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2018年7月16日月曜日

2018年バークシャー株主総会(12)米国における医療費の問題について(後)

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バークシャー・ハサウェイ株主総会での質疑応答から、前回のつづきでアマゾン社及びJPモルガン社との提携に関する話題です。お決まりのネタですが、ウォーレン・バフェットのジョークも楽しめます。(日本語は拙訳)

ただしこの提携は、利益を第一に考えて始めたものではありません。「従業員に対して優れた医療サービスをより安価に提供したい」、それがわたしたちの果たしたいことです。彼らが受けるサービスが現在よりも劣ったものになるのであれば、そのような考えに取り組むつもりは毛頭ありません。

しかし、「効果があり得る重大な変化を、実際に起こす方法がみつかるかもしれない」とわたしたちは考えています。そして、とてつもない抵抗が生じるであろうこともわかっています。

もし失敗におわるとしても、少なくとも挑戦したことにはなります。しかしこの件で必要な発想とは、わたしが「医療関係の諸専門誌をいくつか読んでブレイクスルーの瞬間を得たことで、あたかも医療機器システムのように組み込まれている一部分を取り替えることによって、何かしら貢献できる」と考えた程度のものではありません。

3つの組織にはおそらく100万名を超える従業員がいますが、わたしたちが公表したのちに、この件に携わりたいと希望する人からの連絡が止めどなくありました。現在は参画という段階ではないですが、もし効果的な発想に至ることができれば、いずれはそのような体制になるでしょう。つまりこの件で必要な発想とは、そのような水準のものです。

そして資源を投入できるか、要員を投入できるか、さらには何をおいてもCEOが重要です。要員を揃え、彼らを支援した上で、どうにかして良い方法を見つけられるだろうか。わたしたちの子供などの生涯において、18パーセントの数字が20や22パーセントに達することなく、良質な医療を享受し続けることができるものか。それというのも、結局のところ「無い袖は振れない」からです。

いずれは、それがわかるときが来ます。もし[バークシャー副会長の]アジート・ジェインであれば保険数理的に算定するでしょうから、わたしたちの構想には伸(の)らないでしょう。しかしそれでも、何かを成し遂げる可能性はあると思っています。

数値化できる人はいないと思いますが、わたしたちが何か重要なことを成し遂げる可能性はあります。なんといっても、実際に取り組む上で、わたしたちはほぼ最良の立場にあります。まぎれもなく適切なパートナーを得たわけですから、まずは行動に移して、行く末を見守りたいと思います(拍手)。

チャーリーはどうですか。

<チャーリー・マンガー> この種の公共サービスにおいて、成功を収めた先達がおりましたよ。何十年も前にさかのぼれば、ジョン・D・ロックフェラーが私財を費やして米国医療の分野を著しく発展させました。「著しい」という言葉がぴったりですよ。それに匹敵する発展をなしとげた人間は、他にはだれもいませんね。

ですから、ウォーレンがある方法でロックフェラーを模倣しているのは、その次になるわけです。たぶん良い結果になるでしょうがね。

<ウォーレン> ちなみにロックフェラーは非常に長生きしましたから、わたしは実際に3つの点で彼を真似している最中になります(笑)。

どうなるのかは、いずれわかります。しかし現在は多くの進展をみているところです。おそらく2,3か月のうちにはCEOを見つけられるでしょう。もし見つからなくても、締め切り的なものに間に合わせるだけのために、だれかを据えようとは考えていません。すばらしいパートナーがいるわけですから。

ただしわたしたちの提携では、正式な契約は結んでいません。ある会社の法務部門の人がお膳立てを進めていましたが、そこのCEOがとめました。

みなさんの所属する組織でも、多くの資源を抱えている部署があると思います。わたしたちも、わたしたちなりの官僚主義を抱えています。しかし、もし本当にもっともだと思えることがあれば、官僚主義を取り払うことができます。

支持を得られることもあれば、同時に反発も数多くあると思います。しかしわたしたちの考えが理にかなったものであれば、多くの米国企業から支持を集めるでしょう。

しかし言うまでもないですが、容易なことだったとしたら、すでに解決しているはずです。

<チャーリー> 簡単なことではないですよ。

<ウォーレン> そのとおりです。しかし挑戦してみるべきです。

But it is not a - the motivations are not primarily profit-making. They’re - we want to deliver - we want our employees to get better medical service at a lower cost. We’re not going to - we’re certainly not going to come up with something where we think the service that they receive is inferior to what they’re getting now.

But we do think that there may be ways to make a real - significant changes - that could have an effect. And we know that the resistance will be unbelievable.

And if we fail, we’ve at least tried. And - but they - the idea is not that I will be able to contribute anything to, you know, in some breakthrough moment, by reading a few medical journals or something - (laughs) - changing something that is as embedded as the medical system.

But the idea is that maybe the three organizations, which employ over a million people and which, after we announced it, we had a flood of calls from people that wanted to join in, but there isn’t anything to join into now. But they will if we have - come up with any ideas that are useful.

Whether we can - bring the resources, bring the person. And the CEO is terribly important. And then bring the person, support that person. And somehow, figure out a better way for people to continue to receive better medical care in the United States without that 8 percent - 18 percent - going to 20 or 22 percent, you know, in the lifetime of, you know, our children or something of the sort - because there are only a hundred cents in the dollar.

And we will see what happens. It’s - you know - if you were Ajit [Jain], actuarially figuring, it would not - you would not bet on us. But - I think there is some chance we will do something.

There’s a chance - nobody can quantify it - that we can do something significant. And we are positioned better than most people to try. And we’ve certainly got the right partners. So, we will give it a shot and see what happens.

Charlie? (Applause)

CHARLIE MUNGER: There is some precedent for success in this public service activity. If you go back many decades, John B. Rockefeller I, using his own money, made an enormous improvement in American medical care. Perfectly enormous. In fact, there’s never been any similar improvement done by any one man since that rivals it.

So Warren, having imitated Rockefeller in one way, is just trying another. And maybe it’ll work.

WARREN BUFFETT: Rockefeller, incidentally, lived a very long time. So I actually am trying to imitate him three ways there. (Laughter)

We’ll see what happens. But we are - we’re making a lot of progress. And I think we’ll probably have a CEO within a couple of months. But if we don’t have one, then we’re not going to pick somebody just because we want to meet any deadline or anything like that. We’ve got these wonderful partners.

We don’t have a partnership agreement among us. Somebody started drawing up one in a legal department and the CEO just put a stop to it.

They - you do have places that have a lot of resources. And while we all have our share of bureaucracy, we can cut through it if we’ve got something that we really think makes sense.

And we will get the support - we’ll get - we’ll get a lot of resistance, too. But we will get the support of a lot of American business, if we come up with something that makes sense.

But if it was easy, it would’ve already been done. There’s no question about that.

CHARLIE MUNGER: It’s not easy.

WARREN BUFFETT: No. (Laughs) But it should be tried.

2018年7月12日木曜日

2018年バークシャー株主総会(11)米国における医療費の問題について(前)

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バークシャー・ハサウェイ株主総会での質疑応答から、最近話題になっていたアマゾン社やJPモルガン社との提携話についてです。今回の質問者は、本題以外にも別の観点からの思いを込めて質問しています。しかしウォーレン・バフェットは脱線することなく、本題だけに集中して答えており、明快な捌きぶりだと感じました。なお、前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

15. アマゾン社及びJPモルガン社との医療費関連の提携

<ウォーレン・バフェット> 質問所4番のかた、どうぞ。

<質問者> チャーリーさん、ウォーレンさん、おはようございます。私は御二方の熱烈なファンで、チャーリーが書かれた認知上のバイアス25項目については特に気に入っています[過去記事一覧]。そのため、本題から若干はずれるとは思います。

私はワシントン州のシアトルから参りました。デジタル・マーケティングの会社を一人で運営しています。フェイスブック上の広告や電子メールを使ったマーケティングを専門としており、それらを多用しています。チャーリーが説明されたコカ・コーラに関する詳細は、実に信頼できるものと感じています[過去記事一覧]。

顧客の製品が持つ構造を理解したり宣伝したりする方法を見つける際に、[前述した認知上のバイアスを]参考情報として利用しています。ですからチャーリーの示された認知上のバイアスが、インターネット関連の企業においてうまく働くことは、明言できます。

さて、アマゾンやJPモルガンと医療関連で提携するとのことで是非ともお聞きしたいのですが、インターネット関連の企業に対して例のバイアスを適用する方法を、御二方は理解されはじめたのでしょうか。あるいは事業を理解しているとすれば、他の道具を使うことにしたのでしょうか。それというのも、「理解していない事業には投資しない」と度々発言してこられたものですから。

<ウォーレン> そうですね、わたしたちは医療関連の企業を設立するつもりはありませんし、必ずしも保険業のような会社をつくるわけでもありません。ただ単に、わたしが敬愛し信頼するリーダーの率いる3つの組織が存在するだけのことです。それら3つが互いにやりとりをしている、といったものです。

チャーリーは正しくも次のような発言をしていたと思います。「1960年にはGDP比で5パーセントだったのが、現在は18パーセント近くに達しているシステムを、なんらかの方法で変更することは、ほぼ不可能である」と。そのようなシステムに対して、わたしたちは何とかしたいと望んでいます。

米国のビジネスは他の国とくらべると、医療費の面が大きな足かせとなっています。かつて米国が5パーセントでやっていた時代に、米国のように5パーセント程度でやっていた国々がありました。しかし今では、かの国々が11パーセント越えないあたりでやっているところを、米国はなんとか18パーセントに抑えている状況です。

まさしく1960年には、米国における一人当たり医療費は170ドルでした。しかし今では1万ドル以上を費やしています。

「無い袖は振れぬ」わけですから、費用の問題が生じます。米国実業界とその競争力の面で、この問題は寄生虫であると言えます。

米国よりも少ない費用でうまくやっている諸国とくらべると、一人当たりの医者数が米国のほうが少なかったり、一人当たりの病床数や看護師数も少ない例があります。

医療システム全体が扱う金額は3兆3千億ドルに達しています。これは連邦政府の歳入とほぼ同じ金額です。3兆3千億ドルもの金額が、システムにかかわる云百万・云千万もの人たちに分配されるわけです。そのお金の1ドル1ドルが有権者へとつながっています。まさしく政治と言えるものです。

わたしたちのCEO探しは、現在取り組んでいるところですが、きっと果たせるでしょうから、遠からず発表できると思います。しかし、このことがカギとなります。

だれもが認めているように、医療システムの費用面は、ある種制御不能となっています。しかし往々にしてだれもが、他人の過失によるものだと考えています。果たしてCEOとなるその人物が想像力を抱き、さらに人々を支援することを通じて、種々の重大な改善をシステムにもたらせるでしょうか。やがては解が見つかるでしょうが、容易なことではないと思います。

(つづく)

15. Health care costs partnership with Amazon and JPMorgan

WARREN BUFFETT: OK. (Laughter) Station 4.

AUDIENCE MEMBER: Good morning, Charlie and Warren. I know that seems a little bit out of order, but I’m a huge fan of yours, Charlie, mostly for your 25 Cognitive Biases.

I’m from Seattle, Washington. I run a one-person digital marketing firm that specializes in Facebook ads and email marketing. I use these a lot. I - your breakdown of Coca-Cola was really, really solid.

And I use that as reference when looking to how to understand the mechanics of my clients’ products and how to promote them. So I’m fairly certain that your cognitive biases work for internet-related companies.

Now that you’re partnering with Amazon [and JPMorgan] on health care, I’m curious, have you started to understand how to apply these biases to internet-related companies? Or is there another set of tools you use to decide if you understand a business? Because you guys talk a lot about not investing in businesses that you don’t understand.

WARREN BUFFETT: Well, health care is a - we don’t plan to start health care companies or, necessarily, insurers or anything. We simply have three organizations with leaders that I admire and trust. And we - mutually goes around all three.

And we hope to do something which Charlie correctly would probably say is almost impossible to change in some way a system which is - was taking 5 percent of GDP in 1960, and now is taking close to 18 percent.

And we have a hugely noncompetitive medical cost in American business, relating to any country in the world. The countries that - there were some countries that were around our 5 percent when we were at 5 percent. But we’ve managed to get to 18 without them going beyond 11 or so.

Literally, in 1960, we were spending $170 per capita on medical costs in the United States. And now we’re spending over 10,000.

And, you know, every dollar only has a hundred cents. So there is a cost problem. It is a tapeworm, in terms of American business and its competitiveness.

We don’t - we have fewer doctors per capita. We have fewer hospital beds per capita, fewer nurses per capita, than some of the other countries that are well below us.

And you’ve got a system that is delivering $3.3 trillion - that’s almost as much as the federal government raises - it’s delivering 3.3 trillion, or some number like that, to millions and millions and millions of people who are involved in the system. And every dollar has a constituency. It’s just like politics.

And whether we can find the chief executive, which we’re working on now, and which I would expect we would - we would be able to announce before too long - that - but that’s a key part of it.

And whether that person will have the imagination and support of people that will enable us to make any kinds of significant improvements in a system which everybody agrees is sort of out of control on cost, but what - but - but they all think it’s the other guy’s fault, generally - we’ll find out. It won’t be - it won’t be easy.

