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2018年7月24日火曜日

(問題)プロの投資家たちが選ぶ数を当てよ

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以前に取り上げたことのあるマネー・マネージャー(M氏としておきます)の文章を読んでいたところ、おもしろい試みを取りあげていたので、ご紹介します。

M氏は現在の市場の成り行きを表現する上で、有名なケインズのたとえ話「美人コンテスト」をあげました。

職業家としての投資とは、新聞が主催する次のような競技に例えられるかもしれない。「参加者は、100枚ある顔写真の中から、もっとも美しい6名を選び出さなければならない。その際に、全参加者の選んだ平均にもっとも近い選択をした者が優勝となる」。各参加者は、もっとも美しいと自分自身が考える顔ではなく、他の参加者たちの気を惹く可能性がもっとも高い顔を選択しなければならない。そのため、誰もがこの問題を同じ観点からとらえることになる。もっとも美しいことが事実だったとしても、個人の判断で最上の顔を選ぶやりかたは適切ではない。さらには、平均としてみたときに純粋にもっとも美しいと思われる顔ですらない。それゆえに、この問題は第3次の水準に到達することとなる。「平均的見解とは何か」を予想する平均的見解がどのようなものかを判断するがために、知力を働かせるのだ。私が思うに、4次や5次さらにはもっと高次の思考を巡らす者がいるはずだ。

Professional investment may be likened to those newspaper competitions in which the competitors have to pick out the six prettiest faces from a hundred photographs, the prize being awarded to the competitor whose choice most nearly corresponds to the average preferences of the competitors as a whole; so that each competitor has to pick, not those faces which he himself finds prettiest, but those which he thinks likeliest to catch the fancy of the other competitors, all of whom are looking at the problem from the same point of view. It is not a case of choosing those which, to the best of one’s judgment, are really the prettiest, nor even those which average opinion genuinely thinks the prettiest. We have reached the third degree where we devote our intelligences to anticipating what average opinion expects the average opinion to be. And there are some, I believe, who practise the fourth, fifth and higher degrees.

そのうえでM氏は、美人コンテストのアイデアを実際に試すことをねらって次のような要領のゲームを実施したことを、紹介していました。

・ゲームの参加者は、0から100の整数の中から、ある数をひとつ選ぶこと。
・「全ゲーム参加者が選んだ数の平均値の3分の2」の値に最も近い数を選んだ者が、このゲームの勝者となる。

A game based on this idea can be constructed where participants are told to choose a number between 0 and 100.
The winner will be the person who picks the number closest to two-thirds of the average number picked.

ゲームの参加者はプロの投資家1,000名超とのことで、この情報は事前に知っておいてよいものと解釈しましょう。次回の投稿で正答(=平均値の2/3)を挙げますので、ぜひみなさんも勝者になることをめざして、お考えになってみてください。

なお、わたし自身も挑戦してみました。正答ではなかったものの、2ポイント程度の差に落ち着きました。まずまずのスコアだと自己評価しましたが、細かな詰めが甘いのはいつもながらの反省点です。

2018年7月20日金曜日

ヨーロッパが豊かになった理由(『進歩: 人類の未来が明るい10の理由』)

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中世までは世界の片田舎でしかなかった西欧が世界の中心部へと躍進した理由は、人文科学の領域でたびたび取り上げられる主題です。少し前の投稿でとりあげた本『進歩: 人類の未来が明るい10の理由』でも、単純ながらも強力な説明をしていたので、引用してご紹介します。

この時代、科学と技術の面ではアラブ人がはるかに先を行っており、西洋ではほぼ忘れ去られていたギリシャ哲学を生かし続けたのもアラブ人だった。

同時期に、経済的にも文化的にも繁栄した中国を支配していたのは宋王朝だった。法治と高い経済的な自由のおかげで、イノベーションの気運が生まれた。中国人は活字や火薬や羅針盤を使っていた--これは1620年という時期になっても、三大発明としてフランシス・ベーコンが挙げたものだ。

