ですが。

Q. I've heard the existence of a Buffett premium in regards to Berkshire Hathaway. Could you explain what that is and maybe comment on the reason for its existence.

A. Some people think we will do as well in the future as we have in the past. And, you can compare that to going out to the race track and betting on a 13-year-old horse that had a great record up to then. It's an extrapolation of the past and I don't think there is that much of a premium in it anyway, but that's just my own opinion.


<質問者> 私はカリフォルニアのロサンゼルスに住んでいます。生活するという意味ではかなりひどい場所だと一般的には考えられています。しかしオマハの祖母を訪ねたところ、一人あたりの犯罪発生数はロサンゼルスよりも悪いことがわかりました。50年代や60年代にそこまで犯罪の中心だったかは知りません。しかしバフェットさんは政治的にあるいは資産家として、経済上の取り組みへと立ち返らせたり、スーパーへ買い物を行く途中に殺されないようにするには、どうすればいいと思われますか。

<バフェット> その前提を是が非でも受け入れたいとは思いませんが、かといって無視しているわけでもありません。ある地域社会の犯罪率をよそと比べる際には、かなり微妙なところがあります。たとえば市街地を測定対象にした、ということがあるからです。特にSMSA (標準大都市統計地域; Standard Metropolitan Statistical Area)による人口統計が関係しているとすれば、SMSAは市の中心街を対象にしているのです。さて、犯罪に関する問題がどんなものであっても、わたしには妙案や即効薬を示すことはできません。しかし社会として取り組めるもっとも大切なことは、優れた公立学校体制を維持することだと考えています。いちど失ってしまえば、取り戻すのはとてもむずかしいことですが。だれもがなるべく同じ出発点からスタートできるように、社会として力を尽くすことが不可欠だと思います。

しかし現状はそうなっていません。収入が少ない人の子供とくらべると、わたしの子供のほうがあらゆる優位を手にできる状況です。ここには大きな格差があります。もちろん、持って生まれた能力にも格差はありますし、育った環境でも格差は生じます。しかし、社会から提供される教育に格差があってはならないと思います。都市、特に大都市が次々と優れた公立学校体制を失っていけば、それも大きな一因となってさまざまな社会的問題を将来生み出すことになると思います。もしわたしがなにかひとつやれるとすれば、つまり魔法の杖を振るうことができれば、優れた公立学校体制を築く方法を知りたいものです。宗教的な理由を除けば、自分の子供を私立の学校にやりたいとは誰も考えなくなる仕組みです。良き教育を受けさせたいために私立の学校に通わせる必要がなくなるでしょう。しかしロサンゼルスの公立学校体制は、少なくみても多くの点ですでに崩壊しています。ロサンゼルスに住む友人は公立学校の体制が整っているとは建前として言うものの、自分の子供は私立の学校に行かせています。ワシントンDCで政治家がやっていることとちょうど同じです。連邦の議員で子供を公立校へやっている人は、基本的にはいないと思います。40年前にワシントンDCにいたときにはわたしは公立の学校へ通いましたが、すばらしい学校でした。その学校には上下院の議員の子供が6人かそれ以上いました。現在のワシントンでは、二級とされている体制に入ることをひとたび余儀なくされると 公立校の生徒には同じ機会が回ってこなくなります。この問題を解決する妙案は、わたしには思いつきません。

企業経営や投資のことはこれまで長くやってきましたから 、いろいろわかっています。しかし、だからといって今日の社会的な問題に対してすばらしい洞察を生み出せるわけではありません。ここに慈善における問題のひとつがあります。わたしの資産をもとにした財団の理事もこの問題を抱えることになると思います。ビジネスでは簡単な問題を解決すればよく、絶好球を待つことができます。1,000社もの企業から選ぶ必要はなく、今後もコーラが飲まれ続けるか判断するだけです。そして製造・流通させるために、多額の費用が使われるわけです。慈善や社会的な状況となると、それがちょうど反対になります。あらゆる御しがたい問題、つまり解決するのが実にむずかしかったり、何十年とかかる問題が自分に渡されます。政界で働く人はきわめてむずかしい問題に取り組んでいますが、どんな気持ちなのかよくわかります。彼らが取り組んでいるのは、昨年や一昨年、あるいはそれ以前からずっと解決できずにきた問題なのですから。

