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2013年5月6日月曜日

アマチュア投資家の問題点(ウォーレン・バフェット)

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バークシャー・ハサウェイの今年の年次株主総会は、先週の5月4日(土)でした。質疑応答のトランスクリプトがいずれ公開されると思いますが、ダイジェスト的な記事はたとえばThe New York Timesの経済ニュースサイトDealBookなどに掲載されています。今回は同記事から、ウォーレン・バフェットとチャーリー・マンガーの回答のうち、個人的にもっとも印象に残った2つをご紹介します。(日本語は拙訳)

Berkshire Hathaway's 2013 Shareholder Meeting (DealBook - The New York Times)

まずはウォーレンです。
午後3時17分の質疑応答 「インデックスに打ち勝つには」

ある投資家の質問「アメリカで最高の企業20社の株を買えば、インデックスファンドに投資するよりもよい成績をあげられますか」。

バフェット氏「たぶん同じぐらいの結果になると思います」。彼はもっと大きな観点に立つ話へと進んだ。「プロの投資家がいる一方で、アマチュアで投資をしている人もいます。プロであるためには多大な労力や調査が要求されます。ふつうのアマではそんなに時間はとれないか、やろうという気もおきないものです」。

バフェット氏「ほとんどの人にとって大きな問題なのは、プロであることが要求されるゲームにおいてそれほど時間を費やしていないのに、プロのように振る舞おうとしていることです」。

3:17 P.M.Trying to Beat the Index

A shareholders asks if buying shares in the 20 best companies in the United States would be better than investing in an index fund.

Mr. Buffett replies that the results would probably be similar. Then he launches into a bigger point: there are professional investors, and then there are amateurs who invest. Being the former requires a lot of work and research, which many, many amateurs don't have the time or inclination to do.

The main problem for most people, he says, is "trying to behave like a professional when you aren't spending the time in the game needed to be a professional."

つぎにチャーリーです。あいかわらずのユーモアです。
午前11時52分の質疑応答 「バークシャーとは」

Fortune誌のルーミス女史が、聴衆の株主の代理で質問した。「13歳の娘に対して、バークシャーとその中核をなす価値観をどのように説明すればよいでしょうか」。

バフェット氏がシーズ・キャンディーのファッジをつまんでいるかたわらで、マンガー氏が話しだした。「他の人たちがばかげたことをしているときでも、我々は分別を持ちつづけるようにしてきました。これはひとつの競争優位ですね」。さらにこう付け加えた。「子会社にとっては良き世話役であり、同時に良きパートナーであるよう心がけています」。

「非常にうまいやりかたでした」、彼はユーモアをこめて言った。「これが狙ってできていたらなあ、と思いますよ」。

11:52 A.M.Defining Berkshire

Ms. Loomis of Fortune asks a question on behalf of a shareholder in the audience: How would you explain Berkshire and its value premise to the investor's 13-year-old daughter?

Mr. Munger takes first crack as Mr. Buffett helps himself to some See's Candy fudge: "We like to stay sane while others go crazy. That's a competitive advantage." He also notes that the company tries to be a good steward to its subsidiaries and a good partner.

"This was a very good idea," he says drolly. "I wish we'd done it on purpose."

2012年5月25日金曜日

金融史を読みましょう(ウォーレン・バフェット)

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今回も、バークシャー・ハサウェイの年次株主総会での質疑応答からです(前回分はこちらです)。あやまちをできるだけ減らすにはどうしたらよいかという質問に対して、チャーリー・マンガーはおなじみの「他人の過ちから学ぶこと」と答えています(過去記事)。それを受けて、ウォーレン・バフェットは次のように発言しています。

金融に関する歴史を読むようにしています。混乱の時期のことは好んで読んでいました。そのおかげで、数学を得意とする人[金融エンジニアなどの専門家]たちよりも優位に立てたと思います。彼らは人間というものを理解していないのですね。わたしどもは他人の過ちから学ぶよう心がけていますが、いろいろ役に立っています。

WB: Reading financial history. I’ve always been absorbed at reading about disasters. This gave us advantage over others with a lot of math. They didn’t understand other humans. We have been a student of other’s folly, and it has served us well.

