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2013年8月2日金曜日

他人をしのぐというものではない(ウォーレン・バフェット)

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ウォーレン・バフェットが1994年にネブラスカ大学でおこなった講演その4です。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

驚異的なほどのIQの持ち主を必要とするビジネスは、それほどありません。かといって、フォレスト・ガンプ[うすのろの意]を探しているわけでもありませんでした。しかし、その12名のIQは十分なほどでした。また他人をひっぱる力も十分でした。毎日12時間働いてもまだやれる、そんな人たちでしたので情熱という意味でも問題はありませんでした。そのどちらも及第点だったので、まさしく重要だったのは、もっともすばらしい人格をもった人物がだれかということでした。着任した後にわたしの頭に銃を突きつけられるのはごめんでした。というのは、だれに決まろうが首にする気はなかったですし、1週間や2週間、あるいは1か月たってきつい状況になってもわたしを見捨ててほしくなかったのです。もう一度同じようなことがおきれば、それが会社の幕引きになると考えていました。ですから忠実な人をえらぶという意味で、見誤るわけにはいかなかったのです。またものすごいプレッシャーがかかりますから、感情的な面で耐えられるか確かめる必要もありました。

わたしが選んだその人物は、報酬をいくらもらえるのか聞いてきませんでした。1週間たっても、1か月たってもそうでした。基本的に彼は戦地昇進を受けた者で[代わりになる者がいないの意]、彼自身もそのように振る舞っていました。ですからわたしのところにきて、こう言ってもよかったのです。「ゴールドマン・サックスへ移ろうかとも考えているのですが、今度の仕事はかなりきつそうなので、今年の報酬の1.5倍を頂けますか」。彼はそんなことは一言も口にしませんでした。実際のところ初年度はまさにお手本となる身の処遇で、彼は自分の報酬を減額したのです。直前に東京オフィスを率いていたときの報酬よりも、会社全体を率いることになった初年度のほうが少ない金額で働いてくれました。また、会社が失敗したら起こされるであろう訴訟によって被る被害を補償することも、彼は要求しませんでした。ことが悪化して利害関係者の行く末がどうなるか言えない事態になれば、世界中から訴えられることになるでしょう。ただソロモンが破綻ともなれば、補償金は焼け石に水かもしれませんでした。

ですから、その人物がこう要求するのはまったくもって筋が通っていたのです。「この仕事をお受けしますが、これからどうなるのかはわかりません。もしことがおきれば、ソロモンによってよくないことでしょう。ではなぜバークシャー・ハサウェイやあなたご自身が、私を訴訟から保護してくれないのでしょうか。もしうまくいかなければ、わたしもこれでおしまいになるわけですから」。彼はそんな言葉をなにひとつこぼしませんでした。頭がにぶくて、そう質問できなかったわけではありません。彼はただ、当時の状況でそのようなことはすべきでないと感じていたのです。そしてとうとうわたしは、傑出した人間だと感じたその人を選びました。彼はわたしを落胆させませんでした。翌日から仕事に就いてくれたのです。われわれ一同は午後3時の取締役会に出席しました。12名が揃う中、彼のとなりまで歩み、わたしは声をかけました。「きみにお願いしますよ」。そしてわたしたちはエレベーターで下に降りて、数百人の報道陣と対面しました。日曜日の午後だったので、彼らの多くは非友好的な雰囲気をそれぞれのやりかたで醸し出していました。彼とわたしは演壇へ上がり、3時間にわたる質疑応答をこなしました。そしてわたしは正しい選択をしたとわかったのです。

