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2014年10月14日火曜日

あなたの考え方はおかしいと思います(サンリオ鳩山常務)

本ブログで何度か取り上げているサンリオ鳩山常務の記事が、PHP Business THE 21の最新号(2014年11月号)に掲載されていました。当社に身を転じるきっかけになった辻邦彦副社長(故人)との関わりあいについて、一部分を引用します。

私は前職の三菱商事に在籍中の2004年、サンリオとの事業提携を担当していた時期があり、そこで副社長と知り合いました。初めてこちらが事業の提案をしたとき、副社長からダメ出しをされたのですが、私は当時30歳くらいの若造だったにもかかわらず、生意気にも「あなたの考え方はおかしいと思います」と言い返したんです(笑)。すると翌日、副社長がわざわざ私のオフィスに出向いて、「昨日は悪かったね。これから君と一緒に何かやっていけるといいなと思っているよ」と言ってくださいました。その日の夜に飲みに行って、それ以来、週に2~3回は食事に行く仲になりました。

(中略)

辻副社長は昨年亡くなりましたが、今もどこかで自分を見守ってくれている気がします。今後もいただいたご縁を大切に、この会社をより大きく成長させたいと思っています。 (p.75)

積極的にメディアに取り上げられることは、何らかのメッセージを発信したいためと想像します。そして、どちらに転んでも好ましい目が出るように、鳩山さんは話題や言葉を慎重に選んでいるように感じられました。

2 件のコメント:

ブロンコ さんのコメント...

組織の中にいる人間は自然と考え方が似通ってきたり、自分と同じような考えを持つ人間を選ぼうとする傾向があるようですが、そういった一枚岩的な組織は強い反面、物事を多面的にぬかりなく見るということができなくなるという非常に大きなリスクを抱えることになり、それは意外と見過ごされがちなようです。さらに成功という結果がまばゆい光を放っているときはなおさら見過ごされてしまうようです。
異端である鳩山氏とそれを受け入れた辻副社長はそういったリスクを正しく認識されていたのではないかと思いました。この見過ごされがちなリスク認識も「防御は最大の攻撃」の実践であると考えます。

betseldom さんのコメント...

ブロンコさん、こんにちは。コメントをどうもありがとうございます。

今回のご指摘は核心に迫るもので、短い時間ではうまく返答できそうにありません。「非常に大きなリスク」で「意外と見過ごされがち」とはまさしくその通りで、結果オーライで済ませている組織(や個人)が大半のように思えます。リスクをどのようにとらえて評価し、そしてどう対応するのか。ウォーレン・バフェットやハワード・マークス、セス・クラーマン、そして辻副社長も、そのことに対して真剣に向かい合ってきたはずです。

リスク管理や予防保全(=防御)はその性質上、理解されにくい概念や行動だと思います。しかしそういった直観に反する諸々だからこそ、知恵と呼ぶにふさわしい力を備えていると感じています。