なお新会社のCEOは少し前に決定しています(6月20日付の公式発表[PDF])。選任されたのはアトゥール・ガワンデ氏、本ブログではチェックリストに関する過去記事で取り上げた人物です。チャーリー・マンガーごひいきの人物を選んだわけですね。

2018年7月4日水曜日

2018年バークシャー株主総会(10)チャーリー・マンガーの一刀両断

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バークシャー・ハサウェイ株主総会での質疑応答から、今回の話題は会計基準についてです。「会計に対する基本的な哲学」という意味で勉強になる文章ですが、チャーリー・マンガーが一言ですべてを片づける構図がおもしろいです。隣席のウォーレン・バフェットも、笑いがこぼれています。前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

13. 収益勘定に事業価値を含めることは「とてつもなく偽装的である」

<ウォーレン・バフェット> 次はキャロルからお願いします。

<キャロル・ルーミス> ジャック・シゼルスキー氏という株主からの質問です。彼は会計の専門家として著名であり、「アカウンティング・オブザーバー」という業界誌を何年も前から執筆しています。

「今年の株主向けレターにおいてバフェット氏は、会計上の新規則が企業へ要求している要件、『保有投資資産に関する会計処理として時価(市場価格)方式を適用すること』に対して、次のような手厳しい見方を記しています。

『分析上の目的において、バークシャーの儲けは意味のないものになってしまう』と。[過去記事]

そのご意見に対して、私の見解を申し上げます。企業が収益を報告する際には、該当会計期間中に企業内外で生じたあらゆることに言及すべきではないでしょうか。

損益計算書においては、客観的に記述された新聞のようにあるべきではないでしょうか。株主価値を増加させるために経営陣が何をしたのか、また外部からの力がどのように影響する可能性があったのかを示しつつ、経営陣のもとで当該期間中に生じた事柄を株主へ周知させることで。

もし保有証券の価値が増加すれば、当然ながらその企業や株主の利益になるはずです。また証券の価値が減少すれば、反対に不利益となるはずです。

そういった変動は、ほぼまちがいなく現実のものです。つまり私の見解では、『リストラ関連の費用を素通りするようなやりかたで変動を無視する企業は、株主へ配布する新聞を検閲している』ことになります。

ですから、『私の発言に対して、どのようにお答えになりますか』というのが、私からの質問です」(笑)。

<ウォーレン・バフェット> 「質問の内容に対するわたしの答えがどうなるか」というご質問に対して、わたしからの次の質問が答えになります。「もしわたしたちが1,700億ドル分の市場価値になる企業各社を部分的に保有しており、それらは今後何十年間と保有し続けるつもりで、時間とともに価値が増していくことを期待し、当社の貸借対照表には市場価値ベースで反映されているとしましょう。そのとき、収益勘定を通じてそれらの増減を四半期ごとに計上するのは妥当でしょうか。その際には同時に、ほとんどの例でそうでしたが、保有した後にずっと大きな価値を持つようになった事業について、極端な例をあげるとガイコ社ですが、およそ5千万ドルで同社の半分を買いましたが、四半期ごとにその事業の価値増加分を収益勘定を通じて積み増したいものでしょうか」。

これは価値評価プロセスの問題になります。評価という意味では悪い点はありません。しかしそれは、純資産価値の増加あるいは減少と呼べるもので、クローズド・エンドあるいはオープン・エンドの投資信託がやっていることです。

しかし収益勘定を通じてそれを行う場合、もしわたしが60社から70社といった事業をみるとすれば、それらを四半期ごとに時価評価する際に、時間が経つにつれて購入時金額の10倍の価値に達した事業などが、当然ながら非常にたくさん存在することが考えられます。しかし四半期ごとの増加分を収益勘定に計上したとしても、投資家のうちの99パーセントの人は、1年間においてあげた経営成績という意味で、純利益の数字を意味あるものと受けとめるでしょう。ですから、それはとてつもなく偽装的なことだと思います。

つまり、[バークシャーの]今年の第1四半期の数字はさきほど見られたと思いますが、わたしからすれば営業利益と呼びたい数字は、過去最高の業績でした。一方、株式の評価額は60億ドル程度の下落でした。毎日の損得は収益勘定に記載するとなりますから、この金曜日にはおそらく25億ドルほど稼いだことになると言えます。もしも投資家や解説者やアナリストといった人たちに対して、「そのような純利益の数字をもとに行動せよ。四半期ごとや将来の収益予測を細かい数字まで出すように」と要求するのだとしたら、先ほどの数字を収益勘定に含めること自体が、多大なる害を及ぼすと思います。

貸借対照表上に投資有価証券の項目があること自体は、市場価値という情報を示すわけですから、正しいことです。しかし保有する事業、たとえばBNSF鉄道の半分を売却した場合、もちろんそうするつもりはありませんが、その際に簿価以上の金額を受け取ったとしたら、その資金を有価証券へ替えることができますので、多額の儲けを一晩であげたかのようにみえるでしょう。あるいはそれを査定し、たとえば3か月ごとに評価額を増減させれば、あらゆる類の操作につながる恐れがあります。そのようなことは、平均的な投資家だけでなく、すべての投資家をすっかり混乱させてしまうだけです。

わたしならば、そのような形のデータを受け取りたいとは思いません。ですから、そのような出しかたもしたくないと考えています。

チャーリーはどうですか。

<チャーリー・マンガー> 私からすれば、差異が生じた理由を付記するのは当然ですが、今までどおり純資産の数値に反映させればいいだけです。

つまり質問者は、自分の稼業が何たるかをわかっていませんね(失笑そして拍手)。

そういう言い方をするつもりはなかったですが、ときにはうっかりしてしまうのですよ(笑)。

<ウォーレン> ときどき彼はそうやって、引導を渡すこともあります(笑)。

13. Putting business values in income account is “enormously deceptive”

WARREN BUFFETT: OK, Carol.

CAROL LOOMIS: … shareholder named Jack Ciesielski . He’s a well-known accounting expert, who for many years has written “The Accounting Observer .”

“Mr. Buffett, in this year’s shareholder letter you have harsh words for the new accounting rule that requires companies to use market value accounting for their investment holdings.

″‘For analytical purposes,’ you said, ‘Berkshire’s bottom-line will be useless.’

“I’d like to argue with you about that. Shouldn’t a company’s earnings report cite everything that happened to, and within, a company during an accounting period?

“Shouldn’t the income statement be like an objectively written newspaper informing shareholders of what happened under the management for that period, showing what management did to increase shareholder value and how outside forces may have affected the firm?

“If securities increased in value, surely the company and the shareholders are better off. And surely they’re worse off if securities decreased in value.

“Those changes are most certainly real. In my opinion, ignoring changes in the way that some companies ignore restructuring costs, is censoring the shareholders’ newspaper.

“So my question is, how would you answer what I say?” (Laughter)

WARREN BUFFETT: Well, my answer to the question that asks what my answer would be to what he said - the - I would ask Jack, if we’ve got $170 billion of partly-owned companies, which we intend to own for decades, and which we expect to become worth more money over time, and where we reflect the market value in our balance sheet, does it make sense to, every quarter, mark those up and down through the income account, when at the same time we own businesses that have become worth far more money, in most cases, and become, you know, since we bought - you name the company - take GEICO, an extreme case - we bought half the company for $50 million, roughly - do we want to be marking that up every quarter to the value - and having it run through the income account?

That becomes an appraisal process. There’s nothing wrong with doing that, in terms of evaluation. But in terms of - and you can call it gain in net asset value or loss in net asset value - that’s what a closed-end investment fund, or an open-investment fund would do.

But to run that through an income account - if I looked at our 60 or 70 businesses, or whatever number there might be, and every quarter we marked those to market, we would have, obviously, a great many, in certain cases, where over time we’d have them at 10 times what we paid, but how quarter-by-quarter we should mark those up and run it through the income account, where 99 percent of investors probably look at net income as being meaningful, in terms of what has been produced from operations during the year, I think would be - well, I can say it would be enormously deceptive.

I mean, in the first quarter of this year - you saw the figures earlier - where we had the best what I would call operating earnings in our history, and our securities went - were down six billion, or whatever it was, to keep running that through the income account every day you would say that we might have made on Friday, we probably made 2 1/2 billion dollars. Well, if you have investors and commentators and analysts and everybody else working off those net income numbers and trying to project earnings for quarters, and earnings for future years, to the penny, I think you’re doing a great disservice by running those through the income account.

I think it’s fine to have marketable securities on the balance sheet - the information available as to their market value - but we have businesses there - if we - we never would do it - but if we were to sell half, we’ll say, of the BNSF railroad, we would receive more than we carried - carried for them - we would turn - we could turn it into a marketable security and it would look like we made a ton of money overnight. Or if we were to appraise it, you know, appraise it every three months and write it up and down, A, it could lead to all kinds of manipulation, but B, and it would just lead to the average - to any investor - being totally confused.

I don’t want to receive data in that manner and therefore I don’t want to send it out in that manner.

Charlie?

CHARLIE MUNGER: Well, to me it’s obvious that the change in valuation should be noted, and it is and always has been - it goes right into the net worth figures.

So the questioner doesn’t understand his own profession. (Laughter and applause)

I’m not supposed to talk that way but it slips out once in a while. (Laughter)

WARREN BUFFETT: Sometimes he even gives it a push. (Laughter)

2018年6月20日水曜日

2018年バークシャー株主総会(9)ウェルズ・ファーゴについて(了)

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バークシャー・ハサウェイ株主総会での質疑応答から、ウェルズ・ファーゴ等の不祥事に関する話題は今回でおわりです。前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

<ウォーレン・バフェット> それは、ティノ・デ・アンジェリスという名の人間があらわれたときのことです[詐欺事件の首謀者]。たしかニュージャージー州のベイヨンだったと思いますが...

スキャンダルが発生した後の、1964年に開催されたアメックスの株主総会には、実はわたしも参加しました。その席で、ある参加者が監査人に歩み出るよう要求しました。

具体的な名前は挙げませんが、ある大手会計事務所の一員だった監査人がマイクのところへ足を進めました。そして次のように質問されました。「当社はあなたがたに昨年いくら支払ったのですか」。

その監査人は答えました。質問者はさらに問いただしました。「それでは、ここから15kmほど離れたベイヨンに赴いて、タンクの中に油がどれだけ残っているか調べてきてほしいと言われたら、一体いくらの追加費用をわれわれに要求するのですか」(微笑)。

実はちょっとした出来事がありました。ある人物がベイヨンの酒場から[会社に]連絡してきて、詐欺話が進んでいると知らせてくれていたのです。しかしアメックス側はそのことを聞きたくなかったため、耳を傾けませんでした。[参考サイト]

強大な企業がその後にむかえたのは、彼らいわく「息も絶え絶えの状態」でした。ですから、過ちとはいずれ犯してしまうものなのです。

いつかはバークシャーでも不愉快なニュース沙汰になることは、請け合います。それが何かはわかりません。しかし繰り返しになりますが、その後わたしたちがどのように行動するか、それがいちばん大切です。

そのような状況で尻込みしていたことが、わたしにも何度かあります。そのたびにチャーリーは、「何か行動を起こせ」と小突いてきました。ですから、みなさんが知らないところでチャーリーもいろいろと活躍してきたのです(微笑)。

(この質疑応答は、おわり)

And when some guy named Tino De Angelis in, I think it was Bayonne, New Jersey -

In fact, I went to the annual meeting in 1964 of American Express after the scandal developed, and somebody asked if the auditor would step forward.

And the auditor from one of the big firms, which I won’t mention, came up to the microphone, and somebody said, “How much did we pay you last year?”

And the auditor gave his answer, and then the questioner said, “Well, how much extra would you have charged us to go over to Bayonne, which was ten miles away, and check whether there’s any oil in the tanks?” (Laughs)

So it - you know, here was something - a tiny little operation - some guy was calling him from a bar in Bayonne and telling him this phony stuff was going on, and they didn’t want to hear it. They shut their ears to it.

And then what emerged was one great company after this kind of, what they thought was a near-death experience. So it’s - we’re going to make mistakes.

I will guarantee you that we will get some unpleasant news at Berkshire. I don’t know what it’ll be, you know - the most important thing is we do something about it.

And there have been times when I procrastinated, and Charlie has been the one that jabs me into action. And so he’s performed a lot of services you don’t know about. (Laughter)

2018年6月16日土曜日

2018年バークシャー株主総会(8)ウェルズ・ファーゴについて(3)

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バークシャー・ハサウェイ株主総会での質疑応答から、ウェルズ・ファーゴに関する話題がさらにつづきます。前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

<チャーリー・マンガー> それには賛成ですね。これからのウェルズ・ファーゴは、そういった悪事が露見しなかった場合よりも、いい企業になりますよ。

<ウォーレン・バフェット> あるいは「悪事を起こさなかった場合」よりも、良くなると思います。

<チャーリー> そのとおり。しかし、ハーヴェイ・ワインスタイン[映画『パルプ・フィクション』などのプロデューサー]もずいぶんと行動を改めたようですね(笑いと拍手)。

あれはたしかに不始末でしたよ。ただし彼らはそのことを心底わかっており、痛く混乱していますから、同じことは繰り返したくないと思っているでしょう。

さすれば、「将来に最良の振舞いをみせる銀行は、どこになりそうか」と問われたときに、ウェルズ・ファーゴの可能性も十分あると思いますね。

<ウォーレン> さきほど示したニューヨーク・タイムズ紙の1942年3月12日付紙面の裏側をみると、求人欄があります。その一部を占める大きめの欄には、「男性求む」と書いてあります。そして別の欄には「女性求む」とあります。

それでは、当時のニューヨーク・タイムズ紙がそうしていたことは正当だったのでしょうか。ご存知のように、同紙は優れた新聞です。しかし、人間とはあやまちを犯すものなのです。

「求人広告の掲載箇所を分ける」という発想は、広告を受けた際にいろいろ考えて出てきたのかもしれません。「求人が来たら、どの職業が適切かを考えながら、男女に分けるとしよう」と。あるいは、求人側が適切な割り振りを考えたのかもしれません。

世間ではおろかなことが数多くなされています。先に述べたように、1970年代初期のガイコは適切な引当金を計上できたのに、無視していました。つまり彼らは、新規の顧客に対してあやまった金額を請求していたのです。実際よりも少ない損失で済むと考えていたからです。

そういったことは、ウォール街を喜ばせたいがために行った部分も間違いなくあると思います。あるいは、ものごとがどのように進むのか正視したくなかったのかもしれません。しかし、その同社が目を見張るほどの強力な会社となりました。そうです、今では米国における[自動車]保険加入世帯の13%を占めています。

引当金だけでなく、破産が目前にせまった時期におのずと知ることになった困難によって高じたものに対しても、同社は目を向けるようになりました。42年前の..

