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2014年3月4日火曜日

私が投資家の道を選んだ理由(チャーリー・マンガー)

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チャーリー・マンガーの(再考)世知入門の16回目です。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

なおチャーリーの略歴は、過去記事「チャーリー・マンガーとは何者か(2)略歴(Wikipedia私家版)」で取りあげています。

<質問者> 法曹界を離れた理由を教えてください。

<マンガー> うちは大家族で、[妻の]ナンシーと私で8人の子供を養っていましたから..。法律業界が突如繁盛するようになるとは考えてもみませんでした。私がやめてまもなく、業界に大金が流れ込むようになったのです。1962年にはほとんど身を引いて、完全にやめたのが1965年でした。ずいぶん昔の話です。

他には、自分で決断して自分の資金を賭けるのが好みだったこともあります。どんなことであろうと顧客よりも自分のほうがわかっている、と感じたことがよくありました。そうであれば彼らのやり方に従う理由はないですね。さらに意固地な性格だったのもあります。また独立してやれるだけの元手を得たいという望みもありました。

大多数の顧客は本当にすばらしい人たちでした。ただ、わたしにとって楽しめない人がひとりふたりいました。加えて、投資家という独立独歩な立場に惹かれていました。また、ある種の勝負したいという気概は常にいだいていました。物事の道理を明かして、それに賭けることが好きなのです。ですから、心の赴くほうへと歩んだだけなのです。

<質問者> ラスベガスのようなギャンブルはやりますか。

<マンガー> 胴元がオッズを決める勝負に100ドル賭けるなど、決してやりません。そんなことをする必要がどこにありますか。お遊びとして仲間と賭けることはありますよ。世界一のカード・プレイヤーとも言えるボブ・ハマンのようなすごくうまいブリッジの選手と勝負することもあります。しかし彼と勝負して負け分を払うのは楽しみとわかってのことです。あくまでもお遊びです。

「合法的ギャンブル」という人を操ったような文化が、私は嫌いです。そのことも考慮に入れれば、単純な数学的オッズにもとづいて胴元と勝負するなど、まったくもって思いつきようがありません。合法ギャンブルというのは好きになれませんね。

一方で、言わば「賭けという名の決闘」をするのは好きです。ですから、友人とやる軽めの社交的なギャンブルは好きです。しかし商売としてギャンブルをやる環境は好きではありません。

<質問者> ミューチュアル・ファンド[=投資信託]や資産運用の業界は、あなたが入ってからどう変わりましたか。また市場の成長について、ご意見がありますか。

<マンガー> 実際にはその業界に入ったわけではありません。非公開の小さなパートナーシップを14年間やっていただけです。20年以上前の話ですね。しかし他人からの資金はこれっぽっちにもなりませんでした。少なくとも現在の資産運用者の基準からみればそう言えます。ですから、実際は投資信託の商売には加わってはいなかったのです。

しかしこの国における資産運用ビジネスは、近年大きく成長した商売のひとつですね。裕福なプロや億万長者がたくさん生まれました。最初からいた人には、そこは正真正銘の金鉱でした。年金基金が大きくなり、アメリカ企業の価値が増大し、さらには世界中の富によって驚嘆すべき職業がつくりだされたのです。その仕事についた人の多くが裕福な生活へと持ち上げられました。

我々は、彼らとさまざまなやりかたで取引しています。しかし彼らの一員でなくなってから、ずいぶん経ちました。我々は非常に長い間、基本的に自らの資金を投資してきたのです。

Q: Could you talk about why you left the law?

I had a huge family. Nancy and I supported eight children…. And I didn't realize that the law was going to get as prosperous as it suddenly got. The big money came into law shortly after I left it. By 1962, I was mostly out. And I was totally out by 1965. So that was a long time ago.

Also, I preferred making the decisions and gambling my own money. I usually thought I knew better than the client anyway. So why should I have to do it his way? So partly, it was having an opinionated personality. And partly, it was a desire to get resources permitting independence.

Also, the bulk of my clients were terrific. But there were one or two I didn't enjoy. Plus, I like the independence of a capitalist. And I'd always had sort of a gambling personality. I like figuring things out and making bets. So I simply did what came naturally.

