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2012年6月11日月曜日

客観的に判断できる人の割合は?(マイケル・モーブッシン)

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資産管理会社の大手レッグ・メイソンといえば、以前は絶頂を誇ったビル・ミラー氏が有名でした。しかしここ数年の失敗の後、彼のファンドの看板はマイケル・モーブッサン氏に変わってきています。彼のための専用のWebサイトも用意されています。

モーブッサンはチャーリー・マンガーやウォーレン・バフェットの教えを踏まえているようで、彼の文章を読むと共感できるものがあちこちにみられます。ただし彼の場合は、より定量的に迫ろうとしている点が特徴的ですが、個人的にはそちらにはあまり近寄らないようにしています。

今回はモーブッサンの著書の翻訳『まさか!?―自信がある人ほど陥る意思決定8つの罠』から、心理学的な落とし穴のひとつを引用します。日本語の題名はともかく、個人的にはこの本も楽しんで読めました。

仕事にかかる時間やコストを見積もるのは難しい。正しく見積もれない場合というのは通常、時間とコストを少なく見積もりすぎるのだ。心理学者は、これを計画錯誤と読んでいる。大多数の人は何かを計画する時に主観的な視点でしか見られないのだ。自分や他人の経験から基準となる客観的なデータを得て、そこからスケジュールを立てる、といったやり方ができる人はわずか4人に1人であるという研究結果が報告されている。(p.35)


なぜ人々は客観的な視点を持たないのかについて。

周りの人間と比べて自分は特別で優秀であるとほとんどの人が思い込んでいるからである。(p.36)


チャーリー・マンガーも、自身を過大評価する傾向は人の判断を誤らせると指摘しています。できないことをできると考えれば失敗するのは当たり前ですが、なぜ人は自分のことを過大評価するのかという疑問は、興味深いテーマだと感じています。

なお、モーブッサンがこの秋に出す本のタイトルは『THE SUCCESS EQUATION』(成功するための方程式)。この本も期待して待ちたいと思います。

2012年6月9日土曜日

ニッチを占める動物は繁栄する(チャーリー・マンガー)

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チャーリー・マンガーによる世知の続きで、今回は「ミクロ経済学」。個別企業の意思決定の話題ですので、ここまでくるとビジネスや投資判断にそのまま使えそうですね。(日本語は拙訳)

人の持つ知恵としては信頼性がいくぶん下がりますが、次に登場する話題はミクロ経済学です。ここでは、自由市場経済を一種の生態系のようなものと捉えれば、いろいろ考える際に便利です。部分的な自由市場であっても同様です。

しかし、この考え方は実に評判が悪いですね。ダーウィンの考えが登場した初期の頃に、泥棒男爵と呼ばれた人たちが次のようにうそぶいていたからです。適者生存の教えは、自分たちこそ権力を持つに値する者だと認めている、と。「一番の金持ちなのだから、われこそ最高なのだ。神、そらに知ろしめす」、などなど。

そのような泥棒男爵のふるまいは大衆をいらだたせました。そのため、経済を生態系のように考えるやりかたは人気がなくなったのです。しかし実のところ、経済は生態系と非常によく似ています。同じような結末にたどり着くことがよくあるのです。

生態系の中にいる場合と同じで、狭い範囲に特化すれば小さなニッチを占有しやすくなります。ニッチを占める動物は繁栄しますが、これはビジネスの世界でも同じで、特定の領域に特化して好業績を挙げている人たちは、他のやり方ではみつけられないような、いい商売をつかみやすくなります。

Now we come to another somewhat less reliable form of human wisdom - microeconomics. And here, I find it quite useful to think of a free market economy - or partly free market economy - as sort of the equivalent of an ecosystem.

This is a very unfashionable way of thinking because early in the days after Darwin came along, people like the robber barons assumed that the doctrine of the survival of the fittest authenticated them as deserving power - you know, “I'm the richest. Therefore, I'm the best. God's in his heaven, etc.”

And that reaction of the robber barons was so irritating to people that it made it unfashionable to think of an economy as an ecosystem. But the truth is that it is a lot like an ecosystem. And you get many of the same results.

Just as in an ecosystem, people who narrowly specialize can get terribly good at occupying some little niche. Just as animals flourish in niches, similarly, people who specialize in the business world - and get very good because they specialize - frequently find good economics that they wouldn't get any other way.


個人的にはニッチ企業が好きで、ポートフォリオの過半はニッチ・トップの企業が占めています。マーケット自体が小さいので、そのような企業には別のリスクがつきものです。悪い目がでたときのシナリオを想定しながら、投資の是非を判断しています。

2012年6月8日金曜日

ウサギとカメ(チャーリー・マンガー)

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2007年に開催されたWescoの年次株主総会で、ウォーレン・バフェットがなぜあんなにすごいのか、その理由をチャーリー・マンガーが説明しています。今回は、そのなかで最重要とされているものをご紹介します。ティルソンのメモからの引用です。(日本語は拙訳)

これはきわめて重要ですよ。勉強熱心なカメは野うさぎを追い越すものですが、ウォーレンの勉強好きといったら世界でも指折りです。もし学ぶのをやめてしまえば、あっというまに置いてきぼりですからね。運も味方をしたようで、彼は引退の年頃を過ぎたというのに未だ上手に学びつづけ、技能を磨いています。65歳を過ぎてからの投資術の向上ぶりは一目瞭然でしょう。ウォーレンのやることなすことをみてきましたが、初期の頃に持っていた知識のままだったら、今とは違って、うすぼんやりとした業績にとどまっていたでしょう。

This is really crucial: Warren is one of the best learning machines on this earth. The turtles who outrun the hares are learning machines. If you stop learning in this world, the world rushes right by you. Warren was lucky that he could still learn effectively and build his skills, even after he reached retirement age. Warren’s investing skills have markedly increased since he turned 65. Having watched the whole process with Warren, I can report that if he had stopped with what he knew at earlier points, the record would be a pale shadow of what it is.