さて、この人選で興味ぶかいことは、わたしをひきつけた彼の特質が別の人にも体現できるということです。7フィートもジャンプできたり、フットボールを60ヤード先へ放り投げられる必要はありませんでした。去年対戦した時のコントラクトブリッジのハンドを逐一覚えているといったことも不要でしたし、特別な知性のようなものもいりませんでした。彼がよかったのは、忠実さと誠実さの点ですばらしいものを持っていたことです。彼は悪いニュースを話してくれるものとわかりました。これは、わたしが一緒に働く人にいつもお願いしている点です。よいニュースを伝えてくれる必要はなく、悪いほうのニュースを聞きたいだけなのです。彼は何かを決める際に自分のエゴを通さないこともわかりました。また妬んだり、欲を出したり、他人を不愉快にさせるようなことは何もしないだろうとも。そして動かしがたいのは、わたしの選んだ仲間デリック・モーンが示した特質は、他の人でも同じように持つことができるという点です。これは他人をしのぐというものではありません。それよりはむしろ、自分が何をすべきか、どんな種類の人間になりたいかを決めるだけの問題だと思います。

Most businesses do not require somebody with a staggering IQ. I wasn't looking for Forrest Gump, either. But, the dozen or so had all the IQ necessary; they had all the drive necessary. These are people who were used to working twelve hour days and had lots of push. So, it was not a question of energy. It was a question of who, in my view, with both of those qualities already a given, really was the highest quality individual. It was the person who would not stick a gun to my head after he took the job, because I couldn't afford to fire whoever came in and I couldn't afford to have him quit on me when the going got tough a week or two weeks or month later, because with one more event like that, it would have been curtains. So, I really had to be sure of the steadfastness of the individual. I had to be sure he was up to it temperamentally, because the pressures would be enormous.

The person I decided on never asked me then; he never asked me a week later; he never asked me a month later, what the pay was. Basically, he was a battlefield promotion and he behaved like he was a battlefield promotion. He could have come to me and said, "Look, I could go over to Goldman Sachs and make 'X' this year and this is going to be much tougher so I want 150% of 'X' from you". He never said a word about that. As a matter a fact, in the first year, just to set an example, he reduced his pay, running the whole place for less than he had made running the Tokyo office the year before. He never asked me to indemnify him against the lawsuits that would be forthcoming if the place failed. If things had gone bad, and you couldn't tell whether they would or not, we were going to get sued by everybody in the world. And, if Salomon had gone under, its indemnification would have been no good.

So, it would have been perfectly reasonable for this person to say, “Well look, I'll take this job but who knows what's going to happen and if it happens, Salomon isn't going to be good for it. So why doesn't Berkshire Hathaway or why don't you personally indemnify me against the lawsuits I'll be facing the rest of my life if this goes sour?" He never said a word about it. It wasn't because he was dumb and didn't know enough to ask that. He just felt it was not the right thing to do under those circumstances. So, in the end, I picked out individual there who I felt was an outstanding human being. He never let me down. He took on that job the next day. We came out of a directors' meeting at three in the afternoon. And, there were these twelve people out there and I just walked up to him and said to him, "You're it, pal". And, we went right from there down the elevator to meet a couple hundred reporters who had come in on a Sunday afternoon and who were plenty hostile in some ways. He set up there on the stage with me and answered questions for three hours. And, I knew then I had made the right choice.

Now, the interesting thing about that choice is that the qualities that attracted me to him were not impossible for anyone to achieve. He didn't have to be able to jump seven feet. He didn't have to be able to throw a football sixty yard. He didn't have to be able to remember every bridge hand he played the previous year or something of the sort. There was no feat of intellect or something like that. What he did was bring qualities like steadfastness and honesty. I knew he would tell me the bad news. I always worry about that with people who work for me. They don't need to tell me the good news. I just want to hear the bad news. I knew he would not get his ego involved in decisions. I knew he would not be envious or greedy or all of those things that make people unattractive. And, the truth is, that anybody can have those same qualities that Deryck Maughan, the fellow I picked, exhibited. They are not feats that are beyond anyone. They are simply a matter of deciding what you are going to do and what kind of person you are going to make out of yourself, and than doing it.