Q: Do you ever gamble Las Vegas-style?

I won't bet $100 against house odds between now and the grave. I don't do that. Why should I? I will gamble recreationally with my pals. And I'll occasionally play a much better bridge player, like Bob Hamman, who might be the best card player in the world. But I know I'm paying for the fun of playing with him. That's recreational.

As for gambling with simple mechanical house odds against me, why in the world would I ever want to do that - particularly given how I detest the manipulative culture of legalized gambling. So I don't like legalized gambling.

On the other hand, I do like the manly art of wagering, so to speak. And I like light social gambling among friends. But I do not like the professional gambling milieu.

Q: Could you say something about how the mutual fund and money management business has changed since you got into it - and the growth of capital markets?

Actually, I didn't really get into it. I had a little private partnership for fourteen years - up until a little over twenty years ago. However, I never had enough money from other people to amount to a hill of beans - at least by current investment-management standards. So I've never really been part of the mutual fund business.

But the money management business has been one of the great growth businesses in the recent history of the United States. It's created many affluent professionals and multimillionaires. It's been a perfect gold mine for people who got in it early. The growth of pension funds, the value of America corporations, and the world's wealth have created a fabulous profession for many and carried lots of them up to affluence.

And we deal with them in a variety of ways. However, we haven't been part of it for many years. We've basically invested our own money for a long, long time.


備考その1です。チャーリーが子だくさんな理由は、夫妻ともに一度離婚しており、再婚前の両者の子供が合わさったことも影響しています。ちなみに2001年にチャーリー夫妻の結婚45周年を祝って一族がイギリスに旅行したときの写真をみると、総勢33名が写っていました。

備考その2です。チャーリーの話題に登場するボブ・ハマン氏はトップレベルのブリッジのプレイヤーで、ブリッジが好きなウォーレン・バフェットとも仲がいいようです。きたる5月に行われるバークシャーの株主総会(別名:資本家のウッドストック)に彼が参加することが、先日の「株主のみなさんへ」[PDF]に出ていました。

加えて日曜日の午後には、世界でも指折りのブリッジの名手のおふたり、ボブ・ハマンとシャロン・オズバーグが株主のみなさんとブリッジをする予定です。勝負する際には、くれぐれもお金を賭けないように。

Additionally, we will have Bob Hamman and Sharon Osberg, two of the world's top bridge experts, available to play bridge with our shareholders on Sunday afternoon. Don't play them for money.(PDFファイル25ページ目)

2014年3月3日月曜日

2013年度バフェットからの手紙 - またしてもやってしまいました

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2013年度のバークシャー・ハサウェイ社の業績は、売上高が約18兆円、純利益が2兆円弱でした。その会社のトップであるウォーレン・バフェット氏が、今年も株主のみなさんへ自分のあやまちを報告します。2013年度「株主のみなさんへ」[PDF]からの引用です。(日本語は拙訳)

なお2011年度に書いた報告は、過去記事「今年も反省します」で取りあげています。

わたしたちは株式を保有するだけでなく、債券にも多額の資金を投資しています。その投資は成功におわることが多いものの、必ずしもそうとは言い切れません。

エナジー・フューチャー社(Energy Future Holdings)という会社をご存知の方は、ほとんどいらっしゃらないと思います。それはツイています。わたしもそうだったらと心の底から思います。2007年に設立された同社は、多額の借入金を使ってテキサス州にある電力事業を買収する目的の会社でした。80億ドルの資金を払った投資家が株式を保有し、その上で必要な多額の資金は借入によって賄うことになりました。バークシャーは20億ドル分の債券を購入しました。そのときチャーリー[・マンガー]に相談せずに、わたしの判断で進めてしまいました。これが大きなまちがいでした。

天然ガスの価格が上昇していなかったら、同社はほぼ間違いなく2014年中に破産したでしょう。我々は昨年、保有する債券を2億5,900万ドルで売却しました。債券を保有している期間に受け取った利息が8億3,700万ドルでしたので、結局は税引き前で8億7,300万ドルの損失を出しました。次からはちゃんとチャーリーに電話をかけるようにします。(PDFファイル19ページ目)

In addition to our equity holdings, we also invest substantial sums in bonds. Usually, we've done well in these. But not always.