でも14世紀に中国を支配した明王朝は、技術や外国人に敵対した。海洋航海を死罪にして、世界を発見したかもしれない大型船を焼き払った。同様に、イスラム世界は13世紀の蒙古侵略のあとで内向きとなり、科学と近代化の多くの発想を粛清した。オスマン帝国では新技術は阻害され、印刷術は300年も遅れてしまい、タキ・アッディンが1577年に作ったイスタンブールの近代的な天文台は、たった3年しか続かずに、その後は神をスパイしようとしているといって破壊されてしまった。

別にヨーロッパの列強がマシだったわけではない。ヨーロッパのエリート層もまた新しいアイデアやイノベーションに反対した。でもこの大陸はあまりに断片化していた--地理的にも政治的にも言語的にも--おかげで、何か一つの集団や皇帝がそのすべてを支配はできなかった。著書『ヨーロッパの奇跡』でエリック・ジョーンズは、14世紀にはヨーロッパに1,000以上の政治単位があったと述べている。この複数主義はある意味で、競合する国民国家の体系を構築したときにもまだ残っていたといえる。新しい理論や発明、ビジネスモデルは必ずどこかでは生き延びられたし、その優位性を実証できた。それが他の人々に模倣されて、広まる。進歩は常に命綱を得られたというわけだ。

つまりヨーロッパを豊かにしたのは、優れた思想家や発明家や企業ではなく、ヨーロッパのエリート層がそれを邪魔するのにあまり成功しなかったという事実なのだった。アイデア、技術、資本は国から国へと移動できたので、国はお互いに競争して学び合うしかなく、お互いを近代化へと押しやった。これはいまのグローバリゼーションの時代と少し似ている。(p. 302)

2018年7月18日水曜日

2018年上半期、米国株式市場の総括

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何度か取り上げているバリュー投資家ウォーリー・ワイツ氏が、パートナー向けのレター(第2四半期)を公開していました。そのなかで興味深い数字が示されていたので、孫引きになりますがご紹介します。(日本語は拙訳)

2Q18 Value Matters (Weitz Investments)

テクノロジーや「確かな成長」を謳う各種のストーリーが、第2四半期にも投資家を魅了し続け、市場を高みへと導きました。なぜならそこには超大型の銘柄が含まれており、時価総額加重方式をとる同指数に対して、不釣り合いなほどの影響をもたらしたからです。経済コンサルタント会社として知られるゲイブカル・キャピタル(と同社の記事「統計で楽しもう」)によれば、2018年の前半6カ月間にS&P500があげた上昇分の71%は、アマゾン・マイクロソフト・アップルが寄与したものでした。その3社に加えて、マスターカード、さらには別のテクノロジー4銘柄が、同指数のあげた上昇分の105%に寄与していました。つまりそれら以外の492銘柄を合計すると、6月末時点では前年末比で下落していたのです。

In the second quarter, technology and other “reliable growth” stories continued to appeal to investors. They led the market higher, and because some are very large, they had a disproportionate impact on the capitalization-weighted indices. According to economic consultants, GaveKal Capital (and under the heading of “fun with statistics”), during the first six months of 2018, Amazon, Microsoft and Apple accounted for 71% of the gain in the S&P 500. Those three, along with Mastercard and four other tech stocks, accounted for 105% of the index’s gain. The other 492 stocks were, collectively, down year to date.

2018年7月16日月曜日

2018年バークシャー株主総会(12)米国における医療費の問題について(後)

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バークシャー・ハサウェイ株主総会での質疑応答から、前回のつづきでアマゾン社及びJPモルガン社との提携に関する話題です。お決まりのネタですが、ウォーレン・バフェットのジョークも楽しめます。(日本語は拙訳)

ただしこの提携は、利益を第一に考えて始めたものではありません。「従業員に対して優れた医療サービスをより安価に提供したい」、それがわたしたちの果たしたいことです。彼らが受けるサービスが現在よりも劣ったものになるのであれば、そのような考えに取り組むつもりは毛頭ありません。

しかし、「効果があり得る重大な変化を、実際に起こす方法がみつかるかもしれない」とわたしたちは考えています。そして、とてつもない抵抗が生じるであろうこともわかっています。

もし失敗におわるとしても、少なくとも挑戦したことにはなります。しかしこの件で必要な発想とは、わたしが「医療関係の諸専門誌をいくつか読んでブレイクスルーの瞬間を得たことで、あたかも医療機器システムのように組み込まれている一部分を取り替えることによって、何かしら貢献できる」と考えた程度のものではありません。