個人的には、お金のことも歴史もどちらも興味があるので、この手の本はよく読んでいます。得た知識をうまく活かせていないあたりは、まだまだですが。けっこう前に読んだ本では、キンドルバーガーやピーター・バーンスタインが楽しめました。『熱狂、恐慌、崩壊―金融恐慌の歴史』『経済大国興亡史 1500-1990』(原書評価は五つ星)、『リスク―神々への反逆』といったあたりは印象に残っています。

2012年5月22日火曜日

パニックのどん底で(チャーリー・マンガー)

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少し前の投稿の続きで、バークシャー・ハサウェイの年次株主総会での質疑応答から引用します。まずはウォーレン・バフェットがマクロの捉え方を語りますが、途中でチャーリー・マンガーが投資のタイミングについてさらっと発言しています。

<質問者> よっぱらい相手のこの市場ですので、市場全体に関わる問題を警戒して取引を控えるようなことがありますか。

<バフェット> 意外に思われるかもしれませんが、チャーリーとマクロの話題をするときは、ビジネスを売り買いする話はしないのです。ビジネスを買うのは、よくわかっているビジネスがみつかって、気に入ったときですね。世の中にはよいニュースも悪いニュースもありますが、そのときのムードとかも関係しています。そういうのは世の常だと思います。わたしが初めて株を買った頃を思い出すと、1942年の6月ですね、ミッドウェー海戦で[日本に]負けるだろうと思われていた頃です。敗戦が続き、次々と軍艦を建造していたので、年上の友人たちは街を去っていきました。2008年の10月に寄稿した例の文章[Buy American]はもう少しあとのほうがよかったですが、当時も株は十分安かったのです。

<マンガー> パニックのどん底になったときに使えるように、我々は流動性を確保しておいたのですよ。

<バフェット> そこそこ十分な金額でしたね。つまり忘れてはならないのは、明日も市場に参加できるように備えておくことです。チャーリーはデイリー・ジャーナルという小さな会社の経営者ですが、2008年になって彼は会社の余剰資金を使っていくつかの会社の株を買いました。お金は寝かせておくのではなく、使う時期だったからです。

<マンガー> こほん(咳払い)。

<バフェット> チャーリー、どこの会社の株だったのですか。ああ、そういえば彼に聞いても何も出てこないのでしたね(笑)。

Q20 - Cliff Gallant: In this drunken market, have systemic fears ever made you pause?

WB: You’ll probably find this interesting. CM and I have never had a discussion on buying or selling a business where we have talked about macro affairs. If we find a business we understand and we like it we buy it. There will always be good and bad news, it depends on moods, etc. There is a ton of that. I bought my first stock in June of 1942. We were losing the war, Battle of Midway. My older friends had disappeared, we were building battleships and we were losing. In Oct 2008 I wrote that article, should have been a few months later, but stocks were cheap.

CM: We kept liquid reserves at bottom of panic that could have been spent.

WB: A fair amount of liquid reserves. First rule is to be able to play tomorrow. Charlie runs a little company called the Daily Journal, and when 2008 came along, he bought a few stocks, that was the time to use the money not sit on it.

CM: [Cough]

WB: Was that the name of a stock Charlie? You don’t get anything out of him. [laughter]

ちなみに、デイリー・ジャーナルが投資した企業の一つは、ウェルズ・ファーゴ(WFC)ではないかと噂されています。JPモルガン・チェースがこけている今、アメリカで最良とみなされている銀行です。

余談ですが、2009年の春に同社の株価が10ドル以下に下がったので「そろそろWFCの勉強でもして、少し投資してみるか」と考えたことがありました。しかし、のんきにかまえていたせいで、あっというまに20ドル強まで値を戻してしまい、結局は買えずじまいでした。チャーリーは「備えよ、常に」と説いています。そういう反省もあり、自分の興味から外れた企業のことも勉強したいと感じるようになりました(過去記事)。

2012年5月13日日曜日

べろんべろんの酔っぱらい(ウォーレン・バフェット)

