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2011年12月11日日曜日

生き残ったものは誰か?

先だって取り上げた話題「われわれが錯覚に捕らわれているとき」について、生物学的な面からの補足です。今回の引用は『人間らしさとはなにか?』という本からです。著者のマイケル・ガザニガはカリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)の教授で、認知神経化学を専門にしています。

私たちが決断する前、選択肢を思いついた時点で情動が呼び覚まされる。それがネガティブな情動であれば、理性が分析を始める前にその選択肢は考慮の対象から外される。意思決定では情動が主要な役割を果たしている。(p.174)


ここまではチャーリー・マンガー他の観察と同様ですが、次の一文はその理由を簡潔に示しています。

進化の観点に立てば、生き残ったものはネガティブな合図により速く、つまり自動的に反応した者だった。(p.177)


つまり、ネガティブな情動が強く働くのは、多くの人間に共通ということになります。意思決定をする際の我々の「弱点」は、むしろ「本能」と呼ぶべきなのでしょう。

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