わたしが死んだ後にはバフェット財団が慈善活動に携わり、すごく重要であると同時にすごく解決困難な問題に取り組むことになります。彼らにはうまくやってほしいと願っています。どれだけ重要なことが彼らに要求されるのか、また解決したり意思決定するのがどれほどむずかしいものとなるか、わたしにも理解できると思います。うまくやってほしいものですが、彼らのやろうとすることがどれほどむずかしいかは、そのときわたしがどこにいようとも理解できると思います。

Q. Mr. Buffett, I live in Los Angeles, California, which is generally regarded as being a horrible place to live anymore, but visiting my grandmother in Omaha, I find that the crime rate per capita is, I believe, worse than in Los Angeles. I don't know in the 50's and the 60's if crime was not such a forefront thing, but I'm wondering if you either politically or with your own personal fortune have any ideas on how to get us focused back on economic issues and not getting murdered on the way to the supermarket.

A. I don't necessarily want to accept the premise, and I'm not denying the premise. I just think when you compare the crime statistics of one community verses another, that can become quite tricky, because to some extent they are measuring the city, for example. Specifically, you become involved in how much of the population of the SMSA (Standard Metropolitan Statistical Area) is metropolitan in that city. I have no great answer or fast answers to any crime problems. I think the most important single thing society can do something about - although it gets very tough if you've lost it - is to maintain an outstanding public school system. I think it's essential that everyone comes as close to starting at the same starting point as possible in society.

Now, it isn't going to happen, because my kids are going to have all kinds of advantages that some low income person's kids aren't going to have. And, there is a huge disparity. There is also a disparity in the talents they are born with. There is a disparity in the environment they have. But, there shouldn't be a disparity in the education they receive from society. I think to the extent that one city after another - particularly the large ones - have lost a good public school system, that is a big contributing factor to a lot of social problems that follow. If I could do one thing, if I had a magic wand, I would try to figure out a way to have an outstanding public school system where there was no reason for anybody to send their kids, except for religious reasons, to private schools. Private schools wouldn't be needed in order to get a good education. But I know Los Angeles's public school system, at least in many parts, has deteriorated. I have friends out there and they will pay lip service to a good public school system, but they will send their kids to private school, just like our legislators do in Washington, D.C. Essentially, I don't think there is anybody in Congress who sends their kids to the public schools. I went to public school in Washington, D.C. 40 years ago, and it was first class. We had half a dozen or more kids of Senators or Congressmen at that school. Today in Washington, public school students are not getting the same shot at the opportunities in America, if they have been forced into a system that is second class. I don't have great solutions to this problem.

I know something about running business and investing, because I've been doing it for a long time. But, that does not give me great insight into a lot of the social problems of the day. One of the problems with philanthropy - and my foundation's board will have this problem with my funds - is that in business, I get to solve the easy problems. I get to wait for fat pitches. I don't have to make a choice among 1,000 different companies. All I have to do is decide people are going to keep drinking Coke. And, there is a lot of money to be made in manufacturing and distributing it. In philanthropy and in social situations, it's just the reverse. All of the intractable problems - the ones that are really tough to solve, the ones that take decades - are the ones that get thrown at you. That's why I do feel empathy for people in politics, because they are dealing with the toughest problems. They are dealing with problems that people couldn't solve last year, or the year before, or the year before that.

Regarding philanthropy, after I die, the Buffett Foundation will be tackling problems that are terribly important, but also terribly difficult to solve, and I wish them well. And I'll understand how important the requests are that they'll receive, and how terribly difficult it will be to solve, to make decisions, and I wish them well. But I'll understand; wherever I am I'll understand, if they have difficulty accomplishing that.


ウォーレンの意を汲んだのか、ビル・ゲイツの財団では米国内向けの教育支援プログラムを実施しているようです。

College-Ready Education (Bill & Melinda Gates Foundation)