Most of you have never heard of Energy Future Holdings. Consider yourselves lucky; I certainly wish I hadn't. The company was formed in 2007 to effect a giant leveraged buyout of electric utility assets in Texas. The equity owners put up $8 billion and borrowed a massive amount in addition. About $2 billion of the debt was purchased by Berkshire, pursuant to a decision I made without consulting with Charlie. That was a big mistake.

Unless natural gas prices soar, EFH will almost certainly file for bankruptcy in 2014. Last year, we sold our holdings for $259 million. While owning the bonds, we received $837 million in cash interest. Overall, therefore, we suffered a pre-tax loss of $873 million. Next time I'll call Charlie.


純利益2兆円弱の裏に8億7,300万ドル(900億円弱)の損失があったと聞かされても、ウォーレンに不平を言うバークシャーの株主は非常に少ないでしょう。少なくとも個人的にはなんとも感じていません。自分の意見をそのまま敷衍できるわけではないですが、バークシャーの株主がウォーレンやチャーリーに寄せる忠誠心は絶大なものと感じています。彼らのようなすばらしい能力を持った人間が誠実にふるまおうと努力している様子をみると、その組み合わせが稀なゆえに自然と惹かれてしまうような気がします。

その意味で今回の文章を読んで個人的に気がついた点は、「このような報告事例がバークシャー子会社の経営陣に対して言行一致の見本となる」ことです。ウォーレンが彼らに要求するものに、「悪いニュースを早く知らせてほしい」という指示があります。時期という点では、今回の文章は遅れてはいます。しかし隠し立てをせずに正確な事実を伝えあうという前向きな姿勢は、みずから進んで示しています。世間一般の優良企業の経営陣ががむしゃらにやるのは仕方がないことかもしれませんが、ソフトなアプローチを積み重ねるウォーレンのようなやりかたも、もっと評価されていいと感じています。またこのような経営文化が存在することは、きわめて真似のしにくい競争優位だと思います。

話は大きく変わりますが、もうひとつ気づいた点はウォーレンが合意した債券の利率水準です。20億ドルの元本に対して約6年間で受け取った利息が8億3,700万ドルでした。単純に計算すると利率は約7%になります。投資時期が2007年と微妙な時期ではありますが、ウォーレンは意外と楽観的に考えていたように個人的には受けとめました。

2014年3月2日日曜日

わかりやすい解法が見つかりました(ベノワ・マンデルブロ)

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複雑なものごとを分析する方法として、本ブログではチャーリー・マンガーのやりかたを繰り返し取り上げています。要約すると「学術界などから借りてきた種々のモデルを使って事象を説明できるか試し、よりよい説明モデル群を見いだす」とするものです。モデル化できるということは、行く末をある程度は予想できることにつながります。あらゆるものが容易にモデル化できるわけではないと思いますが、チャーリーは「徐々にものごとがうまくつながって認識できるようになる」と説明しています。

今回ご紹介するのは、少し前に取り上げた数学者マンデルブロの自伝『フラクタリスト―マンデルブロ自伝―』からの引用です。彼が大学に入学する前に体得した天才的なモデル化の話です。

数学教授のコワサール先生は、このころリセ・デュ・パルクに着任したばかりだったが、それから長いあいだここで立派な教員生活を送ることになる。トープの教授というエリート集団の中でも、コワサール先生は抜きん出ていた。毎日、1日の半分ほどを私はコワサール先生とともに過ごした。先生は黒板の前に立ち、やたらと長い問題を書いた。それは先生が過去何世代もの教師たちの経験を踏まえて、ばかばかしいほど複雑な計算が必要となるようにわざと作成したものだった。問題はいつも代数的または解析幾何学的に記述されていた。

私の中で、同じ問題を幾何学的に言い換える声が聞こえた。テュールにいたあいだずっと、私は時代遅れの数学の教科書を使って勉強していた。1930年代の教科書と比べて、あるいは今日の教科書と比べても、図版がはるかにたくさん載っていて、説明が充実し、やる気をかき立てる内容となっていた。そんな教科書で数学を勉強した私は、何世紀にもわたってきわめて特殊な図形が幅広く集められた一大図形"動物園"を知悉(ちしつ)するに至っていた。だからたとえ解析的な装いをまとっていても、そしてそれが私にとって"見知らぬ"装いであり、図形の基本的な性質とは無縁のように見えても、私はいろいろな図形をすぐさまそこに見出すことができた。