会見当時のお二人の写真です。

(オリジナル写真の出所: Corbis)

2013年7月31日水曜日

生の短さについて(セネカ)

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古代ローマの哲学者セネカ(小セネカ)の文章で印象に残ったものがあったので、ご紹介します。「生の短さについて」の冒頭部分です。

パウリーヌス、死すべき身ながら、大方の人間は自然の悪意をかこち、われわれ人間は束の間の生に生まれつく、われわれに与えられたその束の間の時さえ、あまりにも早く、あまりにも忽然と過ぎ去り、少数の例外を除けば、他の人間は、これから生きようという、まさにその生への準備の段階で生に見捨てられてしまうと言って嘆く。彼らが考えるところの、この万人共通の災いに恨みを漏らすのは、何も一般の大衆や無知な俗衆に限ったことではない。名のある人々もまた、この思いに捉えられ、怨嗟の声をあげるのである。医家の中でも最も偉大な人の例の言葉も、この思いに由来する。曰く、「生は短く、術は長い」。自然を諫めて、哲学者にはそぐわない争いを起こしたアリストテレースの告発も、この思いからのものである。曰く、「自然は動物にはこれほど長い寿命を恵み与え、人間の5倍も10倍も長く生きられるようにしておきながら、それに比べて、多くの偉業をなすべく生まれついた人間に定められた寿命はあまりにも短い」。われわれにはわずかな時間しかないのではなく、多くの時間を浪費するのである。人間の生は、全体を立派に活用すれば、十分に長く、偉大なことを完遂できるよう潤沢に与えられている。しかし、生が浪費と不注意によっていたずらに流れ、いかなる善きことにも費やされないとき、畢竟、われわれは必然性に強いられ、過ぎ行くと悟らなかった生がすでに過ぎ去ってしまったことに否応なく気づかされる。我々の享ける生が短いのではなく、われわれ自身が生を短くするのであり、われわれは生に欠乏しているのではなく、生を蕩尽する、それが真相なのだ。莫大な王家の財といえども、悪しき主人の手に渡れば、たちまち雲散霧消してしまい、どれほど約しい(つましい)財といえども、善き管財人の手に託されれば、使い方次第で増えるように、われわれの生も、それを整然と斉える(ととのえる)者には大きく広がるものなのである。(p.451)


この文章は単行本『セネカ哲学全集1』からの引用ですが、同じ翻訳者名で文庫版も出ています。『生の短さについて(岩波文庫)』です。おそらくですが、文章も同じものかと思われます。

2013年7月29日月曜日

ホットナイフでバターを切る(チャーリー・マンガー)

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チャーリー・マンガーによる講演『経済学の強みとあやまち』の10回目です。前回提示された問いに対する答えになります。(日本語は拙訳)

それでは私から説明しましょう。この店は安売り店ですか、それとも高級店ですか(笑)。なじみのない街で高級店がいきなり楽勝ということはないでしょう。それには時間がかかるからです。2番目の質問ですが、5億ドルもの家具を売買することになれば店の規模は巨大になりますし、それに合わせて家具の数も膨大になるでしょう。では、その巨大店がやったことはなんでしょうか。そうです、より取り見取りとなるように品種をとりそろえたのです。激安な上に選び放題の店、それ以外にどんな可能性が考えられるでしょうか。

そういう店が登場する前に他がやっていなかったのはなぜだろう、と思うかもしれません。その答えはみなさんの頭にひらめこうとしているやつです。そう、このような巨大な店を開くには高くつきます。だから誰もそうしなかったのですね。このようにあっさりと答えがだせます。ミクロ経済的な問題がむずかしくみえても、基本的な概念をいくつか知っていれば、ホットナイフでバターを切るかのようにスパッと解けるのです。非常に見返りの大きいこういった単純なものの考え方が、私は好きですね。みなさんもミクロ経済学に熟達されることをおすすめします。

Well, let me do it for you. Is this a low-priced store or a high-priced store? (Laughter). It's not going to have a runaway success in a strange city as a high-priced store. That would take time. Number two, if it's moving $500 million worth of furniture through it, it's one hell of a big store, furniture being as bulky as it is. And what does a big store do? It provides a big selection. So what could this possibly be except a low-priced store with a big selection?