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前回に続いて、バークシャーの年次株主総会での質疑応答からご紹介します。おなじみのミスター・マーケットが新しい横顔で登場します。さりげない一言ですが重要な示唆と思える箇所があったので、赤字で強調しました。文末のチャーリー・マンガーの発言もあいかわらず素晴らしいです。引用元はScribdのSheerazRaza氏のものです。(日本語は拙訳)

<質問者>
ここにきている95%の人がバークシャーの株価は割安だと考えていると思いますが、どうお考えですか。

<バフェット>
[バークシャーを率いてから]45年以上になりますが、株が大幅に割安になったことが何度かありました。ほんの短い間ですが、半値になったこともあります。トム・マーフィーは、かつてもっとも成功した会社[GM]を経営していましたが、1970年代の初期の時価総額は同社の資産の1/3までになっていました。2001年のバークシャーの株価もかなり低かったですね。株式のいいところは、ときに信じられないような値段で取引されることです。そのおかげで、わたしどもはお金持ちになれました。ベン・グレアムの『証券分析』の第8章と第20章、それだけ読めば十分です。株式市場ではミスター・マーケットが相手をしてくれていると考えてください。ただし、売り買いの相手はしてくれますが、助言はしてくれません。というのも、彼はべろんべろんの酔っぱらいなのです。ですから、毎日提示してくる値段の中にはまちがいもたくさんあります。ときには彼の願いをかなえてやってください。つまるところ、株式市場というところは株にまちがった値段がつくようにできているわけです。バークシャー株はこの40年間以上、たいていの会社よりも本源的な価値に近い値段で取引されてきました。株価の変動も少なかったものです。バークシャー株は今後も割高になったり、割安になったりするでしょうが、いつどうなるのかはわたしにはわかりません。大切なのは、ビジネスの価値に基づいて買うかどうかを決めることです。自分が評価できるビジネスだけに目を向けていれば、株式では成功できます。何もしないでいてもお金を稼げるのですから、このすばらしいゲームができる株式市場は、なんともありがたいところですね。正体をなくすまで飲みすぎた人のような行動をとらなければ、ルールも自分に有利なものばかりです。

<マンガー>
我々は売るためにではなく、ずっと保有し続けるためにビジネスを買ってきました。これこそ、まさに前向きな生き方ですよ。さあ急いで、みなさんも我々と同じようにすれば、いい人生が待ってますから(笑)。

Q19 - Carol Loomis: Buffett Rule, he suspects 95% of people in arena believe stock undervalued. If not undervalued by Buffett rule, then why?

WB: Over 45 years, there have been several times when stock significantly undervalued, and at times it cut in half over fairly short time frames. Tom Murphy ran one of most successful companies ever, in early 1970s selling for 1/3rd the price of selling the properties. Berkshire in 2001 was selling at a very low price. The beauty of stocks is that they sell at silly prices from time to time. That is how we got rich. Chapter 8 and Chapter 20 in Security Analysis is all you need. In the stock market you have partner named Mr. Market, and he is a psychotic drunk, and he is there to serve you not to advise you. There are thousands of prices - and he is making lots of mistakes every day. Occasionally you have to oblige him. So it is built into the system that stocks get mispriced. Generally speaking Berkshire has come close to selling at intrinsic more than most companies over 40 years. Our stock fluctuates somewhat less than most. Berkshire will be significantly overvalued and sometimes undervalued. I don’t know in which order and times. But make decisions based on what business worth. Stick with businesses that you can value, you will do well in stocks. Stock market is most obliging place to make money because you don’t have to do anything. It is a marvelous game and rules stacked in your favor as long as you don’t start behaving like drunken psychotic.