3つの組織にはおそらく100万名を超える従業員がいますが、わたしたちが公表したのちに、この件に携わりたいと希望する人からの連絡が止めどなくありました。現在は参画という段階ではないですが、もし効果的な発想に至ることができれば、いずれはそのような体制になるでしょう。つまりこの件で必要な発想とは、そのような水準のものです。

そして資源を投入できるか、要員を投入できるか、さらには何をおいてもCEOが重要です。要員を揃え、彼らを支援した上で、どうにかして良い方法を見つけられるだろうか。わたしたちの子供などの生涯において、18パーセントの数字が20や22パーセントに達することなく、良質な医療を享受し続けることができるものか。それというのも、結局のところ「無い袖は振れない」からです。

いずれは、それがわかるときが来ます。もし[バークシャー副会長の]アジート・ジェインであれば保険数理的に算定するでしょうから、わたしたちの構想には伸(の)らないでしょう。しかしそれでも、何かを成し遂げる可能性はあると思っています。

数値化できる人はいないと思いますが、わたしたちが何か重要なことを成し遂げる可能性はあります。なんといっても、実際に取り組む上で、わたしたちはほぼ最良の立場にあります。まぎれもなく適切なパートナーを得たわけですから、まずは行動に移して、行く末を見守りたいと思います(拍手)。

チャーリーはどうですか。

<チャーリー・マンガー> この種の公共サービスにおいて、成功を収めた先達がおりましたよ。何十年も前にさかのぼれば、ジョン・D・ロックフェラーが私財を費やして米国医療の分野を著しく発展させました。「著しい」という言葉がぴったりですよ。それに匹敵する発展をなしとげた人間は、他にはだれもいませんね。

ですから、ウォーレンがある方法でロックフェラーを模倣しているのは、その次になるわけです。たぶん良い結果になるでしょうがね。

<ウォーレン> ちなみにロックフェラーは非常に長生きしましたから、わたしは実際に3つの点で彼を真似している最中になります(笑)。

どうなるのかは、いずれわかります。しかし現在は多くの進展をみているところです。おそらく2,3か月のうちにはCEOを見つけられるでしょう。もし見つからなくても、締め切り的なものに間に合わせるだけのために、だれかを据えようとは考えていません。すばらしいパートナーがいるわけですから。

ただしわたしたちの提携では、正式な契約は結んでいません。ある会社の法務部門の人がお膳立てを進めていましたが、そこのCEOがとめました。

みなさんの所属する組織でも、多くの資源を抱えている部署があると思います。わたしたちも、わたしたちなりの官僚主義を抱えています。しかし、もし本当にもっともだと思えることがあれば、官僚主義を取り払うことができます。

支持を得られることもあれば、同時に反発も数多くあると思います。しかしわたしたちの考えが理にかなったものであれば、多くの米国企業から支持を集めるでしょう。

しかし言うまでもないですが、容易なことだったとしたら、すでに解決しているはずです。

<チャーリー> 簡単なことではないですよ。

<ウォーレン> そのとおりです。しかし挑戦してみるべきです。

But it is not a - the motivations are not primarily profit-making. They’re - we want to deliver - we want our employees to get better medical service at a lower cost. We’re not going to - we’re certainly not going to come up with something where we think the service that they receive is inferior to what they’re getting now.

But we do think that there may be ways to make a real - significant changes - that could have an effect. And we know that the resistance will be unbelievable.

And if we fail, we’ve at least tried. And - but they - the idea is not that I will be able to contribute anything to, you know, in some breakthrough moment, by reading a few medical journals or something - (laughs) - changing something that is as embedded as the medical system.

But the idea is that maybe the three organizations, which employ over a million people and which, after we announced it, we had a flood of calls from people that wanted to join in, but there isn’t anything to join into now. But they will if we have - come up with any ideas that are useful.

Whether we can - bring the resources, bring the person. And the CEO is terribly important. And then bring the person, support that person. And somehow, figure out a better way for people to continue to receive better medical care in the United States without that 8 percent - 18 percent - going to 20 or 22 percent, you know, in the lifetime of, you know, our children or something of the sort - because there are only a hundred cents in the dollar.