私はいつも最初にさっと図を描いた。そうするとすぐに、なにかが欠けていて美的に不完全だと感じられた。たとえば単純な射影変換や、何らかの円に関する反転操作を加えるとよくなったりした。この種の変換を何回かおこなうと、たいていの図形はもっと調和のとれたものになった。古代ギリシャ人ならこの新しい図形は「対称性が高い」と言っただろう。まもなく対称性を探して調べることが、私の勉強の中心となった。この愉快な作業は、とんでもなく難しい問題を単純な問題に変えた。必要な代数はあとで必ず補える。どうしようもなく複雑な積分の問題も、見慣れた図形に"還元"すれば簡単に解ける。私は手を挙げて自分の発見を発表したものだ。「先生、幾何学的なわかりやすい解法が見つかりました」。先生がどれほど難解な問題を考えても、私はたちまち解いてしまった。それからは、特に意識的に追い求めたわけでもないのに、即座に難なく、いかなる難問もクリアしてしまう一本の道が、私の前には開きつづけたのだった。1944年にリヨンで過ごした冬のあいだ、学期が進むにつれて、私の特異な才能は強固で信頼できるものであることが明らかになっていった。(p.133)


本ブログでメンタル・モデルに関する話題をはじめて読まれる方は、たとえば以下の過去記事がご参考になるかと思います。いずれもチャーリー・マンガーの講話の一部です。

2014年3月1日土曜日

2013年度バフェットからの手紙 - 投資に関するわたしからの助言(3)

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ウォーレン・バフェットの2013年度「株主のみなさんへ」、Fortune誌掲載分の最終回です。大団円で、きれいな幕引きです。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

さて、ベン・グレアムの話題に戻りましょう。ここまで書いてきた投資に関する考えのほとんどは、ベンの書いた本『賢明なる投資家』(The Intelligent Investor)からわたしが学んだことです。1949年に買ったその本が金融面におけるわたしの人生を変えました。

ベンの本を読む前にも投資に関するあらゆる本を貪り読んでいました。そして投資の世界をうろうろしたものです。読んで覚えたさまざまなことに夢中になり、手書きでチャートを書いたり、市場に現れた兆候をもとに株価の動きを予測しようとしました。証券会社の事務所に行って腰を下ろし、銘柄情報のテープが吐き出されるのをながめたりしました。評論家の意見にも耳を傾けました。どれも楽しめるものでしたが、どこにも行けないという想いを払いのけることはできませんでした。

それに反して、ベンは自分の考えを優雅にそしてわかりやすい普通の文体で論理的に説明していました(ギリシャ文字や複雑な公式は出てきません)。のちの改版で第8章そして第20章と章立てされた箇所に、わたしにとって核心となる内容が記されていました。その主張こそ、今日のわたしが投資上の判断をくだす際の導き手となっています。

その本には興味をひく情報がいくつか追加されています。のちに出た版の追記では、ベンが投資した宝の山が何だったのか名前が明かされました。初版を書いていた頃の1948年に、ベンはその銘柄を買っていたのです。驚くなかれ、謎の会社はGeico[ガイコ;バークシャーの子会社となった保険会社]でした。ガイコがまだよちよち歩きの頃にベンが同社の特質を認識していなかったら、わたしやバークシャーの将来はまるでちがっていたでしょう。

また1949年版では、ある鉄道会社の株が推奨されています。当時の1株当たり利益10ドルに対して、株価は17ドルでした(最新の事例をあつかう勇気を持っていたことも、ベンを尊敬する理由のひとつです。へまをやれば公然と冷笑されるかもしれないのですから)。低い評価を受けていたのは、当時の会計基準によるところもありました。鉄道会社が会計報告する際には、その利益から関連会社に留保されている利益の大幅な額を控除する決まりになっていました。

