2012年8月27日月曜日
(映像)UCLA経済学部卒業生への祝辞(マイケル・バーリ)
どこか初々しさの残る話しぶりに好感が持てましたが、14分ごろからの話題が特に印象に残っています。短くまとめると、金融当局が危機を未然に防げなかったことを指摘した記事をニューヨーク・タイムズに投稿したところ、まもなくFBIの捜査が入ったとのこと。その後の裁判で時間もお金も費やしたと付け加えています。
2012年8月25日土曜日
チャーリー・マンガーの自宅
Warren and Charlie and the chocolate factory(Fortune)
(ウォーレンとチャーリーとチョコレート工場)
チャーリー・マンガーに対して電子メールでインタビューを正式に依頼したところ、彼のアシスタントから次のような簡潔な返信があった。
「明日の8時半であれば、チャーリーはお会いできると申しております」
そうなるとは予想していなかったし、また私にとってはいささか早い時刻だった。L.A.の交通事情には慣れていない上、前日はずっとL.A.にあるシーズ・キャンディーの工場見学をしてきたので疲れてもいた。労力を要する仕事だったが、そういったものに立ち向かわなければならないライターもいるのだ。5月の水曜日の朝にL.A.の自宅で待っているとだけ伝えられて、全然形式張らないのだなと感じた。ウォーレン・バフェットとの約束はその次の日になっていたが、ずっと前から予定を組んでいたのだ。実のところ、その晩には飛行機でオマハへ移動するつもりだった。
水曜日の朝は7時に起きた。かばんに荷物をつめ、ホテルをチェックアウトし、レンタカーに飛び乗った。ハーツで借りた白の三菱ギャランだが、GPSは調子が悪かった。道は混んでいたものの、なんとか8時31分にはマンガー家の前に到着できた。彼の自宅は大きかった。大豪邸ではないが、カリフォルニアではよくある高級住宅だった。屋根は一面の赤色、車寄せにはヤシの木が並んでいた。玄関の前まで進むと、魔法のように扉が開いた。執事(兼給仕だろうか)が小さな読書室へ私を案内してくれた。そこには88歳になるマンガーが安楽椅子に腰かけていた。本業は弁護士だが、長きにわたるバフェットの同僚かつ投資上のパートナーでもある彼は、大きな虫眼鏡を手にハードカバーの本を読んでいた。彼は貪欲な読書家で、のちほどバフェットはこう語ってくれた。「私の知るかぎりでは、チャーリーほどたくさんの本を読んでいる人はいません。いまは88歳ですが、98歳になっても読んだことを全部覚えているでしょう。そこがわたしと違うことで、わたしは本を読んで楽しみますが、ささいなことは覚えていません」。
それからチャーリーと私は食堂へ移動した。そこで私は録音機のスイッチを入れ、時をおかずシーズ・キャンディーの話題を始めた。1972年に2500万ドルをだしてこの会社を買うようにバフェットを説きふせたのが彼なのだ。マンガーと話をしてすぐわかったのは、彼はビジネスに限らず、誰のことでも知っているし、どんなことでも覚えていた。本題と関係するような買収や破産の話題について、よく知られていない逸話をその都度詳しく思い出してくれた。例えば、ハーシーズがはじめてカナダに進出しようとしたことを話してくれた。またコダックの話に及ぶと、こう語った。「あの会社はまるごと失敗したものと考えて忘れていると思いますが、実は破産していなかったのです。イーストマン・ケミケルというスピンオフした会社のほうは、今も健在で成功をおさめていますよ」。P&Gの話題になるとこうだ。「P&Gはボディケア製品でいろいろうまくやっていますね。肌の具合がほんとうによくなるのであれば、そういうブランドは大当たりでしょう。その手のことになると、人はなかなかあきらめないですからね」。バフェットのようなわかりやすくて愉快なユーモアの感覚はないかもしれない。しかし、とことんドライで実際的な話題をするときでも笑わせてくれる能力を彼は持っている。
家の中に案内してくれた男が、今度は朝食を出してくれた。スクランブル・エッグ、ポテトの炒め物、焼きたてのベーコンだ。マンガーは長年にわたるシーズの強さを話してくれた。彼の見立てでは、バークシャーが買収する前と同じようにその後もシーズは正しい方向へ進んできた。「箱詰めチョコの会社は数多くあります。この小さな一粒ずつが、いにしえから続く人間の欲求にこたえるものですからね」。しかし、シーズは自社製品同士が競合しないよう懸命に努めてきた。そして、いつも慎重にことを進める体質が長期にわたる成功に寄与してきた。彼はつけくわえた。「もちろん我々はシーズの業務に基本的には関わっていませんよ」。また彼はシーズ製品のギフトとしての重要性を指摘した。「大安売りをみつけた云々、と言って贈り物を渡したがる人なんていないですからね」
In response to a formal email about setting up a sit-down interview with Charlie Munger, his assistant simply wrote: "Charlie says to come over tomorrow at 8:30."