<チャーリー> あれは、今回のウェルズ・ファーゴよりもずっとひどかったですね。彼らが大昔にしたことは、実にひどいものでしたよ。ねえ。

<ウォーレン> そのとおりです。彼らは大成功していたので、引当金の見直しを怠っていました。そしてアメックスは、1963年の委託倉庫会社に関する分として数ドルしか確保しませんでした。その後はご存知のように、その会社がアメックス本体を没落させるのではないかと恐れるようになったのです。

(もう1回つづく)

CHARLIE MUNGER: Well, I agree with that. I think Wells Fargo is going to be better going forward than it would have been if these leaks had never been discovered.

WARREN BUFFETT: Or happened.

CHARLIE MUNGER: Yeah, so I think it’s - it - but I think Harvey Weinstein has done a lot for improving behavior, too. (Laughter)

It was clearly an error, and they’re acutely aware of it and acutely embarrassed, and they don’t want to have it happen again.

You know, if I had to say which bank is more likely to behave the best in the future, it might be Wells Fargo, of all of them.

WARREN BUFFETT: This New York Times that I have here from March 12th, 1942, if you go toward the back of it, in the classified section, you have one big section that says, “Help Wanted Male,” and another one that says, “Help Wanted Female.”

You know, was the New York Times doing the right thing in those days? You know, I think the New York Times is a terrific paper. But people make mistakes.

And you know, the idea of classifying between - taking ads and saying, “Well, we’ll take them and divide them up between men and women, what jobs we think are appropriate,” or that the advertiser thinks is appropriate.

We do a lot of dumb things in this world. And GEICO, as I say, in the early 1970s, they just ignored - and you can do it in the setting of proper reserves, which mean they charged the wrong price to new customers because they thought their losses were less than they were.

And I’m sure some of that may have been a desire to please Wall Street or just because they didn’t want to face how things were going. But it came out incredibly stronger. You know, and now it’s got 13 percent of the households in the United States insured.

And it came out with an attention to reserves and that sort of thing that was heightened by the difficulties that they’d found themselves in where they almost went bankrupt. Forty-two -

CHARLIE MUNGER: It was a lot more stupid than Wells Fargo. It was really stupid what they did way back, right?

WARREN BUFFETT: Yeah. They had the world by the tail, and then they quit looking at the reserve development. But - and American Express was just picking up a few dollars by having the field warehousing company in 1963. And, you know, they were worried whether it was going to sink the company.

2018年6月12日火曜日

2018年バークシャー株主総会(7)ウェルズ・ファーゴについて(2)

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バークシャー・ハサウェイ株主総会での質疑応答からウェルズ・ファーゴに関する話題、前回のつづきです。(日本語は拙訳)

<ウォーレン・バフェット> 当社はアメリカン・エキスプレスの株式を買いましたが、わたしがパートナーシップを運営していた時分に行った投資で、同社が最良のものでした。アメックス株を買ったのは1964年のことでした。「アメリカン・エキスプレス委託倉庫」という会社に関して、まちがったことを企んだ人がいたからです。

また当社はガイコ社(GEICO)の株を大量に買いました。その金額は4千万ドルで、同社株式の半数に達しました。ウォール街の出す収益や成長予測に合わせようと企んだ人がいたときのことです。その当時、同社では適正な引当金を計上しませんでした。

それゆえにアメックスは1964年に大きな痛手を受けました。それゆえにガイコは1976年に大損害を被りました。そして、相当な規模の従業員を解雇するといった対策をとることになりました。しかしそのおかげで、きれいな白紙に戻ったのです。

その後のアメックスがどこへ向かったのかは一目瞭然ですし、ガイコがどこへ向かったのかもご存知のとおりです。

ですから、「非常に大規模な組織には、いずれは問題を起こすものもある」ことは、特別な事実でもなんでもありません。実際のところほとんどすべての銀行、さらにはすべての大銀行では、ひとつやふたつ問題を抱えてきたものです。

ですから、投資という観点そしてモラルという観点から、企業としてのウェルズ・ファーゴが将来どのように歩むかを考えた場合、競争相手である他の大銀行とくらべて劣っているところは、なんら思い当たりません。

彼らは大きな過ちをおかしました。当社の保有分株式には今もなお多大な未実現益がありますが、それは[売却か継続保有かの]判断材料にはなりません。しかし...

同社のことは投資先としてわたしは気に入っていますし、ティム・スローンが経営者でいてくれてありがたいと思います。彼は現在、別の人たちがしでかした過ちを正している最中です。

かつてわたしは、ソロモン社で生じたあやまちを正そうとしました。そのときにはデリック・モーンが見事に手助けしてくれました[過去記事]。またマンガー・トーレス&オルソン法律事務所のみなさんにも、同じように助けてもらいました。つまりは、この手のことは起こるものなのです。ただしそうなった場合には、できるだけの手を打たねばなりません。

チャーリーが言うように、「1オンスの予防は1ポンドの治療にあらずして、1トンの治療の如し」です[過去記事]。そしてすべてに攻め入るべきです。チャーリーはいつもわたしの背中を押して、明るみになった不愉快な問題を攻め立てるように強要しました。他のすべてはうまくいっているのに、それだけが容易でないということもありました。

正確なところは知りませんが、あらゆる組織でも時には見られる悪事を、ウェルズはあきらかに働いていました。そしてそれを極端な地点まで激化させていました。

しかし、ウェルズ・ファーゴがそのような逸話を社史に残したくなかったと願いつつも、「非常に巨大な優良銀行になる日はやってこない」とみなす理由はないと思います。

ガイコはいっそう強固になりましたし、アメックスもずっと強力になりました。つまりここで問われるのは、「各種の問題を発見したときに、自分がどのように行動するか」なのです。

チャーリーはどうですか。

(さらにつづく)

We bought our American Express stock - that was the best investment I ever made in my partnership years - we bought our American Express stock in 1964 because somebody was incented to do the wrong thing in something called the American Express Field Warehousing Company. We bought -

A very substantial amount of GEICO we bought that became half the - half of GEICO, for $40 million because somebody was incented to meet Wall Street estimates of earnings and growth. And they didn’t focus on having the proper reserves.

And that caused a lot of pain at American Express in 1964. It caused a lot of pain at GEICO in 1976. It caused a layoff of a significant portion of the workforce, all kinds of things. But they cleaned it up.

They cleaned it up, and look where American Express has moved since that time. Look at where GEICO has moved since that time.

So the fact that you are going to have problems at some very large institutions is not unique. In fact, almost every bank has - all the big banks have had troubles of one sort or another.

And I see no reason why Wells Fargo as a company, from both an investment standpoint and a moral standpoint going forward, is in any way inferior to the other big banks with which it competes on -

It - they made a big mistake. It cost - I mean, we still got - I mean we have a large, unrealized gain in it, but that doesn’t have anything to do with our decision-making. But the -

I like it as an investment. I like Tim Sloan as a manager, you know, and he is correcting mistakes made by other people.

I tried to correct mistakes at Salomon, and I had terrific help from Deryck Maughan as well as a number of the people at Munger, Tolles. And I mean, that is going to happen. You try to minimize it.

Charlie says that, “An ounce of prevention isn’t worth a pound of cure, it’s worth about a ton of cure.” And we ought to jump on everything. He’s pushed me all my life to make sure that I attack unpleasant problems that surface. And that’s sometimes not easy to do when everything else is going fine.

And at Wells, they clearly - and I don’t know exactly what - but they did what people at every organization have sometimes done, but it got accentuated to an extreme point.

But I see no reason to think that Wells Fargo, going forward, is other than a very, very large, well-run bank that had an episode in its history it wished it didn’t have.

But GEICO came out stronger, American Express came out stronger. The question is what you do when you find the problems.

Charlie?

投資先企業を検討するという意味で、今回の文章はケーススタディとしていろいろと勉強になりました(個人的に思い至った観点は、順列、stickiness、バックアップの3つでした)。

2018年6月8日金曜日

2018年バークシャー株主総会(6)ウェルズ・ファーゴについて(1)

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バークシャー・ハサウェイ株主総会における質疑応答から、今回はバークシャーの主要投資先であるウェルズ・ファーゴの話題です。優良銀行として成長してきた同社がさまざまな不正を働いていたことが、この数年間で明らかになりました。ウォーレン・バフェットが同社に対してどのような見解を示すのか、話の内容は平易ですが、継続投資先としての是非をどのように判断するかという点では、今回の話題は株式投資上級者向けかと思います。前回の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

10. 「大きな過ち」を乗り越えて、ウェルズ・ファーゴは強くなる

<ウォーレン・バフェット> 次の質問は、アンドリューさん、いいですか。

<アンドリュー・ロス・ソーキン> ウォーレン、よろしくおねがいします。イリノイ州シカゴ在住のポール・スピーカー氏からの質問です。なお、彼は今日ここに参加しているはずだと思います。

質問の内容は次のとおりです。「あなたが語った言葉のなかで、かなり有名で、もっとも優れた見方を示していると思われるものに、次のようなものがあります」

「『たびたび水漏れする船だとわかったら、穴をふさぐ作業に奮闘するよりも、別の船舶に乗り換えることに注力したほうが生産的だ』と」

「ウェルズ・ファーゴ社では許可されていない会計上の各種スキャンダルが生じましたが、それらを考慮すると、つまり自動車保険の重複分を契約して顧客に料金を請求したことや、同社自身の過失による遅延によって生じた期限超過に関してモーゲージの保有者(抵当権者)から料金を不当に徴収したことや、さらにはモーゲージの金利を固定するために不適切な手数料を顧客に課したこと、あるいはFRBによって同社に課された制裁すなわち総資産の増加を禁じられたこと、そして先に述べた諸々の悪しき行為に対して連邦政府の規制当局が10億ドル超の罰金を最近になって定めたこと、それらを考えたときにウェルズ・ファーゴが慢性的に水漏れを起こす船だとしたら、どの程度の水漏れであればバークシャーは船を乗り換えようと検討するのでしょうか」(拍手)。

<ウォーレン・バフェット> そうですね、ウェルズ・ファーゴの件ですが..

ウェルズ・ファーゴという会社は「動機づけがもたらす有効性」を証明してしまいました。会社が間違った動機づけをしてしまったのです。あれは悪いことでした。

しかし彼らはもっと大きな失敗をおかしました。いつだれがどのようにかは正確には知りませんが、「欠陥のある動機づけ体系を有している事実を無視したこと」がそうです。たとえば、「存在するはずのない口座を開設する」といった異常なたぐいのことを、従業員が実行するようにうながしました。

これはバークシャーでは大罪とされています。ただし今ここにいる間にも、バークシャーでだれかがあやまちを犯しているのは、わたしたちも承知しています。

37万7千名にのぼる全従業員が、ベン・フランクリンのような人物と同じように世間で振舞うなどと、望むことはできません。ここで話をしている間に良からぬことがどれだけ起きているのか、10件なのか20件なのか、あるいは50件なのかはわかりません。

大切なのは、「回避可能なあらゆる悪しきことを助長しないように」とわたしたちが考えている点です。そして問題を起こしていることを把握したときには、何か手を打たなければなりません。そのことが決定的なカギとなります。

ウェルズ・ファーゴはそうしませんでしたし、ソロモン[・ブラザーズ社]もしませんでした。しかし実際のところ、当社が投資したなかでもっとも成功した各社は、それと同様の失敗をおかした会社でした。

(つづく)

10. Wells Fargo will emerge stronger after its “big mistake”

WARREN BUFFETT: OK, Andrew?

ANDREW ROSS SORKIN: Hi Warren. This question comes from Paul Spieker (PH) of Chicago, Illinois. I believe he may be here today.

He writes, “One of your more famous and perhaps most insightful quotes goes as follows:

″‘Should you find yourself in a chronically leaking boat, energy devoted to changing vessels is likely to be more productive than energy devoted to patching leaks.’

“In light of the unauthorized accounting scandal at Wells Fargo, of its admission that it charged customers for duplicate auto insurance, of its admissions that it wrongly fined mortgage holders in relation to missing deadlines caused by delays that were its own fault, of its admission that it charged some customers improper fees to lock in mortgage interest rates, of the sanction placed upon it by the Federal Reserve prohibiting it from growing its balance sheet, and of the more than recent $1 billion penalty leveled by federal regulators for the aforementioned misbehavior, if Wells Fargo company is a chronically leaking boat, at what magnitude of leakage would Berkshire consider changing vessels?”

WARREN BUFFETT: Yeah, well, Wells Fargo (Applause) -

Wells Fargo is a company that proved the efficacy of incentives, and it’s just that they had the wrong incentives. And that was bad.

But then they committed a much greater error - and I don’t know exactly how or who did it or when, but - ignoring the fact that they had a faulty incentive system which was incenting people to do things that were kind of crazy, like opening nonexistent accounts, et cetera.

And, you know, that is a cardinal sin at Berkshire. We know people are doing something wrong, right as we sit here, at Berkshire.

You can’t have 377,000 employees and expect that everyone is behaving like Ben Franklin or something out there. They - we - I don’t know whether there are ten things being done wrong as we speak, or 20, or 50.

The important thing is, we don’t want to incent any of that if we can avoid it, and if we find - when we find it’s going on, we have to do something about it. And that is absolutely the key to it.

And Wells Fargo didn’t do it, but Salomon didn’t do it. And the truth is, we’ve made a couple of our greatest investments where people have made similar errors.

2018年6月4日月曜日

2018年バークシャー株主総会(5)買収したプレシジョン社について

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今回からは、バークシャー・ハサウェイ株主総会における質疑応答の中から、いくつかの話題を取りあげます。まず今回はバークシャーが2016年に買収した企業、プレシジョン・キャストパーツ社についてです。ウォーレン・バフェットによる定性的な企業評価の一端がうかがえる発言だと思います。前回の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

5. 買収したプレシジョン・キャストパーツ社が優良企業であることについて

<ウォーレン・バフェット> それでは次はジョナサン・ブランドさん、お願いします。

<質問: ジョナサン・ブランド> ウォーレン、そしてチャーリー、よろしくおねがいします。私からの質問です。現在の航空機業界における生産数の伸長ぶりからすると、プレシジョン・キャストパーツ社が売上及び利益の両面であまり成功していないとは、思いもよりませんでした。

もちろん私としても、「以前の製造プログラムから新規のものへの移行は平坦ではない」ことは理解しています。しかし業界筋によれば、「市場におけるプレシジョン社の地位は、競争が激化して技術面での混乱が生じる中で、かつてほど強力ではなくなった」と聞いています。

それでは、バークシャーが買収した時に期待していた成長を実現するために、顧客である航空機業界において卓越した地位を堅牢強固にするには、同社は何をすればいいのでしょうか。

<ウォーレン> ええ、それは...