推奨されていたのはノーザン・パシフィック社の株でした。そのもっとも重要な関連会社がシカゴ・バーリントン&クインシーです。現在それらの鉄道は、バークシャーの完全子会社となったBNSF(バーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道)において重要な位置を占めています。この本を読んだ頃に市場がノーザン・パシフィックに付けていた値段は約4,000万ドルでした。現在その後継会社は(もちろん多大なる資産が加えられましたが)、4日間ごとにその金額を稼いでいます。(訂正しました:4分間->4日間)

最初に『賢明なる投資家』を買ったときにいくら払ったのか、思い出すことができません。しかし値段はどうであれ、この件はベンの格言がいかに正しいか強調しています。「価格とは自分が払ったものであり、価値とは自分が得たものである」。わたしが投資したあらゆるものの中で、ベンの本を買ったことが最高の投資でした(ただし結婚許可証に2回お金を出したことは別にして)。

And now back to Ben Graham. I learned most of the thoughts in this investment discussion from Ben's book The Intelligent Investor, which I bought in 1949. My financial life changed with that purchase.

Before reading Ben's book, I had wandered around the investing landscape, devouring everything written on the subject. Much of what I read fascinated me: I tried my hand at charting and at using market indicia to predict stock movements. I sat in brokerage offices watching the tape roll by, and I listened to commentators. All of this was fun, but I couldn't shake the feeling that I wasn't getting anywhere.

In contrast, Ben's ideas were explained logically in elegant, easy-to-understand prose (without Greek letters or complicated formulas). For me, the key points were laid out in what later editions labeled Chapters 8 and 20. These points guide my investing decisions today.

A couple of interesting sidelights about the book: Later editions included a postscript describing an unnamed investment that was a bonanza for Ben. Ben made the purchase in 1948 when he was writing the first edition and -- brace yourself -- the mystery company was Geico. If Ben had not recognized the special qualities of Geico when it was still in its infancy, my future and Berkshire's would have been far different.

The 1949 edition of the book also recommended a railroad stock that was then selling for $17 and earning about $10 per share. (One of the reasons I admired Ben was that he had the guts to use current examples, leaving himself open to sneers if he stumbled.) In part, that low valuation resulted from an accounting rule of the time that required the railroad to exclude from its reported earnings the substantial retained earnings of affiliates.

The recommended stock was Northern Pacific, and its most important affiliate was Chicago, Burlington & Quincy. These railroads are now important parts of BNSF (Burlington Northern Santa Fe), which is today fully owned by Berkshire. When I read the book, Northern Pacific had a market value of about $40 million. Now its successor (having added a great many properties, to be sure) earns that amount every four days.

I can't remember what I paid for that first copy of The Intelligent Investor. Whatever the cost, it would underscore the truth of Ben's adage: Price is what you pay; value is what you get. Of all the investments I ever made, buying Ben's book was the best (except for my purchase of two marriage licenses).


備考です。バークシャー・ハサウェイのプレスリリースによれば、2013年度の年次報告書は日本時間の3/1(土)22:00(米東部標準時3/1(土)8:00)に公開される模様です。

2014年2月28日金曜日

2013年度バフェットからの手紙 - 投資に関するわたしからの助言(2)

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ウォーレン・バフェットの2013年度「株主のみなさんへ」(ただしFortune誌掲載分)から、前回のつづきです。なお、今回のあとにもう1回つづきます。(日本語は拙訳)

わたしが投資した小規模な2件と株式投資の間には大きな違いがひとつあります。株式の場合は持ち株に対して刻々と評価がなされますが、わたしの農場やニューヨークの不動産ではそのような評価を目にしたことはありません。

持ち株に対する評価額が大きく変動するため、株式に投資する人には莫大な優位があるのは当然です。なかには実際に優位を生かせている人もいます。つまりはこうです。わたしの地所に隣接する農地で働く気まぐれな隣人が連日のように値段を叫びたて、わたしの農地を買うためにその金額を出そうとか、あるいはその値段で彼自身の土地を売るぞと持ちかけてきます。そのときどきの彼の気分に応じて値段がころころと大きく変わるわけですから、彼の一貫しない行動から恩恵にあずかる以外に何ができるでしょう。ばかみたいに安いご挨拶があった日には、余分の資金があれば彼の農地を買うでしょう。べらぼうに高額な金額を叫んだときは、彼に土地を売るかあるいはそのまま作物を育てます。

