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2011年11月26日土曜日

ダーウィンの「逆ひねり」

チャーリー・マンガーの敬愛する人物といえば、ベンジャミン・フランクリンが挙げられますが、それに劣らずチャールズ・ダーウィンも彼のお気にいりです。前回ご紹介したチャーリーの講演の続きになりますが、ダーウィンのシステムが簡潔かつ端的にとりあげられています。

公認伝記マニアの私が思うに、チャールズ・ロバート・ダーウィンは、1986年度のハーバード[高校。L.A.にあるプレップスクール]の卒業生の中でみれば、真ん中あたりの成績になるかと思います。しかしながら彼は、科学史において今でも名だたる人物です。これこそ、もって生まれた才能を無駄にせずに生かしたお手本の最たるものといえるでしょう。

ダーウィンのなしとげた業績は、彼自身のやりかたによるものでした。さきに私がお話しした「悲惨への道」には一切近寄らず、「逆ひねり」することに注力しました。持論がどんなに手塩をかけた大切なものでも、それをくつがえす証拠を真っ先にみつけようとしたのです。普通であればその反対で、早々に結論を出したあとは、新情報や否定的な情報がでても、持論が揺るがないように処理するものです。作家フィリップ・ワイリーのみるところの「自分がすでに知っていることを超えたところで学ばないようでは、何もだせない」人間になりさがるものです。

It is my opinion, as a certified biography nut, that Charles Robert Darwin would have ranked near the middle of the Harvard School graduating class of 1986. Yet he is now famous in the history of science. This is precisely the type of example you should learn nothing from if bent on minimizing your results from your own endowment.

Darwin's result was due in large measure to his working method, which violated all my rules for misery and particularly emphasized a backward twist in that he always gave priority attention to evidence tending to disconfirm whatever cherished and hard-won theory he already had. In contrast, most people early achieve and later intensify a tendency to process new and disconfirming information so that any original conclusion remains intact. They become people of whom Philip Wylie observed: "You couldn't squeeze a dime between what they already know and what they will never learn."


自説に固執しがちなのは人間の心が持つ本質的な傾向であると、チャーリーは以前から述べてきました。心理学の分野で数々の研究結果が裏付けてくれるようになりましたが、我々が自分自身のそのような面を乗り越えるのは、依然として難しいものです。このような話題は本ブログの主題として、今後も取り上げていきます。

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