And we will see what happens. It’s - you know - if you were Ajit [Jain], actuarially figuring, it would not - you would not bet on us. But - I think there is some chance we will do something.

There’s a chance - nobody can quantify it - that we can do something significant. And we are positioned better than most people to try. And we’ve certainly got the right partners. So, we will give it a shot and see what happens.

Charlie? (Applause)

CHARLIE MUNGER: There is some precedent for success in this public service activity. If you go back many decades, John B. Rockefeller I, using his own money, made an enormous improvement in American medical care. Perfectly enormous. In fact, there’s never been any similar improvement done by any one man since that rivals it.

So Warren, having imitated Rockefeller in one way, is just trying another. And maybe it’ll work.

WARREN BUFFETT: Rockefeller, incidentally, lived a very long time. So I actually am trying to imitate him three ways there. (Laughter)

We’ll see what happens. But we are - we’re making a lot of progress. And I think we’ll probably have a CEO within a couple of months. But if we don’t have one, then we’re not going to pick somebody just because we want to meet any deadline or anything like that. We’ve got these wonderful partners.

We don’t have a partnership agreement among us. Somebody started drawing up one in a legal department and the CEO just put a stop to it.

They - you do have places that have a lot of resources. And while we all have our share of bureaucracy, we can cut through it if we’ve got something that we really think makes sense.

And we will get the support - we’ll get - we’ll get a lot of resistance, too. But we will get the support of a lot of American business, if we come up with something that makes sense.

But if it was easy, it would’ve already been done. There’s no question about that.

CHARLIE MUNGER: It’s not easy.

WARREN BUFFETT: No. (Laughs) But it should be tried.

2018年7月12日木曜日

2018年バークシャー株主総会(11)米国における医療費の問題について(前)

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バークシャー・ハサウェイ株主総会での質疑応答から、最近話題になっていたアマゾン社やJPモルガン社との提携話についてです。今回の質問者は、本題以外にも別の観点からの思いを込めて質問しています。しかしウォーレン・バフェットは脱線することなく、本題だけに集中して答えており、明快な捌きぶりだと感じました。なお、前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

15. アマゾン社及びJPモルガン社との医療費関連の提携

<ウォーレン・バフェット> 質問所4番のかた、どうぞ。

<質問者> チャーリーさん、ウォーレンさん、おはようございます。私は御二方の熱烈なファンで、チャーリーが書かれた認知上のバイアス25項目については特に気に入っています[過去記事一覧]。そのため、本題から若干はずれるとは思います。

私はワシントン州のシアトルから参りました。デジタル・マーケティングの会社を一人で運営しています。フェイスブック上の広告や電子メールを使ったマーケティングを専門としており、それらを多用しています。チャーリーが説明されたコカ・コーラに関する詳細は、実に信頼できるものと感じています[過去記事一覧]。

顧客の製品が持つ構造を理解したり宣伝したりする方法を見つける際に、[前述した認知上のバイアスを]参考情報として利用しています。ですからチャーリーの示された認知上のバイアスが、インターネット関連の企業においてうまく働くことは、明言できます。

さて、アマゾンやJPモルガンと医療関連で提携するとのことで是非ともお聞きしたいのですが、インターネット関連の企業に対して例のバイアスを適用する方法を、御二方は理解されはじめたのでしょうか。あるいは事業を理解しているとすれば、他の道具を使うことにしたのでしょうか。それというのも、「理解していない事業には投資しない」と度々発言してこられたものですから。

<ウォーレン> そうですね、わたしたちは医療関連の企業を設立するつもりはありませんし、必ずしも保険業のような会社をつくるわけでもありません。ただ単に、わたしが敬愛し信頼するリーダーの率いる3つの組織が存在するだけのことです。それら3つが互いにやりとりをしている、といったものです。

チャーリーは正しくも次のような発言をしていたと思います。「1960年にはGDP比で5パーセントだったのが、現在は18パーセント近くに達しているシステムを、なんらかの方法で変更することは、ほぼ不可能である」と。そのようなシステムに対して、わたしたちは何とかしたいと望んでいます。

米国のビジネスは他の国とくらべると、医療費の面が大きな足かせとなっています。かつて米国が5パーセントでやっていた時代に、米国のように5パーセント程度でやっていた国々がありました。しかし今では、かの国々が11パーセント越えないあたりでやっているところを、米国はなんとか18パーセントに抑えている状況です。