It wasn't what I had expected. And it was a bit early for me, being new to Los Angeles traffic and tired from the long previous day of touring the See's Candies plant in L.A. (it was a grueling task, but some intrepid writer had to do it.) Being told to simply show up at Munger's private home in Los Angeles on a Wednesday morning in May felt starkly casual compared to my meeting with Warren Buffett, which would be the next day and had been scheduled far in advance. I would be flying to Omaha for it that night.
got up at seven on Wednesday, stuffed my bag, checked out of the hotel and hopped into my rental car, a white Mitsubishi Gallant with dysfunctional Hertz GPS unit. Traffic was bad, but I made it, pulling up outside Munger's address at 8:31. His house is big, but not a mansion; it looks like your standard upscale California home, complete with red roof and a wealth of palm trees around the driveway. When I walked up to the door, it opened, as if by magic. A butler (or waiter, or maybe both) led me into a small reading room where the 88-year-old Munger, a lawyer by trade and longtime colleague and investing partner of Buffett, was seated in an easy chair, using a large magnifying glass to read a hardcover book. The man is a voracious reader. ("Charlie has read about as much as anybody I know, Buffett later told me. "He's 88 now, and when he's 98, he'll remember everything he read. That's the difference; I read it, and I enjoy it, but I don't remember a damn thing.")
Charlie and I went to his dining room, where, with my recorder on, we began talking immediately about See's Candies, the brand he convinced Buffett to buy in 1972 for $25 million. The first thing immediately apparent about Munger is that in business and beyond, he knows everyone and remembers everything. At each turn he is able to recall specific and obscure anecdotes about buyouts and bankruptcies that relate in some way to the subject at hand. He talked about when Hershey's (HSY) first tried to expand into Canada. He waxed about Kodak ("People think the whole thing failed, but they forget that Kodak didn't really go broke, because Eastman Chemical did survive as a prosperous company and they spun that off") and about P&G ("Procter & Gamble, they just make a fortune on some of the body products. Some of these brands, I mean, if you can make something that actually improves the skin, wow. That's the last thing people will give up"). He may not possess the obvious, gleeful sense of humor of Buffett, but Munger has the ability to make you laugh even as he's discussing something completely dry and practical.
As the same man who had led me into the house served up breakfast (scrambled eggs, home fries, and delicious bacon), Munger talked about the strengths of See's over the years. In his estimation, it has made all the right decisions, both before Berkshire got there and since. "There are a lot of boxed chocolate companies; it's an old human desire," he said. "People like those little pieces." But See's worked hard, he said, to prevent cannibalizing its own stores, and has always had a cautious nature that helped it succeed in the long run. "And of course," he added, "We haven't basically touched it at all." He pointed out the significance of See's as a gift item. "Who wants to give a gift that announces 'I'm a cheap ... ' You know."