<質問者> 結局のところ、買収してから2年が経過した今、同社の事業の見通しをどのように考えておられますか。

<ウォーレン> すみません、最後が聞こえなかったのですが。「見通し」ですか。

<質問者> 結局のところ、買収してから2年が経過して、長期的に見た同社の見通しを現在はどのように考えておられますか。

<ウォーレン> それは長期的にも、そしてほどほど短期的にも、優秀な企業だと思います。つまり...

航空機業界と言われましたが、他の業界とも取引しています。ただし、航空機業界が最重要であることはまちがいありません。そして航空機の製造会社は、部品の品質や短納期に負うところが大きいものです。

航空機1機あたりの費用が7,500万ドルあるいは1億や2億ドルにのぼるなかで、部品などが納入されるのを待たされたくはないでしょう。ですから...

そういった類のあらゆるものについて、品質と納期の両面における信頼性がきわめて重要になります。プレシジョン社では[製品の供給]契約を[出荷する]何年もずっと前から結んでいます。ときには、機体の製造が開始されるよりもかなり前に受注することもあります。つまり[受注から出荷までの]リードタイムが非常に長いわけです。

しかし昨年の早い時期に、わたしが知っているのは特定の件ですが、別の部品会社が納品できなかったことがわかりました。航空機メーカー数社が「なんとか対応してもらえないか」と、プレシジョン社に打診してきたからです。

それに対してわたしたちは回答しました。「それはもう是非お役に立ちたいところですが、5年契約でお願いしております。他社さんへの欠品がたびたび生じないようにしたいからです」。その手の製品を出荷するまでには、非常に長いリードタイムがかかります。

ですから、ビジネス自体は非常に良好です。損益計算上は4億ドルの費用が課されていますが、年間4億ドルを若干上回る金額ですが、これは無形資産の「のれん」償却費です。なお、この件は損金には算入できないものです。しかしわたしとすれば、この費用は実損をもたらすものではないと考えています。

バークシャーでは巨額の償却費を計上していますが、現在のところはプレシジョン社の買収に関するものが最大の金額です。ですからどのように捉えたとしても、「実損ではないとわたしが考えている」4億ドルを加算することができます。会計士はほかのやりかたを主張すると思いますが、これはわたしたちのお金なので、わたしの見解でやることにしましょう(笑)。[過去記事]

同社を指揮しているマーク・ドネガンは目覚ましい人物ですし、そのうえ経営者としてもたいへん優秀です。「彼が面倒をみてくれる」という条件だったからこそ、同社を買いました。それだけではなく、バークシャーの別の領域でも彼はいろいろと手助けしてくれましたし、好んでやってくれています。ですから彼自身が携わる経営面や、バークシャーをあれこれと支援してくれる献身ぶりに対して、文句をつけるなど考えられません。

プレシジョン社は非常にすぐれた買収先です。同社は、開発中の諸製品へとつながる長大なロング・テールを持つ会社です。

チャーリーはどう思いますか。

<チャーリー・マンガー> それはたしかに、同社のような会社がほかにあるならば、明日にでもその会社を買いたいですね。

<ウォーレン> つまり、そういうことですね(笑)。

「大賢は言葉少なし」といったところですか(笑)。

5. Precision Castparts is “a very good business”

WARREN BUFFETT: OK, Jonathan Brandt.

JONATHAN BRANDT: Hi Warren. Hi Charlie. Given the growth in airplane build rates, it seems surprising that Precision Castparts isn’t doing better on the top or bottom line.

I understand the issue with a bumpy transition from old to new programs, but I’ve also heard from industry sources that Precision’s market position is not as strong as it used to be amid intensifying competition and some technological disruption.

What does Precision need to do to solidify and strengthen its preeminent position with its aerospace customers so that it can deliver the growth you expected when Berkshire acquired it?

WARREN BUFFETT: Yeah -

JONATHAN BRANDT: More generally, two years after the acquisition, what is your outlook for that business?

WARREN BUFFETT: Give me the last part again. The outlook.

JONATHAN BRANDT: More generally, two years after the acquisition, what is your updated outlook for that business longer term?

WARREN BUFFETT: Oh, longer term, I think - and in the reasonably shorter term - it’s a very good business. I mean, you were -

You mentioned aircraft, but we get into other industries. But certainly aircraft’s the most important. You have manufacturers that are very dependent on both the quality of the parts and the promptness of delivery.

You do not want to have an aircraft with 75- or 100- or maybe $200 million and be waiting for a part or something of the sort. So it’s -

Reliability is, both in terms of quality and delivery times and all of that sort of thing, is enormously important. And we get contracts that extend out many years. And sometimes we - I mean, we will get them well before the plane even starts in production. So there’s very long lead times.

And we have found in the last year - found it earlier, but I know of some specific cases in the last year - where other suppliers have failed in their deliveries and then the manufacturers come to us and say, “We would like you to help us out.”

And we say, “Well, we’d be glad to help you out, but we’d like about a five-year contract, if we’re going to do it because we’re just not going to make up for these other guys’ shortfalls periodically.” But that sort of thing has a very long lead time.

The business is a very good business. One thing you will see their earnings charged with is about $400 million - little over $400 million a year - of intangible - nondeductible in that case - amortization of goodwill, which is really - is not an economic cost in my view.

We have a significant amount of that through Berkshire, but by far, the largest amount is related to the Precision acquisition. So whatever you see, you can add about 400 million that in my view is not an economic expense, but the accountants would argue otherwise. But it’s our money, so we’ll take my view. The - (Laughter)

Mark Donegan, who runs that operation, is incredible, and he has been not only - he’s a fabulous manager. I wouldn’t have bought it without him in charge. He also has been very helpful to us in other areas, and he loves to do it. So you can’t beat him, both as a manager in his own operation, but with his devotion to really doing everything that will help Berkshire.

It was - it’s a very good acquisition with very long tails to the products that are being developed.

Charlie?

CHARLIE MUNGER: Well, yeah, I think we’d buy another one just like it tomorrow if we had the chance.

WARREN BUFFETT: Yeah, that’s the answer. (Laughter)

Man of few words, but he gets the point. (Laughter)

2018年5月28日月曜日

2018年バークシャー株主総会(4)ウォーレン・バフェット直伝の教え(了)

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バークシャー・ハサウェイ株主総会でウォーレン・バフェットが質疑応答の前に語った「究極の教え」は、今回で最後です。次回からは質疑応答の部を取りあげますが、大多数の投資家(少なくとも米国在住の投資家)にとっては、今回のものが「株式投資について知っておくべき、最良かつ唯一の見解」だと思います。前回の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

ちょっとおもしろい話題がありますので、もうひとつほど触れたいと思います。たとえば1万ドルが手元にあったときに、絶望的破滅を予言する人物が周囲にいたとします。そのような話は人生を通じて繰り返し耳にするでしょうから、その1万ドルを使ってゴールド(純金)を買ってしまったとします。

1万ドルあれば、[1942年]当時は300トロイオンス分のゴールドを買うことができました。企業であれば、再投資をして工場を増やしたり、新たな発明を起こしたりするものですが、金庫に保管してあるゴールドを毎年思い出したとしても、300オンスのまま変わりはありませんでした。

ゴールドであれば、目で見て確認できますし、そっと撫でることもできます。つまり「自分の望むがまま」にできます(笑)。

しかし、ゴールドはなにも生みだしません。まったく何も生み出しませんでした。

1942年3月に手に入れたままのゴールド300オンスは、今日ではいくらになっているでしょうか。正解は、およそ40万ドルです。

ですから、もし生産的な資産ではなく、ゴールドのように非生産的な資産を選ぶとすれば、結局はどうなるでしょうか。生産的な資産であればより多くの儲けをあげて再投資したり配当を出したり、自社株買いもあるでしょうから、それが何であろうと、非生産的な資産よりも100倍以上の価値を手にできると思います。[ウォーレンの語った原文では、文章がねじれていると思われる]

言い換えれば、これは「新聞の見出しなどを読んでおびえる度に、『あっちへ逃げ込め』と教えてくれる人にしたがって金銭的価値の保存先[ゴールド等]を買ったとすれば、それによって得られる儲けは1セント以下にとどまる一方、資金を米国企業に投じていれば儲けは1ドルになる」とも言えます。[過去記事]

この国では、これ以上は思いつかないほどの強い追い風が、わたしたちの背後から吹きつづけていました。そのようななかで事業を営むというのは、実に並はずれたことだと思います。まさに投資家にとって、うってつけの場所です。つまり、まちがった株を買うか、まちがった時期に調子に乗らない限り、失敗のしようがないのです。

しかし米国の大断面と言える企業群[=S&P500 ETFなど]を保有し、また時間をかけて定期的に資金を投じれば、なにも生み出せない資産を保有するのとは比較にならないほどの利益を得ることができます。

さらにはっきり言いますと、株式を頻繁に売り買いしたり、投資の助言をする者に手数料を払ったりするのも論外です。

ちなみに、わたしからの助言と言いますか、今回説明した回顧的な助言などに従うという方がおられましたら、わたしからお話しするのは朝飯前です(笑)。

もちろん、その助言にしたがう場合には問題がひとつ出てきます。好意的に接してくれていた株式売買業者が飢え死にしてしまう点です。

ですから、罪滅ぼしのために彼らの葬儀には参列したほうがいいもしれません。しかし実のところ、このやりかたのほうが、相当大きな割合に至る投資のプロよりも、あるいはアクティブに投資する人よりも、ずっと良い成果を残せるでしょう。このような肩肘の張らない哲学に基づいて達成できる成績に対して、それを凌駕して成功裏におわろうとするのは、非常にむずかしい仕事です。

その上、会計のことや、株式市場に関する専門用語やその類のもの、さらには連銀が次にどんな手を打つのか、あるいは今後の金利引上げが3回なのか4回なのか、それとも2回なのか、そういったことを詳しく知る必要もありません。

実際のところ投資を続けていく際に、そういったものはまるで重要ではありません。「なぜそこに投資したのか理解できているものにこだわり、どう取り組めばいいのかわからないものには目もくれない」、大切なのはそのような哲学を胸に刻むことです。

(この話題は、おわり)

I would like to make one other comment because it’s a little bit interesting. Let’s say you’d taken that $10,000 and you’d listened to the prophets of doom and gloom around you, and you’ll get that constantly throughout your life. And instead, you’d used the $10,000 to buy gold.

Now for your $10,000 you would have been able to buy about 300 ounces of gold. And while the businesses were reinvesting in more plants, and new inventions came along, you would go down every year in your - look in your safe deposit box - and you’d have your 300 ounces of gold.

And you could look at it, and you could fondle it, and you could - I mean, whatever you wanted to do with it. (Laughter)

But it didn’t produce anything. It was never going to produce anything.

And what would you have today? You would have 300 ounces of gold just like you had in March of 1942, and it would be worth approximately $400,000.

So if you decided to go with a nonproductive asset - gold - instead of a productive asset, which actually was earning more money and reinvesting and paying dividends and maybe purchasing stock - whatever it might be - you would now have over 100 times the value of what you would have had with a nonproductive asset.

In other words, for every dollar you had made in American business, you’d have less than a penny by - of gain - by buying in this store of value, which people tell you to run to every time you get scared by the headlines or something of the sort.

It’s just remarkable to me that we have operated in this country with the greatest tailwind at our back that you can imagine. It’s an investor’s haven - I mean, you can’t really fail at it unless you buy the wrong stock or just get excited at the wrong time.

But if you’d - if you owned a cross-section of America and you put your money in consistently over the years, there’s just - there’s no comparison against owning something that’s going to produce nothing.

And there - frankly - there’s no comparison with trying to jump in and out of stocks and pay investment advisors.

If you’d followed my advice, incidentally - or this retrospective advice - which is always so easy to give - (Laughs)

If you’d follow that, of course you - there’s one problem. Your friendly stock broker would have starved to death.

I mean, you know, and you could have gone to the funeral to atone for their fate. But the truth is, you would have been better off doing this than a very, very, very high percentage of investment professionals have done, or people have done that are active that - it’s very hard to move around successfully and beat, really, what can be done with a very relaxed philosophy.

And you do not have to be - you do not have to know as much about accounting or stock market terminology or whatever else it may be, or what the Fed is going to do next time and whether it’s going to raise three times or four times or two times.

None of that counts at all, really, in a lifetime of investing. What counts is having a philosophy that you’ve - that you stick with, that you understand why you’re in it, and then you forget about doing things that you don’t know how to do.

