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2012年3月27日火曜日

ガーガー鳴くアヒル(ウォーレン・バフェット)

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まずは、下に挙げたS&P500の1990年代から現在までのチャートをごらんください。1997年以降にご注目です。









2008-2009年の暴落では、1997年初の株価水準まで戻しました。1997年といえばアメリカではITバブル真っ最中だったころですね。朝にTVをつけてNHKのニュースをみると、毎日のように新規上場企業のCEOがNYSEの鐘をついていたのを思い出します。さて、今回はそんな時代のウォーレン・バフェットによる1997年度「株主のみなさんへ」から引用です。

1997年がそうだったように、株価が上がっているときは誰でも大きなリターンを達成できるものです。上昇相場で避けなければならないのは、にわか雨がざっと降った後で「漕いで進むのがずいぶんうまくなったものだ」と考えながら、自慢げに鳴きたてて毛づくろいをするアヒルのようになってしまうことです。そうではなくて、どしゃ降りの後に他の仲間と比べて、池のどのあたりに留まっていられたかを考えるアヒルのほうが正しいでしょう。

Any investor can chalk up large returns when stocks soar, as they did in 1997. In a bull market, one must avoid the error of the preening duck that quacks boastfully after a torrential rainstorm, thinking that its paddling skills have caused it to rise in the world. A right-thinking duck would instead compare its position after the downpour to that of the other ducks on the pond.

おまけのチャートです。1997年以来のS&P500とバークシャー・ハサウェイ(BRK.A)の株価を比較したものです。









二度のどしゃ降りの中、S&P500は行きつ戻りつですが、バークシャーはずっと先まで前進していますね。

2012年3月26日月曜日

100年の大計が進められない?(信越化学工業金川会長)

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この週末は図書館で日経新聞の縮刷版を読んできました。新聞をとっていないので(過去記事)、情報を集めたり関連付けたりといった点で、新聞を読んでいる方には水をあけられていると感じています。また、年末年始にひととおり目を通した四季報からもあまりアイデアが得られず(過去記事)、最近は八方ふさがり気味です。そんなわけで初心にかえってみたところですが、半月分の紙面にざっと目を通したところで、都合のいい記事が待っているわけはないですね。

さて、今回ご紹介するのは1/5の日経新聞9面から、信越化学工業の金川会長の言葉です。「経営者」に対する辛口の批評ですが、投資家の視点で語ってくれています。

「市場が短期的な収益を求めるので『100年の大計』が進められないという経営者もいるが、ごまかしだと思う。長期的な成果は毎日毎日の積み重ねだ。今がちゃんとできない経営者は先もだめだし、私が投資家でも信用しない」

「研究開発投資などはしなければ先がないのでする。株主に説明して『今は負担だが、将来のためだ』と分かってもらえればいい。それにはまず利益という実績を示す必要がある。不信の言い訳に長期的な戦略を使ってはならない」

2012年3月23日金曜日

投資における最も価値ある道具(セス・クラーマン)

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株価が上がってしまって割安な銘柄があまり見つからなくなったら、ヘッジファンド・マネージャーのセス・クラーマンの言葉はどうでしょうか。見た目もしゃべりも温厚な雰囲気の彼ですが、投資のほうは凄腕です。今回の引用は、パートナーに向けた2004年度のレター(の転載)からです。

全額を投資せずに現金を大量に待機させておくのはギャンブルだ、という人がいます。市場に参加する時期をみはからっているのだろう、と。ですが、投資するかしないかを決めること自体、投資上の重要な要因だったはずではないでしょうか。「投資とは、あたりだろうがはずれだろうが、とにかく何か買うことだ」なんて、一体どこで決まったのでしょう。「今は投資しない」と言えない人は、投資における最も価値ある道具を投げ出しているわけです。ウォーレン・バフェットの古くからのパートナーであるチャーリー・マンガーは、こう助言してくれています。「将来得られるキャッシュフローを現在価値に割り引いて、それが買値以上のものをさがすのです。そして初歩的ですが、自分が有利なときだけ動くこと。勝率を見定め、勝ち目があるときだけ勝負に出るように自分を律する、これが大切です」。

Some argue that holding significant cash is gambling, that being less than fully invested is akin to market timing. But isn’t a yes or no decision the crucial one in investing? Where does it say that investing means always buying something, even the best of a bad lot? An investor who can’t or won’t say no forgoes perhaps the most valuable tool available to investors. Charlie Munger, Warren Buffett’s long-time partner, has counseled investors, “Look for more value in terms of discounted future cash flow than you’re paying for. Move only when you have an advantage. It’s very basic. You have to understand the odds and have the discipline to bet only when the odds are in your favor.

