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2013年11月6日水曜日

樹木が発生するのは水を好むからではない(エイドリアン・ベジャン教授)

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流れとかたち ― 万物のデザインを決める新たな物理法則』という本を最近読みました。熱力学の大家である著者はマクロな視点に立ち、無生物の物理的傾向と生物の進化さらには人間文明の方向性を、ひとつの統一原理「コンストラクタル法則」によって説明しようとしています。これは「あらゆるものごとは、流れをよくする形へと変化する傾向がある」とするものです(英文Wikipedia)。本書で展開される説明はそれなりに説得力のあるものがつづき、なるほどと感心させられます。ただし適用範囲が壮大で、すべて納得できるかというと疑問符がつくかもしれません。意欲作というか問題作というか、先週末に丸の内の丸善をのぞいたときには各所に平積みされており、話題を呼びそうな作品です。

一般に、ミクロ的な基本原理の積み重ねでものごとを説明できればそれに越したことはありません。しかしそれがむずかしかったり、本質をつかみにくい場合には、本書の著者が提示するように俯瞰してとらえるやりかたは有効的だと思います。今回同書から引用する文章はその「俯瞰」の話題とは少し離れますが、本ブログでとりあげる話題に関連する箇所をご紹介します。

まずは、発想の逆転について。チャーリー・マンガーおなじみの思考プロセスですが、この発想には仰天させられました。

熱力学の第二法則によれば、自然界は局地的にも全体的にも、湿気の多い所から少ない所へ水を動かす傾向を示すことになっている。木も草も、湿気の少ない空気が大気から水分を吸い取るために使うストローのようなものだ。(中略)コンストラクタル法則は、樹木と森林が現れて存続するのは大地から大気への水の迅速な移動を促進するためであることを教えてくれる。(中略)樹木が「発生する」のは、そこに水があり、(上方へ)流れなければならないからであって、「木は水を好む」からではない。(p.198)


つぎは、規模の経済についてです。なお、この話題は本書の主題の一部を占めるもので、他の場所でも何度かとりあげられています。

たとえば、質量1,000キログラムのゾウが1キロメートル移動すると、移動する質量1キログラム当たりの食物摂取量は0.0562に比例する。質量が10キログラムのジャッカル100頭が同じく質量1キログラムを同じ距離だけ移動させたら、その1キログラムに必要な食物の量は0.383に比例する。ここで大事なのは、2つの食物必要量の比率、0.0562/0.383(約7分の1)という数値だ。結論として、ゾウが質量1キログラムを移動させると、ジャッカルの質量1キログラムを移動させるときと比べ、食物のコストはわずか7分の1にしかならない。

この事実から、さらに2つの大きな考えが浮かび上がる。第一にこれは、工学、経済学、ロジスティックス、ビジネスの各領域で認められている規模の経済という現象に、理論物理学的な基盤を提供してくれる。何かを大量に動かすときの効率は、規模に応じて向上する。第二にこれは、進化にはものの動きの向上へと向かう方向性があるという考えを際立たせてくれる。雨粒があって初めて川が生じるように、地球上では小さい動物が出てきてから大きい動物が登場した。ゾウより前に単細胞生物が、オオアオサギより前に蚊ぐらいの大きさの昆虫が現れた。コンストラクタル法則を使うと、動きが活発になるだけでなく、動きの効率も向上するという紛れもない傾向が見て取れる。(p.151)


最後の引用は、「コンストラクタル法則」に対する著者の所信表明の中でも東洋的なひろがりが感じられる箇所です。

コンストラクタル法則は、進化についてのダーウィンの考えに物理的原理の後ろ盾を与える。この法則は、特定の変化が他の変化よりも良い理由を説明し、そうした変化は偶然ではなく、より良いデザインの生成を通じて現れることを示してくれる。コンストラクタル法則はまた、進化についての私たちの理解を拡げ、生物学的変化という自然の傾向が、無生物の世界を形作るものと同じ傾向であることを示してくれる。