いつになるかわかりませんが、ウォーレンが去った後の投資の世界では、有象無象が跋扈しはじめると想像します。しかし今回のウォーレンは公式の場で助言を直接語り、映像記録として公開されるように手を打ちました。ですから一般投資家は何にも惑わされることなく、彼の助言を折に触れて思い出し、その導きにひかれて歩み続ければよいだけだと思います。

単なる私見ですが、ウォーレンは今回の発言を以って一通りの手を打ち終えたと感じました(株主に対する助言はすでに済ませ、バークシャーの主要経営陣も定まり、今回の発言が一般投資家向け、という意味において)。

2018年5月24日木曜日

2018年バークシャー株主総会(3)ウォーレン・バフェット直伝の教え

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ひきつづき、バークシャー・ハサウェイ株主総会でウォーレン・バフェットが質疑応答の前に語った「究極の教え」です。前回の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

結局のところ、この話の要点は何だと思いますか。シティーズ・サービス社の話は終わりとして、ここでもう一度1942年の3月11日に立ち戻ってみてください。

さきほど触れましたが、太平洋戦線と同じように、欧州という舞台でも状況はきびしいものでした。しかしアメリカ人であればだれもが知っているように、米国はその後の戦いで勝ちをおさめていきます。つまり出だしで不意を突かれたものの、戦争を勝ち進んでいきました。1776年以来、米国というシステムはうまく機能してきたのです。

そして次のスライドですが、その当時に1万ドルを投資していたらどうなるか想像してみてください。その頃にインデックス・ファンドは存在しませんでしたが、仮にインデックス・ファンドに資金を投じて、S&P500を事実上買っていたとします。

スライドはしばらくこのままで、少しばかり考えてみましょう。

その1万ドルが現在にはどれだけの価値になったか、考えてみてください。その際に、基本的な前提をひとつ置いてください。たとえば、「後生大事に保有することになる農地を買う」場合には、その投資が賢明かどうかを判断するために、「農地からあがる生産物やその量を考慮する」ものです。

あるいは、「生涯保有するつもりで小規模の集合住宅を買う」場合、投資の巧拙を判断するには「その物件からあがる利益を考える」ものです。[過去記事]

そのかわりに、1万ドルを投じて「『米国』というビジネスの一部分を保有する」道を選ぶかもしれません。その場合、別の株価を気にしたり、助言やそういったものを提供しようとする他人の話に耳を傾けたりするべきではありません。

さあ、さきほどの金額がいくらになったか、ぜひ考えてみてください。数字を思い描いたと思いますので、答えが書いてある次のスライドへ移ります。

正解は、5,100万ドルです。まったく何もせずに、この金額になります。会計のことを理解する必要もありません。株式投資初日のわたしがしていたように、株価を毎日たしかめる必要もありません(笑)。あのときは、学校から帰宅するまでに3.75ドル損をしていましたが。

やるべきことはただひとつ、「米国が過去を通じてうまくやってきたという事実を思い起こす」、これだけでよかったのです。だからこそ、この国は現在の困難も乗り越えるでしょうし、この国がうまくやれるとすれば、この国のビジネスもうまくいくでしょう。

勝ち銘柄を探し当てる必要はなかったですし。絶好の機会などを見計らう必要もありませんでした。つまるところ、投資に踏み切る決断を生涯で一度下すだけでよかったのです。

しかもそのときは、「一度きりの機会」というほどでもありませんでした。振り返ってみれば、ほかの時期に投資を始めてもうまくいきましたし、利益がもっと大きくなった時期もありました。

ですから、今日これから質疑応答が進みますが、その際には「これから自分が投資をつづける間に、米国のビジネスはどのように進展するのだろうか」という、大局的な観点を忘れないようにしてください。

(さらにつづく)

Well, what’s the point of all this? Well, we can leave behind the Cities Service story, and I would like you to, again, imagine yourself back on March 11th of 1942.

And as I say, things were looking bad in the European theater as well as what was going on in the Pacific. But everybody in this country knew America was going to win the war. I mean, it was, you know, we’d gotten blindsided, but we were going to win the war. And we knew that the American system had been working well since 1776.

So, if you’ll turn to the next slide, I’d like you to imagine that at that time you had invested $10,000. And you put that money in an index fund - we didn’t have index funds then - but you, in effect, bought the S&P 500.

Now I would like you to think a while, and don’t - do not change the slide here for a minute.

I’d like you to think about how much that $10,000 would now be worth, if you just had one basic premise, just like in buying a farm you buy it to hold throughout your lifetime and depend - and you look to the output of the farm to determine whether you made a wise investment.

You look to the output of the apartment house to decide whether you made a wise investment if you buy an apartment - small apartment house - to hold for your life.

And let’s say, instead, you decided to put the $10,000 in and hold a piece of American business, and never look another stock quote, never listen to another person give you advice or anything of this sort.

I want you to think how much money you might have now. And now that you’ve got a number in your head, let’s go to the next slide, and we’ll get the answer.

You’d have $51 million. And you wouldn’t have had to do anything. You wouldn’t have to understand accounting. You wouldn’t have to look at your quotations every day like I did that first day - (laughs) - when I’d already lost $3.75 by the time I came home from school.

All you had to do was figure that America was going to do well over time, that we would overcome the current difficulties, and that if America did well, American business would do well.

You didn’t have to pick out winning stocks. You didn’t have to pick out a winning time or anything of the sort. You basically just had to make one investment decision in your life.

And that wasn’t the only time to do it. I mean, I can go back and pick other times that would work out to even greater gains.

But as you listen to the questions and answers we give today, just remember that the overriding question is, “How is American business going to do over your investing lifetime?”

2018年5月20日日曜日

2018年バークシャー株主総会(2)ウォーレン・バフェット直伝の教え

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前回の投稿につづいて、バークシャー・ハサウェイ株主総会でウォーレン・バフェットが質疑応答の前に語った「究極の教え」です。(日本語は拙訳)

それでは翌日にどうなったのか、次のスライドをお願いします。そうです、うれしい日ではありませんでした。市場つまりダウ工業平均は下落して、100ポイントを割りました。

下落率は2.28%でしたので、現在に換算すると500ポイントの下落になります。もちろん、学校に行ってからも気になって仕方がありませんでした。

余談ですが、紙面の左側をみるとダウ工業平均がありますが、その上にはニューヨーク・タイムズ自身が算出した株価平均指標が載っています。彼らは独自の指標を使っていましたが、やがては消えてしまいました。一方のダウ平均はそのまま残りました。

さて株を買った翌日の話に戻りますと、次のスライドに進めば事情がわかります。株価は39ドルになっています。「3株買ってほしい」と頼んだために、父が朝一番に買ってくれていたのです。これは、その日の高値で買っていたことになります。

わたしの持ち分を買った値段は38.25ドル、その日の高値でした。一方の終値は37ドルまで下がりました。この頃合いの計りかたはわたしが株を買う際のまさしく典型で、その後の年月でも見受けられるようになります(笑)。

ただし、この株は当時の「ニューヨーク・カーブ取引所」で取引されていました[カーブは「屋外」的な意味]。のちの「アメリカン証券取引所」です。

しかしものごとが、つまりミッドウェイ海戦までは戦況が非常に悪いと思われていたにも関わらず、次のスライドを見れば、わたしの買った株がなかなか良かったことがわかります。買値38.25ドルと記されています。


その後株価は続伸し、やがてはシティーズ・サービス社が1株200ドル超で[優先株を]償還するに至りました。しかし、この話は「めでたしめでたし」では終わりません。次のページに進むと..(笑)


..よく言われるように、「そのときにはうまい考えだと、思えたのだよ」(大笑)。

株を売却したことで、5ドルの儲けをだしました。これもまた、わたしがとる行動の典型でした(笑)。しかし株価が27ドルまで下がった様子をみたあとですから、うまいこと利益を上げたと思ったわけです。

(さらにつづく)

Well, let’s take a look at what happened the next day. Let’s go to the next slide, please. And it was not a good day. The stock market, the Dow Jones Industrials, broke 100 on the downside.

Now they were down 2.28 percent as you see, but that was the equivalent of about a 500-point drop now. So I’m in school wondering what is going on, of course.

Incidentally, you’ll see on the left side of the chart, the New York Times put the Dow Jones Industrial Average below all the averages they calculated. They - they had their own averages, which have since disappeared, but the Dow Jones has continued.

So the next day - we can go to the next slide - and you will see what happened. The stock that was at 39 - my dad bought my stock right away in the morning because I’d asked him to, my three shares. And so I paid the high for the day.

That 38 1/4 was my tick, which was the high for the day. And by the end of the day, it was down to 37, which was really kind of characteristic of my timing in stocks that was going to appear in future years. (Laughs)

But it was on the - what was then called the New York Curb Exchange, then became the American Stock Exchange.

But things, even though the war, until the Battle of Midway, looked very bad and - and if you’ll turn to the next slide, please - you’ll see that the stock did rather well. I mean, you can see where I bought at 38 1/4.

And then the stock went on, actually, to eventually be called by the Cities Service Company for over $200 a share. But this is not a happy story because, if you go to the next page, you will see that I - (Laughter)

Well, as they always say, “It seemed like a good idea at the time,” you know. (Laughter)

So I sold - I made $5 on it. It was, again, typical - (laughs) - of my behavior. But when you watch it go down to 27, you know, it looked pretty good to get that profit.

2018年5月16日水曜日

2018年バークシャー株主総会(1)ウォーレン・バフェット直伝の教え

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バークシャー・ハサウェイの株主総会が5月5日(土)に開催されました。今回からのシリーズでは、例によってウォーレン・バフェットやチャーリー・マンガーによる質疑応答(の一部)をご紹介します。

英文のトランスクリプトを入手するために、例年ですと有志の方が起こしてくれたものを待っておりました。しかし(少なくとも)今年は、先だってご紹介したCNBCのサイトで映像とともに公開されているので、そちらの文章をお借りします。

Morning Session - 2018 Berkshire Hathaway Annual Meeting (CNBC)

(映像の再生が始まらない場合は、テキスト本文の上下行間にマウスポインターを置いて、"SYNC VIDEO TO PARAGRAPH"という文を表示させた上で、クリックしてみてください)

今回からご紹介する文章は、おなじみの質疑応答を始める前に、ウォーレンが「株式投資一般」について特別に語ったものです。彼が過去に書いてきた文章を包括した内容なので、これといって目新しいところはありませんが、こうして彼が改めて語ることに大きな意味があると受けとめました。今回から続く数回分の文章が、「ウォーレン・バフェット自らが語る、究極の教え」になると思います。(日本語は拙訳)

3. バフェット直伝の教え: 投資をどのように捉えるべきか

<ウォーレン・バフェット> まずはじめに少しばかり時間をいただき、投資をどのように考えることができるか、ちょっとした見方をご紹介したいと思います。現在は「今日あるいはこの瞬間に起こっていることばかりに意識を向ける風潮」がみられますが、それとは対極にある話です。

話がわかりやすくなると思いますので、わたし自身のちょっとした昔話を振り返ってみます。

画面上で最初にご紹介するのがニューヨーク・タイムズ紙、1942年の3月12日付の紙面です。すみませんが、文章を読むのは若干遅いほうでして(笑)。

当時を振り返りますと、ええとこれは参戦してから3か月ほど経った時期です。その時点の我が国はまだ劣勢でした。

新聞の見出しに出ているのは、太平洋戦線からの悪いニュースばかりでした。このスライドは、3月11日に先立つ日々の見出しからいくつか抜粋したものです。これから話題にするその日こそ、わたしにとってまさしく重大な1日となりました。

2枚目のスライドの上側にある見出しだと思いますが、「太平洋戦線が深刻な事態に陥っている」と書かれています。フィリピンが陥落してから数か月が経ったばかりの頃でしたが、悪いニュースばかり続いていました。

見出しがお読みになれるといいのですが、3枚目のスライドは3月9日のものです。ちなみに当時の同紙の値段は、一部3セントでした。

そして次に出てきたスライドが、3月10日の記事です。この先進技術によるスライドをなぜ利用しているのか説明しますと、わたしの目の前にあるスライドと同じものを、みなさんもいっしょに読めるようにしたかったからです。


それはそうと本題に戻って3月10日ですが、その日のニュースもひどいものでした。「敵軍[=旧日本軍]、オーストラリア侵攻を確たるものに」。株式市場の動きも、それを反映していたようでした。

当時のわたしは、シティーズ・サービスという会社の優先株を追いつづけていました。前年の株価は84ドルでしたが、その日の2か月前だった年初には55ドルになり、3月10日には40ドルまで下落していました。

新聞の見出しはどうであれ、その日の夜にわたしは父に言いました。「いよいよ打って出ることに決めたよ。だからシティーズ・サービスの優先株を3株、買ってもらえますか」。次の日の注文でお願いしたわけです。

資金はそれですべてでした。つまり、過去5年間かそこらで蓄えたお金です。そして次の日の朝、父は3株分を買ってくれました。[ウォーレンの父ハワードは株式ブローカーだった。そして1943年からは、連邦議会の下院議員となる]

(つづく)

3. Master class: How to think about investments

[some sentences omitted]

And I would like to just spend just a couple of minutes giving you a little perspective on how you might think about investments, as opposed to the tendency to focus on what’s happening today, or even this minute, as you go through.

And to help me in doing that, I’d like to go back through a little personal history.

And we will start - I have here a New York Times of March 12th, 1942. I’m a little behind on my reading. (Laughter)

And if you go back to that time, that - it was about, what? Just about three months since we got involved in a war which we were losing at that point.

The newspaper headlines were filled with bad news from the Pacific. And I’ve taken just a couple of the headlines from the days preceding March 11th, which I’ll explain was kind of a momentous day for me.

And so you can see these headlines. We’ve got slide two up there, I believe. And we were in trouble, big trouble, in the Pacific. It was only going to be a couple months later that the Philippines fell, but we were getting bad news.

We might go to slide three for March 9th. Hope you can read the headlines, anyway. The price of the paper’s three cents, incidentally.

The - and let’s see, we’ve got March 10th up there, as slide - I - when I get to where there’s advanced technology of slides, I want to make sure I’m showing you the same thing that I’m seeing in front of me.

So anyway, on March 10th, when again, the news was bad: “Foe Clearing Path to Australia.” And it was like it - the stock market had been reflecting this.

And I’d been watching a stock called Cities Service preferred stock, which had sold at $84 the previous year. It had sold at $55 the year - early in January, two months earlier - and now it was down to $40 on March 10th.

So that night, despite these headlines, I said to my dad - I said, “I think I’d like to pull the trigger, and I’d like you to buy me three shares of Cities Service preferred” the next day.

And that was all I had. I mean, that was my capital accumulated over the previous five years or thereabouts. And so my dad, the next morning, bought three shares.