2012年3月22日木曜日

ひきつづき慎重です(ボブ・ロドリゲス)

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慎重派ファンド・マネージャーのボブ・ロドリゲスによる講演「注意!この先危険」をご紹介したのは、1ヶ月ほど前です。それなりに注目を集めたのか、最近になって同氏に対するインタビューがありましたので引用します。引用元の記事はBob Rodriguez on the Dangers in Today's Marketsです。(日本語は拙訳)

(質問者)
投資家に対する先日の講演では、株式や債券への投資では注意を忘れず、また辛抱するよう促していましたね。ある程度の安全余裕をみたうえで、どの資産クラスが現時点では好ましい価格だとお考えですか。

(ボブ・ロドリゲス)
一般的な投資ファンドということでしたら、株式にはわずかに魅力が残っています。講演でもとりあげたのですが、この半世紀でもっとも長くPERが減少し続けており、株式市場は魅力的だとみる人が多くなっています。この50-70年間の平均PERは15-16倍でしたが、現在は12-13倍です。だから安いと考えるのですね。ですが、過去のPERと今のものを比べるのは適切でないと思います。債務面において、経済状況が根本的に大きく変化したからです。

過去を振り返ると、1929年の大恐慌の始まりには、我が国のGDP債務比率は16%でした。その前の11年間は黒字です。第二次世界大戦初期の1942年には、その前の12年間は不況に苦しみましたが、41%でした。その上、当時は簿外債務は全然ありませんでした。

現在の状況は、当時のものとはかけ離れています。ですから、単純にPERを比べるのは適切だとは思えません。企業の成長見通しが低く、利益率は天井をつけており、ビジネス上の変化も激しい。そんな時代ですから、PERは低い水準で扱うのが適切だと思います。

(Q)
You have advised investors to be patient and cautious with respect to equities and fixed income. Are there any asset classes that you believe are attractively priced now, sufficient to provide the margin of safety that you mentioned at the beginning of “Caution: Danger Ahead?”

(A)
For what I would call a generalized investment fund, I view the equity markets as marginally attractive. As I tried to explain in the speech, we have just gone through the longest decline in P/E ratios in over half a century. Many are saying the stock market is attractive, because over the last 50 to 70 years the average P/E was 15 to 16 versus 12 to 13 now; therefore we have a discount. I would argue that to compare historical P/E ratios over this period is inappropriate, given the fundamental structures of our system are so dramatically different in terms of leverage.

I try to remind people that at the beginning of the depression in 1929, US debt-to-GDP was 16% after 11 straight years of surplus. And at the beginning of 1942, World War II, after fighting depression for 12 years, we were at 41% debt-to-GDP, and we didn't have any off-balance-sheet entitlement liabilities.

What we are looking at today is so far removed from any of these periods that I don't think it is an appropriate comparison. If you have a company with slow growth expectations, peak margins and business volatility, what type of P/E is given it? Typically, it is a lower P/E.

2012年3月21日水曜日

グランド・キャニオンをわたる(ウォーレン・バフェット)

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今回は、ベン・グレアムの言葉「Margin of Safety(安全余裕)」について。ウォーレン・バフェットは、この言葉をたびたび強調してきましたが、ここで彼による例え話をどうぞ。おなじみ『Seeking Wisdom』からの孫引きで、1997年開催のバークシャー・ハサウェイの株主総会での発言です。(日本語は拙訳)

ビジネスをきちんと理解しているのでしたら、つまり未来を完璧に見通せるということですが、[株式を買う際に]安全余裕はほとんどとらなくてもよいでしょう。反対に、ビジネスに関するさまざまな出来事がおきたり、不確実なことが多かったり、ビジネスが脆弱になっていたり、変化する可能性が高くなるほど、安全余裕を多くとらなければなりません。

車両総重量が4.4トンのトラックにのって活荷重が4.5トンの橋をわたる場合、橋の高さが地面から15cmぐらいだったら、まあ安心してわたれるでしょう。しかし、グランド・キャニオンにかかる橋だったら、もっと余裕がほしくなりますよね。たとえば2トンぐらいのトラックにしておくのではないでしょうか。ですから、どれだけ安全余裕が必要かは、そこに潜んでいるリスクに応じて決まってくるのです。

If you understand a business ? if you can see its future perfectly ? then, obviously, you need very little in the way of margin of safety. Conversely, the more things can happen, the more uncertainty there is, the more vulnerable the business is or the greater the possibility of change, the larger margin of safety you require...

If you're driving a 9,800 pound truck across a bridge that says it holds 10,000 pounds and the bridge is only about six inches above the ground, then you may feel OK. However, if the bridge is over the Grand Canyon, then you may want a little larger margin of safety. And, therefore, you may only drive a 4,000 pound truck across. So it depends on the nature of the underlying risk.