Wesco社をご存じない方は、過去記事の説明がご参考になるかと思います。

2012年6月6日水曜日

いつ株を買うのですか(ジョン・テンプルトン)

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以前にジョン・テンプルトンの「投資で成功するための16のルール」を取り上げましたが、今回はルールその4「安く買うこと」の説明全文をご紹介します。転載されたものですが、原文のファイルはこちらにあります。(日本語は拙訳)

(ルールその4) 安く買うこと

あたり前だと思われるでしょうが、しかし市場ではそうなってはいません。株価があがると、大勢の投資家がどんどん買いにまわりますし、買い手が少ないときは株価は低いものです。投資家が手を引くと、みんな失望して悲観的になります。

ほとんどの人がいっせいに悲観するときには、市場全体が落ちこみます。特定のセクターの銘柄だけが下落するのはよくあることですし、自動車メーカーや損害保険といった業界は定期的な周期で動いています。ときには貯蓄組合や大手の金融機関のような株全体が不人気になることもあります。まあ、理由は何であれ、そんなときに投資家は財布のひもをしめて身を引くのです。人はこう言います、「安く買って高く売れ」と。しかし、そういう人の大半は、高く買って安く売っているのです。「では、いつ株を買うのですか」と尋ねてみてください。たいていはこう返ってくるでしょう。「アナリストが明るい見通しに同意した後ですね」

愚かしいことですが、これが人の常なのです。流れに逆らって進むのはすごく難しいのです。誰もが売っていたり、お先真っ暗だったり、市場全体やある業界やある企業を指して、今買うのは危ないと専門家が口をそろえている、そんなときに株を買うのはすごく難しいことです。

ですが、みんなと同じ株を買うのであれば、成績も同じです。マーケット全体を買うということは、定義上はマーケットの成績を超えることはできません。またみんなと同じものを買うということは、既に割高になった後に手を出していることになります。偉大なる証券アナリストの先駆者ベンジャミン・グレアムの言葉に耳を傾けましょう。「専門家も含めたほとんどの人が悲観的なときに買うこと。そしてすごく楽観的になったら売ること」

大統領の政治顧問だったバーナード・バルークは、もっと簡潔に言っています。「大衆の向かうほうへ進んではならない」。かんたんなことですが、そうするのは難しいものです。

No.4 Buy Low

Of course, you say, that's obvious. Well, it may be, but that isn't the way the market works. When prices are high, a lot of investors are buying a lot of stocks. Prices are low when demand is low. Investors have pulled back, people are discouraged and pessimistic.

When almost everyone is pessimistic at the same time, the entire market collapses. More often, just stocks in particular fields fall. Industries such as automaking and casualty insurance go through regular cycles. Sometimes stocks of companies like the thrift institutions or money-center banks fall out of favor all at once. Whatever the reason, investors are on the sidelines, sitting on their wallets. Yes, they tell you: "Buy low, sell high." But all too many of them bought high and sold low. Then you ask: "When will you buy the stock?" The usual answer: "Why, after analysts agree on a favorable outlook."

This is foolish, but it is human nature. It is extremely difficult to go against the crowd - to buy when everyone else is selling or has sold, to buy when things look darkest, to buy when so many experts are telling you that stocks in general, or in this particular industry, or even in this particular company, are risky right now.

But, if you buy the same securities everyone else is buying, you will have the same results as everyone else. By definition, you can't outperform the market if you buy the market. And chances are if you buy what everyone is buying you will do so only after it is already overpriced. Heed the words of the great pioneer of stock analysis Benjamin Graham: "Buy when most people…including experts…are pessimistic, and sell when they are actively optimistic."

Bernard Baruch, advisor to presidents, was even more succinct: "Never follow the crowd." So simple in concept. So difficult in execution.

2012年6月5日火曜日

単に読めばいいというものではない(チャーリー・マンガー)

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今回は読書のしかたについて、「本の虫」チャーリー・マンガーの考えを『Poor Charlie's Almanack』から引用します。(日本語は拙訳)

我々はたくさん読みますよ。たくさん読まないで賢くなったという人は聞いたことがないですね。ただし、読むだけでは不十分です。そこからなにかアイデアを得ようとする姿勢が必要ですし、その上で理にかなった行動に結びつけなければなりません。ほとんどの人は、正しいアイデアをつかめていないか、アイデアはわかっていても何をしたらよいかわかっていないのです。

We read a lot. I don't kow anyone who's wise who doesn't read a lot. But that's not enough: You have to have a temperament to grab ideas and do sensible things. Most people don't grab the right ideas or don't know what to do with them.


きっとチャーリーは、自分のまわりにいる人たちを観察してきて、このような結論に至ったのでしょうね。チャーリーの言うとおり、個人的にはどちらにも当てはまっています。