コンストラクタル法則とはそういうものだから、私たちが森の中を歩くときに感じる統一性の圧倒的な感覚の科学的根拠を提供してくれる。大地も、樹木も、大気も、私たち自身も、本当につながっている。いっさいのものは、同一の普遍的な力によって形作られ、創造の一大交響楽を奏でながら、それぞれが全体を支えているのだ。(p.223)


本書は万人向けするものではないと思いますが、生物の進化や地球物理的な現象のどちらにも興味のある方には刺激を与えてくれる作品です。個人的にはものごとをながめる視点のひとつとして、このメンタル・モデルを積極的に使っていきたいと感じました。

なお、規模の経済については過去記事で何度かとりあげていますが、以下の2つの投稿では「規模の不経済」が登場しています。この件は企業分析を行う際の要所のひとつと感じています。

規模の不経済(チャーリー・マンガー)
何も発明していない男、サム・ウォルトン(チャーリー・マンガー)

2013年11月4日月曜日

ガソリンたっぷりの人たち(スティーブン・ローミック)

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FPAのファンド・マネージャーであるスティーブン・ローミックが四半期のレターを出していました。今回は、ポートフォリオの比率に関する話題を引用します。(日本語は拙訳)

FPA Crescent Fund Quarterly Commentary 3rd Quarter (October 8, 2013)

ここ最近の状況ですが、ガソリンたっぷりの人たちがご親切なことに、潜在的な損得勘定を考えるともう魅力がないと思える水準まで、我々の投資先の価格を押し上げてくれました。 頭は正直に、そして心は冷静でいたいと願う以上、この機会に乗じていくらか売却する以外には手がないと考えました。その結果、現在の保有株式銘柄数は46となり、2012年に最大だった時より7つ減少しました。2013年にポートフォリオからはずした11社への投資はすべて利益をだし、平均64%のゲインをあげました。銘柄数が減り、また魅力的な機会が少なくなったことで、買い持ち分の株式合計の割合は2012年末に63.8%だったものが54.2%まで縮小しました。しかし個々の証券のエスクポージャー[価格変動リスクの度合い]はそれに比例して減少してはいません。ほかよりも株価が好調な企業があったところで、それが常に正当だとは言えないからです。[当ファンド]クレセントの正味分の状況としては、有効流動性[=現金等価物]の割合が39.4%へ上昇しました。以前にも述べましたが、機会がめぐってきたときには、この流動性がきっとふたたび我々の味方となってくれるでしょう。

In the meantime, we've taken advantage of the kindness of others who seem to have plenty of petrol and have bid up many of our investments to a point where we find the risk/reward unattractive. To remain intellectually honest and clinically dispassionate, we have found ourselves with little alternative but to make some sales. The number of equity positions now number 46 as a result - 7 fewer than our 2012 peak. Each of the eleven companies purged from the portfolio in 2013 were profitable investments, posting an average gain of 64%. Fewer names and little in the way of attractive opportunities have caused our gross long equity exposure to shrink to 54.2%, down from 63.8% at 2012 year-end. Individual security exposure has not declined ratably, however, as some companies have seen their stock prices perform better than others, and not always justifiably. The net result is that Crescent's available liquidity has increased to 39.4%. As has occurred in the past, we expect that liquidity will inevitably be our friend again once opportunity returns.

2013年11月2日土曜日

石器時代へあともどり(ウォーレン・バフェット、チャーリー・マンガー)

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経済誌Fortuneのインタビュー記事で、ウォーレン・バフェットとチャーリー・マンガーのコンビがそろって登場していました。よくある話題ですが、ウォーレン側の話題を引用してご紹介します。(日本語は拙訳)

The best advice I ever got (Fortune; November 18, 2013)
(わたしが受けた最高の助言)

<バフェット> わたしには割安株にこだわるところがあったのですが、これはわがヒーローのベン・グレアムから学んだものでした。ところがチャーリーから、「銘柄を探すうえでそのやりかたはよくないよ」と言われたのです。チャーリーはこう説いてくれました。「本当に巨額の財産を時とともに築いていくには、よいビジネスに投資してそこから離れないこと。その上で、よい事業をさらに加えていくこと」。それを聞いてわたしは、まさしく本当に大きく変わりました。すぐにはそうできなかったですし、元に戻ってしまうこともありました。しかしわたしの成績にすごく大きな影響をもたらしました。彼の言ったことは本当に正しかったのです。