2017年10月20日金曜日

2017年バークシャー株主総会(8)バフェットにも矛盾点はある

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バークシャー・ハサウェイ年次株主総会の質疑応答から、生産性向上に関する話題です。この話題はおなじみとなっており、たとえば2015年度の「バフェットからの手紙」で大きく取り上げていました。(日本語は拙訳)

3Gキャピタル社における極端なコスト削減策について

<質問> バークシャーは3Gキャピタル社と提携して取引に参加していますが、彼らが極端なまでにコスト削減をして、何千人もの職を減らしている件について、どのようにお考えですか。

<ウォーレン・バフェット> 3G社の経営陣はかなり近い距離から見てきました。基本的に彼らは、「保有する会社は可能な限り生産的であるべし」との信念を持っています。もちろんですが、この会場におられるみなさんにとっても、オマハの人にとっても、アメリカ中の人にとっても、社会全体の発展は生産性の上昇によってもたらされています。もし生産性に変化がなかったとしたら、現代人の生活は1776年の建国当時の人たちと同じままだったでしょう。3Gの人たちは、そのことをすごい速さで実行しているわけです。彼らの取り組みは非常に巧みで、以前よりも少ない人数で運営することによって生産性を高めています。鉄鋼業界であれ、自動車業界であれ、あらゆる産業でそのような取り組みがなされてきました。そのおかげで、今のように生活水準が向上したわけです。

ちなみにバークシャーが買収する際には、すでに効率的に運営されている企業が望ましいと考えています。率直に言って、わたしどもは生産性を高めるプロセスをまるで楽しめません。心地よく感じられないのです。しかし、そういった取り組みは会社を発展させるためのものです。ひとりの人が消費できる量を2倍に増やそうとしても、一人当たりの生産性を改善させるなんらかの方法がなければ、手の打ちようがありません。「政治的な成り行きが事業に影響しかねない」という理由で、そちらの面から悩みそうだと考えているのでしたら、賢明かどうかはともかくとして、うまいご質問だと思います。そのものずばりの答えなのかわかりませんが、彼らは生産性に焦点を当てて非常に賢明なやりかたで取り組んでいるだけではなく、製品の改善やイノベーションや経営陣に対する様々な要望についても相当なまでに注力していることは、申し上げられます。昼食の際にクラフト・ハインツのチーズケーキを食べてみてください。3Gが抱く基本戦術では、生産性向上と同様に、製品の改良やイノベーションがまさしく大きな部分を占めているという点で、同意してくださると思います。

個人的な話をしますと、何千人もの従業員がいた織物事業に携わっていたころに、ある程度の時間をかけて事業から撤退したことがあります。雇用を増やす事業にくらべると、雇用を減らす事業は楽しくないものです。たしかチャーリーと相談して、「実際に人員を削減して生産性を向上させることを主たる利得とする企業は、バークシャーの買収対象から外す」ことを決めたと覚えています。しかし生産性向上を検討することは、社会全体からすれば望ましいことだと思いますし、3Gの人たちの仕事ぶりも見事だと思います。

<チャーリー・マンガー> 生産性を向上させることに、悪いところは何もないですよ。その一方で、「正しいからといって、即実行することにはつながらない」と理屈づけ、非生産的な意見を表明する例がいろいろと見受けられますね。

<ウォーレン・バフェット> その通りだと思います。

(PDFファイルのp. 27。Yahoo! Finance映像では4:24:20)

3G CAPITAL’S EXTREME COST CUTTING

Q. Berkshire partners with 3G Capital on deals. What do you think of their extreme cost cutting and elimination of thousands of jobs?

Warren Buffett: Essentially, 3G management - I’ve watched them very close - is basically they believe in having a company as productive as possible, and of course, the gains in this world for the people in this room and the people in Omaha and the people throughout America have come from gains through productivity. If there had been no change in productivity, we would be living the same life as people lived in 1776. The 3G people do it very fast, and they’re very good making a business productive with fewer people than operated it before. We’ve been doing that in every industry whether it’s steel or cars. That’s why we live as well as we do.

We at Berkshire prefer to buy companies that are already run efficiently. Frankly, we don’t enjoy the process at all of getting more productive. It’s not pleasant, but it is what enabled the company to progress. Nobody has figured a way to double people’s consumption per capita without in some way improving productivity per capita. It’s a good question, and whether it’s smart overall if you think you’re going to suffer politically because political consequences do hit businesses. I don’t know that I can answer the question categorically, but I can tell you they not only focus on productivity and do it in a very intelligent way but also focus to a terrific degree on product improvement, innovation and all of the other things that you want a management to focus on. At lunchtime if you had the Kraft Heinz cheesecake, you will agree with me that product improvement and innovation is just as much a part of the 3G playbook as productivity.

Personally, we have been through the process of being in a textile business that employed a couple thousand people and went out of business over a period of time. It’s just not as much fun to be in a business that cuts jobs rather than a business that adds jobs. Charlie and I would probably forgo having Berkshire buy businesses where the main benefits would come from increasing productivity by actually having fewer workers. I think it is pro social to think in terms of improving productivity, and I think the people at 3G do a very good job.

Charlie Munger: I don’t see anything wrong with increasing productivity. On the other hand, there’s a lot of counter-productivity publicity to doing it. Just because you’re right doesn’t mean you should always do it.

Warren Buffett: I agree with that.

2017年10月4日水曜日

2017年バークシャー株主総会(7)事業をうまく評価できるようになるには

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バークシャー・ハサウェイ年次株主総会の質疑応答から、事業の評価基準に関する話題です。ウォーレン・バフェットからの助言(赤字で強調した箇所)は、おそらく多くの人にとって福音になることと思います。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

価値評価の方法

<質問> さきほどマンガーさんが中国市場と米国市場をくらべた話をされていましたが、その際の評価方法としては、株式市場時価総額をGDPで割る方法[バフェット指標]と、CAPEを使う方法[シラーP/E; 景気循環調整後PER]のどちらが適しているとお考えですか。

<バフェット> お話しにあったどちらの基準も、わたしどもが証券の価値を評価する上で最上というわけではありません。将来にわたって事業が稼ぎ得る現金の現在価値は、事業を評価するうえで重要な要因です。しかし世間では絶えず公式を求めていますが、究極の公式というものはありません。なにが変数に関わっているのか、わからないからです。もちろん、それぞれの数値にはそれなりの意味があります。しかし事業の評価とは、「実際に変数の値を完璧に設定できる公式」へと単純化できるものではありません。お話しに挙げられたどちらの数も話題にされることが多いですが、それがとても重要なこともあるでしょうし、無意味同然のこともあると思います。ひとつやふたつの公式で済むほど単純ではありません。

将来の金利がどうなるか、これがいちばん重要です。「取り得る最良のやりかただ」として、現在の利率を当てはめる例がよくあります。30年物債券の利率をみてください。資金を30年間出しておいて、30年後には損も得もなしに無リスクで戻ってほしいと考える人が、どれだけの金利を期待しているかがうかがえるでしょう。その数字について良い予想ができるかと聞かれても何とも申し上げられませんが、だからといって現在の値を使うという意味ではありません。チャーリーのほうも、「お話しに挙げられた2つの基準を物差しにして、中国市場と米国市場を比較評価することはできない」と答えると思います。

<マンガー> 私からは、「釣りをする上での規則その1、魚のいるところで釣れ」と言っただけですよ。腕の良い釣り師にとっては、今なら中国のほうがもっと魚をみつけられるでしょう。私が言ったのはそれだけです。楽しさひとしおの釣場ですよ。

<バフェット> 投資家として事業をもっとうまく評価できるようになりたい方は、ダメな事業をしばらくのあいだ運営する手だてをぜひ見つけるべきです。すぐれた会社に入って失敗させようもない良好な事業から学ぶよりも、ひどい事業に携わって実際に数年間ほど奮闘してみれば、ビジネスについて実にたくさんのことを学べます。わたしどもにとっても、実体験として学んできたことの大きな部分を占めています。良い事業に関わるという意味からすれば、悪い事業に実際に何度か関わって目の当たりにしたことの割合はもっと大きかったと思います。

<マンガー> いや、実にひどいものでしたよ。

<バフェット> どれほどひどいものなのか、どれだけ自分が非力なのか、どれほど優れたIQを以てしても問題を解決できないのか。そういったことも理解できる有意義な経験になると思います。まあ、非常に強くまではお勧めしませんが。

<マンガー> 我々にとっては非常に有益でした。学びたいのであれば、個々人が厳しい経験をするのが一番ですよ。当然ながら我々も、それなりに経験しましたがね。

(PDFファイルのp. 38。Yahoo! Finance映像では5:34:30)

VALUATION METHODS

Q. In looking at the Chinese market vs the U.S. market, what is the best valuation method, market cap divided by GDP or the Cyclically Adjusted P/E (CAPE) method?

Warren Buffett: Both of the standards you mention are not paramount at all in our valuation of securities. The present value of the future cash that can be taken out of the business is the important factor in valuing a business. People are always looking for a formula. There’s not an ultimate formula. You don’t know what to stick in for the variables. Every number has some degree of meaning. Valuation of a business - it is not reducible to any formula where you can actually put in the variables perfectly. Both of the things you mentioned get themselves bandied around a lot. Sometimes they can be very important. Sometimes they can be almost totally unimportant. It’s not quite as simple as having one or two formulas.

The most important thing is future interest rates. People frequently plug in the current interest rate saying that’s the best they can do. The 30-year bond rate should tell you what people who are willing to put out money for 30 years and have no risk of dollar gain or dollar loss at the end of the 30-year period expect to earn. I’m not sure I can come up with a better figure. That doesn’t mean I’m going to use the current figure either. I’d say - I think Charlie’s answer is he does not come up with China vs the US market valuations based on what you’ve mentioned as yardsticks.

Charlie Munger: All I said before is the first rule of fishing is to fish where the fish are. A good fisherman can find more fish in China now. That’s all I meant. It’s a happier hunting ground.

Warren Buffett: If you want to be a good evaluator of businesses, as an investor, you really ought to figure out a way to run a lousy business for awhile. You learn a whole lot more about business by actually struggling with a terrible business for a couple of years than you learn by getting into a very good one where the business is so good you can’t mess it up. It was a big part of our learning experience, and I think a bigger part in the sense of being involved in a good business was actually being involved in some bad businesses and seeing -

Charlie Munger: -how awful it was.

Warren Buffett: How awful it is and how little you can do about it and how IQ does not solve the problem. It’s a useful experience, but I wouldn’t advise too much of it.

Charlie Munger: It was very useful to us. There’s nothing like a personal, painful experience if you want to learn, and we certainly had our share of it.

2017年9月20日水曜日

2017年バークシャー株主総会(6)高IQすなわち儲け上手とはならない

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バークシャー・ハサウェイ年次株主総会の質疑応答から、おなじみの話題「資本配分」についてです。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

資本配分能力について

<質問> 資本配分に関するアイデアを交わし合うのは、これからも長く続くのでしょうか。

<マンガー> ずっと続くことはありえないですね(笑)。

<バフェット> チャーリー、負け犬根性はいけませんよ(笑)。

バークシャーの取締役会一同が抱く考えだけでなく、現在の場合であればわたしたちがいなくなったあとのためにチャーリーやわたしが推薦する面でも、当社で仕事に就く後継者にとって「資本配分の技量が一定の評価を得ていること」が最重要であるのは確かです。バークシャーでは資本配分がおどろくほどに大切だからです。

現在の株主資本は2,800か2,900億ドルほどになります。次の10年だけをとれば、だれも正確には予測できませんが、現在の償却費が年間70億ドル程度の水準ですから、次のマネージャーが10年間に配分しなければならない資金は、おそらく4,000億ドル程度になるでしょう。今から10年後のバークシャーは、過去に生じたすべてよりも多くの資金を10年間で受け入れた事業集合体になっていると思います。バークシャーのCEOという仕事には、とても理性的な資本配分者が必要です。いずれはその人物を得るでしょう。

しかし、資本配分が得手ではないかもしれない人物に任せるのは、とんでもない間違いです。かなり得意な人でないといけません。そのことがどれだけ大切か理解しているからこそ、わたしたちバークシャーには優位があります。そこに焦点を当てているのです。非常に多くの会社では能力や売り上げ実績に基づいてトップの座につく人を決めますが、それらはどれも事業を進める上での異なった側面です。自らの手に資本配分といったものが任された彼らは、経営戦略部門を設立したり、投資銀行家の話をきいたりするでしょう。しかし自分でやるほうがうまくできるものです。

資本配分の経験がないまま別の経歴を歩んできた人は、バイオリンを演奏するつもりでカーネギー・ホールへ行って、ステージに歩んだところでピアノへと導かれるようなものです。他の領域については多くの能力があっても、資本配分をする能力は実のところ持っていない人にバークシャーを任せても、うまく運営することはできません。わたしはその力を「金儲け思考」[原文ではmoney mind]と呼んでいます。

IQテストなどで120とか140といった成績をとれる人たちがいるとします。そういった人たちのなかには、「ある種類のことは得意ながらも、他はそれなりの能力」という人がいるものです。すごく頭が良いものの「金儲け思考」で考えることができず、そのせいでとても愚かしい決定をくだしてしまう人たちを知っています。ほとんどの人間ができないあらゆることをこなせるのに、彼らの脳はそのようには働けないのです。他方でそこまでは賢くなくても、SATのテストは良くできていますが、金勘定でおろかな決断を下したことがまったくない人たちも知っています。たくさんの才能を持った人がバークシャーのCEOになってほしいとは望みますが、「金儲け思考」ができない人はまったく望んでいません。

<マンガー> 株式を買うという選択肢もありますが、それならばお手上げというほどの問題ではないでしょう。いずれにせよ、何かしら賢明なことをするでしょうから。

<バフェット> 「金儲け思考」のできる人には、「株を買う上で、妥当なときとそうでないとき」がわかります。実のところ「株の購入についてどう考えているか」と問うのは、経営面での能力を試す上でかなりすぐれたテストになります。その手の主題を真正面から考えたりする際に、それほど複雑な方程式は出てきません。人によって考え方はちがうと思います。しかし他のことでは飛びぬけてすぐれていると思われる人が、株の買いどきがわりとはっきりしている話題で、なんともバカバカしいことを言うわけです。

(PDFファイルのp.23。Yahoo! Finance映像では2:54:00)

CAPITAL ALLOCATION ABILITIES

Q. Will bouncing ideas off one another on capital allocation continue long into the future?

Charlie Munger: It can’t continue very long.

Warren Buffett: Don’t get defeatish, Charlie.

