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2012年3月1日木曜日

IBMの株価は、簿価の何倍?(チャーリー・マンガー)

以前に一部をご紹介した、チャーリー・マンガーの講演その2 「投資やビジネスで活かす世知入門」(A lesson on Elementary, Worldly Wisdom as It Relates to Investment Management and Business)で、IBMの名が引き合いに出されていました。今回はその部分を引用します。出典は、おなじみの「Poor Charlie's Almanack」です。(日本語は拙訳)

株式市場では、すぐれた競合や強い組合に頭を悩まされている鉄道会社には、簿価の三分の一の値になることもあります。対照的に、全盛期の頃のIBMは簿価の6倍で取引されていたものです。まさしくこれが、パリミュチュエル方式なのです [賭けの配分方式。代表的な例が競馬]。大ばか者なら、単に鉄道会社よりもIBMのほうが商売の見通しがよいからとみるでしょう。しかし株価を式に当てはめてくらべてみると、どちらの株を選んだほうがよいのか、あまりはっきりしなくなります。パリミュチュエル方式とよく似ています。だからこそ、勝つのは難しいのです。

In the stock market, some railroad that's beset by better competitors and tough unions may be available at one-third of its book value. In contrast, IBM in its heyday might be selling at six times book value. So it's just like the pari-mutuel system. Any damn fool could plainly see that IBM had better business prospects than the railroad. But once you put the price into the formula, it wasn't so clear anymore what was going to work best for a buyer choosing between the stocks. So it's a lot like a pari-mutuel system. And, therefore, it gets very hard to beat.

ところで現在のIBMの株価はUS$200の少し下ですが、PBRのほうは11となっています(Mkt. cap.が230Bで、Total IBM stockholders' equityが20B)。自社株買いを続けているため、株主資本が低く抑えられています。上述の講演は1994年のものですから、時代は変わるものですね、チャーリーさん。

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