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2012年5月1日火曜日

わたしがお手本としている人(ウォーレン・バフェット)

今回ご紹介するのは、ウォーレン・バフェットによる2002年度「株主のみなさんへ」での、わたしが好きな一節です。バークシャー・ハサウェイが買収した子会社の経営は以前からの経営陣に任せるのが常ですが、ここではその理由を説明しています。この手のちょっとおもしろい話で楽しませてくれるだけでなく、要所をきちんとおさえているところが、ウォーレンの魅力のひとつですね。(日本語は拙訳)

経営の上でわたしがお手本としている人物をご紹介しましょう。バットボーイをしていたエディー・バネット氏です。1919年に19歳だった[16歳の誤りか?]エディーは、シカゴ・ホワイトソックスで仕事を始めました。その年のシカゴは[リーグ優勝し]、ワールド・シリーズへの出場を果たしました。翌年、エディーがブルックリン・ドジャースに移ったところ、これまたリーグ優勝の成績をおさめています。ところがわれらがヒーロー氏は何かをかぎとったのでしょうか、1921年には別の区のチーム、ヤンキースに加わりました。なんと、またもや早々にチーム史上初のリーグ優勝です。そこでエディーは腰をおちつけ、チームの行く末を見守ることにしました。これが賢明な判断で、ヤンキースはそれからの7年間で5回のアメリカン・リーグ優勝を果たしたのでした。

この話から経営者はどんな教訓をえられるでしょうか。そう、簡単ですね、「自分が勝ちたければ、勝者とともに働きなさい」ということです。例えば1927年にエディーは、ワールドシリーズ後のボーナスとして700ドルが支給されました。当時のヤンキースはルースとゲーリックがいた伝説的な時代で、優勝チームのメンバーに対するボーナス満額の1/8が彼に認められていたのです。ヤンキースは負けなしの4連勝だったので、このボーナスをもらうのにエディーが働いたのは、わずか4日間。これは、普通のチームで働く当時のバットボーイが1シーズン働いて得る収入とだいたい同じぐらいの金額でした。

いかにバットをせっせと運ぼうが、それは全然重要でない。エディーにはわかっていたのです。肝心なのは、最上の選手たちがいるところで働くことだ、と。エディーからの教訓どおり、アメリカビジネス界でも猛打者ぞろいのバークシャーで、わたしは毎日バットを手渡しています。

My managerial model is Eddie Bennett, who was a batboy. In 1919, at age 19, Eddie began his work with the Chicago White Sox, who that year went to the World Series. The next year, Eddie switched to the Brooklyn Dodgers, and they, too, won their league title. Our hero, however, smelled trouble. Changing boroughs, he joined the Yankees in 1921, and they promptly won their first pennant in history. Now Eddie settled in, shrewdly seeing what was coming. In the next seven years, the Yankees won five American League titles.

What does this have to do with management? It’s simple - to be a winner, work with winners. In 1927, for example, Eddie received $700 for the 1/8th World Series share voted him by the legendary Yankee team of Ruth and Gehrig. This sum, which Eddie earned by working only four days (because New York swept the Series) was roughly equal to the full-year pay then earned by batboys who worked with ordinary associates.

Eddie understood that how he lugged bats was unimportant; what counted instead was hooking up with the cream of those on the playing field. I’ve learned from Eddie. At Berkshire, I regularly hand bats to many of the heaviest hitters in American business.


エディー・バネットのことは、Wikipedia(英語版)のこちらにも投稿されていました。

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