CM: We bought businesses to hold instead of resell. It is an enormously constructive life. The faster you can work yourself into our position the better you’ll be. [laughter]

2012年5月4日金曜日

競争優位性をさぐる例(ウォーレン・バフェット)

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いよいよ明日5/5(土)はウッドストック音楽祭ならぬ、バークシャー・ハサウェイの年次株主総会です。最近では、質疑応答の様子があっというまにトランスクリプトに起こされてインターネットに公開されるので、ありがたく読んでいます。とはいっても株主のはしくれとして、いつかはオマハ詣でをしたいと考えてはいるのですが、もたもたしていると時間切れになってしまうかもしれません。

今回は昨年の年次総会の質疑応答から、ウォーレンがMoat(経済的な堀、転じて長続きする競争優位性)を探るくだりについてご紹介します。ファンドマネージャーでもあるiluvbabyb女史が作成したトランスクリプトから引用させて頂きました。(日本語は拙訳)

デイヴィッド・ソコルがバフェットにルーブリゾールへ投資したらどうかと紹介したとき、バフェットは皆目見当もつかないビジネスだと答えた。[同社製品の]潤滑油添加剤のことは化学的な観点では理解できないだろうが、それは必須というほどではない。重要なのは業界における経済的な力関係を理解することだ。競争力の点でMoatがあるか。業界には容易に他社が参入できるのか。バフェットは、石油のことはチャーリーのほうがうまく判断できるから彼にきいてみる、とソコルに答えた。数日後にチャーリーと話したが、彼もそのビジネスのことはわかっていないと返事をした。

When David Sokol mentioned Lubrizol to Buffett as an investment idea, Buffett said it struck him as a business he didn't know anything about initially. He said he would never understand the chemistry of petroleum additives, but that's not necessarily vital. What is important is that he understands the economic dynamics of the industry. Is there a competitive moat? Is there ease of entry into the industry? Buffett suggested to Sokol that he contact Charlie with the idea since Charlie is a lot smarter about oil than Buffett felt he was. When Buffett talked to Charlie a few days later, Charlie said he didn’t understand the business either.

その後、ウォーレンはルーブリゾールの経営陣と話をして、「Moatがある」と判断しています。
「かれらは特許を山ほど保有していますが、それ以上なのが顧客と密な関係を保っている点です。たとえば顧客が新型のエンジンを開発しているときには共に働き、適切な添加剤を開発するのです。そのような話をしているうちに、化学のことはいっこうに理解が深まっていなかったのですが、ビジネスの経済的な側面については合点のいくところがありました。イスカル社の人と話をしたときと同じような感じです。そのときも、採掘したタングステンを精錬した原料から、炭化タングステンの小型超硬工具をつくって、といったことが競争優位として長続きするのではという話になりました。最終的にはもう少し調べた上で、イスカルは持続する競争優位を有しているだろうと判断しました」

They've got lots and lots of patents, but more than that they have a connection with customers. They work with customers when new engines come along to develop the right kind of additive. So I felt that I had an understanding --didn't understand one thing more about chemistry than when I started, but I felt I had an understanding of the economics of the business, the same way I felt when the Iscar people talked to me. I mean, who would think you can take some Tungsten out of the ground and shine it and put it in little carbide tools and that you could have some durable competitive advantage, but I decided Iscar had some durable competitive advantage after looking at it for a while.

2012年4月8日日曜日

かなりの世間知らずですね(ウォーレン・バフェット)

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今回は将来の予測について、ウォーレン・バフェットによる1995年開催のバークシャー・ハサウェイ株主総会での発言をご紹介します。おなじみ『Seeking Wisdom』で孫引きされているものです。(日本語は拙訳)

わたしは今後の予測とか業績予想といったものは気にしません。あたかも精確にみえますが、そう思えるだけでしょせんは作り立てたものです。細かな点にこだわっているほど、よく注意したほうがいいですね。わたしどもは予想をしないかわりに、過去の実績のほうをずっと気にかけ、なるべく深く調べるようにしています。これまでの実績が思わしくないのに今後の見通しが華々しいような企業の話がきても、見送ることにしています。

ビジネスを買おうとする際に、売り手や仲介者が出してくるような将来予測をなぜ参考にするのでしょうか。その手の予測に意味があるとは思えません。あてにしてもしょうがないです。

将来どうなるのか自分で考えていないところへ、ビジネスを売りたい人や仲介手数料を稼ぎたい人がやってきて「このビジネスは、将来こうなりますよ」と説明する。そんなときにふむふむと耳を傾けるのは、かなりの世間知らずだと思います。

I have no use whatsoever for projections or forecasts. They create an illusion of apparent precision. The more meticulous they are, the more concerned you should be. We never look at projections, but we care very much about, and look very deeply at, track records. If a company has a lousy track record, but a very bright future, we will miss the opportunity ...