しかし株式を保有する人の場合、移り気で非合理的な行動をする保有者がとなりにいることで、同じように非合理な行動をとってしまうものです。株式市場や経済状況、金利動向、株価変動などの無駄話が多すぎて、評論家の意見を聞くことが重要だと信じる投資家もでてきます。さらに悪いのは、そういった意見に従って行動するのが大切だと思い込んでしまうことです。

農地やアパートを保有しているぶんには何十年とそのままでいられる人でも、流れてくる株価速報を目のあたりにし、それにつづいて解説者が「じっとしていないで何か動くときですよ」と匂わせてくると、ついついアツくなってしまいがちです。そして完全無欠の有用なものとしてその投資家の手元にあった流動性[=現金]は、忌わしきものへと姿を変えてしまうのです。

「フラッシュ・クラッシュ[瞬間的な暴落]」や市場で生じるその他の極端な変動が投資家に与える傷は、自分の考えが定まらない口うるさい隣人が農地に関するわたしの投資を損なうのと同じ程度です。実のところ市場が暴落しているときは、真なる投資家にとっては恵みともなります。ただし、価格が価値から大きく外れたときに余裕資金が残っていることが条件です。投資をする上で恐れの漂う状況は味方となり、世の中が極端に楽観的なときは仇となります。

2008年の末に起こった類いまれな金融危機の間、厳しい不況があきらかに始まろうとしていたものの、農地やニューヨークの不動産を売ろうと考えたことは一切ありませんでした。長期的にみれば明るい見通しをもった堅実な事業を丸ごと保有しているときに、それを投げ売りするようなおろかなことは考えられません。それと同じで、すばらしい事業をわずかなりとも保有しているときに、それを売ろうなどと考えるものでしょうか。投資した一部が残念な結果におわることは、たしかにありえます。しかし全体としてみればうまくいくのもたしかです。この地上から非常にすばらしい生産的な資産が奪われ、尽きることを知らない人間の叡智がアメリカから消え失せるなどと本気で考えている人がいるのでしょうか。

チャーリー・マンガーと共に株式を買ってきた際には、企業の一部とみなしてきました。株式を分析するやりかたは企業を丸ごと買収するときとほぼ同じです。まずはじめにやるのは、5年間あるいはそれ以上先の利益の幅をまずまず見積もれるかどうかを判断することです。それができるのであれば、見積もった下限とくらべて妥当な値段がついているときに株式(あるいは事業)を買います。しかし将来の利益を見積もる能力がわたしどもにないときには、他の見込み案件へと移るだけです。たいていはこれに該当します。54年間いっしょにやってきて、マクロや政治情勢あるいは他人の見解によって魅力的な買い付けを断念したことはありません。実際、わたしどもが決断するときにそれらの観点は一切含めていません。

ただし不可欠なことがあります。それは「自分たちの土俵」を定める境界線を正しく認識し、その内側にきちんととどまることです。そうであっても、株式と事業のどちらでもわたしどもはまちがいを犯すでしょう。しかしそうなったとしても、たとえば長い上昇相場に誘われて、予想される価格変動を先取りしたい気持ちで購入するときに起こる大失敗ではないと思います。

もちろんほとんどの投資家は、人生において優先することとして事業の見通しに関する勉強をしようとは考えないものです。賢明な人であれば、特定の事業における将来の利益創出力を予測できるほどの力は持ち合わせていないと判断するでしょう。

ここでわたしから、プロではない一般の方に対して良いお知らせがあります。平均的な投資家のみなさんがそのような能力を持つ必要はありません。総じて言えば、アメリカのビジネスは時を超えてすばらしい業績をあげてきました。同じことがこれからもつづくと思います(しかし緩急があるのはほぼ間違いないですし、それがどう動くかは予測できません)。20世紀のダウ工業平均は一連の増配基調も手伝って、66から11,497ポイントへ上昇しました。21世紀はさらなる上昇を目にするでしょうし、それも大幅なことはほぼ間違いないでしょう。一般の方が目指すべきなのは、勝者を当てることではありません。ご自分だけでなく、「助力者」の方にもできないでしょう。そのかわり、多様な領域にわたる企業を保有するのです。そうすることで、総じてみれば必ずやうまく機能します。経費を抑えたS&P500のインデックス・ファンドを使えば、この目標を達成できると思います。