<マンガー> 私はふだんからものごとの成否を観察して、なぜそうなるのか考えるようにしていますからね。

<バフェット> そのやりかたで初めて実際に買った事業がシーズ・キャンディーです。これはとびぬけたビジネスでした。昔のわたしだったら、最後の残り数百万ドルが惜しくてしょうがなかったものです。

<マンガー> 残り数百万ドルって言ってますけれど、最後の25,000ドルは惜しんでいたでしょう。

<バフェット> わたしが石器時代へあともどりしないように、チャーリーはずっと注意してくれました。助言の数は、わたしからよりも彼から受けたほうが多いですね。彼の歩んできた人生は非常に合理的なものです。だれかを妬むような言い方はいちども聞いたことがありません。

<マンガー> 昔から言いますからね。「妬んだところで、いいことあるの。こんな罪おかしても、楽しくなんてありゃしない」。

<バフェット> IQよりも気質のほうがずっと大切ですね。

<マンガー> もうひとつ重要な秘訣として、我々は「死ぬまで勉強」という点に長けていることが言えます。若かった時とくらべると、ウォーレンは70,80歳代になってからのほうがいろんな面でよくなっています。ひたすら学びつづけることで得られる優位というのは、それはすばらしいものですよ。

Buffett: I had been oriented toward cheap securities. Charlie said that was the wrong way to look at it. I had learned it from Ben Graham, a hero of mine. [Charlie] said that the way to make really big money over time is to invest in a good business and stick to it and then maybe add more good businesses to it. That was a big, big, big change for me. I didn't make it immediately and would lapse back. But it had a huge effect on my results. He was dead right.

Munger: I have a habit in life. I observe what works and what doesn't and why.

Buffett: The first real business we bought that way was See's Candies. It was an outstanding business. From my past, I didn't want to pay the last few million dollars.

Munger: The last few million? You didn't want to pay the last $25,000!

Buffett: Charlie kept reminding me that I was slipping into the Stone Age again. He's given me a lot more advice than I've given him. He lives a very rational life. I've never heard him say a word that expressed envy of anyone.

Munger: There's an old saying, "What good is envy? It's the one sin you can't have any fun at."

Buffett: Temperament is more important than IQ.

Munger: The other big secret is that we're good at lifelong learning. Warren is better in his seventies and eighties, in many ways, than he was when he was younger. If you keep learning all the time, you have a wonderful advantage.


引用元の記事に掲載されている写真は黒を基調にしており、お二人のシャツやネクタイの色が引き立ってみえます。いいですね。

2013年10月30日水曜日

成長志向の投資のむずかしい点(セス・クラーマン)

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ファンド・マネージャーのセス・クラーマンの著書『Margin of Safety』からご紹介します。前回のつづきで、第8章「事業価値の算出という技」(The Art of Business Valuation)からの引用です。(日本語は拙訳)

自分のくだした成長予測だけをたよりに意思決定する投資家が多い。結局は、ビジネスから得られる利益やキャッシュフローが速やかに増加するほど、ビジネスの現在価値も大きくなるものだ。しかし成長志向の投資家の前には、むずかしい問題がいくつか待っている。第一に、そういった投資家は確実なものごとよりも、将来を予測する自分の能力のほうに自信があるのを示しがちなこと。第二に、成長著しい企業にとっては、年次成長率を予想する際のわずかな違いが企業価値に対して甚大な影響をあたえうること。さらには、成長企業の株式を買おうとする投資家が多いので、その総意によって価格が導かれ、ファンダメンタルズによって擁護できない水準まで達しうること。「ビジネスの殿堂」へ入場したものの、回転ドアを通っていたということはよくあることだ。だから、一時的な好業績を背景にしてあまりにも楽観的な業績予想がでたときにとびついてしまい、ひどいビジネスに対して余計な金を払う投資家がでてくるのだろう。期待されている成長が証券の価格に織り込み済だとしたら、目標未達は投資家を失望させ、株価下落へとつながりかねない。ウォーレン・バフェットがこう言っている。「すばらしい会社の株であっても高すぎる値段で買ってしまえば、のぞましい事業展開がその後長くつづいたとしても、その効果は帳消しになるかもしれません」。