I do not understand why any buyer of a business looks at a bunch of projections put together by a seller or his agent. You can almost say that it's naive to think that those projections have any utility whatsoever. We're just not interested.

If we don't have some idea ourselves of what the future is, to sit there and listen to some other guy who's trying to sell us the business or get a commission on it tell us what the future's going to be - like I say, it's very naive.
(p.52)

一見するとウォーレンのこの発言は、決定木を使った分析(過去記事)と矛盾していると感じるかもしれません。決定木の役割は不確実な将来を確率的に描くことなので、ある種の予測をしているでしょうと。しかし立ちどまって考えてみると、ウォーレンはやはり過去を重視しているように思えます。予測の中核となるのは、あくまでも過去の実績から延長線をひいた未来であって、それ以外に想定される未来は悲観的なリスクを盛り込むために使う。例えば、これまで年率10%成長しているところを、0%成長やマイナス成長といったシナリオを確率的に盛り込む。あるいは別の大きなリスクを想定してみるなどが挙げられます。

真偽のほどはウォーレンに聞いてみないとわかりませんが、決定木を使った確率的な未来の捉え方を自分なりに見直せるような気がしてきました。ちなみに、ロバート・ルービンはこのような考え方を「蓋然的思考」と呼んでいるようです(過去記事)。

2012年3月21日水曜日

グランド・キャニオンをわたる(ウォーレン・バフェット)

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今回は、ベン・グレアムの言葉「Margin of Safety(安全余裕)」について。ウォーレン・バフェットは、この言葉をたびたび強調してきましたが、ここで彼による例え話をどうぞ。おなじみ『Seeking Wisdom』からの孫引きで、1997年開催のバークシャー・ハサウェイの株主総会での発言です。(日本語は拙訳)

ビジネスをきちんと理解しているのでしたら、つまり未来を完璧に見通せるということですが、[株式を買う際に]安全余裕はほとんどとらなくてもよいでしょう。反対に、ビジネスに関するさまざまな出来事がおきたり、不確実なことが多かったり、ビジネスが脆弱になっていたり、変化する可能性が高くなるほど、安全余裕を多くとらなければなりません。

車両総重量が4.4トンのトラックにのって活荷重が4.5トンの橋をわたる場合、橋の高さが地面から15cmぐらいだったら、まあ安心してわたれるでしょう。しかし、グランド・キャニオンにかかる橋だったら、もっと余裕がほしくなりますよね。たとえば2トンぐらいのトラックにしておくのではないでしょうか。ですから、どれだけ安全余裕が必要かは、そこに潜んでいるリスクに応じて決まってくるのです。

If you understand a business ? if you can see its future perfectly ? then, obviously, you need very little in the way of margin of safety. Conversely, the more things can happen, the more uncertainty there is, the more vulnerable the business is or the greater the possibility of change, the larger margin of safety you require...

If you're driving a 9,800 pound truck across a bridge that says it holds 10,000 pounds and the bridge is only about six inches above the ground, then you may feel OK. However, if the bridge is over the Grand Canyon, then you may want a little larger margin of safety. And, therefore, you may only drive a 4,000 pound truck across. So it depends on the nature of the underlying risk.