ここまではプロ以外の方にとって「何に」投資すべきかの話でした。それと同様、「いつ買うのか」も大切なことです。初心者や自信のない投資家は極端に熱狂的な時期に市場へ入り、評価上の損失が出たときに落ち込んでしまいがちです。これはよくある危ない例です(故バートン・ビッグス[投資家]が述べた見解を思い出しましょう。「強気相場とはセックスのようなものである。終わる寸前がいちばん良い」)。この種の時期をえらんでしまう間違いを治すには、長い期間をかけて株式を購入することです。そして悪いニュースが出て株価が高値から大きく下落しても、絶対に売らないことです。それらのきまりを守れば「何も知らない」投資家が分散しつつ諸経費を最小限に抑えることで、満足のいく成果が得られるのはほぼ間違いありません。実際のところ、事情に通じていない投資家でも自分の短所に対して現実的であれば、事情通だとしても自分の弱点がひとつもわかっていないプロとくらべて、長期的にみれば良い成果が得られるものです。

もし「投資家」が興奮丸出しで他人と農地を売り買いしていれば、農作物の収率や値段は上がらないでしょう。そのようなふるまいによってどうなるかと言えば、答えはひとつです。農地を有する人たち全体でみれば利益の総額は減少する、というものです。助言を仰いだり、地所を交換することでかなりの費用がかかるからです。

それにもかかわらず、助言を与えたり取引を遂行することで利益をあげる者は、相手が個人か組織かを問わず常に動くことを要請してきます。それによって生じる取引費用は莫大にもなるので、投資家全体としてみればまるで利益となりません。ですから彼らのたわ言にはかまわずに、費用を抑えて農地に投資するかのように株式に投資してください。

ひとつ付け加えておきますと、わたしの財産はこれだと信じられるところへ使います。ここでお勧めしたいのは、わたしが遺言に残したある指示と本質的に同じやりかたです。ある遺産において、妻のための信託へ現金を送るように指定しました(わたしの個人的な遺産には現金を使う必要があります。というのもバークシャー・ハサウェイの全株式はわたしの相続が完了したのち、あるいくつかの慈善団体へ10年間にわたって寄贈されることになっているからです)。信託に対するわたしの指示はこの上なく単純なものです。「現金のうち10%を短期政府債で運用し、90%は費用が非常に安価なS&P500のインデックス・ファンドへ投じること」(ヴァンガードの銘柄VFINXを推奨しました)。その信託がこの方針をとることで、年金基金や金融機関あるいは個人のいずれであろうと高額な手数料をとる運用者を抱えている投資家のほとんどよりも、長期的にみれば良い成果をあげるものと信じています。

There is one major difference between my two small investments and an investment in stocks. Stocks provide you minute-to-minute valuations for your holdings, whereas I have yet to see a quotation for either my farm or the New York real estate.

It should be an enormous advantage for investors in stocks to have those wildly fluctuating valuations placed on their holdings -- and for some investors, it is. After all, if a moody fellow with a farm bordering my property yelled out a price every day to me at which he would either buy my farm or sell me his -- and those prices varied widely over short periods of time depending on his mental state -- how in the world could I be other than benefited by his erratic behavior? If his daily shout-out was ridiculously low, and I had some spare cash, I would buy his farm. If the number he yelled was absurdly high, I could either sell to him or just go on farming.

Owners of stocks, however, too often let the capricious and irrational behavior of their fellow owners cause them to behave irrationally as well. Because there is so much chatter about markets, the economy, interest rates, price behavior of stocks, etc., some investors believe it is important to listen to pundits -- and, worse yet, important to consider acting upon their comments.

Those people who can sit quietly for decades when they own a farm or apartment house too often become frenetic when they are exposed to a stream of stock quotations and accompanying commentators delivering an implied message of "Don't just sit there -- do something." For these investors, liquidity is transformed from the unqualified benefit it should be to a curse.