成長を想定して投資するやりかたにはもうひとつ難点がある。投資家には成長要因を単一の変数へと単純化しすぎる傾向があるが、実際には予測を変化させる多数の変動要因から成り立っていることだ。どのような類のビジネスでも、売上数量を増加させて利益成長へとつなげるには、たとえば予想される人口増加や、消費者あたりの消費数量の増加、マーケットシェアの拡大、製品浸透度の向上、製品価格の値上げといった要因がかかわってくる。ビール会社を例をあげると、飲酒可能年齢の人口増加にともなってビールの売上げ増を期待するかもしれないし、あるいは単位人口あたりの販売数量を増やすことをめざすかもしれない。バドワイザーであれば、ミラーに対してシェアを突き放したいと考えるだろう。ビール業界はウィスキー愛飲者をビール愛飲者へと変身させたいと望むかもしれないし、あるいはノンアルコール・ビールを飲む禁欲的なセグメントの人々へ近寄ろうとするかもしれない。利益増加が期待できるならば、値上げをさぐる会社もいずれでてくるものだ。

利益成長につながる源泉には、他よりも予測しやすいものがある。消費者の行動変化、たとえばウィスキー愛飲者がビールに鞍替えするといった要因による成長とくらべると、人口増加と結びついている成長はずっと確実性が高い。また、値上げに対する消費者の反応はいつも不確実なものだ。だから全体としてみたときに容易なのは、事業の成長が期待できる源を特定することであって、実際にどれだけ成長して利益にどれだけ影響するのか予測することではない。

ここに矛盾が存在する。現在価値を分析するには将来を予測しなければならないが、その将来は信頼できるほどには予測可能ではない。サウスランド社とインターコ社は借入金に大きく依存した会社だった。しかし、ほんの数年前にたてた「彼らが言うところの」合理的な予測に対する1990年の業績は両社ともぶざまなもので、50%にとどかない達成率におわった。このことは、数年先のことでも未来を予測するむずかしさを浮き彫りにしている。

There are many investors who make decisions solely on the basis of their own forecasts of future growth. After all, the faster the earnings or cash flow of a business is growing, the greater that business's present value. Yet several difficulties confront growth-oriented investors. First, such investors frequently demonstrate higher confidence in their ability to predict the future than is warranted. Second, for fast-growing businesses even small differences in one's estimate of annual growth rates can have a tremendous impact on valuation. Moreover, with so many investors attempting to buy stock in growth companies, the prices of the consensus choices may reach levels unsupported by fundamentals. Since entry to the "Business Hall of Fame" is frequently through a revolving door, investors may at times be lured into making overly optimistic projections based on temporarily robust results, thereby causing them to overpay for mediocre businesses. When growth is anticipated and therefore already discounted in securities prices, shortfalls will disappoint investors and result in share price declines. As Warren Buffett has said, "For the investor, a too-high purchase price for the stock of an excellent company can undo the effects of a subsequent decade of favorable business developments.”

Another difficulty with investing based on growth is that while investors tend to oversimplify growth into a single number, growth is, in fact, comprised of numerous moving parts which vary in their predictability. For any particular business, for example, earnings growth can stem from increased unit sales related to predictable increases in the general population, to increased usage of a product by consumers, to increased market share, to greater penetration of a product into the population, or to price increases. Specifically, a brewer might expect to sell more beer as the drinking-age population grows but would aspire to selling more beer per capita as well. Budweiser would hope to increase market share relative to Miller. The brewing industry might wish to convert whiskey drinkers into beer drinkers or reach the abstemious segment of the population with a brand of nonalcoholic beer. Over time companies would seek to increase price to the extent that it would be expected to result in increased profits.

Some of these sources of earnings growth are more predictable than others. Growth tied to population increases is considerably more certain than growth stemming from changes in consumer behavior, such as the conversion of whiskey drinkers to beer. The reaction of customers to price increases is always uncertain. On the whole it is far easier to identify the possible sources of growth for a business than to forecast how much growth will actually materialize and how it will affect profits.

