ot

2012年6月5日火曜日

単に読めばいいというものではない(チャーリー・マンガー)

0 件のコメント:
今回は読書のしかたについて、「本の虫」チャーリー・マンガーの考えを『Poor Charlie's Almanack』から引用します。(日本語は拙訳)

我々はたくさん読みますよ。たくさん読まないで賢くなったという人は聞いたことがないですね。ただし、読むだけでは不十分です。そこからなにかアイデアを得ようとする姿勢が必要ですし、その上で理にかなった行動に結びつけなければなりません。ほとんどの人は、正しいアイデアをつかめていないか、アイデアはわかっていても何をしたらよいかわかっていないのです。

We read a lot. I don't kow anyone who's wise who doesn't read a lot. But that's not enough: You have to have a temperament to grab ideas and do sensible things. Most people don't grab the right ideas or don't know what to do with them.


きっとチャーリーは、自分のまわりにいる人たちを観察してきて、このような結論に至ったのでしょうね。チャーリーの言うとおり、個人的にはどちらにも当てはまっています。

2012年6月4日月曜日

株価が上がりそうだから買うのではない(ウォーレン・バフェット)

0 件のコメント:
アメリカの経済誌Forbesの1974年11月1日号に掲載されたウォーレン・バフェットのインタビューは、次の有名な言葉で締めくくられています。「今こそ投資をして、お金持ちになりましょう」(Now is the time to invest and get rich.)。今回は同記事の中から、株を買うときにはどうしたらよいか、ウォーレンの助言をご紹介します。(日本語は拙訳)

常識的なものになりますが、あきれるほど安値になっている株を買うことです。どういう基準で安いのかというと、以前から使われているような、純資産、簿価、継続価値[DCF等]といった指標があります。あまり手を出しすぎるのではなく、自分の知っているものにこだわることです。自分で理解しているビジネスだけに的をしぼり、さきほど挙げた評価額や、よい経営者がいるか、厳しい時期でも深手を負わなくてすむかといった点で評価し、基準に達しないものは除きます。わたしの場合はハイテク企業やコングロマリットは理解できないので、手を出しません。そして、株価が上がりそうだから買うのではなく、自分で所有したいと思う企業を買うのです。

Just commonsense ones. Buy stocks that sell at ridiculously low prices. Low by what standards? By the conventional ones of net worth, book value, the value of the business as a going concern. Above all, stick with what you know; don't get too fancy. "Draw a circle around the businesses you understand and then eliminate those that fail to qualify on the basis of value, good management and limited exposure to hard times." No high technology. No multicompanies. "I don't understand them," says Buffett. "Buy into a company because you want to own it, not because you want the stock to go up." (p.41)

以下の図は、この記事が掲載された頃のS&P500のチャートです。赤の矢印は、掲載号の発売日を示しています。さすがはウォーレン、どんぴしゃりです。








一方の日本市場、株価の底がいつやってくるのかわかりませんが、個人的には5月から株を買い進めています。先走ってしまったので、このところは手綱をひいていますが、アメリカ大統領選の11月に向けて、機をみながら買い続けるつもりです。

2012年6月2日土曜日

「ベンチャーキャピタル」の名前の由来

0 件のコメント:
読んでいる本『探求―エネルギーの世紀』で、「ベンチャーキャピタル」という名称が生まれた経緯が書かれていたのでご紹介します。

現代のベンチャーキャピタルに似通ったものは、第二次世界大戦直前に出現した。J.H.ホイットニー&カンパニーという独創的な会社の運用資産には、オレンジジュースの<ミニッツメイド>、テクニカラー社、映画『風と共に去りぬ』への出資などが含まれていた。言い伝えによれば、J.H.ホイットニーのパートナーが、この新型投資の最初の名称を考えたというー"プライベート・アドベンチャー・キャピタル"というものだった。しかし、響きがよくなかった。リスクが極端に大きく、無謀であるかのように思えた。責任ある受託者が、思慮深く管理するよう任されたカネを使って、"冒険"に乗り出すわけがない。そこで、それを縮めて、単純かつ廉直な"ベンチャーキャピタル"という名称に変えた。(下巻 p.225)


はずかしながら、わたしが投資している企業の1社が「アドベンチャー」状態です。何年間も成果が実っておらず、果実が得られるには今後も数年間は待つ必要があります。しかも成功する保証はありません。ウォーレン・バフェットならば、絶対に近寄らない投資先です。いずれは、わたしの失敗投資の事例としてご紹介するつもりです。

2012年6月1日金曜日

会社の物品を私用で使ったら(ウォーレン・バフェット)

0 件のコメント:
ウォーレン・バフェットはバークシャー・ハサウェイの会長兼CEOでありながら、もらっている報酬が低いことで有名です。USドルベースで10万ドル、現在の日本円に換算すると800万円です。「そうはいっても、経費は使いたい放題じゃないの?」と感じた方のために、今回は同社の株主総会招集通知(2012年5月開催分)からご紹介します。

報酬に関する分析

バフェット氏及びマンガー氏の両名は、必要に応じてバークシャーの従業員の助力を得ており、かつ/または、私用目的で使った郵便や電話等の些少な物品及びサービスをバークシャーに負担させている。そのため両名は、バークシャーが支払った費用以上の金額を年度毎に返還している。2011年度分としてバフェット氏がバークシャーに返還した金額は5万ドル[400万円]、マンガー氏は5,500ドル[44万円]である。またバークシャーは、この5年間にわたって身辺保護のためにバフェット氏に対してセキュリティー・サービスを提供してきたが、2011年度の費用は34万6,925ドル[2,800万円弱]だった。この金額は「報酬の要約」において、バフェット氏に関する「その他の費用」に含めてある。なお、多くの大企業では経営トップのために費用のかさむセキュリティー専門の部署を設けているが、各社の株主総会招集通知書面ではその費用細目は公開されていない。バフェット氏及びマンガー氏の両名は社有車を使用せず、あるいは支払が当社名義のクラブには所属していない。さらに両名は社有の航空機を商用目的に限って使用し、私用では使っていない。両名は個人名義でネットジェット[プライベートジェットを扱うバークシャーの子会社]を分割所有し、正規の費用を負担している。