Any successor that is put in at Berkshire - proven capital allocation abilities are certain to be uppermost in the Board’s mind, in the current case, in terms of my recommendation and Charlie’s recommendation, for what happens after we are not around. Capital allocation is incredibly important at Berkshire.

Right now we have $280 or $290 billion of shareholders’ equity. If you take the next decade alone, nobody can make accurate predictions on it, but in the next ten years, if you take - appreciation [misheard "depreciation?"] right now is another $7 billion a year, or something on that order. The next manager during the decade will have to allocate maybe $400 billion or something like that. Ten years from now, Berkshire will be an aggregation of businesses where more money has been put in in that decade than everything that took place ahead of time - you need a very sensible capital allocator in the job of being CEO of Berkshire. We will have one.

It would be a terrible mistake to have someone in this job where capital allocation will not be their main talent - it should be very close to their main talent. We have an advantage at Berkshire in that we do know how important that is. There is that focus on it. Many people get to the top through ability and sales, all different sides of business. They then have capital allocation sort of put in their hands. They may establish strategic thinking divisions and listen to investment bankers, but they better be able to do it themselves.

Charlie Munger: If they come from a different background and haven’t done it…

Warren Buffett: It’s like getting to Carnegie Hall by playing the violin. You then walk on stage and they hand you a piano. Berkshire would not do well if somebody was put in who had a lot of skills in other areas but really didn’t have an ability for capital allocation. I call it a money mind.

People can have 120 or 140 IQs, very similar scoring abilities in terms of intelligence tests. Some of them have minds that are good at one type of thing and some at others. I’ve known very bright people that do not have money minds, and they can make very unintelligent decisions. They can do all kind of other things that most mortals can’t do, but it isn’t the way their wiring works. I’ve known other people that are not that brilliant - they do fine on an SAT test - but they never made a dumb money decision in their life. We do want somebody - hopefully, they’ve got a lot of talents, but we certainly don’t want somebody if they lack a money mind.

Charlie Munger: There’s the option of buying in stock, which isn’t like it’s some hopeless problem. One way or another something intelligent will be done.

Warren Buffett: A money mind will recognize when it makes sense to buy a stock and when it doesn’t. In fact, it’s a pretty good test for some people in terms of managements of how they think about something in terms of buying stock. It’s not a very complicated equation if you sort of think straight about that sort of a subject. Some people think that way and some don’t, and they’d probably be miles better at something else, but they say some very silly things when you get to something that seems so clear as to when buying stock makes sense.

2017年9月8日金曜日

2017年バークシャー株主総会(5)オマハの大御所、アップル社を語る

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バークシャー・ハサウェイ年次株主総会の質疑応答のつづきです。今年はテクノロジー業界の話題が何度も登場しましたが、今回もそのひとつです。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

「よく知っている企業の株を買うこと」について

<質問> 投資上の助言として、「自分が知るものを買うこと」といつもおっしゃっていました。バフェットさんはテクノロジー通として有名ではありませんが、今ではテクノロジー企業に投資されていますし、たびたび話題にもあげられています。しかし、ツィートした件数はこの4年間で9件だけです(笑)。

<バフェット> あのツィートのほかは、僧院に通って修行していたものですから(笑)。

<質問> 「オマハの賢人」が「オマハのテクノロジー大御所」となったのはなぜですか。

<バフェット> (笑いながら)テクノロジー業界について、それほどは語っていないと思います。IBMには大きな投資をしましたが、うまくいきませんでした。資金を失ってはいませんが、強気相場だったことを考えると、大幅におくれをとりました。少し前からですが、アップル社の株を大量に保有しています。ある種の経済的特性の面で、同社は消費財を扱うほうの企業としてとらえています。同社の製品でできることや、他の人たちがある面において追い越そうと前進している可能性からすれば、同社にはテクノロジーに関する莫大な部分があります。保証はできませんが、2打数0安打でなくて1安打はできると思います。いずれわかることでしょう。

しかし「テクノロジーに興味を持っている15歳の若者と同じ水準の知識がある」と言い張るつもりはさらさらありません。消費者行動という点である程度は読めるかもしれない、と考えているだけです。その点についてはたしかに多くの情報を手に入れられますし、それに基づいて消費者が将来とる行動がどうなるのか成り行きを描いてみることができます。

証券投資の分野では、これからも失敗をやらかすと思います。過去にはテクノロジー業界以外で失敗を出してきました。どの業界に取り組もうとも、10割の打率はあげられません。保険業界のことはかなり知っておりますが、過去には保険株で1,2回損を出したことがあります。10割を打つことはできません。しかし、うまれてこのかたテクノロジーに関する実際の知識は、実のところまったく身につけたことがありません(笑)。

<マンガー> アップルの株を買ったのは、非常に良い兆候だと思いますよ。「正気でなくなった」か、「学習している」のどちらかを示していますね(笑)。私としては、「学習している」とする理由のほうを取りたいですが。

<バフェット> ええ、わたしもそちらですよ(笑)。

(PDFファイルのp.34。Yahoo! Finance映像では5:10:30)

BUY WHAT YOU KNOW

Q. Your investment advice has always been to buy what you know. You are not known for being a tech guy, but you are now investing and talking more about tech companies. You’ve only tweeted nine times in the last four years.

Warren Buffett: It was either that or go to a monastery. I don’t think I’ve talked that much about tech companies. I made a large investment in IBM, which has not turned out that well. We haven’t lost money. In terms of the bull market we’ve been in, it has been a significant laggard. Fairly recently, we took a large position in Apple, which I do regard more as a consumer goods company in terms of certain economic characteristics. It has a huge tech component in terms of what that product can do or what other people might come along to do to leapfrog it in some way. I think I’ll end up being one for two instead of 0 for 2, but we will find out.

I make no pretense whatsoever of being on the intellectual level of some 15-year old that has an interest in tech. I may have some insights into consumer behavior. I certainly can get a lot of information on consumer behavior and then try to draw inferences as to what consumer behavior is likely to be in the future.

I will make some mistakes on marketable securities. I’ve made them in other areas other than tech. You will not bat 1000 no matter what industries you try to stick with. I know insurance pretty well, but I think I’ve lost money on insurance stocks once or twice over the years. You don’t bat 1000, but I’ve gained no real knowledge about tech since I was born actually.

Charlie Munger: I think it’s a very good sign that you bought Apple. It shows either one of two things. Either you’ve gone crazy or you’re learning. I prefer the learning explanation.

Warren Buffett: So do I, actually.

2017年9月4日月曜日

2017年バークシャー株主総会(4)アマゾン社について

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前回からつづきます。バークシャー・ハサウェイ年次株主総会の質疑応答から、アマゾン社のCEOジェフ・ベゾスの話題です。(日本語は拙訳)

アマゾン社について

<質問> ジェフ・ベゾスを称賛されていますが、なぜアマゾンへ投資しなかったのですか。

<バフェット> あまりにボンクラだったせいで、なにが起ころうとしているのかわかっていませんでした。ジェフのことはずっと以前から褒めたたえてきましたし、彼のすることも観察してきました。しかし、これほどの規模まで成功するとは思いもしませんでした。ましてAWSというクラウド・サービスによってできる商売の可能性は、考えもしませんでした。小売事業を育てる一方でテクノロジー業界を一変させる可能性について質問されていたら、「それは大穴狙いだ」と答えたと思います。同社の傑出した事業運営ぶりを過小評価していたのです。オンラインでやることを思い描くのもそうですが、それにはたくさんの能力が必要です。

1997年の年次報告書で、彼はロードマップを描いています。そして彼は、離れ業に継ぐ離れ業を決めていきました。3,4か月前にチャーリー・ローズが彼にインタビューをしていましたが、ご覧になっていない方はCharlierose.comで話を聴いてみてください。いろんなことが学べると思います。少なくともわたしはそうでした。

同社の株式は常に割高だと思えました。しかし、彼が今日いる地位に到達できると考えたことは一度もありませんでした。まさに卓越した人だと思ってはいましたが、3年前や5年前、8年前、12年前にも、ここまで来るとは想像できませんでした。ところで、チャーリーはなぜ見逃したのですかね(笑)。

<マンガー> 易々とですよ。同社の実行していることが非常に難しいものだったからです。その当時と同じように将来も順風満帆なのだろうか、まったくもって不明瞭でした。アマゾン社が到達した業績を読めなかったことは、寸分も後悔していないですね。それよりも別件のほうが容易でした。若干はポカをしたと思いますが。

<バフェット> (笑いながら)そちらの方面は追いかけないようにしましょうか(笑)。

<マンガー> グーグル社のことですよ。

<バフェット> (軽くうなづきながら)たしかに、いろいろと見逃しましたね 。

<マンガー> そう、これからもそうなりますよ(笑)。しかしウォーレン、ありがたいことにすべてを見逃してはいませんよ。これは我々の秘密ですが、全部は見逃していません(笑)。

<バフェット> 次の質問に進んだほうがいいですね(拍手)。チャーリーの話が具体的になってきましたから。

(PDFファイルのp.36。Yahoo! Finance映像では5:24:30)

AMAZON

Q. You admire Jeff Bezos. Why have you not invested in Amazon?

Warren Buffett: I was too dumb to realize what was going to happen. I admired Jeff for a long, long time and watched what he was doing. I did not think he could succeed on the scale he has or even think about the possibility of doing anything with Amazon web services or the cloud. If you asked me the chances that while he was building up the retail operation, he would also be doing something that was disrupting the tech industry - that would have been a longshot for me. I underestimated the brilliance of the execution. It is one thing to dream about doing this stuff online, but it takes a lot of ability.

You can read his 1997 annual report, and he laid out a roadmap. He has done it and done it in spades, and if you haven’t seen his interview with Charlie Rose three or four months ago - Charlierose.com, go to it and listen to it because you will learn a lot, at least I did.

The stock always looked expensive. I really never thought he would be where he is today. I thought he was really brilliant. I did not think he would be where he is today when I looked at it 3, 5, 8, or 12 years ago. Charlie, how did you miss it?

Charlie Munger: It was easy. What was done there was very difficult. It was not at all obvious that it was all going to work as well as it did. I don’t feel any regret about missing out on the achievements of Amazon. Other things were easier, and I think we screwed up a little.

Warren Buffett: We won’t pursue that line.

Charlie Munger: I meant Google.

Warren Buffett: We missed a lot of things.

Charlie Munger: And we will keep doing it. Luckily, we don’t miss everything, Warren. That’s our secret. We don’t miss them all.

Warren Buffett: We better move on. He may start getting specific.

2017年8月28日月曜日

2017年バークシャー株主総会(3)本源的価値の複利成長について

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前回のつづきです。バークシャー・ハサウェイ年次株主総会の質疑応答から、企業価値の成長率についてです。(日本語は拙訳)

本源的価値の複利成長について

<質問> バークシャーの本源的価値は、これまでに複利換算で年間何パーセント増加してきましたか。また今後はどうなりそうですか。

<バフェット> 本源的価値は、過去にさかのぼる形でしか算出できません。しかし本来の定義はそうではなく、未来を向いています。つまり、現在から判定最終日までのあいだに創出されると予想した現金を、その期間において適切と思われる利率で割り引いた金額です。30年や40年間でみると、金利はとても広い幅で変動します。たとえば10年という期間をえらび、開始時期が[今から10年前の]2007年5月としたときに、「本源的価値が増加する割合は複利ベースでどうなるか」と問われれば、年間10%になるだろうと答えたと思います。しかし現実には、ありがたくない状況がやってきた期間でした。

10%を達成するのはかなり難しい課題ですし、この低金利の環境がつづくとすればほぼ不可能です。ご質問にお答えする前に、ある変数が将来どうなるのかひとつだけ教えてもらえるとしましょう。その際にわたしが知りたいのは、GDP成長率やだれが大統領に選ばれるかではありません。今後10年や20年における金利が平均としてどうなるかを知りたいです。現在みられている金利構成が平均だとしたら、10%の成果を出すのはとてもむずかしいものです。しかし生じうる金利の確率分布全体でみるのであれば、高望みではありますが10%成長は不可能ではないと思います。

「この低金利が長期間にわたって継続するなどありえない」と思えるのであれば、25年前の日本をふりかえってみてください。かの国の低金利がどのように永らえるのか、思い描くことはできませんでした。そして現在もなお同じ状況です。金利動向を予測するのは容易だ、とは微塵も考えていません。しかし残念なことに、うまいお答えを返すには金利を予測することが不可欠になります。

バークシャーのあげる成績がお粗末な程度におわる可能性は、他をあたった場合と同じように低いと思います。しかし驚くほどの高い率になる可能性も、同じように低いでしょう。いちばん近いのは10%近辺の範囲だと思いますが、その際の金利は劇的ではないものの高めになると仮定しています。つまり、この7年間にみられたより若干高い利率が次の10年あるいは20年の間に生じる、との仮定です。

<マンガー> 当社の現在の規模を考慮すると、過去にあげた栄光とくらべれば、今後のリターン率には陰りが生じるでしょうね。しかし以前からそう発言してきましたし、今やそれを証明している最中です(笑)。

<バフェット> チャーリー、そんな想いのまま人生お別れでいいのですか(笑)。

<マンガー> 当社の保有する事業は平均してみれば、たとえばS&P500各社の平均よりも高い投資価値があると思います。ですから、みなさんのような株主諸氏がひどい問題をかかえているとは思いませんね。

<バフェット> S&P500の各社を全体としてとらえると、株主志向の面では当社のほうが強いです。当社には、私企業のオーナーと同じようにものごとを決定する文化があります。これは多くの企業が持っていない贅沢品です。公開企業のCEOにお会いするたびに、いくつか質問をしています。そのひとつが、「会社全体を自分だけで保有しているとしたら、どのようにやりかたを変えますか」という質問です。たいていは、「あれをしたり、これをしたり、あるいは何とやら」といった答えが返ってきます。しかし、その相手から同じ質問を受けたとしたら、わたしならば次のように答えます。「自分たちだけで全株式を保有している場合にやることと、まったく同じように実行してきました」と(拍手)。

<マンガー> もうひとつ優位がありますよ。才気煥発であろうとする人は、世間に大勢います。しかし我々は、合理的でありつづけようとするだけです。これは大いなる優位ですね。利発であろうとするのは危険ですよ。賭けに出ているときは、なおさらです(拍手)。

(PDFファイルのp.11。Yahoo! Finance映像では1:26:00)

COMPOUNDING INTRINSIC VALUE

Q. At what rate has Berkshire compounded intrinsic value and at what rate can intrinsic value be compounded in the future?