2011年12月6日火曜日

ビジネスを理解するとは(ウォーレン・バフェット)

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前回の話題を受けます。投資対象が「お手上げ」(too tough)かどうかは、投資対象を自分で理解しているかどうかが判断基準になってきます。今回は、ウォーレン・バフェットの言うところの「ビジネスを理解するとは」です。2000年に開催されたバークシャー・ハサウェイの年次総会での発言を引用します。『Seeking Wisdom』からの孫引きです。(日本語は拙訳)

私たちが唯一知っている利益のあげかたは、ビジネスを評価しようと努めることです。例えば、ある鉄鋼会社を評価できないのであれば、その会社は買いません。いい取引ではないとか、大安売りではない、とは言っていません。どう評価したらよいか私たちにはわからない、というだけです。ブラジルに化学工場か何かを設立する是非を評価できないようであれば、買わないのです。

製品を理解でき、利用者にとってどう役立つのかも理解できる、でも10年後に経営状況がどうなるのか見当がつかないことがあります。例えば、鉄鋼のことを知っていて、住宅建設のこともわかっていても、ある建設業者を調べたからといって、5年や10年後に経営状況がどうなっているか推測するのは別の問題です。製品や流通やそういった類のことが問題なのではなく、10年後の経営状況をどれだけの精度で予測できるかが重要なのです。

The only way we know how to make money is to try and evaluate businesses. And if we can't evaluate a carbon steel company, we don't buy it. It doesn't mean it isn't a good buy. It doesn't mean it isn't selling for a fraction of what its worth. It just means that we don't know how to evaluate it. If we can't evaluate the sense of putting in a chemical plant or something in Brazil, we don't do it...

We understand the product. We understand what it does for people. We just don't know [what its economics will be] 10 years from now...You can understand steel. You can understand homebuilding. But if look at a homebuilder and try to think where the economics of it is going to be in five or 10 years, that's another question. It's not a question of understanding the product they turn out, the means they use to distribute it ? all of that sort of thing ? it's the predictability of the economics of the situation 10 years out.

2011年10月21日金曜日

波があっても気にしませんよ

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我が家のポートフォリオはディフェンシブの銘柄に集中投資してきました。しかし、最近の株価下落には食指が動き、いわゆる景気敏感株にも注目しています。今回は「景気敏感株」について、ウォーレン・バフェットとチャーリー・マンガーのコメントを引用します。今年2011年4月に行われたバークシャー・ハサウェイの株主総会を筆記してくださった方のブログからです。最後の段落になります。(日本語は拙訳)

<質問者:ソーキン> バークシャー傘下の不動産関連ビジネスの状況から察するに、住宅用・商業用を問わず不動産の市場動向について、どのようにお考えですか。

<バフェット> 短期的には、住宅用・商業用不動産の不況は[バークシャーの子会社である]Shaw, Acme, Johns Manvilleといった会社の成績に悪影響を及ぼしています。ですが、我が国では世帯数は増加傾向ですし、それにつれて住宅も建設されていくので、バークシャーの各社は、住宅建設が戻ってきたときに利益を挙げられる絶好の位置につけています。[バークシャーの子会社である]See's Candyは1年のうちの8ヶ月間は赤字です。この商売は季節変動が大きいのですが、必ずクリスマスがやってくるのはわかりきっています(何しろ、これまでに2000年も続いてきたことですから)。季節変動の大きな会社と景気に敏感な会社とは、同じような観点で捉えることができます。考慮する期間を長くすればいいのです。利益に波があっても、20年間ぐらいでみたときに安定していれば問題ありません。

<マンガー> 波があっても気にしませんよ。いいビジネスだったらね。

53. (Sorkin): Do you have any insight into the state of the residential and commercial real estate markets as a result of BRK’s position in businesses peripheral to real estate?

Buffett: In the short run, the impact of the crisis on residential and commercial real estate has been terrible for Shaw, Acme, and Johns Manville. This country will build houses commensurate with household growth and BRK’s companies are in a great position to make money when homebuilding normalizes. See’s Candy loses money eight months of the year. But they understand the seasonal patterns of the business and know that Christmas will come (‘They have 2000 years on their side”.) Looking at seasonal companies is like looking at cyclical companies. You just need a longer time frame. It does not matter if the returns come in a lumpy manner if they come consistently for 20 years.

Munger: We don’t care if it’s lumpy as long as it’s a good business.

20年間はともかく、少なくとも景気循環の1,2回は念頭において、競争優位性を分析したほうがよさそうですね(参考記事はこちらです)。