But, you may wonder, why wasn't it done before, preventing its being done first now? Again, the answer just pops into your head: it costs a fortune to open a store this big. So, nobody's done it before. So, you quickly know the answer. With a few basic concepts, these microeconomic problems that seem hard can be solved much as you put a hot knife through butter. I like such easy ways of thought that are very remunerative. And I suggest that you people should also learn to do microeconomics better.

2013年7月27日土曜日

満員御礼、待たされた女性にはごめんなさい(チャーリー・マンガー)

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チャーリー・マンガーによる講演『経済学の強みとあやまち』の9回目です。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

4) 過度なまでのマクロ経済学の重視

4番目の批判としては、マクロ経済学ばかり重要視されており、ミクロ経済学への関心が不十分な点を挙げたいと思います。これは解剖学や化学を理解せずに薬学を修めようとするようなもので、まちがった取り組みだと思いますね。ミクロ経済学の原理にはなかなか楽しいものが多いですよ。しかも、マクロ経済学を正確に理解するのに役に立ちます。神業のように決まります。反対にマクロ経済学をやっている人がそこまで楽しんでいるかというと、そうではないと思います。理解したいとするシステムが極端に複雑なので、けっこうまちがっているのもその理由のひとつです。

それではミクロ経済的な問題を2つほど解くことで、ミクロ経済学の力をご披露しましょう。ひとつめはやさしいですが、もうひとつは少しむずかしいです。では最初の問題です。バークシャー・ハサウェイがカンザスシティに家具・電化製品販売店を開きました。その種の店でそれまで世界最大だったのは、これもバークシャーの別の店で、年商が3億5,000万ドルでした。我々にとってなじみのなかった街で新規開店したのですが、年商5億ドル以上の勢いで売上げを計上しました。3,200台収容の駐車場が、開店初日からいっぱいになりました。女性はトイレの外で待たされることになりました。これは設計者が生物学を理解していなかったからですね(笑)。この店は大成功でした。

さて、ここで質問です。この新しい家具・電化製品販売店がとどまるところを知らない成功をおさめた理由、つまり世界中で一番繁盛していることをどのように説明しますか。(一時中断)

4) Too Much Emphasis on Macroeconomics

My fourth criticism is that there's too much macroemonomics and not enough on microeconomics. I think this is wrong. It's like trying to master medicine without knowing anatomy and chemistry. Also, the discipline of microeconomics is a lot of fun. It helps you correctly understand macroeconomics. And it's a perfect circus to do. In contrast, I don't think macroeconomics people have all that much fun. For one thing they are often wrong because of extreme complexity in the system they wish to understand.

Let me demonstrate the power of microeconomics by solving two microeconomic problems. One simple and one a little harder. The first problem is this: Berkshire Hathaway just opened a furniture and appliance store in Kansas City. At the time Berkshire opened it, the largest selling furniture and appliance store in the world was another Berkshire Hathaway store, selling $350 million worth of goods per year. The new store in a strange city opened up selling at the rate of more than $500 million a year. From the day it opened, the 3,200 spaces in the parking lot were full. The women had to wait outside the ladies restroom because the architects didn't understand biology. (Laughter). It's hugely successful.

Well, I've given you the problem. Now, tell me what explains the runaway success of this new furniture and appliance store, which is outselling everything else in the world? (Pause).