Warren Buffett: Intrinsic value can only be calculated in retrospect, but the true definition would be the cash to be generated between now and judgment day discounted at an interest rate that seems appropriate at the time. That’s varied enormously over a 30 or 40-year period. If you pick out 10 years, and you’re back to May of 2007, we had some unpleasant things coming up. I’d say we’ve probably compounded intrinsic value about 10% annually since then.

I think that’s tough to achieve - almost impossible to achieve if we continue in this low interest rate environment. If you ask me to give the answer to the question - if I could only pick one statistic to ask you about the future before I gave the answer, I would not ask you about GDP growth or who was going to be president, I’d ask you what the interest rate is going to be over the next ten or twenty years on average. If you assume our present interest rate structure is likely to be the average, I would say it would be very difficult to get the 10%. If I were to pick for the whole range of probabilities on interest rates, I would say that that rate might be doable.

If you’d say we can’t continue these low interest rates for a long time, I’d ask you to look at Japan 25 years ago. We couldn’t see how their low interest rates could be sustained. We are still looking at the same thing - I don’t think it’s easy to predict the course of interest rates at all. Unfortunately, predicting interest rates is embedded in giving a good answer to you.

I’d say the chances of getting a terrible result in Berkshire are about as low as anything you could find. Chances of getting a sensational rate are also about as low as anything you could find. My best guess would be in the 10% range, but that assumes somewhat higher interest rates, not dramatically, but somewhat higher interest rates in the next 10 or 20 years than we experienced in the last seven years.

Charlie Munger: The future with our present size in terms of percentage rates of return is going to be less glorious than in the past. We keep saying that and now we are proving it.

Warren Buffett: Do you want to end on that note, Charlie?

Charlie Munger: I think we have a collection of businesses that on average has better investment values than say the S&P 500 average. I don’t think you shareholders have a terrible problem.

Warren Buffett: We do have more of a shareholder orientation than the S&P 500 as a whole. This company has a culture where decisions are made as a private owner would make them. That’s a luxury we have that many companies don’t have. One of the questions I ask the CEO of every public company that I meet: “What would you be doing differently if you owned it all yourself?”The answer is usually this, that and a couple of other things. If he would ask us, the answer is, we are doing exactly what we would be doing if we owned all the stock ourselves.

Charlie Munger: I think we have one other advantage. A lot of other people are trying to be brilliant. We are just trying to stay rational. It’s a big advantage. Trying to be brilliant is dangerous, particularly when you are gambling.

ウォーレンがチャーリーに向けたドライなジョークからは、二人を結ぶ信頼の強さがうかがえます。実にうらやましい大人たちです。

2017年8月24日木曜日

2017年バークシャー株主総会(2)EBITDAについて

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前回につづいてバークシャー・ハサウェイ年次株主総会の質疑応答から、今回はEBITDAの話題です。(日本語は拙訳)

人生で後悔したこと及びEBITDAについて

<質問> お二人は、世界中の何百万もの人たちからとても尊敬され、敬愛されていらっしゃいます[上海から来た質問者]。さて質問が2つあります。ひとつめはEBITDA(エビッダー; 利払い税引き償却前利益)についてです。事業を評価するのにふさわしい指標ではないと断言されていますが、なぜでしょうか。ふたつめは、お二人が人生で後悔されたことはありますか。人生や家族、個人的あるいは仕事の上でひとつだけ違うことをしていたら、と思われることは何ですか。

<バフェット> 個人的な問題についてのお返事は期待されないほうがよいかと思います。仕事の話ですと、チャーリー[・マンガー]ともっと早くから出会えていれば、とは何度も話したことがあります。出会った時のわたしは29歳で、彼は35歳でした。それ以降は愉快なことばかりでした。もっと早くから付き合い始めていれば、ずっと楽しかっただろうと思います。実はそうなる機会はありました。同じ商店で働いていたのです。ただし時期がちがっていました。

EBITDAには減価償却費が抜けています。これはもっともタチの悪い支出です。フロートの話題を好んで取り上げますが、フロートとは資金が先に手に入る一方、支出があとになる種類のものです。反対に減価償却費は、フロートとは反対の働きをします。つまり先に資金を支払いますが、会計上の支出はあとになります。これは好ましいものではありません。事業を買う上でほかの条件が同じであれば、減価償却費が発生しないもののほうがずっと望ましいです。固定資産に投じる資金が、基本的には必要ないからです。EBITDAは誤認を招く統計量です。非常に有害な手口で使われる可能性があります。

<マンガー> この問題の恐ろしさや、事業評価に対してその用語をもたらした人々の嫌悪すべき性質について軽くお考えだったように思いますが、どうですかね。まるでリース物件の不動産を扱う仲介業者が、1000平方フィートの一連の部屋をリースしようとする際に、実際は2000平方フィート分だったと言い出すようなものですよ。尊敬に値する行動ではないですね。そのようなやりかたで、かの言葉も広く使われるようになったのです。しかし公正な心を持った人間であれば、減価償却費は費用だと考えますよ。

<バフェット> ウォール街にとっては、とても有益な考えです。

<マンガー> だから連中はそうするのですよ。株価倍率が低くなりますから。

<バフェット> 奇妙なのは、実際にそれが受け入れられた方法です。それはともかく、この用語がどのように使われ、自分たちが使ってみせて概念を売りこむ様子がありありと残されています。2%と20%が同じ種類のものとなるわけです。この用語が通用する間は、この用語で押し通していくでしょう。

<マンガー> 今やビジネス・スクールでも使っています。おぞましくもおぞましいことですよ(笑)。盗人がその用語を使うだけでもうんざりなのに、広まったことでビジネス・スクールも真似をするとなれば、好ましい結末にはならないですね(拍手)。

(PDFファイルのp.45。Yahoo! Finance映像では6:18:40)

REGRETS IN LIFE and EBITDA

Q. You are highly respected and loved by millions globally. You believe EBITDA (is not a good parameter to evaluate a business. Do you have regrets in life, one thing you would have done differently in life, family, personal or business, what is it?

Warren Buffett: I don’t think you should expect us to answer that on personal matters. In business, I’d say I wished I met Charlie earlier. We’ve had a lot of fun ever since I was 29 and he was 35. It would have been even more fun if we started many years earlier. We had a chance to. We worked in the same grocery store but not at the same time.

In respect to EBITDA, it’s the worst kind of expense. We love to talk about float and float is where you get the money first and have the expense later. Depreciation is where you spend the money first and then record the expense later. It’s reverse float. It’s not a good thing. It’s much better to buy a business, everything else being equal, and it has no depreciation because it has essentially no investment in fixed assets. EBITDA is a very misleading statistic that can be used in very pernicious ways.

Charlie Munger: I think you understated the horrors of the subject and the disgusting nature of the people that brought that term when I was in business. It would be like a leasing broker of real estate who has a 1,000 square feet suite to be leased and says there’s 2,000 feet in it - that’s not honorable behavior and that’s the way that term got into common usage. Nobody in his right mind would think depreciation is not an expense.

Warren Buffett: It’s very much in the interest of Wall Street.

Charlie Munger: That’s why they did it. It made the multiple seem lower.

Warren Buffett: What’s amazing is the way it’s accepted actually. It just illustrates how people use language and sell concepts that work to their own use. 2% and 20% has the same sort of thing. As long as it can get sold, it will get sold.

Charlie Munger: Now they use it in the business schools. That is horror-squared. It’s bad enough when the thieves are using the term, but when it gets so common that the business schools copy it, that’s not a good result.

ウォーレン・バフェットはEBITDAのことを以前から問題視してレターでも取り上げていましたが、映像での発言によれば来年のレターでも触れる予定とのことです(ちなみに今春のレターでは、一言だけの指摘でした)。

2017年8月20日日曜日

2017年バークシャー株主総会(1)投資先の現状確認について

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今回からは、5月に開催されたバークシャー・ハサウェイ年次株主総会の質疑応答を、訳文付きで少しずつご紹介します(順不同)。引用元のテキストとしては、2年前と同じようにイングリッド・ヘンダーショット女史によるメモを主体にする予定です。

Berkshire Hathaway 2017 Annual Meeting Notes BY INGRID R. HENDERSHOT, CFA [PDF] (Hendershot Investments, Inc.)

またYahoo! Financeで公開されている映像も適宜参考にします。

Berkshire Hathaway 2017 Annual Shareholders Meeting Livestream (Yahoo! Finance 放映時間:7時間30分16秒)

なお引用元のテキストは長文のパラグラフ構成になっているので、読みやすさを目的として、適当と思われる意味段落ごとに改行を追加しました。

株式投資先の現状確認について

<質問> [バークシャーの投資先である]ウェルズ・ファーゴ(営業面でのスキャンダル)、アメリカン・エクスプレス(コストコ社向け事業の契約解除)、ユナイテッド航空(顧客サービス[暴力による乗客の強制降機])、コカ・コーラ(炭酸飲料の売上増の鈍化)の各社は問題を抱えていますが、バークシャーが株式投資をしている企業の現状確認にはどれだけ時間をかけていますか。

<バフェット> それらの企業の株は大量に保有しています。アメリカン・エクスプレスやウェルズ・ファーゴは、数百億ドル以上の時価総額へと見事に登りつづけています。それら各社は、わたしたちがとても好んでいる事業を手がけています。ただし、その性質はそれぞれ異なっています。

ユナイテッド航空の件ですが、実は4大航空会社全体に対する株式保有者として当社は最大ですが、4社はそれぞれ問題がありますし、反対にとても大きな優位を持った会社もあります。

アメリカン・エクスプレスの話をされましたが、第一四半期の報告書を読むとプラチナ・カードの話題が出ており、非常にうまくやっています。

そういった各社には、どれも競合他社がいます。株を買った際には、「会社に問題がまったくないだろう」とか「競争相手は全然いないだろう」とは考えていませんでした。各社を買ったのは、それぞれが非常に強力な力を持っていると考えたからです。業界で占めている地位も気に入っていました。持続可能な競争優位がどこにあるのか、わたしたちは調べることにしています。非常に良い事業を手にすることができたとしても、それを奪おうとする競合他社がたくさんいます。そこで、競合他社を撃退できるかどうか、その企業や製品や経営陣が持つ能力について判断をくだすわけです。それらの企業が消え去ることはないでしょう。特定の会社名は出しませんが、そういった各社は非常によい位置にあります。

もしすばらしい事業を手にできれば、たとえシーズ・キャンディー社のような小さな会社であっても、基本的には経済的な城をもっていると言えます。しかし資本主義の社会では、他者がその城をうばいとろうとします。城を護るために、さまざまな方法でその周りに濠(moat)を築きたいと考えるでしょう。そして城内には、襲撃者を撃退する際にひどく頼りになる騎士にいてほしいと望むでしょう。しかし、襲撃者が立ち消えることもないでしょう。

コカ・コーラ社は西暦1886年に創業しました。アメリカン・エクスプレス社の始まりは1851年か1852年です。ウェルズ・ファーゴが何年の創業だったかわかりませんが、アメリカン・エクスプレスはウェルズ・ファーゴによって事業が開始されました。それらの企業は長い間にわたってたくさんの挑戦がありました。当社の保険事業にも挑戦がありました。しかし当社にはトニー・ナイスリーとアジート・ジェインのようなリーダーがいます。彼らはバークシャーの価値を何百億ドルも増やしてくれました。保険業界でも競争は常にあります。襲撃者を撃退するために、さまざまな手を打つ必要があります。

たしかご質問の本題は、「投資先の現状を確認するためにどれだけ時間をかけるか」というものでしたね。わたしは毎日やっていますし、チャーリーもそうです。

<マンガー> 言い加えることは何もないですね。(笑)

<バフェット> 話に加わらないようですから、今度から給料を減らしましょう。(笑)

(PDFファイルのp.6。Yahoo! Finance映像では50:00過ぎ)

REVIEWING STOCK INVESTMENTS

Q. Given issues at Wells Fargo (sales scandal), American Express (loss of business with Costco), United Airlines (customer service) and Coca-Cola (slowing soda sales), how much time is spent reviewing Berkshire stock investments?

Warren Buffett: Those are very large holdings. American Express and Wells Fargo, you are getting up well into the high tens of billions of dollars. Those are businesses that we like very much - they have different characteristics.

United Airlines, we are the largest holder of the four largest airlines, but all businesses have problems and some of them have very big pluses.

You mentioned American Express. If you read their first quarter report, they talk about their platinum card, it is doing very well.

There's competition in all of these businesses. We didn't buy them with the idea that they would never have problems or never have competition. We bought them because we thought they had very strong hands. We liked their position. We do look to see where they have durable competitive advantages. If you've got a very good business, you will have plenty of competitors who will try to take it away from you. Then you make a judgment as to the ability of your particular company and product and management to ward off the competitors. They won't go away. I'm not going to get into the specific names. Those companies are very well positioned.

If you have a wonderful business, even if it's a small one like See's Candies, you basically have an economic castle. In capitalism, people are going to try to take away that castle from you. You want a moat around it protecting it in various ways, and you want a knight in the castle that's pretty darn good at warding off marauders. There will be marauders that will never go away.

Coca Cola was established in 1886, American Express was started in 1851 or 1852, Wells Fargo, I don't know what year they started -- American Express was started by Wells Fargo as well. These companies had lots of challenges over the decades. Our insurance business had challenges, but we have leaders like Tony Nicely and Ajit Jain, who has added tens of billions of dollars of value to Berkshire. There will always be competition in insurance. There are various things to do to ward off the marauders.

The specific question was how much time is spent reviewing our investments? I do it every day.

Charlie Munger: I don't think I have anything to add to that either.

Warren Buffett: We will cut his salary if he doesn't participate.