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2018年7月18日水曜日

2018年上半期、米国株式市場の総括

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何度か取り上げているバリュー投資家ウォーリー・ワイツ氏が、パートナー向けのレター(第2四半期)を公開していました。そのなかで興味深い数字が示されていたので、孫引きになりますがご紹介します。(日本語は拙訳)

2Q18 Value Matters (Weitz Investments)

テクノロジーや「確かな成長」を謳う各種のストーリーが、第2四半期にも投資家を魅了し続け、市場を高みへと導きました。なぜならそこには超大型の銘柄が含まれており、時価総額加重方式をとる同指数に対して、不釣り合いなほどの影響をもたらしたからです。経済コンサルタント会社として知られるゲイブカル・キャピタル(と同社の記事「統計で楽しもう」)によれば、2018年の前半6カ月間にS&P500があげた上昇分の71%は、アマゾン・マイクロソフト・アップルが寄与したものでした。その3社に加えて、マスターカード、さらには別のテクノロジー4銘柄が、同指数のあげた上昇分の105%に寄与していました。つまりそれら以外の492銘柄を合計すると、6月末時点では前年末比で下落していたのです。

In the second quarter, technology and other “reliable growth” stories continued to appeal to investors. They led the market higher, and because some are very large, they had a disproportionate impact on the capitalization-weighted indices. According to economic consultants, GaveKal Capital (and under the heading of “fun with statistics”), during the first six months of 2018, Amazon, Microsoft and Apple accounted for 71% of the gain in the S&P 500. Those three, along with Mastercard and four other tech stocks, accounted for 105% of the index’s gain. The other 492 stocks were, collectively, down year to date.

2017年10月24日火曜日

いずれ来たる下落を見やった投資家3名の言葉

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今回は、バリュー志向のマネージャーが市場の下落について最近触れていた文章を3つご紹介します。(日本語は拙訳)

はじめは、バリュー・ファンドFPAクレセントのマネージャーとしてよく取り上げているスティーブン・ローミック氏の文章です。彼が書いた第3四半期の顧客向けレター[PDF]から引用します。

たいていの場合、わたしたちが株価を追いかけるのは下落しているときだけです。しかし資金があふれ返っている現在の世界は、喜んで金額を上積みする投資家ばかりの状況です。そのようなわけでわたしたちは、クレセント・ファンドが旨とする保守的な姿勢を維持する道を選んでいるわけです。

「辛抱強く書き物を読み、経営者と対話し、きちんと考える」、これが取り得る最良の道だと確信します。[先日亡くなった]トム・ペティが書いたように、そして私たちもちょうど1年前の結びで書いたように、「待っている間がいちばんつらい」ものです。

We typically only chase price when it is falling. Today though, a world awash in capital has found investors willing to pay ever higher prices. We, therefore, prefer to maintain Crescent’s conservative posture.

We believe the best course is to patiently read, speak to business managers, and just think. As Mr. Petty wrote and as we closed exactly a year ago, “The waiting is the hardest part.”

次はウォーリー・ワイツ氏の文章です。「オマハのバリュー・マネージャー」として知られる人物で、彼についても何度か取り上げたことがあります。こちらも第3四半期の顧客向けレターからの引用です。

投資の世界では、こんな古いジョークがあります。新しく登場した巨大なビジネスの盛衰過程において、成長が鈍化して楽観的過ぎた見通しが実現不可能だったとわかると、成長株投資家は持ち株をGARP投資家(Growth At a Reasonable Price; 成長株を妥当な金額で買う)へ売却します。つづいてその株はバリュー投資家へ売られ、最終的にはどん底バリューを待ち受けていた連中の手にわたる、という筋書きです。それぞれの段階において買い手となる者は、「失望は一時的にすぎない、あるいは株価が下落したおかげで十分に割安になっている」と評価します。その際に、深刻な問題を抱えた「落下するナイフ」と、一時的に誤解されている割安な証券とを判別できること、それが決め手となります。

There is an old joke in the investment business that in the life cycle of a great new business, as growth slows and overly optimistic projections fail to materialize, growth investors sell to GARP (growth at a reasonable price) buyers, who sell to value investors, with the shares ultimately ending up in the hands of the deep value crowd. At each stage, the new buyers are making the assessment that the disappointment is temporary or that the stock price has declined enough to create a bargain. The trick is to be able to distinguish between the seriously troubled “falling knife” and the temporarily misunderstood undervalued security.

最後がチャーリー・マンガーです。今年の2月に開催されたデイリー・ジャーナル社の株主総会で彼が発言した内容です。

私からすれば、市場の下落は人生に付き物だと考えますね。長期にわたってこのゲームに関わるつもりならば、そうする必要がでてきます。値段が半分まで下落したときでも、やたらと思い悩まずにやり過ごせますよ。より良い生き方を心がけていれば、資産半減の事態となっても、沈着冷静・端麗優雅に受け流せるでしょう。下落を回避しようとは試みないように。結局はやって来ることです。「自分には来ない」と言う人は、十分果敢に投資していないからですよ。

I regard it as a part of manhood. If you’re going to be in this game for the long haul which is the way to do it. You better be able to handle a 50% decline without fussing too much. Conduct your life so you can handle a 50% decline with aplomb and grace. Don’t try to avoid it. It will come. And if it doesn’t come I’d say your not being aggressive enough”.