つづきの文章は次回にご紹介します。

2013年7月25日木曜日

大学総長も二度びっくり(リチャード・ファインマン)

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以前の投稿「砂金掘りはお断り(チャーリー・マンガー)」で、次のような言葉がありました。「精神的な技を巧みに使って問題をつつき回せば、砂金掘りとは無縁で人生やっていける」。この主題は今後もずっととりあげていくつもりですが、今回は物理学者リチャード・ファインマンの逸話を紹介します。引用元の本は『ファインマンさんの愉快な人生(2)』です。チャーリーが指摘したものからは外れていますが、ものごとの捉え方という意味では通じるところがあると思います。

1958年、スプートニク以来あわただしく4か月がすぎたころ、アメリカは一連のエクスプローラー衛星の第1号を、フロリダ州ケープカナベラルから軌道上に打ちあげ、ついに宇宙開発競争に参加した。1月31日、4段式ジュピターC型ロケットによって空高く打ちあげられたエクスプローラー1号は、一泊旅行のカバンぐらいの重さである。このジュピター・ロケットは、打ち上げのたびに爆発する海軍のバンガード・ロケットより信頼度が高い。とにかくこうして軌道に乗せられた衛星は、スプートニクのと同じような電波信号を送ってきはじめた。

それから5週間後、今度は宇宙線検出器を載せたため、全重量が32ポンドになったエクスプローラー2号は、天空に打ち上げられて雲の中に姿を消した。ナチのペーネミュンデ・ロケット計画の生き残りで、いたって立ち直りの早いヴェルンハー・フォン・ブラウン[原文ママ]の指導のもと、陸軍の一チームがその行方を追い、次第に遠ざかっていくロケットの唸りと、インターホンを通して聞こえてくる電波信号音に耳を傾けた。すべてが順調と思われ、打ち上げから半時間のちには、彼らは自信たっぷりの説明会を開いている。

一方大陸の反対側では、陸軍ロケット研究の主な協力機関であるパサディナのJPL(ジェット推進研究所)で、エンジニアたちの一団が衛星追跡に苦労していた。使っているのは一部屋ほどの大きさのIBM704ディジタル・コンピュータだが、これがまたなかなか気むずかしい機械である。彼らは陸軍のロケットが投げ上げた金属のカンカラのような衛星追跡のため、飛行進行線内の速度が変わるにしたがって、ドップラー効果的に変わっていく電波信号の周波数、ケープカナベラルの観測者の目から消え去った時刻や、他の追跡ステーションの観測値など、原始的なぐらい数少ないデータを打ちこんだ。JPLチームはコンピュータ入力のときのほんの小さなちがいでも、出力に大きな変化をきたすことに気がついていた。若い研究室長アルバート・ヒッブスは、キャルテク[カリフォルニア工科大学]時代彼の卒業論文の顧問だったファインマンに、そのことをボヤいた。

するとファインマンは、同じデータを同じ速度で受けとれたら、コンピュータなんぞ負かしてやるぞ、と請けあったのである。そこで午後1時28分、エクスプローラー2号が発射台を離れるや、彼はJPLの会議室に腰を据え、コンピュータ入力のため手早くデータを選り分けているエンジニアたちに取り囲まれて、計算をはじめた。そのときそこに入ってきたキャルテク総長リー・デュブリッジは、ファインマンを見つけてびっくり仰天、ファインマンに「いま忙しいんだ。あっちに行っててくれ!」と怒鳴られて、二度びっくりしている。30分たつとファインマンは立ち上がって、計算がすんだと言った。彼の計算でいくと、ロケットは大西洋に墜落したことになる。彼はコンピュータから何とかはっきり答えを出させようと懸命のエンジニアたちを尻目に、さっさと週末旅行でラスベガスへ出かけてしまった。その間アンティグアとカリフォルニアのインヨカーンにある追跡ステーションは、たしかに背後の雑音を通して、軌道をまわる衛星の音が聞こえたと無理やり思いこみ、またフロリダの「目測」チームは、その夜一晩中まんじりともせず空を眺めていたという。ところがファインマンは正しかったのだ。陸軍は翌日午後5時になって、やっとのことでエクスプローラー2号は、軌道に達し得なかったと発表したのである。(p.366)


ファインマンのやりかたといえば、こちらの過去記事も見事なものでした。
自分のやりかたで解く(リチャード・ファインマン)