An unresolvable contradiction exists: to perform present-value analysis, you must predict the future, yet the future is not reliably predictable. The miserable failure in 1990 of highly leveraged companies such as Southland Corporation and Interco, Inc., to meet their own allegedly reasonable projections made just a few years earlier - in both cases underperforming by more than 50 percent - highlights the difficulty of predicting the future even a few years ahead.

2013年10月28日月曜日

1週間に1度だけ食べてもよろしい(チャーリー・マンガー)

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チャーリー・マンガーの(再考)世知入門の7回目です。前回につづき、今回も心理学の話題です。情景が目に浮かぶような、おもしろい話です。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

心理学の賢明な応用例として、昔話をひとつしてみましょう。たびたび長い航海にでかけたクック船長の話です。長期の航海となると、当時は壊血病が恐れられていました。壊血病になると歯ぐきが少しずつ壊死していきます。そして病によって痛みが増し、やがて死に至ります。

大勢の船乗りが死んでいったため、初期のころの船乗りは非常に不安がられた職業でした。まだ当時はビタミンCが発見されていなかったため、壊血病は非常におそろしいものとみられていました。さまざまなモデルを駆使するやりかたに長けたクック船長は、長期の航海にでるオランダ船では英国船よりも壊血病が少ないことに気づきました。彼はこう自問しました。「オランダ人は何か違うことをしているのだろうか」。

そして彼は、オランダ人は例外なく樽詰めのザワークラウトを載せていたことに気づきます。クック船長は考えました。「私も危険な長期の航海に出るところだが、ザワークラウトがうまくいくかもしれない」。そしてザワークラウトを各船に積み込みました。そうです、そこには微量のビタミンCが含まれていたのです。

しかしクック船長は乗組員に対して「壊血病が防げるかもしれないので、こうしているのだ」と説明するつもりはありませんでした。壊血病が心配になるほどの長い航海に連れていかれることを知ったら、彼らは命令に従わずに船を乗っ取るかもしれないからです。

彼がとった行動はこうです。航海士が一堂に食事をとる場所は、甲板員らが様子をうかがうことができました。クック船長は航海士の料理にはザワークラウトをだす一方で、甲板員たちにはだしませんでした。その処遇をずっとつづけ、やがてとうとうクック船長は言ったのです。「甲板員は、1週間に1度だけ食べてもよろしい」。

ほどなく、全乗組員がザワークラウトを食べるようになりました。このやりかたは、基本的な心理学を非常に建設的な形で使ったものだと言えます。いったいどれだけの命が助かり、そのおかげでどれだけの偉業が成し遂げられたことでしょう。しかし適切な技術を知っていなければ、それを使うことはできないのです。

Let me give you an example of that - of wise psychology of yore. In Captain Cook's day, he took these long voyages. At the time, scurvy was the dread of the long voyage. And in scurvy, your living gums putrefy in your mouth - after which the disease gets unpleasant and kills you.

And being on a primitive sailing ship with a bunch of dying sailors is a very awkward business. So everybody was terribly interested in scurvy, but they didn't know about vitamin C. Well, Captain Cook, being a smart man with a multiple-model kind of approach, noticed that Dutch ships had less curvy than English ships on long voyages. So he said, "What are the Dutch doing that's different?"

And he noticed they had all these barrels of sauerkraut. So he thought, "I'm going on these long voyages. And it's very dangerous. Sauerkraut may help." So he laid in all this sauerkraut, which, incidentally, happens to contain a trace of vitamin C.

Well, Cook didn't want to tell 'em that he was doing it in the hope it would prevent scurvy - because they might mutiny and take over the ship if they thought that he was taking them on a voyage so long that scurvy was likely.

So here's what he did: Officers ate at one place where the men could observe them. And for a long time, he served sauerkraut to the officers, but not to the men. And, then, finally, Captain Cook said, "Well, the men can have it one day a week."

In due course, he had the whole crew eating sauerkraut. I regard that as a very constructive use of elementary psychology. It may have saved God knows how many lives and caused God knows how much achievement. However, if you don't know the right techniques, you can't use them.