まさしく1960年には、米国における一人当たり医療費は170ドルでした。しかし今では1万ドル以上を費やしています。

「無い袖は振れぬ」わけですから、費用の問題が生じます。米国実業界とその競争力の面で、この問題は寄生虫であると言えます。

米国よりも少ない費用でうまくやっている諸国とくらべると、一人当たりの医者数が米国のほうが少なかったり、一人当たりの病床数や看護師数も少ない例があります。

医療システム全体が扱う金額は3兆3千億ドルに達しています。これは連邦政府の歳入とほぼ同じ金額です。3兆3千億ドルもの金額が、システムにかかわる云百万・云千万もの人たちに分配されるわけです。そのお金の1ドル1ドルが有権者へとつながっています。まさしく政治と言えるものです。

わたしたちのCEO探しは、現在取り組んでいるところですが、きっと果たせるでしょうから、遠からず発表できると思います。しかし、このことがカギとなります。

だれもが認めているように、医療システムの費用面は、ある種制御不能となっています。しかし往々にしてだれもが、他人の過失によるものだと考えています。果たしてCEOとなるその人物が想像力を抱き、さらに人々を支援することを通じて、種々の重大な改善をシステムにもたらせるでしょうか。やがては解が見つかるでしょうが、容易なことではないと思います。

(つづく)

15. Health care costs partnership with Amazon and JPMorgan

WARREN BUFFETT: OK. (Laughter) Station 4.

AUDIENCE MEMBER: Good morning, Charlie and Warren. I know that seems a little bit out of order, but I’m a huge fan of yours, Charlie, mostly for your 25 Cognitive Biases.

I’m from Seattle, Washington. I run a one-person digital marketing firm that specializes in Facebook ads and email marketing. I use these a lot. I - your breakdown of Coca-Cola was really, really solid.

And I use that as reference when looking to how to understand the mechanics of my clients’ products and how to promote them. So I’m fairly certain that your cognitive biases work for internet-related companies.

Now that you’re partnering with Amazon [and JPMorgan] on health care, I’m curious, have you started to understand how to apply these biases to internet-related companies? Or is there another set of tools you use to decide if you understand a business? Because you guys talk a lot about not investing in businesses that you don’t understand.

WARREN BUFFETT: Well, health care is a - we don’t plan to start health care companies or, necessarily, insurers or anything. We simply have three organizations with leaders that I admire and trust. And we - mutually goes around all three.

And we hope to do something which Charlie correctly would probably say is almost impossible to change in some way a system which is - was taking 5 percent of GDP in 1960, and now is taking close to 18 percent.

And we have a hugely noncompetitive medical cost in American business, relating to any country in the world. The countries that - there were some countries that were around our 5 percent when we were at 5 percent. But we’ve managed to get to 18 without them going beyond 11 or so.

Literally, in 1960, we were spending $170 per capita on medical costs in the United States. And now we’re spending over 10,000.

And, you know, every dollar only has a hundred cents. So there is a cost problem. It is a tapeworm, in terms of American business and its competitiveness.

We don’t - we have fewer doctors per capita. We have fewer hospital beds per capita, fewer nurses per capita, than some of the other countries that are well below us.

And you’ve got a system that is delivering $3.3 trillion - that’s almost as much as the federal government raises - it’s delivering 3.3 trillion, or some number like that, to millions and millions and millions of people who are involved in the system. And every dollar has a constituency. It’s just like politics.

And whether we can find the chief executive, which we’re working on now, and which I would expect we would - we would be able to announce before too long - that - but that’s a key part of it.

And whether that person will have the imagination and support of people that will enable us to make any kinds of significant improvements in a system which everybody agrees is sort of out of control on cost, but what - but - but they all think it’s the other guy’s fault, generally - we’ll find out. It won’t be - it won’t be easy.

なお新会社のCEOは少し前に決定しています(6月20日付の公式発表[PDF])。選任されたのはアトゥール・ガワンデ氏、本ブログではチェックリストに関する過去記事で取り上げた人物です。チャーリー・マンガーごひいきの人物を選んだわけですね。