手持ちの道具がかなづちだけだと、あらゆるものが釘に見えてくる。
To a man with only a hammer, every problem looks pretty much like a nail.
意訳すれば「ばかの一つ覚え」あたりですが、こちらのほうが広がりのある言い回しだと感じます。自分で答えを見つけたつもりでも、結局は前提条件が誤っていたり、見当違いだったということは、よくあることです。でも、答えあわせをした後に「なんだ、そんなことか」と自分の誤りや情報収集不足を軽視しがちで、思考能力を改善するきっかけにつながらないものです。マンガーはこの「かなづち」の警句を好んでとりあげ、一直線的な思考では複雑な問題は解決しがたいと繰り返しています。問題解決や意思決定の誤りをへらすには、例えばこれまでに取り上げた多面的に捉えてみたり、逆から考え直してみるのが効果的だというわけです。
5 件のコメント:
== No title ==
チャーリーは数学、物理学、化学、工学といった4つの根源的な学問に倣えば、単一学問的な愚かさ(かなづちを持った男的な心理傾向)を回避できるとも言ってますね。
== たしかに4つの根源的な学問は、根源的な概念が多いですね ==
raccoonさん、ありがとうございます。
ご指摘の4分野は、チャーリーがよくとりあげるものですね。それに加えて負けず劣らずの分野が心理学(誤判断)でしょうか。生物学(進化論)、歴史学(繁栄と絶滅)あたりは、その次ですね。
数学からのアイデアとして、チャーリーは順列・組み合わせの効用をあげていますね。自分なりに使いこなそうと気をつけているのですが、もうひとつです。順列は決定木の形で使えますが、組み合わせのほうは出番がみつかりません。何かよい適用例をご存知でしたら、いつでもかまいませんので教えて頂ければと思います。
== No title ==
betseldomさんは私より明らかに先をいってます。
私はまだ4つの根源的な学問のスムーズな連携を、よりソフトな分野(心理学とか経済学とか)にも今まさに活用しようと思っている段階です。順列や組み合わせといった具体的なことは思いつきもしてませんでした。
お湯に浸かりながら、様々な学問を組み合わせることができたなら、大東建託なら大東建託学ができるなーとわけわからんこと考えます。ヤコビ風に言えば、まだ未熟なくせに逆に学際的な考えかたができる自分を演技するんです。ここで一つの貴重な気づきがありました。それはそう演技することで顔が真っ赤になって穴があればそこに顔を突っ込みたくなるということです(笑)
== 「顔が真っ赤になって」 ==
「顔が真っ赤になって」というあたりは二重に受けていて、さすがはraccoonさんの文章、一味違いますね。
もうひとつ。「大東建託学」でしたら、今ならインターネット初の言葉ですね。やりますね(笑)。
それはともかく、raccoonさんのような方が企業分析をきちんとしているのを見習っていきたいものです。
コメントを投稿