俗物根性丸出しで恐縮ですが、チャーリーのご自宅の写真をはじめてみました。おそらくこちらの物件だと思います。あるいは航空写真ではGoogle Mapsのこちらの画像です。そういえばチャーリーは建築が好きな人でしたね。ちなみにチャーリー個人の純資産は10億ドル。日本円で約800億円です。
2012年8月24日金曜日
ポートフォリオの現金比率(ウォーレン・バフェット、1957年)
わたしたちのポートフォリオの価値は、1956年末よりも1957年末のほうが高いことは間違いありません。全般的に価格が安く、辛抱した末でないとお目にかかれないような破格の値段で証券が買える機会を、さらに享受できたからです。先に申し上げたようにポートフォリオ中の最大の銘柄は、パートナーシップによっては資産の10%から20%を占めています[バフェットは複数のパートナーシップを組んでいた]。いずれすべてのパートナーシップで資産の20%を占めるようにするつもりですが、急ぐべきではないと考えます。当然のことですが値段が上がっていくときよりも、横ばいか、下げているときに株を買うのがわたしたちにとっては一番だからです。そんなわけですのでポートフォリオのある程度の割合は、いついかなるときでも利益を出さないままかもしれません。辛抱することになりますが、この方針をとれば長い目でみたときにもっとも利益が得られるに違いないからです。
I can definitely say that our portfolio represents better value at the end of 1957 than it did at the end of 1956. This is due to both generally lower prices and the fact that we have had more time to acquire the more substantially undervalued securities which can only be acquired with patience. Earlier I mentioned our largest position which comprised 10% to 20% of the assets of the various partnerships. In time I plan to have this represent 20% of the assets of all partnerships but this cannot be hurried. Obviously during any acquisition period, our primary interest is to have the stock do nothing or decline rather than advance. Therefore, at any given time, a fair proportion of our portfolio may be in the sterile stage. This policy, while requiring patience, should maximize long term profits.
2012年8月22日水曜日
(答え)地球温暖化が進むと、南極はどうなるのか?
その理由は簡単です。摂氏0.5~1度気温が上昇したとしても、南極の大部分の気温はまだかなりの低温です。氷の質量が減少した原因は、氷が融解したことではなく、氷が崩壊して海に流れ出したことだったのです。温暖化が進行した場合の主な影響は、(科学者の計算によると)水蒸気の増加です。温度の上昇によって、海水が蒸発するからです。この水蒸気が南極大陸の上空に流れていくと、降雪量が増え、固まって氷になり、氷河が発達します。そのため、地球温暖化によって南極の氷の質量は増えるという予想が出ました。 (p.153)
自分の直感が正しい結論と反する場合、どうしたら正しい道へ進むことができるでしょうか。今回の問題では、わたしは氷の質量が「減る」という直感に引きずられて、上のようなメカニズムが思いつきませんでした。気象に関する知識は必要ですが、この程度であれば想像できてもよかったと感じました。あとづけになってしまいますが、逆から考えれば解くことができたかもしれません。
ところで本書の筆者リチャード・ムラー(UCバークレー校物理学教授)は、上のような結果がでたからといって地球温暖化が進んでいないとは言っていません。その逆で、人間の活動によって気温が上昇している可能性はとても高いと考えています。
でも、温暖化は確かにおきています。そして、最近の50年間の温暖化の一部が、化石燃料の使用を主とする人間活動によるものである可能性がひじょうに高いのです。(p.155)
2012年8月21日火曜日
(問題)地球温暖化が進むと、南極はどうなるのか?
南極の氷は、融けていると言われます。グレース衛星が、衛星軌道上から南極の氷の重力効果を測定し、氷の質量の正確な測定を行いました。その結果、南極の氷が毎年約36立方マイル(150立方キロメートル)ずつ減少していることがわかったのです! これは、地球温暖化の重大さを証明する深刻で際立った事実のように思えます。
驚くべきことに、この一見それらしい証拠は、事実を反映しているわけではないのです。2000年に、IPCCは、グレース衛星による観測に先立って、地球温暖化によって予想される氷の変化がどれほど大きなものになるかを計算するように、何人かの科学者に依頼しました。その結果、驚くべきことに、すべての科学者が一致して、地球温暖化によって南極の氷は、減少するのではなく、「増加する」と予想したのです。(p.153)
つづきの文章は次回にご紹介します。個人的には自分の直感にひきずられて、科学者たちがどういった論理で予想を出したのか思いつきませんでした。チャーリー・マンガー言うところの「疑いを持たない傾向」(過去記事)が強く働いているようです。