A "flash crash" or some other extreme market fluctuation can't hurt an investor any more than an erratic and mouthy neighbor can hurt my farm investment. Indeed, tumbling markets can be helpful to the true investor if he has cash available when prices get far out of line with values. A climate of fear is your friend when investing; a euphoric world is your enemy.

During the extraordinary financial panic that occurred late in 2008, I never gave a thought to selling my farm or New York real estate, even though a severe recession was clearly brewing. And if I had owned 100% of a solid business with good long-term prospects, it would have been foolish for me to even consider dumping it. So why would I have sold my stocks that were small participations in wonderful businesses? True, any one of them might eventually disappoint, but as a group they were certain to do well. Could anyone really believe the earth was going to swallow up the incredible productive assets and unlimited human ingenuity existing in America?

When Charlie Munger and I buy stocks -- which we think of as small portions of businesses -- our analysis is very similar to that which we use in buying entire businesses. We first have to decide whether we can sensibly estimate an earnings range for five years out or more. If the answer is yes, we will buy the stock (or business) if it sells at a reasonable price in relation to the bottom boundary of our estimate. If, however, we lack the ability to estimate future earnings -- which is usually the case -- we simply move on to other prospects. In the 54 years we have worked together, we have never forgone an attractive purchase because of the macro or political environment, or the views of other people. In fact, these subjects never come up when we make decisions.

It's vital, however, that we recognize the perimeter of our "circle of competence" and stay well inside of it. Even then, we will make some mistakes, both with stocks and businesses. But they will not be the disasters that occur, for example, when a long-rising market induces purchases that are based on anticipated price behavior and a desire to be where the action is.

Most investors, of course, have not made the study of business prospects a priority in their lives. If wise, they will conclude that they do not know enough about specific businesses to predict their future earning power.

I have good news for these nonprofessionals: The typical investor doesn't need this skill. In aggregate, American business has done wonderfully over time and will continue to do so (though, most assuredly, in unpredictable fits and starts). In the 20th century, the Dow Jones industrial index advanced from 66 to 11,497, paying a rising stream of dividends to boot. The 21st century will witness further gains, almost certain to be substantial. The goal of the nonprofessional should not be to pick winners -- neither he nor his "helpers" can do that -- but should rather be to own a cross section of businesses that in aggregate are bound to do well. A low-cost S&P 500 index fund will achieve this goal.

That's the "what" of investing for the nonprofessional. The "when" is also important. The main danger is that the timid or beginning investor will enter the market at a time of extreme exuberance and then become disillusioned when paper losses occur. (Remember the late Barton Biggs's observation: "A bull market is like sex. It feels best just before it ends.") The antidote to that kind of mistiming is for an investor to accumulate shares over a long period and never sell when the news is bad and stocks are well off their highs. Following those rules, the "know-nothing" investor who both diversifies and keeps his costs minimal is virtually certain to get satisfactory results. Indeed, the unsophisticated investor who is realistic about his shortcomings is likely to obtain better long-term results than the knowledgeable professional who is blind to even a single weakness.

If "investors" frenetically bought and sold farmland to one another, neither the yields nor the prices of their crops would be increased. The only consequence of such behavior would be decreases in the overall earnings realized by the farm-owning population because of the substantial costs it would incur as it sought advice and switched properties.

Nevertheless, both individuals and institutions will constantly be urged to be active by those who profit from giving advice or effecting transactions. The resulting frictional costs can be huge and, for investors in aggregate, devoid of benefit. So ignore the chatter, keep your costs minimal, and invest in stocks as you would in a farm.

My money, I should add, is where my mouth is: What I advise here is essentially identical to certain instructions I've laid out in my will. One bequest provides that cash will be delivered to a trustee for my wife's benefit. (I have to use cash for individual bequests, because all of my Berkshire Hathaway (BRKA) shares will be fully distributed to certain philanthropic organizations over the 10 years following the closing of my estate.) My advice to the trustee could not be more simple: Put 10% of the cash in short-term government bonds and 90% in a very low-cost S&P 500 index fund. (I suggest Vanguard's. (VFINX)) I believe the trust's long-term results from this policy will be superior to those attained by most investors -- whether pension funds, institutions, or individuals -- who employ high-fee managers.