Compensation Discussion and Analysis

Both Mr. Buffett and Mr. Munger will on occasion utilize Berkshire personnel and/or have Berkshire pay for minor items such as postage or phone calls that are personal. Mr. Buffett and Mr. Munger reimburse Berkshire for these costs by making an annual payment to Berkshire in an amount that is equal to or greater than the costs that Berkshire has incurred on their behalf. During 2011, Mr. Buffett reimbursed Berkshire $50,000 and Mr. Munger reimbursed Berkshire $5,500. For about five years Berkshire has provided personal and home security services for Mr. Buffett. The cost for these services was $346,925 in 2011 and is reflected in the Summary Compensation Table as a component of Mr. Buffett’s “All Other Compensation.” It should be noted that many large companies maintain security departments that provide costly services to top executives but for which no itemization is provided in their proxy statements. Mr. Buffett and Mr. Munger do not use Company cars or belong to clubs to which the Company pays dues. It should also be noted that neither Mr. Buffett nor Mr. Munger utilizes corporate-owned aircraft for personal use. Each of them is personally a fractional NetJets owner, paying standard rates, and they use Berkshire-owned aircraft for business purposes only. (p.9)


報酬の返還額に個性が出ているのがおもしろいです。ウォーレンは公私半々といった姿勢ですが、チャーリーは細かく考えているようにみえます。1年が53週間なので1週間あたり100ドルとするか、あるいは1年間に11ヶ月働くとして1ヶ月あたり500ドルとするか。単にわたしの考えすぎかもしれません。

ところで、ウォーレンにセキュリティー・サービスがついているのは、2007年9月に強盗が自宅に侵入しようとした事件があったので、それを踏まえたものと思われます(CNN Money記事)。

2012年5月30日水曜日

現金豊富な日本株の問題なところ(FPA)

2 件のコメント:
ボブ・ロドリゲス率いるファンド会社FPAで国際投資を行っているマネージャーが、モーニングスターのインタビューに応じていたのでご紹介します。話題は割安な日本株についてです。引用元のインタビュー映像(とトランスクリプト)は、A Two-Pronged Approach to Investing in European Stocksです。(日本語は拙訳)

<質問> オークマーク[ファンド]にいたときはアジアの企業をいろいろ対象にされていましたが、FPA International Valueファンドに移ってからはあまり多くは投資していませんね。金融関連の企業と同じように、これも投資に踏み切らない理由が何かあるのでしょうか。

<回答> なるほど、確かにそうですね。アジア株は何年間か追いかけていましたし、日本企業もずっと対象にしていました。日本株はPBRやEV/EBIT倍率がかなり低く、価値の面からみればとても魅力的です。しかしそういった指標が低いのも当然で、かせいだ利益を留保するばかりで、現金が貸借対照表にたまりつづけているからなのです。

経営陣や取締役といった面々と株主の向いている方向が違っているので、割安だと考えて投資するのは問題かもしれません。なぜ現金を寝かしておくかというと理由は単純で、経営陣が株主のために価値を生み出そうとする気がないからです。世界的にみても有力な企業が数多くあるにもかかわらず、経営陣が価値を創出できるかという観点でみると、我々の投資基準には届いていません。資本配分が上手な企業はいくつかはみつかりましたが、あまり割安ではないので、今のところは見送っています。ですが、中期的にはそれらの企業に投資する姿をおみせできるかもしれません。

Davis: In addition to financials, one thing that I do know that when you were at Oakmark, you covered a lot of Asian stocks, but when you look at the [FPA International Value] portfolio, there's not much at all in Asia. So that's an area you're saying no to, as well?

Bokota: That's true; that's interesting. I did spend a number of years covering Asia and a lot of time covering Japan. From a valuation perspective, Japan looks very attractive as it sells at low multiples of price to book value and low multiples of enterprise value to earnings before interest and taxes. And really the commonality there is that the reason these multiples are depressed is because cash has piled up on the balance sheet as companies have not distributed their retained earnings.

The problem that we have with investing in these companies despite their apparently attractive valuations is the lack of alignment between management/board of directors and shareholders. The problem is that management is simply not incentivized to take actions to create value for shareholders, which is why you've seen the cash pile up. So, while there's a lot of well-positioned companies that have globally competitive positions, they don't meet our standards of having management teams which create value. That said, we have identified several high-quality businesses in Japan, which do run the business well from a capital-allocation standpoint. Sadly, they are not cheap enough for us to buy at this time, but it's possible you could see us become invested over the medium term.


個人的には余剰の現預金が多い会社に目がいくほうで、上の指摘は厳しいながら、ごもっともと感じています。それでも自分なりにいくつかの点に気をつけて、そのような会社に投資しています。1点目は、経営者に株主本位の姿勢があるか。具体的には経営者がそれなりに株式を保有しており、自社株買いや増配で株主に報いているかどうかです。株式の保有比率は、過半数を超えていないのが望ましいと考えています。2点目は、留保された資金を有効に使って、会社が着実に成長しているかどうか。細かくはわからないので、過去の経営成績をふりかえって大雑把に判断しています。もちろん、資金を使わないで成長してくれるのであれば、それは一向にかまわないのですが。

蛇足ですが、上記のインタビュー映像に出てくるお二人の対比ぶりが、なんというかほほえましいですね。